赤い帽子に青いオーバーオール、そして立派な口髭。その姿を知らない者は、地球上にほとんどいないだろう。
1985年、ファミリーコンピュータで発売された『スーパーマリオブラザーズ』は、世界中で社会現象を巻き起こし、ビデオゲームというカルチャーを一般家庭に定着させた。以来、マリオは任天堂のハードが発売されるたびに、その先陣を切る「ローンチタイトル(または同時期のキラータイトル)」として、常に最新の遊びを提案し続けてきた。
2Dでの横スクロールから、3D空間への挑戦、そして宇宙や世界旅行へ。2023年にはアニメ映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』が全世界興行収入13億ドルを超える歴史的ヒットを記録し、USJには「スーパー・ニンテンドー・ワールド」がオープンするなど、その活躍はゲームの枠を大きく超えている。本記事では、アクションゲームの金字塔であるナンバリング本編(『スーパーマリオ』シリーズ)の歴史を、その進化の過程と共に完全網羅する。
シリーズ基礎データ
『スーパーマリオ』(Super Mario)シリーズは、任天堂が開発・発売するアクションゲーム。生みの親は宮本茂。1985年の第1作『スーパーマリオブラザーズ』以来、全世界でのシリーズ累計販売本数は4億3000万本(関連作含む)を突破している。ジャンプして敵を踏む、ブロックを叩く、キノコで大きくなるといった基本ルールを守りながら、「変身アクション」や「3D箱庭探索」など、時代ごとの最新技術を取り入れて進化し続けている。
歴代ナンバリング作品一覧
各タイトルをクリックすると、詳細解説へジャンプします。
※売上は世界累計(リメイク・移植版を含まないオリジナル版の概算データ)を参照。
| No | 発売日 | タイトル | 売上本数 |
|---|---|---|---|
| 1 | 1985/9/13 | スーパーマリオブラザーズ | 4,024万本 |
| 2 | 1986/6/3 | スーパーマリオブラザーズ2 | 265万本 |
| 3 | 1988/10/23 | スーパーマリオブラザーズ3 | 1,728万本 |
| 4 | 1990/11/21 | スーパーマリオワールド | 2,061万本 |
| 5 | 1996/6/23 | スーパーマリオ64 | 1,191万本 |
| 6 | 2002/7/19 | スーパーマリオサンシャイン | 628万本 |
| 7 | 2006/5/25 | New スーパーマリオブラザーズ | 3,080万本 |
| 8 | 2007/11/1 | スーパーマリオギャラクシー | 1,280万本 |
| 9 | 2009/12/3 | New スーパーマリオブラザーズ Wii | 3,032万本 |
| 10 | 2010/5/27 | スーパーマリオギャラクシー2 | 741万本 |
| 11 | 2011/11/3 | スーパーマリオ 3Dランド | 1,288万本 |
| 12 | 2012/7/28 | New スーパーマリオブラザーズ 2 | 1,342万本 |
| 13 | 2012/12/8 | New スーパーマリオブラザーズ U | 582万本 |
| 14 | 2013/11/21 | スーパーマリオ 3Dワールド | 589万本 |
| 15 | 2017/10/27 | スーパーマリオ オデッセイ | 2,850万本 |
| 16 | 2023/10/20 | スーパーマリオブラザーズ ワンダー | 1,344万本 |
第1期:アクションゲームの夜明け(1985-1988)
1983年の「アタリショック」により、北米の家庭用ゲーム市場は崩壊状態にあった。その冷え切った市場をたった一本で蘇らせたのが、1985年に発売された『スーパーマリオブラザーズ』である。横スクロールアクションの基礎を完成させ、地上、地下、水中、空と変化に富んだステージ構成は、当時の子供たちに衝撃を与えた。日本国内でも社会現象となり、攻略本はベストセラーに、マリオはアニメ映画化(1986年『スーパーマリオブラザーズ ピーチ姫救出大作戦!』)されるなど、メディアミックスの先駆けとなった。
続く『2』はディスクシステムで発売され、難易度を極限まで高めたマニア向けの内容に。そしてファミコン末期に発売された『3』では、変身アクションやマップ画面、容量の限界に挑んだグラフィックなど、2Dマリオの完成形とも言えるシステムを確立。この時期のマリオは、まさに「ビデオゲームの代名詞」として世界を席巻していた。
No.1 スーパーマリオブラザーズ

