歴代作品|エンタメ文化史研究所

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歴代全11作|ワイルドスピード映画の見る順番ガイド

この記事で分かる3つのこと
・2001年の第1作から最新作まで全11作を公開順で網羅
・初心者向け・ブライアン編・時短の3ルートで見る順番を提示
・相関図・名車ランキング・名言集など独自コンテンツ5本収録

2001年にロサンゼルスの路地裏で爆音を響かせたストリートレーサーの物語は、四半世紀で全世界興収70億ドルを突破するハリウッド最大級のフランチャイズへ成長した。
東京の首都高を駆けたTOKYO DRIFT、ドウェイン・ジョンソン参戦で超大作化したMEGA MAX、ポール・ウォーカーに捧げた「See You Again」が世界を泣かせたSKY MISSION。
スピードと爆発の裏で一貫して描かれる「ファミリー」の絆を、同じくハリウッドアクション大作の系譜を追うミッション・インポッシブル記事と併せて堪能してほしい。

シリーズ基礎データ

原題:The Fast and the Furious シリーズ/制作:ユニバーサル・ピクチャーズ/プロデューサー:ニール・H・モリッツ(全作品)
シリーズ構成:メインシリーズ10作+スピンオフ1作(スーパーコンボ)、全11作
主演:ヴィン・ディーゼル(ドミニク・トレット役)、ポール・ウォーカー(第1・2・4〜7作)
シリーズ通算全世界興行収入:約72億ドル超/公開期間:2001年〜継続中(最終三部作の第2章「FOREVER」は2028年公開予定)/日本での愛称:ワイスピ

 

第1期:ストリートレースとカーカルチャーの衝撃(2001-2006)

カーカルチャーとハリウッドが初めて本格的に手を結んだ実験の時代である。夜のロサンゼルスを疾走する改造車と危険な香りを纏う若者たちの世界観は、当時のポップカルチャーに鮮烈な爪痕を残した。
第1作の成功でシリーズ化が決定するも第2作でヴィン・ディーゼルが降板、第3作では東京を舞台にドリフト文化を世界へ発信するスピンオフへ大胆に転換した。興行収入こそ控えめだが、シリーズの原点を築いた重要な「助走期」である。

バンカー荒木 バンカー荒木
第1作を初めて観た時の衝撃は忘れられないぞ。NOS噴射でダッシュするシーンに「こんな映画がハリウッドで作られたのか」と膝を叩いたもんだ。チューニングカー少年には聖典だったな。
ロジック中田 ロジック中田
製作費約3800万ドルで全世界2億ドル超を稼いだ投資対効果は見事です。ただ第2・第3作は興収が伸び悩み、シリーズ存続の危機すら囁かれていた時期でもありますね。
ポップ結衣 ポップ結衣
TOKYO DRIFTで渋谷のスクランブル交差点や首都高が映った時は「知ってる場所だ」って嬉しくなりました。外国映画に自分の街が出ると特別な気持ちになりますよね。

 

No.1 ワイルド・スピード

ワイルド・スピード

ワイルド・スピード

  • ヴィン・ディーゼル
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公開日 2001年6月22日(米国)
興行収入 約2億750万ドル(全世界)
監督 ロブ・コーエン
脚本 ゲイリー・スコット・トンプソン、エリック・バーグクィスト、デヴィッド・エアー
主題歌 サウンドトラックアルバム(BT他)
俳優 ヴィン・ディーゼル(ドミニク・トレット)、ポール・ウォーカー(ブライアン・オコナー)、ミシェル・ロドリゲス(レティ)、ジョーダナ・ブリュースター(ミア・トレット)、リック・ユーン(ジョニー・トラン)、マット・シュルツ(ヴィンス)
メイン声優 ドミニク(内田直哉)、ブライアン(森川智之)、レティ(喜田あゆ美)、ミア(幸田夏穂)、ジョニー・トラン(中田和宏)、ヴィンス(落合弘治)

【見どころ】
1998年にVibe誌に掲載されたルポ「Racer X」に着想を得て誕生した、フランチャイズの記念すべき第1作である。
FBI捜査官がストリートレーサー集団に潜入するクライムアクションという骨格のもと、改造車の爆音と夜のロサンゼルスが当時の若者文化を鮮烈に体現した。製作費3800万ドルの低予算ながら全世界2億ドル超の大ヒットを記録し、カーアクション映画の新定番を誕生させた原点である。

【あらすじ】
ロサンゼルスの夜、ドミニク・トレットを頂点とするストリートレーサー集団が爆走を繰り広げていた。
FBI捜査官ブライアン・オコナーは連続トラック強盗事件を追うためドミニクのチームに潜入する。アンダーグラウンドの世界でドミニクとの友情とミアへの恋心が芽生え、任務と絆の間で揺れるブライアンは最後の決断を迫られる。

【レビュー】
ドムとブライアンが最後にスープラとチャージャーで並走するシーンに、このシリーズの全てが詰まっている。
勝敗よりも隣を走る相手への敬意が胸を熱くする。低予算だからこその生々しいエンジン音とタイヤの焦げた匂いが画面から漂ってくるようで、四半世紀経った今でも色褪せない原点の一本だ。

2001年の時代背景(エンタメ事情)

2001年は9.11同時多発テロがアメリカ社会を根底から揺るがした歴史的な年だ。映画界では『ハリー・ポッターと賢者の石』と『ロード・オブ・ザ・リング』が相次いで公開され、フランチャイズ映画の新時代が幕を開けた。
日本ではモーニング娘。や浜崎あゆみが全盛期を謳歌し、ゲーム機ではPlayStation 2が市場を席巻していた時代である。そんな中『ワイルド・スピード』はアメリカのストリートレーサー文化を一般層に解禁し、日本でもチューニングカーブームの呼び水となった。

No.2 ワイルド・スピード X2

ワイルド・スピード X2

ワイルド・スピード X2

  • ポール・ウォーカー
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公開日 2003年6月6日(米国)
興行収入 約2億3600万ドル(全世界)
監督 ジョン・シングルトン
脚本 マイケル・ブラント、デレク・ハース
主題歌 Ludacris「Act a Fool」ほか
俳優 ポール・ウォーカー(ブライアン・オコナー)、タイリース・ギブソン(ローマン・ピアース)、リュダクリス(テズ・パーカー)、エヴァ・メンデス(モニカ・フェンテス)、コール・ハウザー(カーター・ベローン)、デヴォン青木(スーキー)
メイン声優 ブライアン(森川智之)、ローマン(楠大典)、テズ(江川央生)、モニカ(朴璐美)、カーター(てらそままさき)、スーキー(小池栄子)

【見どころ】
ヴィン・ディーゼル不在のなかブライアンを主役に据え、マイアミの陽光の下で展開するシリーズ第2弾である。
幼馴染ローマン・ピアースとの軽快なバディアクションが見どころで、タイリース・ギブソンとリュダクリスというシリーズの看板キャラ2人がここで初登場を果たした。20年以上にわたるファミリーの顔合わせの原点でもある。

