この記事で分かる3つのこと
・ライミ三部作からスパイダーバースまで全10作を4つの時代区分で網羅
・ブランドニューデイ予習に最適な見る順番と3つの推奨ルートを提示
・3人の俳優比較・東映版・マルチバース正史化を独自セクションで深掘り
- 第1期:サム・ライミ三部作期(2002〜2007)
- 第2期:アメイジング再起動期(2012〜2014)
- 第3期:MCU合流ホーム三部作期(2017〜2021)
- 第4期:アニメ・スパイダーバース革命期(2018〜2023)
- 【次に来る新作】2026年・2027年公開のスパイダーマン2作
- おすすめ名作ランキングTOP3
- スパイダーマン映画はこの順番で見るのがおすすめ
- 質問(FAQ)コーナー
- 【比較表】3人のスパイダーマン|俳優別データ徹底比較
- マルチバース正史化マップ|SSU・MCU・ライミ版の繋がり
- 1978年東映版スパイダーマン|レオパルドンが正史入りした衝撃
- ソニー・マーベル映画化権30年闘争史|1985〜2026
- 歴代主題歌・テーマ曲一覧
- 全作品の公開日・興行収入一覧
- 関連作品
- まとめ
2026年7月31日、トム・ホランド主演『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』が日米同時公開を迎える。
2002年のサム・ライミ版第1作から24年、ピーター・パーカーは3人の俳優を経て今やマルチバースを行き来する銀幕最大のヒーローへ成長した。
ライミ・ウェブ・ワッツの3監督が紡いだ全10作を予習しておけば、ブランドニューデイの感動は何倍にも膨らむ。DCの傑作シリーズも視野に入れるなら歴代バットマン映画も合わせてどうぞ。
シリーズ基礎データ
原作:1962年スタン・リー+スティーヴ・ディッコがマーベル・コミックス『Amazing Fantasy #15』で創造した高校生ヒーロー。
実写本編8作+アニメ2作の全10作。第1期ライミ三部作/第2期アメイジング/第3期MCUホーム三部作/第4期スパイダーバース。
全世界累計興収約90億ドル超、最高ヒットは『ノー・ウェイ・ホーム』約19.2億ドル。
配給:ソニー・ピクチャーズ。製作:コロンビア/マーベル・スタジオ/ソニー・ピクチャーズ・アニメーション。
第1期:サム・ライミ三部作期(2002〜2007)
1962年にスタン・リー+スティーヴ・ディッコが生み出した高校生ヒーローを、2002年にサム・ライミが世界で初めて本格実写化した黄金期である。
『死霊のはらわた』で名を馳せた怪奇監督ライミは、当時最新のCG技術と模型の融合でスパイダー・センスや糸を伸ばすスイング描写を映画的に発明した。
全3作で全世界興収約25億ドルを記録し、青春叙情詩としての作家性を確立。以後のヒーロー映画の文法を一変させた、スーパーヒーロー大作時代の幕開けである。
No.1 スパイダーマン
| 公開日 | 2002年5月11日(土)/日本 |
|---|---|
| 興行収入 | 約8億2,170万ドル(日本75億円) |
| 監督 | サム・ライミ |
| 脚本 | デヴィッド・コープ |
| 主題歌 | Chad Kroeger feat. Josey Scott「Hero」 |
| 俳優 | トビー・マグワイア(ピーター)、ウィレム・デフォー(ノーマン/グリーン・ゴブリン)、キルスティン・ダンスト(メリー・ジェーン)、ジェームズ・フランコ(ハリー)、クリフ・ロバートソン(ベンおじさん)、J・K・シモンズ(J・ジョナ・ジェイムソン) |
| メイン声優 | ピーター(猪野学)、ノーマン/グリーン・ゴブリン(山路和弘)、メリー・ジェーン(岡寛恵)、ハリー(鉄野正豊) |