| 発売日 | 1985年9月13日 |
|---|---|
| 開発 | 任天堂情報開発本部 |
| 発売 | 任天堂 |
| 売上本数 | 4,024万本(世界) |
| 対応ハード | ファミリーコンピュータ |
| ディレクター | 宮本茂 |
| デザイナー | 手塚卓志 |
| サウンド | 近藤浩治 |
【概要】
世界で最も売れたアクションゲームの一つであり、全ての伝説の始まり。「ジャンプして敵を踏む」「キノコで巨大化する」という、今では当たり前の文法を確立した。地上、地下、水中、アスレチック、城といったバリエーション豊かなステージ構成と、Bダッシュによる爽快感は、当時の子供たちを熱狂させた。隠しブロックやワープゾーン、無限増殖といった「裏技」を探す楽しみも、このゲームから広まったと言える。近藤浩治氏による地上BGMは、ゲーム音楽の代名詞として世界中で知られている。
【あらすじ】
キノコ王国が、強力な魔法を操る大魔王クッパ率いるカメ一族に侵略されてしまった。キノコ王国の住人たちは岩やレンガに変えられ、王国は滅亡の危機に瀕する。この魔法を解けるのは、さらわれたピーチ姫だけ。配管工のマリオ(と弟のルイージ)は、ピーチ姫を救出し、キノコ王国に平和を取り戻すため、クッパ軍団が待ち受ける8つのワールドへと旅立つ。「あーっ! ピーチひめ! たすけにきたよ!」という結末を目指して。
1985年は、ファミコンが日本中の家庭に普及し始めた年である。『スーパーマリオ』の発売によってその勢いは決定的なものとなり、「ファミコン=マリオ」という図式が出来上がった。当時の子供たちは、学校が終わると友達の家に集まり、交互にコントローラーを握って遊ぶのが日常風景となった。攻略本『スーパーマリオブラザーズ完全攻略本』は、その年の年間ベストセラー1位を記録。ゲームが単なる玩具を超え、社会現象化した瞬間である。
No.2 スーパーマリオブラザーズ2

| 発売日 | 1986年6月3日 |
|---|---|
| 開発 | 任天堂情報開発本部 |
| 発売 | 任天堂 |
| 売上本数 | 265万本 |
| 対応ハード | FCディスクシステム |
| ディレクター | 宮本茂 |
| デザイナー | 手塚卓志 |
| サウンド | 近藤浩治 |
【概要】
「マリオを極めたプレイヤーへの挑戦状」として制作された、ディスクシステムローンチ時期の作品。基本システムは前作を踏襲しているが、毒キノコや逆ワープ、強風といった意地悪なギミックが満載で、難易度はシリーズ随一の高さを誇る。マリオとルイージで性能差(ジャンプ力や滑りやすさ)がついたのは本作から。海外では難しすぎるという理由で発売が見送られ、代わりに『夢工場ドキドキパニック』を改変した別のゲームが『Super Mario Bros. 2』として発売された(後に日本でも『スーパーマリオUSA』として逆輸入)。
【あらすじ】
平和を取り戻したはずのキノコ王国だったが、再び大魔王クッパが現れ、ピーチ姫をさらっていった。今回はクッパも本気を出しており、城の警備は前作以上に厳重になっている。マリオとルイージは、毒キノコや突風が吹き荒れる過酷なステージを乗り越え、再びクッパ城を目指す。隠された「ワールド9」や「A~D」といった幻のステージを含め、真の達人だけが見ることのできるエンディングを目指す、兄弟の試練の旅。
No.3 スーパーマリオブラザーズ3