【あらすじ】
FBIを辞したブライアンはマイアミでストリートレースに興じていたが、過去の犯罪歴の帳消しと引き換えに麻薬王カーター・ベローンへの潜入捜査を持ちかけられる。
パートナーに指名した幼馴染ローマンとともに危険な任務に飛び込み、マイアミの強烈な陽光の下でド派手なカーチェイスを展開しながら友情の絆を確かめ合う。

【レビュー】
ブライアンとローマンの掛け合いが最高に楽しい一本である。二人がランチで言い合いながらも背中を預け合う姿に「これがファミリーの始まりか」と実感する。
マイアミの夕陽に染まるカラフルな改造車が画面を彩る映像美も見逃せない。

 

No.3 ワイルド・スピード×3 TOKYO DRIFT

公開日 2006年6月16日(米国)
興行収入 約1億5900万ドル(全世界)
監督 ジャスティン・リン
脚本 クリス・モーガン
主題歌 Teriyaki Boyz「Tokyo Drift (Fast & Furious)」
俳優 ルーカス・ブラック(ショーン・ボズウェル)、サン・カン(ハン)、ブライアン・ティー(タカシ / DK)、ナタリー・ケリー(ニーラ)、バウ・ワウ(トゥインキー)、北川景子(レイコ)
メイン声優 ショーン(小西克幸)、ハン(室園丈裕)、タカシ(最上嗣生)、ニーラ(佐古真弓)、トゥインキー(大畑伸太郎)、北川景子・千葉真一(原音流用)

【見どころ】
東京を舞台に「ドリフト」を正面から描いた異色のスピンオフ的第3作である。渋谷や首都高のリアルな描写と日本のチューニングカー文化へのリスペクトが世界中のファンを魅了した。
後のシリーズで重要キャラとなるハンの初登場作であり、北川景子がオーディションで大抜擢されたことでも知られる。主題歌「Tokyo Drift」は世界的ヒットとなった。

【あらすじ】
問題行動を繰り返すアメリカ人少年ショーンは東京に住む父のもとへ送られ、地下駐車場で行われるドリフトレースの世界に迷い込む。
謎めいた男ハンと出会いクルマの真の楽しみ方を学ぶが、地元の実力者DKとの因縁が深まり、首都高の夜を舞台にした仁義なきドリフト対決へと突き進む。

【レビュー】
首都高のヘアピンカーブをドリフトで抜けていくシーンで心臓が止まりそうになる。
ショーンがハンの背中を見ながら成長していく姿に青春映画としての輝きがあり、シリーズ随一の「日本愛」が詰まった一作だ。千葉真一の貫禄ある佇まいも見逃せない。

 

第2期:ファミリー集結とハイスト超大作路線(2009-2013)

3年の沈黙を破り2009年の第4作でドミニクとブライアンが同じスクリーンに帰還した。「ファミリーの再結集」が観客の心に響き、全世界3.6億ドルのシリーズ最高記録を当時に樹立する。
第5作ではブラジルを舞台にした大規模強奪作戦を展開し、ドウェイン・ジョンソンの加入で一気にスケールが膨張。「カーレース映画」から「チーム型ハイスト&アクション超大作」への完全転換を果たした時期である。

ポップ結衣 ポップ結衣
MEGA MAXでドウェイン・ジョンソンが初登場した時は「この人本当に人間なの」って思うくらいの筋肉量でした。ヴィン・ディーゼルと鉄拳をぶつけ合う場面は迫力満点でしたよ。
バンカー荒木 バンカー荒木
この時期から「カーレース映画」じゃなくて「みんな大好きファミリーの無双映画」になったんだよな。金庫を車で引きずってリオの街を爆走するMEGA MAXのクライマックスは映画史に残る名場面だぞ。
ロジック中田 ロジック中田
第4作から第6作の興収推移は3.6億→6.3億→7.9億ドルと右肩上がりです。「ファミリー」という感情的な核とアクションのスケールアップが見事にシンクロした結果でしょう。

 

No.4 ワイルド・スピード MAX

ワイルド・スピード MAX

ワイルド・スピード MAX

  • ヴィン・ディーゼル
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公開日 2009年4月3日(米国)
興行収入 約3億6300万ドル(全世界)
監督 ジャスティン・リン
脚本 クリス・モーガン
主題歌 ブライアン・タイラー(スコア)
俳優 ヴィン・ディーゼル(ドミニク・トレット)、ポール・ウォーカー(ブライアン・オコナー)、ミシェル・ロドリゲス(レティ)、ジョーダナ・ブリュースター(ミア・トレット)、ジョン・オーティス(カンポス / ブラガ)、ガル・ガドット(ジゼル)
メイン声優 ドミニク(楠大典)、ブライアン(高橋広樹)、レティ(甲斐田裕子)、ミア(園崎未恵)、カンポス(後藤哲夫)、ジゼル(藤井リナ)

【見どころ】
4年ぶりにドミニクとブライアンが揃い踏みを果たし、シリーズ完全復活を宣言した第4作である。レティの死という悲痛な喪失を軸に復讐と正義が交錯するシリアスなトーンへ一新。
前2作の軽快さを脱ぎ捨て重厚なアクション路線への転換を果たした真の転換点であり、のちにワンダーウーマンで世界的スターとなるガル・ガドットが初登場した作品でもある。

【あらすじ】
逃亡生活を送っていたドミニクは愛するレティが殺されたとの知らせを受け、仇討ちのためロサンゼルスへ戻る。一方ブライアンはFBIに復帰し同じ麻薬組織を追っていた。
別々の目的で同じ敵を追う二人は否応なく共闘することになり、友情と任務と復讐が複雑に絡み合いながら物語が再び動き出す。

【レビュー】
ドムとブライアンが再会した瞬間の無言の緊張感だけで涙腺が緩む。二人の間にある「許し」と「信頼」の重さが画面越しに伝わってきて、ただのアクション映画では終わらせない説得力がある。
シリーズの起死回生の一打として語り継がれる力作だ。

2009年の時代背景(エンタメ事情)

2008年のリーマンショック後の景気低迷ムードの中で迎えた2009年は、閉塞感を打ち破ろうとする娯楽への渇望が世界的に高まった年だ。
映画界では年末にジェームズ・キャメロン監督の『アバター』が3D映画ブームの火付け役となり映画館体験そのものを刷新した。日本ではAKB48が急速に台頭し、アニメ『けいおん』が深夜アニメとしては異例のムーブメントを起こした年でもある。
そんな閉塞した時代に公開された本作は、仲間を失った男の復讐劇で世界中のファンを映画館に呼び戻した。