【見どころ】
マーベル・コミックス実写映画化の歴史を変えた金字塔的第1作である。
ライミ監督が長年温めていた企画が実現し、製作費1億3,900万ドルを投じて完成。CGとワイヤーアクションを駆使したビル街のスイング描写、雨の路地での逆さまキス、ベンおじさんの「大いなる力には大いなる責任が伴う」という遺言――すべてが現代ヒーロー映画の原型となった。
【あらすじ】
クイーンズの冴えない高校生ピーター・パーカーは、社会科見学で遺伝子操作された蜘蛛に噛まれ、超人的な力とスパイダー・センスを獲得する。
図らずもベンおじさんを失った悲劇から「大いなる力には責任が伴う」と悟ったピーターは、ヒーローとしてニューヨークの街を守り始める。
一方、親友ハリーの父ノーマンが狂気のグリーン・ゴブリンへと変貌し、彼の前に立ちはだかる。
【レビュー】
放課後の青年が赤と青のスーツに袖を通す瞬間、心の中で一緒に拳を握ってしまう原点の輝きがある。
雨の路地で逆さまになったマスクを少しだけずらすキスシーンの色気と切なさは何度観ても胸が震える。ベンおじさんの遺言が魂に刻まれる一本だ。
2002年のハリウッドは前年の9.11テロ余波を引きずりつつ、明快な「正義のヒーロー」を求める空気に包まれていた。
前年公開の『ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間』が社会現象となり、夏休みには『ハリー・ポッターと秘密の部屋』、翌年『マトリックス・リローデッド』が控える大作豊作期である。
日本では前年の『千と千尋の神隠し』熱狂が冷めぬ中、宇多田ヒカル『DEEP RIVER』がミリオンを連発、TVドラマ『ごくせん』が始動した。
ヒーローを失った時代がヒーローを切実に求めた、その渇望に赤と青の蜘蛛男がぴたりと応えた瞬間として、本作は記憶に刻まれている。
No.2 スパイダーマン2
| 公開日 | 2004年7月10日(土)/日本 |
|---|---|
| 興行収入 | 約7億9,590万ドル(日本67億円) |
| 監督 | サム・ライミ |
| 脚本 | アルヴィン・サージェント(原案:アルフレッド・ガフ/マイルズ・ミラー/マイケル・シェイボン) |
| 主題歌 | Dashboard Confessional「Vindicated」(日本盤テーマ:アナ・ジョンソン「ウィ・アー」) |
| 俳優 | トビー・マグワイア(ピーター)、キルスティン・ダンスト(メリー・ジェーン)、ジェームズ・フランコ(ハリー)、アルフレッド・モリーナ(オットー/ドック・オク)、ローズマリー・ハリス(メイおばさん)、ドナ・マーフィ(ローズ・オクタヴィアス) |
| メイン声優 | ピーター(猪野学)他、前作からの続投が中心 |
【見どころ】
シリーズ評価最高峰として知られる傑作であり、ヒーロー映画史上屈指の名作と称される一作である。
4本の機械腕を持つ怪人ドック・オクの造形美、暴走する地下鉄の車両を糸で受け止めるニューヨーク橋上の決死シーンが圧巻。
ピーターが二重生活の重圧でスパイダー・パワーを失い、もう一度マスクを被り直すまでの心の旅路を、ライミ流の濃密な感情劇として描き切っている。
【あらすじ】
学業・バイト・ヒーロー業の三重生活で疲弊したピーターは、能力を失いつつあった。
一方、核融合実験の失敗で機械腕と一体化したオットー・オクタヴィアス博士はドック・オクとして暴走を始める。
メリー・ジェーンは別の男との婚約を進め、ハリーは父の仇としてピーターを憎む。すべてを失いかけたピーターが再び立ち上がるとき、本物のヒーローが目覚める。
【レビュー】