| 発売日 | 1988年10月23日 |
|---|---|
| 開発 | 任天堂情報開発本部 |
| 発売 | 任天堂 |
| 売上本数 | 1,728万本(世界) |
| 対応ハード | ファミリーコンピュータ |
| ディレクター | 宮本茂 |
| デザイナー | 手塚卓志 |
| サウンド | 近藤浩治 |
【概要】
ファミコンソフトの最高傑作と名高い作品。すごろく状の「マップ画面」が導入され、ルート選択の自由度が生まれた。「しっぽマリオ」で空を飛べるようになったり、「タヌキマリオ」で地蔵に変身したりと、アクションの幅が劇的に進化。コクッパ7人衆も初登場した。容量は前作の数倍になり、グラフィックや演出も豪華に。全世界で1700万本以上を売り上げ、社会現象となった。当時の『コロコロコミック』などの児童誌でも大々的に特集され、子供たちの話題を独占した。
【あらすじ】
キノコ王国は平和になったが、今度はクッパの7人の子供たち「コクッパ7人衆」が、キノコワールドのあちこちの国でイタズラをし、王様たちを動物の姿に変えてしまった。マリオとルイージは、各国の王様を元の姿に戻すため、7つの国を巡る旅に出る。空飛ぶ宝船での決戦を制し、魔法の杖を取り返していくマリオたち。しかし、その隙をついてクッパが再びピーチ姫をさらってしまう。最終決戦の地「暗黒の国」で、炎を吐くクッパとの死闘が繰り広げられる。
第2期:16ビットの進化と3D革命(1990-2002)
1990年、スーパーファミコンの発売と同時に『スーパーマリオワールド』が登場。恐竜「ヨッシー」という強力な相棒を得て、マリオのアクションはより多彩になった。セガの『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』との激しいシェア争い(コンソール・ウォー)が繰り広げられる中、マリオは「誰でも遊べる高品質」を武器に王者の座を守り続けた。
そして1996年、NINTENDO64と共に現れた『スーパーマリオ64』は、ゲーム業界に革命をもたらした。「3Dスティック」で箱庭空間を自由に走り回るという体験は、その後の全ての3Dアクションゲームの基礎となった。続くゲームキューブの『サンシャイン』では、ポンプを使った水のアクションを導入。ハードの進化に合わせて、マリオは常に「新しい遊び」の教科書であり続けた。
No.4 スーパーマリオワールド

| 発売日 | 1990年11月21日 |
|---|---|
| 開発 | 任天堂情報開発本部 |
| 発売 | 任天堂 |
| 売上本数 | 2,061万本(世界) |
| 対応ハード | スーパーファミコン |
| プロデューサー | 宮本茂 |
| ディレクター | 手塚卓志 |
| デザイナー | 日野重文 |
| サウンド | 近藤浩治 |
【概要】
スーパーファミコン本体と同時発売されたローンチタイトル。頼れる相棒「ヨッシー」が初登場し、敵を食べる、背中に乗って移動するといったアクションが追加された。回転ジャンプやマントマリオによる滑空など、操作の幅も拡大。隠しゴールや隠しワールド(スターロード、スペシャルゾーン)などやり込み要素も膨大で、SFC初期にして完成された2Dアクションの傑作とされる。セーブ機能も標準搭載され、じっくり遊べるようになった。
【あらすじ】
ピーチ姫と共に恐竜ランドへバカンスにやってきたマリオとルイージ。しかし、到着早々ピーチ姫が姿を消してしまう。捜索に出たマリオは、卵の中に閉じ込められていた恐竜「ヨッシー」と出会う。ヨッシーの仲間たちも、何者かによって卵に閉じ込められ、各地に隠されているという。犯人はまたしてもクッパ。マリオはヨッシーと協力して、仲間たちを助け出し、さらわれたピーチ姫を取り戻すため、7つのエリアを支配するコクッパたちに戦いを挑む。
1996年は、NINTENDO64の発売により、ゲーム業界が本格的に3Dへと舵を切った歴史的な年である。これまでのゲームは「2Dのドット絵」が当たり前だったが、『スーパーマリオ64』の登場により、「3D空間を自由に走り回る」という新しい遊びが提示された。アナログスティックによる直感的な操作は、その後の全てのアクションゲームの基準となり、ゲームの歴史は「マリオ64以前」と「以後」に分けられるとさえ言われている。
No.5 スーパーマリオ64