No.5 ワイルド・スピード MEGA MAX

ワイルド・スピード MEGA MAX

ワイルド・スピード MEGA MAX

  • ヴィン・ディーゼル
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公開日 2011年4月29日(米国)
興行収入 約6億2600万ドル(全世界)
監督 ジャスティン・リン
脚本 クリス・モーガン
主題歌 Don Omar ft. Lucenzo「Danza Kuduro」
俳優 ヴィン・ディーゼル(ドミニク・トレット)、ポール・ウォーカー(ブライアン・オコナー)、ドウェイン・ジョンソン(ルーク・ホブス)、タイリース・ギブソン(ローマン)、リュダクリス(テズ)、ガル・ガドット(ジゼル)
メイン声優 ドミニク(楠大典)、ブライアン(高橋広樹)、ホブス(小山力也)、ローマン(松田健一郎)、テズ(渡辺穣)、ジゼル(東條加那子)

【見どころ】
シリーズの方向性を「カーレース映画」から「超大型チームアクション」へ決定的に転換させた記念碑的第5作である。
リオデジャネイロを舞台に腐敗した麻薬王からの金塊強奪を描くハイスト映画の骨格を採用し、DSS捜査官ホブスとしてドウェイン・ジョンソンが電撃参戦した。全世界6.3億ドルは、同年公開のトランスフォーマーと並ぶ超大作フランチャイズへの脱皮を世界に証明した数字である。

【あらすじ】
ブラジルで指名手配中のドミニクたちはリオを牛耳る麻薬王レイエスの黒い金を奪う壮大な強奪計画を立案する。
世界各地から旧友を集めた精鋭チームで難攻不落の警察署内の金庫に挑むが、DSS捜査官ホブスが巨大な拳を振り回しながら追い詰めてくる。二つの力がぶつかるとき、リオの街で空前の破壊劇が幕を開ける。

【レビュー】
金庫を2台の車で引きずりながらリオの街を爆走するクライマックスは、頭のネジが完全に外れていて最高である。「そんなわけあるか」と笑いながらも拳を握ってしまう不思議な求心力がこの映画にはある。
シリーズの最高到達点として推す声が多いのも納得の完成度だ。

 

No.6 ワイルド・スピード EURO MISSION

ワイルド・スピード EURO MISSION
公開日 2013年5月24日(米国)
興行収入 約7億8900万ドル(全世界)
監督 ジャスティン・リン
脚本 クリス・モーガン
主題歌 2 Chainz ft. Wiz Khalifa「We Own It」
俳優 ヴィン・ディーゼル(ドミニク・トレット)、ポール・ウォーカー(ブライアン・オコナー)、ドウェイン・ジョンソン(ホブス)、ミシェル・ロドリゲス(レティ)、ルーク・エヴァンズ(オーウェン・ショウ)、ガル・ガドット(ジゼル)
メイン声優 ドミニク(楠大典)、ブライアン(高橋広樹)、ホブス(小山力也)、レティ(甲斐田裕子)、オーウェン・ショウ(東地宏樹)、ジゼル(東條加那子)

【見どころ】
死んだはずのレティが生きていたという衝撃の展開を軸に、ロンドンと欧州を縦断する超大型アクションが展開される第6作である。
テロリストのオーウェン・ショウを演じるルーク・エヴァンズの冷徹な存在感がシリーズ屈指の緊張感を生み、ファミリー総動員の「オールスターチーム」形式がここで完成した。エンドクレジット後のシーンがSKY MISSIONへの重大な伏線となっている。

【あらすじ】
引退生活を送るドミニクのもとにホブスが現れ、死んだはずのレティが国際犯罪組織のメンバーとして生存していると告げる。
レティを取り戻すためファミリーは再結集し、記憶を失ったレティと対峙しながらオーウェン・ショウの組織壊滅に挑む。ロンドンの滑走路を舞台にした決戦は世界最長の滑走路アクションとして語り草だ。

【レビュー】
記憶を失ったレティがドムの顔を見ても何も思い出せないシーンが切なくて胸が痛い。それでも「ファミリーは諦めない」と走り続けるドムの姿に泣かされる。
滑走路アクションの物理法則は完全に崩壊しているが、この映画にツッコミは野暮だと思わせる熱量がある。

 

第3期:世界興収15億ドルとポール・ウォーカーの遺産(2015-2019)

シリーズは全世界興収15億ドルの壁を突破し、名実ともにハリウッドの頂点に立った。だがその頂にはポール・ウォーカーの不在という深い喪失が刻まれている。
2013年11月30日、撮影中のSKY MISSIONの完成を待たずしてポールは自動車事故で帰らぬ人となった。弟コディとケイレブの協力とCGI技術でブライアンの最後の雄姿が完成し、「See You Again」が世界中の涙を誘った。その後シリーズは新たなヴィラン・サイファーの登場とスピンオフで進化を続けた。

ポップ結衣 ポップ結衣
SKY MISSIONのラストでドムとブライアンが並走して別れの交差点を迎えるシーン、映画館で声を押し殺して泣きました。あんなに美しいお別れは映画史でもなかなかないと思います。
バンカー荒木 バンカー荒木
ポール・ウォーカーの死は本当に痛かった。だがスタッフとキャストが彼への敬意を込めてSKY MISSIONを完成させた事実こそ、このシリーズが語り続ける「ファミリー」の真骨頂だな。
ロジック中田 ロジック中田
SKY MISSIONは全世界15.2億ドルでシリーズ最高記録を打ち立てました。追悼効果だけでは説明できない完成度の高さが数字に表れています。スピンオフのスーパーコンボも7.6億ドルと大健闘ですね。

 

No.7 ワイルド・スピード SKY MISSION

ワイルド・スピード SKY MISSION

ワイルド・スピード SKY MISSION

  • ヴィン・ディーゼル
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公開日 2015年4月3日(米国)
興行収入 約15億1600万ドル(全世界)
監督 ジェームズ・ワン
脚本 クリス・モーガン
主題歌 Wiz Khalifa ft. Charlie Puth「See You Again」
俳優 ヴィン・ディーゼル(ドミニク・トレット)、ポール・ウォーカー(ブライアン・オコナー)、ドウェイン・ジョンソン(ホブス)、ジェイソン・ステイサム(デッカード・ショウ)、ミシェル・ロドリゲス(レティ)、カート・ラッセル(ミスター・ノーバディ)、ナタリー・エマニュエル(ラムジー)、ジャイモン・フンスー(ジャカンデ)、トニー・ジャー(キエット)
メイン声優 ドミニク(楠大典)、ブライアン(高橋広樹)、ホブス(小山力也)、デッカード・ショウ(山路和弘)、レティ(甲斐田裕子)、ラムジー(坂本真綾)

【見どころ】
シリーズ最高傑作の呼び声が高い第7作であり、ポール・ウォーカーへの壮大な餞別でもある。撮影途中でポールが交通事故死し、弟のコディとケイレブがボディダブルを務めCGI技術で完成に至った。
飛行機から車ごと降下するスカイダイブアクション、アブダビの超高層ビル間を飛び移るスタント等、ジェームズ・ワン監督のもとで映像の限界に挑戦した一作である。全世界15.2億ドルはシリーズ歴代最高記録だ。