暴走する地下鉄を糸で受け止め、力尽きたピーターを乗客が抱き留めて運ぶ場面で必ず泣いてしまう。
マスクを失ったピーターを「私たちの息子だ」と守る市井の人々の温度、そして燃えるドック・オクの最期に祈りが宿る感情劇の傑作だ。
No.3 スパイダーマン3
| 公開日 | 2007年5月1日(火)/日本(米国より3日早い世界先行公開) |
|---|---|
| 興行収入 | 約8億9,090万ドル(日本71.2億円) |
| 監督 | サム・ライミ |
| 脚本 | サム・ライミ/アイヴァン・ライミ/アルヴィン・サージェント |
| 主題歌 | Snow Patrol「Signal Fire」 |
| 俳優 | トビー・マグワイア(ピーター)、キルスティン・ダンスト(メリー・ジェーン)、ジェームズ・フランコ(ハリー/ニュー・ゴブリン)、トーマス・ヘイデン・チャーチ(フリント・マルコ/サンドマン)、トファー・グレイス(エディ・ブロック/ヴェノム)、ブライス・ダラス・ハワード(グウェン・ステイシー) |
| メイン声優 | ピーター(猪野学)他、シリーズ続投中心 |
【見どころ】
ライミ三部作の集大成にして、最大製作費を投じた大規模クライマックス作である。
宇宙からやってきた黒い共生体スーツがピーターの内なる闇を引き出すゴシック展開、砂の怪人サンドマンの圧倒的VFX、ヴェノム化したエディ・ブロックとの三つ巴決戦――トリプル・ヴィランで最終章を締め括る豪華構成だ。
日本では六本木ヒルズで世界プレミアが行われた話題作でもある。
【あらすじ】
ヒーロー業も恋も順風満帆に思えたピーターだが、宇宙から飛来した黒い共生体スーツが彼の心の闇を増幅させ、傲慢な別人格へと変えていく。
一方、ベンおじさん殺害の真犯人として浮上した脱獄囚フリント・マルコが粒子加速器の事故で砂の怪人サンドマンとなる。
ピーターを憎むエディ・ブロックは捨てられた共生体と融合し、ヴェノムへと変貌を遂げる。
【レビュー】
黒スーツに飲まれたピーターが髪を下ろして街を闊歩するダンスシーンの可笑しさと痛々しさに、思わず目が離せなくなる。
ハリーとピーターが背中合わせでヴェノム&サンドマンに挑む友情の最終決戦、その別れの場面で胸が締めつけられる三部作の大団円である。
第2期:アメイジング再起動期(2012〜2014)
2010年に企画中だった『スパイダーマン4』が中止となり、ソニーは新監督マーク・ウェブ+新主演アンドリュー・ガーフィールドで全面再起動を選択した。
ヒロインをグウェン・ステイシー(エマ・ストーン)に置き換え、原作の誕生秘話をモダン化した青春恋愛ドラマとして仕切り直した期である。
全2作で全世界興収約14.7億ドルを稼ぎつつも、3作目とスピンオフ『シニスター・シックス』『ヴェノム』が頓挫し、後のソニー=マーベル合流の引き金になった短命シリーズだ。
No.4 アメイジング・スパイダーマン(2012)
| 公開日 | 2012年6月30日(土) |
|---|---|
| 興行収入 | 7億5,870万ドル |
| 監督 | マーク・ウェブ |
| 脚本 | ジェームズ・ヴァンダービルト/アルヴィン・サージェント/スティーヴ・クローヴス |
| 主題歌 | SPYAIR「0 GAME」(日本版テーマソング) |
| 俳優 | アンドリュー・ガーフィールド(ピーター・パーカー/スパイダーマン)/エマ・ストーン(グウェン・ステイシー)/リス・エヴァンス(カート・コナーズ博士/リザード)/デニス・リアリー(ジョージ・ステイシー警部)/マーティン・シーン(ベン・パーカーおじさん)/サリー・フィールド(メイ・パーカーおばさん) |
| メイン声優 | 日本語吹替版あり(声優詳細は要確認) |