| 発売日 | 1996年6月23日 |
|---|---|
| 開発 | 任天堂情報開発本部 |
| 発売 | 任天堂 |
| 売上本数 | 1,191万本(世界) |
| 対応ハード | NINTENDO64 |
| プロデューサー | 宮本茂 |
| ディレクター | 宮本茂 |
| デザイナー | 手塚卓志 他 |
| サウンド | 近藤浩治 |
【概要】
NINTENDO64と同時発売された、世界初の本格的3Dアクションゲーム。箱庭のような広大なステージを、3Dスティックを使って360度自由に走り回ることができる。「ゴールに向かう」のではなく「パワースターを探す」という探索型のゲーム性が採用された。壁キック、幅跳び、三段ジャンプなど、マリオのアクションも多彩に進化。3Dゲームのカメラ操作の基礎を作った作品でもあり、業界に与えた影響は計り知れない。ファミ通クロスレビューでは39点という高得点を叩き出した。
【あらすじ】
ピーチ姫から「ケーキを焼いたから遊びに来て」という手紙を受け取ったマリオ。しかし、城に着くとそこは静まり返っていた。クッパが城を乗っ取り、パワースターの力で絵画の中に世界を作り出し、キノピオやピーチ姫を閉じ込めてしまったのだ。マリオは城内の絵画に飛び込み、それぞれの世界に隠されたパワースターを取り戻す冒険に出る。全てのスターを集め、天空の戦いでクッパを投げ飛ばし、ピーチ姫を救出することはできるか。
No.6 スーパーマリオサンシャイン

| 発売日 | 2002年7月19日 |
|---|---|
| 開発 | 任天堂情報開発本部 |
| 発売 | 任天堂 |
| 売上本数 | 628万本(世界) |
| 対応ハード | ニンテンドーゲームキューブ |
| プロデューサー | 宮本茂 / 手塚卓志 |
| ディレクター | 小泉歓晃 / 臼井健太 |
| サウンド | 田中しのぶ / 近藤浩治 |
【概要】
南国の島「ドルピック島」を舞台にした、シリーズ屈指の異色作。マリオは背中に「ポンプ」を背負い、水を放出して敵を倒したり、空を飛んだり(ホバー)する。水を使ったアクションの気持ちよさと、美しいリゾートの風景が特徴。一方で、ポンプなしで挑むアスレチック面などはシリーズ中でも高難易度で知られる。クッパの息子「クッパJr.」が初登場し、筆を持って落書きをするという、後の『スプラトゥーン』を彷彿とさせるギミックもあった。
【あらすじ】
バカンスのためにドルピック島を訪れたマリオたち。しかし、島はドロドロの汚れに覆われ、太陽の力「シャイン」が失われて薄暗くなっていた。しかも、マリオにそっくりな「ニセマリオ」が犯人だとされ、マリオは逮捕されてしまう。島を綺麗にするという奉仕活動を命じられたマリオは、発明家オヤ・マー博士が作ったポンプを背負い、真犯人を追って島中を掃除して回る。ニセマリオの正体、それは「ピーチ姫を母親だと思い込んでいる」クッパJr.だった。
第3期:2Dの復権と重力アクション(2006-2010)
2000年代中盤、ニンテンドーDSとWiiの登場により、任天堂は「ゲーム人口の拡大」を掲げた。複雑化しすぎた3Dアクションへのアンチテーゼとして、誰でも遊べる「2Dマリオ」を復活させた『New スーパーマリオブラザーズ』は、全世界で3000万本を超える記録的大ヒットとなった。
一方で、3Dマリオは『スーパーマリオギャラクシー』で宇宙へと飛び出した。球状の地形を駆け巡る重力アクションは、3Dゲーム特有の「カメラ操作の煩わしさ」を解消し、芸術的なまでの完成度を誇った。2Dと3D、それぞれのラインが明確化し、両方が爆発的に売れるという黄金時代が到来した。
No.7 New スーパーマリオブラザーズ