【あらすじ】
EURO MISSIONで投獄されたオーウェン・ショウの兄デッカードが復讐に現れ、ファミリーを次々と襲撃する。
謎の諜報員ミスター・ノーバディの助力を得てサイバーテロ防止装置「ゴッド・アイ」の確保に動くドミニクたちは、コーカサスの山岳地帯からアブダビの超高層ビルまで世界を股にかけたデッカードとの死闘に挑む。

【レビュー】
ラスト、分かれ道でドムがブライアンの白いスープラを見つめ「See You Again」が流れ出す瞬間に劇場が嗚咽に包まれた。
あのシーンはポール・ウォーカーという俳優への、そしてブライアン・オコナーというキャラクターへの最高の手向けである。アクション映画がここまで人を泣かせられることを世界に証明した傑作だ。

2015年の時代背景(エンタメ事情)

2015年は映画界が続編と新シリーズで史上最高の興収を更新し続けた年である。年末に公開された『スター・ウォーズ / フォースの覚醒』が全世界20億ドル超を叩き出し、『ジュラシック・ワールド』が16.7億ドルで歴代3位に躍り出た。
日本では「爆買い」が流行語となりインバウンド需要が急拡大、音楽ではきゃりーぱみゅぱみゅのワールドツアーやSEKAI NO OWARIの紅白出場が話題となった。
そうした「続編の豊作年」の最前線で本作はポールの死を超えて感動と興行記録の両方を打ち立て、アクション映画の金字塔となった。

No.8 ワイルド・スピード ICE BREAK

ワイルド・スピード ICE BREAK

ワイルド・スピード ICE BREAK

  • ヴィン・ディーゼル
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公開日 2017年4月14日(米国)
興行収入 約12億3600万ドル(全世界)
監督 F・ゲイリー・グレイ
脚本 クリス・モーガン
主題歌 Pitbull & J Balvin ft. Camila Cabello「Hey Ma」
俳優 ヴィン・ディーゼル(ドミニク・トレット)、ドウェイン・ジョンソン(ホブス)、ジェイソン・ステイサム(デッカード・ショウ)、シャーリーズ・セロン(サイファー)、ミシェル・ロドリゲス(レティ)、タイリース・ギブソン(ローマン)、リュダクリス(テズ)、ナタリー・エマニュエル(ラムジー)、スコット・イーストウッド(リトル・ノーバディ)、カート・ラッセル(ミスター・ノーバディ)
メイン声優 ドミニク(楠大典)、ホブス(小山力也)、デッカード・ショウ(山路和弘)、サイファー(田中敦子)、レティ(甲斐田裕子)、ローマン(松田健一郎)

【見どころ】
「ドムがファミリーを裏切る」という禁断のプロットで観客の度肝を抜いた第8作である。天才サイバーテロリスト・サイファーを演じるシャーリーズ・セロンの冷徹な知性がシリーズに新たな脅威をもたらした。
ニューヨークで大量の自動運転車をハッキングして武器に変えるシーンや、ロシアの氷原で原子力潜水艦と車が追いかけっこをする圧巻のクライマックスなど、常識を完全に超越したアクションが連続する。

【あらすじ】
ハバナでの新婚旅行を楽しむドミニクの前に謎の女サイファーが現れ、ある秘密を盾にファミリーへの裏切りを強要する。
仲間を敵に回してまでサイファーに従うドムの行動の真意がわからぬまま、ホブスとデッカードは呉越同舟のチームを組みドム奪還に動く。ニューヨークからロシアの氷原へ、裏切りの真相が明かされるとき全てが反転する。

【レビュー】
「ドムが裏切った」と知った瞬間のファミリーの動揺が痛いほど伝わってきて、シリーズ屈指の緊迫感がある。しかしその裏に隠された理由が明かされた時、やはりドムはドムだったと胸が熱くなる。
ホブスとデッカードの刑務所脱出シーンの掛け合いは本作最大の笑いどころだ。

 

No.9 ワイルド・スピード / スーパーコンボ

公開日 2019年8月2日(米国)
興行収入 約7億6000万ドル(全世界)
監督 デヴィッド・リーチ
脚本 クリス・モーガン、ドリュー・ピアース
主題歌 Idris Elba「The World's on Fire」ほか
俳優 ドウェイン・ジョンソン(ホブス)、ジェイソン・ステイサム(デッカード・ショウ)、イドリス・エルバ(ブリクストン)、ヴァネッサ・カービー(ハッティ・ショウ)、ヘレン・ミレン(マグダレーン・ショウ)
メイン声優 ホブス(小山力也)、デッカード・ショウ(山路和弘)、ブリクストン(安元洋貴)、ハッティ(園崎未恵)、マグダレーン(一城みゆ希)

【見どころ】
ホブスとデッカード・ショウを主役に据えたシリーズ初のスピンオフ作品である。『デッドプール2』のデヴィッド・リーチ監督を迎え、メインシリーズとは一味違うバディコメディ色の強いアクションに仕上がった。
イドリス・エルバ演じる機械強化人間ブリクストンの圧倒的な戦闘力、サモアでのホブス一族総出の決戦など見どころが豊富で、ライアン・レイノルズのサプライズ出演も話題を呼んだ。

【あらすじ】
MI6工作員ハッティ・ショウが人類絶滅級のウイルス兵器を奪い逃走したとの報せを受け、CIAはホブスを、MI6はデッカードを独立に投入する。
犬猿の仲の二人は反目し合いながらもハッティの救出とウイルスの回収に協力せざるを得なくなり、機械強化テロリスト・ブリクストンとの壮絶な対決がサモアの地で繰り広げられる。

【レビュー】
ホブスとデッカードの罵り合いが漫才レベルで面白く、気がつくと笑い声が止まらない。二人とも常人離れした戦闘力なのにお互いの足を引っ張り合う展開が最高に楽しい。
サモアでホブスの家族が総出で戦う場面は「ファミリー」のテーマを別角度から体現した名シーンだ。

 

第4期:最終三部作と次世代への継承(2021-現在)

コロナ禍を経て2021年に公開されたジェットブレイクで最終三部作「ファスト・サーガ」の幕が切って落とされた。ドミニクの弟ジェイコブの登場でトレット家の過去が掘り下げられ、物語は宇宙にまで飛び出す荒唐無稽さを堂々と見せつけた。
続く第11作ファイヤーブーストではジェイソン・モモアが華麗なるヴィランを怪演し、サイファーとの最終決戦が描かれた。最終章第2弾「FOREVER」は2028年公開予定であり、四半世紀のファミリー・サーガがいよいよ完結に向かう。

バンカー荒木 バンカー荒木
ジェットブレイクで車が宇宙に飛び出した時は「ついにここまで来たか」と大爆笑したぞ。もう物理法則なんて言葉はこのシリーズの辞書から消え去っている。最高だ。
ロジック中田 ロジック中田
ファイヤーブーストの製作費3.4億ドルは映画史上8番目の高額です。しかし全世界7.1億ドルの興収は製作費を考えると厳しい数字で、シリーズの転換期を迎えていることが数字にも表れていますね。
ポップ結衣 ポップ結衣
ジェイソン・モモアのダンテが予想外にキュートな悪役で驚きました。残忍なのに愛嬌があるというキャラ造形はシリーズの新しい風でしたね。FOREVERでどう完結するのか楽しみです。