【見どころ】
ライミ版から10年後、ソニーが満を持して送り出した全面再起動の第1作。
『(500)日のサマー』のマーク・ウェブを起用し、原作のコミック誕生秘話に忠実な高校生ヒーローへ立ち返った再構築が新機軸。
ヒロインをメリー・ジェーンからグウェン・ステイシーへ置き換え、エマ・ストーンとアンドリュー・ガーフィールドの実生活でも始まった恋愛ケミストリーが画面を支配する。
【あらすじ】
両親に捨てられた過去を抱える高校生ピーター・パーカーは、父親の研究を追ううちにオズコープ社のカート・コナーズ博士と出会い、遺伝子操作された蜘蛛に噛まれて超人的能力を得る。
同級生グウェン・ステイシーとの恋を育む一方、ベンおじさんを失った悔恨を背負って自警活動を始めた矢先、コナーズ博士は爬虫類的怪物リザードへと変貌し、街を巨大実験場に変えていく。
【レビュー】
学園の廊下で初めてグウェンと目が合う場面の甘酸っぱさが反則だ。
スケートボードで街を駆け抜けるピーターの軽やかさに、これは別人の青春なのだと素直に思わされる。
ベンおじさんの台詞を引き継ぐラストシーンで、こちらまで胸を張りたくなる初々しい再起動である。
2012年は東日本大震災翌年で日本中が復興に向き合っていた年だ。
洋画では『アベンジャーズ』がMCU初の集合作として世界興収15億ドル超を打ち立て、ヒーロー映画の新時代を告げた。
邦画は『るろうに剣心』実写化第1作が話題をさらい、テレビでは『リーガル・ハイ』が古沢良太の脚本で社会現象化。
夏にはロンドン・オリンピックが開催され、SNSとスマートフォンの普及が一気に加速した時期で、スパイダーマンが等身大の高校生ヒーローに戻ったタイミングは社会の空気と確かに同期していた。
No.5 アメイジング・スパイダーマン2
| 公開日 | 2014年4月25日(金) |
|---|---|
| 興行収入 | 7億1,690万ドル |
| 監督 | マーク・ウェブ |
| 脚本 | アレックス・カーツマン/ロベルト・オーチー/ジェフ・ピンクナー |
| 主題歌 | Alicia Keys feat. Kendrick Lamar「It's On Again」/日本語吹替版テーマソング 中島美嘉×加藤ミリヤ「Fighter」 |
| 俳優 | アンドリュー・ガーフィールド(ピーター・パーカー/スパイダーマン)/エマ・ストーン(グウェン・ステイシー)/ジェイミー・フォックス(マックス・ディロン/エレクトロ)/デイン・デハーン(ハリー・オズボーン/グリーン・ゴブリン)/ポール・ジアマッティ(アレクセイ・シツェヴィッチ/ライノ)/サリー・フィールド(メイおばさん) |
| メイン声優 | 日本語吹替版あり(声優詳細は要確認) |
【見どころ】
グウェン・ステイシーとの恋愛悲劇を真正面から描いた、シリーズ屈指の感情振幅作だ。
エレクトロ、グリーン・ゴブリン、ライノの三悪役を一作に詰め込み、シニスター・シックス構想への布石として企画された。
音楽はハンス・ジマー率いるThe Magnificent Sixが担当し、Pharrell WilliamsやJohnny Marrら異色の顔ぶれが電気をテーマに音響を編んだ意欲作である。
【あらすじ】
卒業式を迎えたピーターは、グウェンとの恋を育みながらも亡き父親の研究の謎とオズコープ社の闇に踏み込んでいく。
冷遇された電気技師マックス・ディロンは事故でエレクトロへ変貌、旧友ハリー・オズボーンは難病の治療を求めて闇に堕ちていく。
タイムズスクエアの大停電、時計塔の死闘、二人の絆を試す決定的瞬間が、青春恋愛劇に容赦のない重さを刻みつけていく。
【レビュー】
時計塔の中でグウェンの髪が舞うあの一瞬は、何度観ても呼吸を忘れる。