| 発売日 | 2006年5月25日 |
|---|---|
| 開発 | 任天堂情報開発本部 |
| 発売 | 任天堂 |
| 売上本数 | 3,080万本(世界) |
| 対応ハード | ニンテンドーDS |
| プロデューサー | 手塚卓志 |
| ディレクター | 木村真琴 |
| サウンド | 早崎あすか / 若井淑 / 近藤浩治 |
【概要】
「誰でも遊べるマリオ」への原点回帰を目指し、約14年ぶりに発売された2D横スクロールアクション。3Dグラフィックで作られた2Dマリオ(2.5D)であり、壁キックやヒップドロップなどの新アクションが追加された。最大の特徴は、画面を埋め尽くすほど巨大化して全てをなぎ倒す「巨大キノコ」。このシンプルかつ豪快な遊びが受け、DSブームの波に乗って全世界で3000万本以上を売り上げた。枯れたジャンルと思われていた2Dアクションの復権を決定づけた一作。
【あらすじ】
マリオとピーチ姫が散歩をしていると、遠くのピーチ城に雷が落ちた。マリオが様子を見に行った隙に、クッパJr.が現れてピーチ姫をさらってしまう。マリオは巨大化や、甲羅になって滑るコウラマリオ、小さくなって水上を走るマメマリオなどの新変身を駆使し、クッパJr.を追いかける。骨になったクッパ(ほねクッパ)など、ユニークなボスたちを倒し、8つのワールドを駆け抜ける。
No.8 スーパーマリオギャラクシー

| 発売日 | 2007年11月1日 |
|---|---|
| 開発 | 任天堂情報開発本部東京制作部 |
| 発売 | 任天堂 |
| 売上本数 | 1,280万本(世界) |
| 対応ハード | Wii |
| プロデューサー | 宮本茂 |
| ディレクター | 小泉歓晃 |
| サウンド | 横田真人 / 近藤浩治 |
【概要】
舞台を宇宙に移した3Dマリオ。球状の地形(惑星)を走り回るシステムにより、3D酔いやカメラ操作の難しさを解消した革命的作品。Wiiリモコンを振って攻撃する「スピン」や、ポインターで星屑を集める操作など、Wiiならではの遊びも搭載。オーケストラ生演奏によるBGMは壮大で、ゲームの没入感を高めた。新キャラ「ロゼッタ」が登場し、彼女が語る絵本のストーリーは、マリオシリーズには珍しいシリアスで感動的な内容となっている。
【あらすじ】
百年に一度の星くず祭りの夜。クッパ率いる飛行船団が襲来し、ピーチ城ごと宇宙へ持ち去ってしまった。宇宙空間へ投げ出されたマリオは、星の子チコと、彼らのママである謎の女性ロゼッタに出会う。マリオは、動力を失った宇宙船「ほうき星の天文台」を修復するため、様々な惑星(ギャラクシー)を巡ってパワースターを集める。重力を操り、銀河の中心で待ち受ける巨大クッパとの決戦。そして、宇宙の誕生と再生に関わる壮大なエンディングへ。
No.9 New スーパーマリオブラザーズ Wii

| 発売日 | 2009年12月3日 |
|---|---|
| 開発 | 任天堂情報開発本部 |
| 発売 | 任天堂 |
| 売上本数 | 3,032万本(世界) |
| 対応ハード | Wii |
| プロデューサー | 手塚卓志 |
| ディレクター | 内田繁 |
| サウンド | 永田権太 / 藤井志帆 / 若井淑 |
【概要】
DS版のシステムをベースに、据え置き機で発売された2Dマリオ。最大の特徴は、シリーズ初となる「4人同時プレイ」。マリオ、ルイージ、きいろキノピオ、あおキノピオを操作し、協力したり、邪魔しあったり、持ち上げて投げたりと、パーティゲームのような盛り上がりを見せた。プロペラマリオやアイスマリオなどの新変身も追加。高難易度のお手本プレイが見られる「おてほんプレイ」機能も初めて搭載され、クリアできない人への配慮もなされた。
【あらすじ】
ピーチ姫の誕生パーティー中、巨大なケーキの中からクッパJr.とコクッパ7人衆が現れ、またしてもピーチ姫をさらっていった。マリオたちはプロペラキノコやペンギンスーツなどの新アイテムを駆使して、砂漠、氷山、雲の上などを冒険する。4人で協力してクッパの飛行船を追いかけるドタバタ劇。コクッパたちが全員登場するのは『スーパーマリオワールド』以来であり、オールドファンを喜ばせた。
No.10 スーパーマリオギャラクシー2