 

No.10 ワイルド・スピード / ジェットブレイク

公開日 2021年6月25日(米国)
興行収入 約7億2600万ドル(全世界)
監督 ジャスティン・リン
脚本 ダニエル・ケイシー、ジャスティン・リン
主題歌 NLE Choppa & Lil Jon「Snap」ほか
俳優 ヴィン・ディーゼル(ドミニク・トレット)、ミシェル・ロドリゲス(レティ)、ジョン・シナ(ジェイコブ・トレット)、タイリース・ギブソン(ローマン)、リュダクリス(テズ)、ナタリー・エマニュエル(ラムジー)、サン・カン(ハン)、シャーリーズ・セロン(サイファー)
メイン声優 ドミニク(楠大典)、レティ(甲斐田裕子)、ジェイコブ(木村昴)、ローマン(松田健一郎)、テズ(渡辺穣)、サイファー(田中敦子)

【見どころ】
最終三部作の第1章として、ドミニクに生き別れの弟ジェイコブがいたという衝撃の新設定が投入された第10作である。ジョン・シナがジェイコブを演じ、トレット家の過去と現在が激突する。
ローマンとテズがロケット搭載の車で宇宙に飛び出すシーンはシリーズ史上最大のぶっ飛び展開であり、TOKYO DRIFTのハンが復活する驚愕のサプライズも盛り込まれた。

【あらすじ】
田舎で子育てに励むドミニクとレティの前にサイファーの影が再び忍び寄る。その背後にいたのはドミニクの実弟ジェイコブだった。
父の事故死にまつわる確執から兄を憎むジェイコブは世界を掌握できる兵器「アリエス」の起動を企む。過去の罪を背負いながらドミニクはファミリーを再結集し、弟との宿命の対決に挑む。

【レビュー】
車で宇宙に行くという前代未聞の展開に最初は呆気にとられるが、ローマンの「俺たち不死身なのか」というメタ的なセリフに大笑いして許してしまう。
ジェイコブとの兄弟の確執にはトレット家の新たな深みがあり、ファミリーの定義を血の絆にまで拡張した意欲作だ。

2021年の時代背景(エンタメ事情)

2021年は新型コロナウイルスのパンデミックが2年目に突入し、映画産業が劇場公開と配信の共存という新常態に揺れた年である。マーベルが『シャン・チー』や『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』で劇場の力を再証明した一方、Disney+やHBO Maxなど配信プラットフォームが急拡大した。
日本では東京オリンピックが無観客で開催され、大谷翔平のMVP受賞が日本中を沸かせた。
コロナ禍の制約の中で公開された本作は全世界7.3億ドルを記録し、劇場体験への渇望をファミリーの力で満たした。

No.11 ワイルド・スピード / ファイヤーブースト

公開日 2023年5月19日(米国)
興行収入 約7億1400万ドル(全世界)
監督 ルイ・レテリエ
脚本 ジャスティン・リン、ダニエル・ケイシー(リン降板後レテリエが引き継ぎ)
主題歌 YoungBoy Never Broke Again「I Got the Bag」ほか
俳優 ヴィン・ディーゼル(ドミニク・トレット)、ジェイソン・モモア(ダンテ・レイエス)、ミシェル・ロドリゲス(レティ)、タイリース・ギブソン(ローマン)、リュダクリス(テズ)、ナタリー・エマニュエル(ラムジー)、ジョン・シナ(ジェイコブ)、ジェイソン・ステイサム(デッカード・ショウ)、シャーリーズ・セロン(サイファー)、ブリー・ラーソン(テス)
メイン声優 ドミニク(楠大典)、ダンテ(津田健次郎)、レティ(甲斐田裕子)、ローマン(松田健一郎)、テズ(渡辺穣)、サイファー(田中敦子)

【見どころ】
最終三部作の第2章であり、撮影中にジャスティン・リン監督が降板しルイ・レテリエが引き継ぐという波乱を乗り越えて完成した第11作である。
ジェイソン・モモアが演じるダンテ・レイエスは、MEGA MAXで倒された麻薬王レイエスの息子で華麗にして残忍なヴィラン像を確立した。製作費3.4億ドルは映画史上8番目の巨額だ。ポルトガルのダムを爆破するクライマックスは必見である。

【あらすじ】
MEGA MAXで一家が崩壊したことを恨むレイエスの息子ダンテが、ドミニクのファミリー一人一人を標的にした復讐劇を開始する。
ドミニクは過去の因縁に決着をつけるため息子を守りながら世界各地を転戦するが、ダンテの周到な罠がファミリーを次々と窮地に追い込む。ローマとリスボンを舞台に繰り広げられる攻防の果てに衝撃の結末が待ち受ける。

【レビュー】
ジェイソン・モモアのダンテが陽気にネイルを塗りながら人を追い詰める姿が新鮮で、従来のヴィランとは一線を画す魅力がある。
ジェイコブの覚悟、サイファーとの決着など伏線の回収も多く見応え十分だ。FOREVERへの巨大な「引き」で幕を閉じる構成に、完結への期待が否応なく高まる。

 

おすすめ名作ランキングTOP3

第1位 ワイルド・スピード SKY MISSION(2015年)

全世界15.2億ドルという興収が全てを物語るシリーズ最高傑作である。空から車を投下するスカイダイブやアブダビのビル間ジャンプといった超絶アクションの連打もさることながら、ポール・ウォーカーへの追悼として完成されたラストシーンが人類の涙腺を破壊した。
「See You Again」が流れる中、ドムとブライアンが最後の並走を経て別々の道へ走り去る場面は、アクション映画が到達しうる感動の最高地点だ。歴代シリーズの全てのキャラクターと思い出が収束する一作として、第1位にふさわしい。

第2位 ワイルド・スピード MEGA MAX(2011年)

シリーズの方向転換を決定づけた、ファンからの支持率が最も高い一作である。金庫を2台の車で引きずりながらリオの市街地を爆走するクライマックスは映画史に刻まれる名場面であり、頭のネジが完全に外れた豪快さと緻密なハイスト映画の骨格が見事に共存している。
ドウェイン・ジョンソンの初参戦でパワーバランスが一変し、カーレース映画からチーム型超大作への進化を世界に宣言した記念碑的作品だ。

第3位 ワイルド・スピード(2001年)

全ての始まりにして永遠の原点。製作費3800万ドルの低予算から全世界2億ドル超のヒットを生み出した、カーアクション映画の革命児である。
ドムとブライアンのスープラ対チャージャーのラストランに「ファミリー」の原型が宿っており、四半世紀を経ても色褪せない純度の高さは全11作の中でも唯一無二だ。このシリーズを知らない人にまず勧めたい一本として第3位に選出した。

 