ガーフィールドの泣き顔があまりに痛々しくて、こちらの胸まで打ち砕かれる。
電撃のスペクタクルに切ない青春恋愛悲劇を縫い込む構成が、ファンに語り継がれる理由をはっきり教えてくれる一本だ。
第3期:MCU合流ホーム三部作期(2017〜2021)
2015年2月のソニー=マーベル契約締結により、トム・ホランド主演で2度目のリブートが実現したMCU合流期である。
2016年『シビル・ウォー』でMCU初登場を果たし、翌2017年『ホームカミング』から単独主演に昇格、トニー・スターク師弟関係を軸に最年少MCUヒーローとして再定義された。
三部作はMCU第16・23・27作の節目を担い、マルチバース・サーガの正史化を完成させた。MCU全体の文脈はアイアンマン全作の歴代解説も併読すると流れが掴める。
No.6 スパイダーマン:ホームカミング
| 公開日 | 2017年8月11日(金) |
|---|---|
| 興行収入 | 8億8,090万ドル |
| 監督 | ジョン・ワッツ |
| 脚本 | ジョナサン・ゴールドスタイン/ジョン・フランシス・デイリー/ジョン・ワッツ/クリストファー・フォード/クリス・マッケナ/エリック・ソマーズ |
| 主題歌 | Ramones「Blitzkrieg Bop」/日本語吹替版主題歌 関ジャニ∞「Never Say Never」 |
| 俳優 | トム・ホランド(ピーター・パーカー/スパイダーマン)/マイケル・キートン(エイドリアン・トゥームス/バルチャー)/ロバート・ダウニー・Jr(トニー・スターク/アイアンマン)/ジョン・ファヴロー(ハッピー・ホーガン)/ゼンデイヤ(ミシェル・ジョーンズ/MJ)/マリサ・トメイ(メイおばさん) |
| メイン声優 | 日本語吹替版あり(声優詳細は要確認) |
【見どころ】
MCU第16作にして2度目のリブート、トム・ホランド単独主演の幕開けだ。
『シビル・ウォー』でデビュー済みの15歳ピーターを、青春学園コメディの土俵に持ち込んだ大胆な再定義が新機軸。
マイケル・キートン演じるバルチャーは、アベンジャーズが残した瓦礫を闇市に流す元労働者という、ストリートレベルの説得力ある悪役として高く評価された。
【あらすじ】
シビル・ウォーの戦いを経て普通の高校生活に戻ったピーターは、トニー・スターク特製のスーツを纏いつつも本格的なヒーロー活動を渇望する。
通学路の街角でATM強盗に手を出した彼は、未確認のテクノロジー兵器を追ううちにエイドリアン・トゥームス率いる武器密売組織と接触する。
ホームカミング・ダンスの夜、思いを寄せるリズの父の正体が暴かれた瞬間、少年は決定的な選択を迫られる。
【レビュー】
リズを家まで送る途中、車内で正体を察したトゥームスと交わす緊張の数十秒に背筋が凍る。
倒壊するビルの瓦礫の下で泣きながら立ち上がる場面で、ようやく彼が真のヒーローになる瞬間に立ち会える。
青春コメディと等身大の覚悟が同居した、新時代のスパイダーマン誕生編だ。
2017年はMCUフェーズ3が爆走した一年だった。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』『マイティ・ソー:バトルロイヤル』が世界中を沸かせ、米国ではトランプ政権が発足、ストレンジャー・シングスが配信ドラマの覇権を確立した。
日本では前年の『君の名は。』ブレイクから1年、TWICE「TT」が日本上陸し、ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』の余熱で恋ダンスが社会現象を維持していた。
スマートフォンと配信が完全に若者文化の主軸となり、高校生ヒーローの等身大の物語は時代の感性とぴたりと噛み合った。