| 発売日 | 2010年5月27日 |
|---|---|
| 開発 | 任天堂情報開発本部東京制作部 |
| 発売 | 任天堂 |
| 売上本数 | 741万本(世界) |
| 対応ハード | Wii |
| プロデューサー | 宮本茂 / 手塚卓志 |
| ディレクター | 小泉歓晃 |
| サウンド | 横田真人 / 永田権太 / 近藤浩治 |
【概要】
前作『ギャラクシー』のシステムをベースに、よりアクション性を強化した続編。3Dマリオとしては珍しく、同じハードで2作目が発売された。今回はヨッシーが登場し、一緒に宇宙を冒険できる。ドリルで星を貫通したり、雲マリオで足場を作ったりと、ギミックの密度が濃い。難易度は前作より高めに設定されており、クリア後に現れる「マスターオブギャラクシー」はシリーズ屈指の難関ステージとして語り継がれている。
【あらすじ】
百年に一度の星くず祭りの夜。マリオが城へ向かうと、巨大化したクッパが現れ、ピーチ姫をさらって宇宙へ逃げてしまう。マリオは星の子チコや、マリオの顔の形をした宇宙船「マリオ号」と共に、再び宇宙へ旅立つ。今回はヨッシーも冒険に参加。ダッシュヨッシーやバルーンヨッシーなどの変身を駆使して、銀河の果てまでクッパを追いかける。
第4期:HD時代とハイブリッドへの挑戦(2011-現在)
2010年代、ゲーム業界はHD画質が標準となり、開発費の高騰と期間の長期化が課題となっていた。任天堂はニンテンドー3DSで「裸眼立体視」を、Wii Uで「2画面プレイ」を提案したが、Wii Uは販売面で苦戦を強いられる。しかし、その苦境の中でもマリオチームは『3Dランド』で「2Dと3Dの融合」を、『3Dワールド』で「多人数3Dアクション」を完成させ、着実に進化を続けた。
そして2017年、据え置きと携帯を統合した「Nintendo Switch」が登場。『スーパーマリオ オデッセイ』は「箱庭探索」への原点回帰を果たし、世界中で絶賛された。2023年には『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』で2Dマリオも約11年ぶりに完全新作として復活。マリオは今なお、ゲームの最前線を走り続けている。
No.11 スーパーマリオ 3Dランド

| 発売日 | 2011年11月3日 |
|---|---|
| 開発 | 任天堂情報開発本部東京制作部 |
| 発売 | 任天堂 |
| 売上本数 | 1,288万本(世界) |
| 対応ハード | ニンテンドー3DS |
| プロデューサー | 小泉歓晃 |
| ディレクター | 林田宏一 |
| サウンド | 早崎あすか 他 |
【概要】
「3Dマリオを2Dマリオの感覚で遊ぶ」をコンセプトに開発された作品。3DSの立体視機能を活かし、奥行きがわかりやすいステージ構成になっている。ゴールポールを目指すシンプルなルールで、3Dアクションが苦手な人でも遊びやすい。懐かしの「タヌキマリオ」が復活し、しっぽ攻撃や空中浮遊が可能に。スタートダッシュに躓いていた3DS本体の普及を牽引したキラータイトル。
【あらすじ】
嵐の夜、ピーチ城の庭にある「しっぽの木」の葉っぱがすべて吹き飛ばされてしまった。翌朝マリオが駆けつけると、そこにはピーチ姫の姿はなく、クッパからの挑戦状が。マリオは飛び散ったスーパーこのはの力を使い、タヌキマリオとなってクッパを追いかける。2Dマリオのようなコースクリア型の冒険だが、最後に待つクッパ城では3Dならではのダイナミックな演出が待ち受ける。
No.12 New スーパーマリオブラザーズ 2