ワイルドスピードの見る順番ガイド

全11作を一気に観るのは約24時間の大プロジェクトとなるため、目的別に3つのルートを用意した。自分の時間と興味に合ったルートを選んで、ファミリーの物語に飛び込んでほしい。

ルート1:初心者向け厳選5本コース

シリーズ未体験の方にまず観てほしい必須5本を厳選したルートである。この5本で「ファミリー」の誕生から最高到達点、そしてポールへの別れまでを体験できる。

第1作『ワイルド・スピード』→ 第4作『MAX』→ 第5作『MEGA MAX』→ 第6作『EURO MISSION』→ 第7作『SKY MISSION』

第1作で原点を知り、第4作でシリーズが本格再始動する興奮を味わい、第5作の金庫強奪で頂点に達し、第6・7作で感動のクライマックスを迎える。
この5本で約10時間、シリーズの核心を十分に堪能できる。残りが気になったら第2作以降を後追いすればよい。

ルート2:ブライアン全出演作6本コース

ポール・ウォーカー演じるブライアン・オコナーの全出演作を追うルートである。彼の成長と選択の軌跡がシリーズ最大の感動線であり、SKY MISSIONのラストの重みが最大化される。

第1作『ワイルド・スピード』→ 第2作『X2』→ 第4作『MAX』→ 第5作『MEGA MAX』→ 第6作『EURO MISSION』→ 第7作『SKY MISSION』

ブライアンが潜入捜査官から逃亡者、FBI復帰、そして父親へと変わっていく過程を6本で追体験する。
約13時間の旅路だが、SKY MISSIONの「See You Again」で全てが報われる構成だ。

ルート3:時短3本コース

時間がないが雰囲気だけ味わいたいという方へ向けた最短ルートである。原点、頂点、そしてシリーズ最大の感動を3本で体験する。

第1作『ワイルド・スピード』→ 第5作『MEGA MAX』→ 第7作『SKY MISSION』

約6時間でカーレースの原点、超大作への飛躍、ポールへの別れという3つの転換点を押さえられる。
余力があればスピンオフの『スーパーコンボ』も単体で楽しめる一作としておすすめだ。

 

質問(FAQ)コーナー

Q. ワイルドスピードは全部で何作ありますか?
2023年時点でメインシリーズ10作とスピンオフ1作(スーパーコンボ)の計11作が公開されている。最終三部作の完結編「FOREVER」が2028年3月17日に米国公開予定である。
Q. 初めて見るなら何作目からがおすすめですか?
公開順どおり第1作『ワイルド・スピード』から観るのが最もおすすめである。ただし時間がない場合は本記事の「初心者向け厳選5本コース」を参考にしてほしい。第1作→第4作→第5作→第6作→第7作の5本でシリーズの核心を体験できる。
Q. TOKYO DRIFTは飛ばしても大丈夫ですか?
物語の時系列上TOKYO DRIFTは第6作の後に位置するため、公開順で飛ばしてもメインストーリーの理解には支障がない。ただしハンというキャラクターの背景を知るうえで重要な一作であり、第9作ジェットブレイクでの「ハン復活」の感動を最大化するには視聴を強く推奨する。
Q. スーパーコンボはメインシリーズと繋がっていますか?
スーパーコンボはホブスとデッカード・ショウを主役にしたスピンオフ作品で、メインシリーズの第8作と第9作の間の時期に位置する。メインストーリーとの直接的な繋がりは薄いが、デッカードの家族関係やホブスのサモアのルーツなど、キャラクターの掘り下げが楽しめる。単体でも十分に面白い一本である。
Q. ワイルドスピードの時系列順と公開順はどう違いますか?
最大の違いはTOKYO DRIFTの位置である。公開順では第3作だが、劇中の時系列では第6作と第7作の間に位置する。ハンの死がTOKYO DRIFTで描かれ、その犯人がEURO MISSIONのエンドクレジット後に明かされるという構成のためだ。本記事後半の「時系列と公開順の対応表」で詳しく整理しているので参照してほしい。

 

ファミリー相関図

ワイルドスピードの最大の魅力はキャラクター同士の複雑な人間関係である。11作を通じて築かれた「ファミリー」の絆を、中心人物ドミニク・トレットを軸に整理した。

トレット家の血縁

ドミニク・トレットを長兄とするトレット家は、妹ミア、弟ジェイコブの3兄妹で構成される。父ジャック・トレットはストックカーレーサーだったがレース中の事故で死亡し、その死の真相がドミニクとジェイコブの確執の原因となった。
ドミニクの妻はレティ・オルティスで、第6作で記憶を失った状態で再会し第8作で息子ブライアン(故ブライアン・オコナーにちなんで命名)が誕生した。ミアはブライアン・オコナーと結婚し、二人の子をもうけている。

ブライアン・オコナーの立場

元FBI捜査官のブライアンは第1作でドミニクを見逃したことで法の側から離脱した。第2作で幼馴染ローマンと再会、第4作でFBIに復帰しドミニクと共闘、第5作以降はファミリーの中核メンバーとしてミアとともにチームを支えた。
第7作SKY MISSIONが最後の出演となり、劇中ではミアと子供たちとの穏やかな生活に入る形でシリーズから退場した。

合流した仲間たち

ローマン・ピアース(第2作〜)とテズ・パーカー(第2作〜)はブライアンの旧友として合流し、シリーズの常連となった。ハン・ルー(第3作〜)はTOKYO DRIFTで初登場し第6作で死亡したと思われたが第9作で復活を果たす。
ラムジー(第7作〜)は天才ハッカーとしてファミリーに加わり、ジゼル・ヤシャール(第4〜6作)はハンの恋人として活躍したが第6作で殉職した。

追う側から味方へ

DSS捜査官ルーク・ホブス(第5作〜)は当初ドミニクを追う敵だったが共闘を経て盟友となった。デッカード・ショウ(第7作〜)は弟オーウェンの仇としてファミリーを襲撃したが、第8作以降は味方に転じた。
謎の諜報員ミスター・ノーバディ(第7作〜)はファミリーに任務を持ちかける政府側の窓口的存在である。

歴代ヴィラン

第4作の麻薬王ブラガ、第5作のリオの実力者レイエス、第6作のオーウェン・ショウ、第7作のデッカード・ショウ、第8作以降のサイバーテロリスト・サイファー、第10・11作のダンテ・レイエス(第5作レイエスの息子)。
初期のストリートレベルの敵から国家規模のテロリストへとヴィランのスケールがインフレしていく過程は、シリーズの進化そのものを映している。

 

歴代名車ベスト10

ワイルドスピードの真の主役は車である。11作に登場した数百台の名車の中から、物語における重要度と映像的インパクトで厳選した10台を紹介する。

第1位 1970年式ダッジ・チャージャー R/T

ドミニク・トレットの魂そのものといえる漆黒のマッスルカーである。父ジャックから受け継いだこの車は全11作にわたって登場し、シリーズの象徴として君臨し続けている。
900馬力超のHEMIエンジンが奏でる重低音はドミニクの存在感そのものであり、第1作のラストランから最終三部作まで「ファミリー」の精神を体現する一台だ。

第2位 1994年式トヨタ・スープラ MK IV

ブライアン・オコナーの代名詞であるオレンジ色のスープラである。第1作でドミニクへの友情の証としてこの車を手渡すシーンはシリーズ屈指の名場面だ。
SKY MISSIONのラストでも白いスープラが登場し、ブライアンとの別れを象徴する車として永遠に記憶に刻まれた。現実世界でもこの映画の影響でMK IVスープラの中古価格が高騰した。

第3位 日産スカイラインGT-R R34

ブライアンが第2作X2で駆ったシルバーのR34は、日本車チューニング文化の頂点を世界に知らしめた。TOKYO DRIFTにもR34は登場し、日本車がハリウッド映画の主役を張れることを証明した記念碑的な一台である。

第4位 1970年式プリムス・ロードランナー

ドミニクの父ジャックが愛用し、ジェットブレイクでドミニクとジェイコブの回想シーンに登場したマッスルカーである。トレット家の原点であり、兄弟の確執と和解を象徴する感情的に重要な車だ。

第5位 1966年式シボレー・コルベット

第8作ICE BREAKの冒頭、ハバナの街を駆け抜けたヴィンテージカーである。キューバの陽光に映えるクラシックな佇まいが圧倒的な映像美を生み出した。

第6位 フォード・エスコート RS MK I

SKY MISSIONでブライアンが乗った青いエスコートで、アゼルバイジャンの山道を疾走する序盤の見せ場を彩った。クラシックなラリーカーの魅力がアクション映画と見事に融合している。

第7位 レクサスLFA

EURO MISSIONのロンドン市街戦でヴィンスが操ったスーパーカーである。日本が誇るV10エンジンの咆哮がロンドンの夜に響き渡る場面は日本車ファンの胸を熱くした。

第8位 ライカン・ハイパースポーツ

SKY MISSIONのアブダビで超高層ビルの窓を突き破って飛び出した中東製ハイパーカーである。時価340万ドルの世界限定7台という希少性もあり、シリーズ史上最もゴージャスなカーアクションを演出した。

第9位 三菱ランサーエボリューション

TOKYO DRIFTをはじめシリーズ序盤で頻繁に登場した日本のラリーマシンである。ストリートレーサー文化の象徴として第1作から存在感を放ち、世界中のチューニングファンの憧れとなった。

第10位 マツダRX-7(FD3S)

TOKYO DRIFTでハンが駆ったオレンジのRX-7は、ロータリーエンジンの甲高い排気音とともにドリフト文化の象徴となった。ハンの飄々としたキャラクターとRX-7の流麗なフォルムの組み合わせは、シリーズ随一のスタイリッシュさだ。

 

ポール・ウォーカーの軌跡

ポール・ウィリアム・ウォーカー四世(1973年9月12日 - 2013年11月30日)。青い瞳と柔らかな笑顔でブライアン・オコナーに命を吹き込んだ俳優は、シリーズとともに成長し、シリーズとともに伝説となった。

俳優としてのキャリア

カリフォルニア州グレンデール出身のポールは、2歳の頃からテレビCMに出演する子役として芸能活動を開始した。1998年の映画『ブルークラッシュ』や『Varsity Blues』で注目を集め、2001年の『ワイルド・スピード』でブライアン・オコナー役に抜擢されたことで一躍スターの座に駆け上がった。
第2作X2ではヴィン・ディーゼル不在の中で主演を務め、第4作MAXでシリーズに本格復帰。ポールの温かみのある演技はブライアンというキャラクターに「ファミリーの良心」としての唯一無二の存在感を与えた。

慈善活動と人柄

ポールはスクリーンの外でも「本物のヒーロー」だった。2010年のハイチ地震をきっかけに災害支援団体「Reach Out Worldwide(ROWW)」を設立し、被災地での復旧支援に自ら赴いた。
共演者たちが口を揃えて語るのは、撮影現場での気さくさと温かさである。ヴィン・ディーゼルは彼を「真の兄弟」と呼び、その絆はスクリーン上のドムとブライアンの関係そのものだった。

2013年11月30日の悲劇

SKY MISSIONの撮影期間中の2013年11月30日、ポールはカリフォルニア州バレンシアでROWWのチャリティイベントに参加した帰りに友人が運転するポルシェ・カレラGTの助手席で交通事故に遭い、40歳で帰らぬ人となった。
撮影は一時中断されたが、ポールの弟コディとケイレブがボディダブルを務めCGI技術でブライアンの残りのシーンを完成させた。制作陣とキャストがポールの遺志を継いで映画を完成させたこの過程こそ、ワイルドスピードが描く「ファミリー」の究極の体現である。

「FOR PAUL」

SKY MISSIONのエンドクレジットに映し出された「FOR PAUL」の文字。そしてドムとブライアンが最後の並走を終えて別々の道へ走り去るラストシーンに「See You Again」が重なる。
あの瞬間、世界中の映画館が涙に包まれた。ポール・ウォーカーは映画の中で永遠に走り続けている。

 

ファミリー名言集

ワイルドスピードには胸を熱くするセリフが数多く存在する。11作の中から「ファミリー」の精神を体現する名言を厳選し、英語原文と日本語訳で紹介する。

ドミニク・トレットの名言

「I live my life a quarter mile at a time. Nothing else matters. For those ten seconds or less, I'm free.」
(俺の人生は4分の1マイルごとに刻まれる。他のことはどうでもいい。あの10秒かそこらの間、俺は自由だ。)
── 第1作『ワイルド・スピード』より。ドミニクがブライアンに自らの生き方を語った、シリーズの原点にして最も有名なセリフである。

「I don't have friends. I got family.」
(俺に友達はいない。ファミリーがいる。)
── 第7作『SKY MISSION』より。ドミニクの哲学を一文に凝縮した、シリーズを代表する一言だ。

「Money will come and go. We all know that. The most important thing in life will always be the people in this room.」
(金は来ては去る。そんなことはみんな知っている。人生で最も大切なものは、いつだってこの部屋にいる仲間だ。)
── 第5作『MEGA MAX』より。リオの大金庫を奪った直後、仲間を前にしたドミニクの言葉である。

「Ride or die, remember?」
(一緒に走るか死ぬか、覚えてるだろ?)
── 第6作『EURO MISSION』より。記憶を失ったレティに向けてドミニクが放った一言である。

ブライアン・オコナーの名言

「You almost had me? You never had me. You never had your car.」
(もう少しだっただと? お前は俺に追いついてすらいない。そもそもお前は自分の車すら乗りこなせていない。)
── 第1作『ワイルド・スピード』より。レース後のブライアンの挑発的なセリフで、ストリートレーサーとしての自信が溢れる名場面だ。

ミア・トレットの名言

「You don't turn your back on family, even when they do.」
(家族に背を向けちゃいけない。たとえ家族がそうしたとしても。)
── 第7作『SKY MISSION』より。ファミリーの本質を最も端的に表現した言葉として多くのファンに愛されている一言だ。