| 発売日 | 2012年7月28日 |
|---|---|
| 開発 | 任天堂情報開発本部 |
| 発売 | 任天堂 |
| 売上本数 | 1,342万本(世界) |
| 対応ハード | ニンテンドー3DS |
| プロデューサー | 手塚卓志 |
| ディレクター | 天野祐介 |
| サウンド | 永田権太 他 |
【概要】
「コインを100万枚集める」という強烈なテーマを掲げた2Dマリオ。画面中のあらゆるものがコインに変わる「ゴールドマリオ」や、コインを撒き散らすブロックを被るなど、とにかくお金(コイン)に執着したシステムが特徴。基本的な遊び方は従来のNewマリオを踏襲しているが、スコアアタック(コインラッシュモード)に特化した作りで、携帯機ならではの手軽さを追求している。
【あらすじ】
マリオとルイージがしっぽマリオになって空を飛んでいると、大量のコインが空から降ってきた。夢中でコインを集めている隙に、クッパの手下たちがピーチ姫をさらってしまう。今回の冒険の目的は、ピーチ姫の救出はもちろん、とにかくコインを集めまくること。金色のフラワーを取ってゴールドマリオになり、レンガブロックをコインに変えて突き進む。クッパ城さえもコインで埋め尽くす勢いで、マリオたちの豪遊(?)の旅が始まる。
No.13 New スーパーマリオブラザーズ U

| 発売日 | 2012年12月8日 |
|---|---|
| 開発 | 任天堂情報開発本部 |
| 発売 | 任天堂 |
| 売上本数 | 582万本(世界) |
| 対応ハード | Wii U |
| プロデューサー | 手塚卓志 |
| ディレクター | 竹本正賢 |
| サウンド | 藤井志帆 / 永田権太 |
【概要】
Wii U本体と同時発売されたローンチタイトル。HD画質になったことで、背景やキャラクターの質感が大幅に向上した。最大5人プレイ(4人のプレイヤー+GamePadでのバディプレイ)が可能。「ムササビマリオ」という滑空能力を持つ変身が追加された。Wii U GamePadを使って足場を作ることができる「バディプレイ」は、初心者を助ける救済措置として機能した。後に『ルイージU』を追加し、Switchへ『デラックス』として移植され、そちらは1700万本以上を売り上げている。
【あらすじ】
ピーチ城でパーティが開かれている最中、クッパの飛行船が現れ、巨大なアームでマリオたちを遠くへ放り投げてしまった。今回のクッパはピーチ姫をさらうのではなく、ピーチ城を乗っ取るという暴挙に出る。マリオたちはドングリ平原やマシュマロ雲海などを越え、占拠されたピーチ城を取り戻すためにひた走る。ワールドマップがつながっており、『スーパーマリオワールド』を彷彿とさせる冒険感が楽しめる。
No.14 スーパーマリオ 3Dワールド

| 発売日 | 2013年11月21日 |
|---|---|
| 開発 | 任天堂情報開発本部東京制作部 |
| 発売 | 任天堂 |
| 売上本数 | 589万本(世界) |
| 対応ハード | Wii U |
| プロデューサー | 小泉歓晃 |
| ディレクター | 林田宏一 / 元倉健太 |
| サウンド | 横田真人 他 |
【概要】
『3Dランド』のシステムをベースに、据え置き機向けにパワーアップした3Dアクション。最大4人での同時プレイが可能になり、3D空間でワチャワチャと遊ぶ楽しさを提供した。新変身「ネコマリオ」は、壁を登ったり爪で攻撃したりと非常に万能で、パッケージの顔となった。クリア後の要素も豊富で、遊びごたえは十分。後にSwitch版が発売され、追加コンテンツ『フューリーワールド』と共に大ヒットした。
【あらすじ】
ある夜、マリオたちが歩いていると、透明な土管から「ようせい姫」が現れた。彼女はクッパに捕まった仲間を助けてほしいと懇願するが、そこへクッパが現れ、姫をさらって土管の中へ消えてしまう。マリオ、ルイージ、ピーチ、キノピオの4人は後を追い、新たな舞台「ようせいの国」へ。ネコ、ダブル(分身)、被り物など、多彩なパワーアップを駆使し、ようせい姫たちを救出する旅が始まる。クッパが今回使うのは、なんと「ネコ」の力!?
No.15 スーパーマリオ オデッセイ

| 発売日 | 2017年10月27日 |
|---|---|
| 開発 | 任天堂企画制作本部 |
| 発売 | 任天堂 |
| 売上本数 | 2,850万本(世界) |
| 対応ハード | Nintendo Switch |
| プロデューサー | 小泉歓晃 |
| ディレクター | 元倉健太 |
| サウンド | 久保直人 / 藤井志帆 / 横田真人 |
【概要】
『サンシャイン』以来15年ぶりとなる、広大な箱庭ステージを自由に探索するタイプの3Dマリオ。相棒の帽子「キャッピー」を投げて敵に乗り移る「キャプチャー」能力により、クリボーや戦車、さらには恐竜まで操ることができる。リアルな頭身の人間が住む「ニュードンク・シティ」など、これまでのマリオの世界観を覆すステージも話題に。主題歌『Jump Up, Super Star!』と共に繰り広げられるミュージカル演出は圧巻。ファミ通クロスレビューでは満点の40点を獲得した。
【あらすじ】
クッパがまたしてもピーチ姫をさらい、今度は本気で結婚式を挙げようとしている。阻止しようとしたマリオは、クッパの帽子によって空の彼方へ吹き飛ばされてしまう。帽子の国で目覚めたマリオは、同じくクッパに妹をさらわれた帽子の精霊「キャッピー」と出会う。二人は帽子型宇宙船「オデッセイ号」に乗り込み、結婚式を阻止するため世界中を旅する。砂漠、森、都市、そして月へ。クッパとの因縁に終止符を打つため、マリオの地球規模の冒険が始まる。
No.16 スーパーマリオブラザーズ ワンダー

| 発売日 | 2023年10月20日 |
|---|---|
| 開発 | 任天堂企画制作本部 |
| 発売 | 任天堂 |
| 売上本数 | 1,344万本(世界) |
| 対応ハード | Nintendo Switch |
| プロデューサー | 手塚卓志 |
| ディレクター | 毛利志朗 |
| デザイナー | 林田宏一 |
| サウンド | 近藤浩治 他 |
【概要】
約11年ぶりとなる2Dマリオの完全新作。「ワンダーフラワー」を取ることで、土管が動き出したり、敵の大群が出現したりと、コースの常識が覆る「ワンダー」な変化が起こる。新変身「ゾウマリオ」のインパクトや、キャラクターの表情豊かなアニメーションが話題を呼んだ。オンラインプレイでは、他のプレイヤーの幻影(ライブゴースト)が表示され、緩くつながりながら助け合えるシステムが好評。長年マリオの声を担当したチャールズ・マーティネー氏から声優が交代した最初の作品でもある。
【あらすじ】
マリオたちは、フラワー王国のフロリアン王子に招待され、パーティーに参加していた。そこへクッパが現れ、王国の秘宝「ワンダーフラワー」に触れてしまう。するとクッパはフラワー城と合体し、巨大な空飛ぶ城となって王国を混乱に陥れた。マリオたちはフロリアン王子と共に、クッパの悪事を止めるためフラワー王国を冒険する。喋る花「おしゃべりフラワー」のヒントやツッコミを受けながら、不思議な力に満ちた世界を駆け抜ける。
まとめ:ゲームの歴史はマリオと共に
『スーパーマリオ』の歴史を振り返ることは、そのまま家庭用ゲーム機の進化の歴史を辿ることと同義である。2Dでのジャンプアクションの確立、3D空間での自由な移動、そして携帯機と据え置き機の融合。
任天堂は常に、その時代の最新ハードの機能をマリオという親しみやすいキャラクターを通して世界中にプレゼンテーションしてきた。映画の大ヒットやテーマパークの盛況ぶりを見るに、マリオはもはや単なるゲームキャラクターの枠を超え、ミッキーマウスと並ぶ「世界共通のアイコン」になったと言えるだろう。