ルーク・ホブスの名言

「Woman, I am the cavalry.」
(おい、俺自身が援軍だ。)
── 第5作『MEGA MAX』より。ホブスのスケールの大きさと自信を一言で表現した痛快なセリフである。

 

時系列と公開順の対応表

ワイルドスピードは公開順と劇中の時系列が一致しない珍しいシリーズである。特にTOKYO DRIFTの位置が複雑で、初見の観客を混乱させやすい。以下の表で公開順と時系列順の対応関係を整理した。

公開順 タイトル 公開年 時系列順 備考
1 ワイルド・スピード 2001 1 公開順=時系列順
2 ワイルド・スピード X2 2003 2 公開順=時系列順
3 ワイルド・スピード×3 TOKYO DRIFT 2006 6.5 時系列ではEURO MISSIONとSKY MISSIONの間
4 ワイルド・スピード MAX 2009 3 ドミニクとブライアンが再合流
5 ワイルド・スピード MEGA MAX 2011 4 ホブス初登場
6 ワイルド・スピード EURO MISSION 2013 5 ハンの死のエピローグがTOKYO DRIFTに接続
7 ワイルド・スピード SKY MISSION 2015 7 ポール・ウォーカー最後の出演作
8 ワイルド・スピード ICE BREAK 2017 8 公開順=時系列順に復帰
9 スーパーコンボ 2019 8.5 スピンオフ、ICE BREAKとジェットブレイクの間
10 ジェットブレイク 2021 9 ハン復活
11 ファイヤーブースト 2023 10 最終三部作の第2章

初見の方は公開順で観ることを推奨する。時系列順に並べ替えて観る「リバース視聴」はシリーズを一度通して観た後の二周目に楽しむのが最適である。
特にTOKYO DRIFTは公開順(3番目)で観ておくとEURO MISSIONのエンドクレジットで「あのシーンはこういうことだったのか」という驚きを味わえる。

 

歴代主題歌・サウンドトラック一覧

作品 公開年 代表曲 アーティスト
ワイルド・スピード 2001 サウンドトラックアルバム BT 他
X2 2003 Act a Fool Ludacris
TOKYO DRIFT 2006 Tokyo Drift (Fast & Furious) Teriyaki Boyz
MAX 2009 オリジナルスコア ブライアン・タイラー
MEGA MAX 2011 Danza Kuduro Don Omar ft. Lucenzo
EURO MISSION 2013 We Own It 2 Chainz ft. Wiz Khalifa
SKY MISSION 2015 See You Again Wiz Khalifa ft. Charlie Puth
ICE BREAK 2017 Hey Ma Pitbull & J Balvin ft. Camila Cabello
スーパーコンボ 2019 サウンドトラックアルバム Idris Elba 他
ジェットブレイク 2021 Snap NLE Choppa & Lil Jon
ファイヤーブースト 2023 I Got the Bag YoungBoy Never Broke Again

シリーズを通じてヒップホップ、ラテン、EDMを軸にした楽曲が採用されており、SKY MISSIONの「See You Again」はYouTube再生回数60億回を超える世界的大ヒットとなった。
TOKYO DRIFTのTeriyaki Boyzは日本のヒップホップシーンを世界に発信した楽曲としても特筆に値する。

 

全作品公開日・興行収入一覧

No. タイトル 米国公開日 全世界興行収入 監督
1 ワイルド・スピード 2001年6月22日 約2億750万ドル ロブ・コーエン
2 X2 2003年6月6日 約2億3600万ドル ジョン・シングルトン
3 TOKYO DRIFT 2006年6月16日 約1億5900万ドル ジャスティン・リン
4 MAX 2009年4月3日 約3億6300万ドル ジャスティン・リン
5 MEGA MAX 2011年4月29日 約6億2600万ドル ジャスティン・リン
6 EURO MISSION 2013年5月24日 約7億8900万ドル ジャスティン・リン
7 SKY MISSION 2015年4月3日 約15億1600万ドル ジェームズ・ワン
8 ICE BREAK 2017年4月14日 約12億3600万ドル F・ゲイリー・グレイ
9 スーパーコンボ 2019年8月2日 約7億6000万ドル デヴィッド・リーチ
10 ジェットブレイク 2021年6月25日 約7億2600万ドル ジャスティン・リン
11 ファイヤーブースト 2023年5月19日 約7億1400万ドル ルイ・レテリエ

シリーズ通算全世界興行収入は約72億ドル超。第1作から第7作までの右肩上がりの成長曲線は、ハリウッドフランチャイズ史上でも類を見ない驚異的な軌跡である。

 

関連作品

ワイルドスピードの世界観はメインシリーズ以外にも広がっている。今後の展開も含めて関連作品を整理した。

今後の公開予定作品

最終三部作の完結編『Fast & Furious 11』(仮題:FOREVER)が2028年3月17日に米国公開予定である。四半世紀にわたるドミニク・トレットのファミリー・サーガがどのような結末を迎えるのか、世界中のファンが固唾を呑んで待っている。

アニメシリーズ

Netflixではアニメシリーズ『ワイルド・スピード:スパイレーサー』(Fast & Furious: Spy Racers、2019-2021年)が全6シーズン配信された。ドミニクの従妹トニーを主人公とした若年層向けの作品で、本編とは異なるテイストながらシリーズの世界観を拡張している。

関連する映画シリーズ

カーアクションやチーム型大作が好きな方にはミッション・インポッシブルシリーズもおすすめだ。トム・クルーズが命懸けのスタントで魅せるアクションは、ワイルドスピードとはまた異なる「本物志向」の迫力がある。

 

まとめ

2001年のロサンゼルスの路地裏から始まった物語は、四半世紀で全世界72億ドルを超えるハリウッド最大級のフランチャイズへ成長した。ストリートレースの純粋な高揚感から始まり、ブラジルでの金庫強奪、アブダビの超高層ビル間ジャンプ、果ては宇宙への飛翔まで、スケールのインフレーションは常識を遥かに超えた。
だがその荒唐無稽さの中心には常に「ファミリー」の絆がある。ポール・ウォーカーの死という現実の悲劇をも包み込んで走り続けたこのシリーズの熱量は、2028年の完結編FOREVERまで衰えることはないだろう。

バンカー荒木 バンカー荒木
結局このシリーズが25年も愛され続けている理由は一つだけだ。どれだけ荒唐無稽になっても「ファミリー」への想いだけは本物だってことだよ。FOREVERが楽しみでしかたないぞ。
ポップ結衣 ポップ結衣
車好きじゃなくても泣ける、笑える、燃えるのがワイルドスピードのすごいところですよね。まだ観てない方はぜひ初心者5本コースから始めてみてください。
ロジック中田 ロジック中田
全11作で約24時間、シリーズ通算72億ドル。数字で見ても圧巻ですが、最後はやはり数字では測れない感動がこのシリーズの本質です。ファミリーとともに走り抜けましょう。