No.7 スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム
| 公開日 | 2019年6月28日(金)日本/2019年7月2日(火)米国 |
|---|---|
| 興行収入 | 11億3,300万ドル(全世界)/30.6億円(日本) |
| 監督 | ジョン・ワッツ |
| 脚本 | クリス・マッケナ/エリック・ソマーズ |
| 主題歌 | 凛として時雨「Neighbormind」(日本語吹替版) |
| 俳優 | トム・ホランド(ピーター・パーカー)、ジェイク・ジレンホール(クエンティン・ベック/ミステリオ)、サミュエル・L・ジャクソン(ニック・フューリー)、ゼンデイヤ(MJ)、ジョン・ファヴロー(ハッピー・ホーガン)、マリサ・トメイ(メイおばさん) |
| メイン声優 | 日本語吹替版あり(声優詳細は要確認) |
【見どころ】
MCU第23作目「インフィニティ・サーガ」を締めくくる位置づけの一本で、ピーターが憧れのトニー・スタークを失った直後の喪失感を背負って欧州修学旅行へ旅立つ。
ベネチアからプラハ、ロンドンへと舞台を移すご当地アクションと、ジェイク・ジレンホール演じるミステリオの登場で「英雄とは誰か」を問う物語の重層性が際立つ作品である。
【あらすじ】
『エンドゲーム』後のニューヨーク。ピーターはMJに想いを伝えるための欧州旅行を心待ちにしていたが、空港でニック・フューリーから極秘任務を命じられる。
四大元素を司る怪物「エレメンタルズ」が世界を脅かし、別宇宙から来た英雄ミステリオと組んでベネチアやプラハで戦うことに。やがて事件の真相は意外な方向へと転がっていく。
【レビュー】
修学旅行のドキドキとアベンジャーズ後継者の重圧が同居する青春アクションで、屋上での告白シーンに胸がぎゅっと締めつけられる。
ミステリオの幻影演出が映像表現として圧巻で、何度観返してもラストの一報に背筋が凍る一本だ。
No.8 スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム
| 公開日 | 2021年12月17日(金)米国/2022年1月7日(金)日本 |
|---|---|
| 興行収入 | 19億2,100万ドル(全世界・シリーズ歴代1位)/42億5,000万円(日本) |
| 監督 | ジョン・ワッツ |
| 脚本 | クリス・マッケナ/エリック・ソマーズ |
| 主題歌 | SixTONES「Rosy」(日本語吹替版・書き下ろし新曲) |
| 俳優 | トム・ホランド(ピーター・パーカー)、ゼンデイヤ(MJ)、ベネディクト・カンバーバッチ(ドクター・ストレンジ)、ジェイコブ・バタロン(ネッド・リーズ)、ウィレム・デフォー(グリーン・ゴブリン)、アルフレッド・モリーナ(ドック・オク) |
| メイン声優 | 日本語吹替版あり(声優詳細は要確認) |
【見どころ】
MCU第27作目にしてマルチバース・サーガ最初の大型クロスオーバーで、ホームカミング三部作を締めくくる集大成の一本である。
ドクター・ストレンジが仕掛ける記憶魔法を発端に、過去の実写スパイダーマン世界から強敵が次々と現れる構造が観客の心を鷲掴みにし、シリーズ歴代1位の興収を打ち立てた歴史的成功作だ。
【あらすじ】
前作ラストでスパイダーマンの正体を世界に暴露されたピーターは、恋人MJや親友ネッドの大学進学にも影響が及ぶ事態に追い詰められる。
ドクター・ストレンジに記憶消去魔法を依頼するが、術式は失敗し、別の宇宙からピーターを知る者たちが続々と現界。グリーン・ゴブリンとドック・オクが姿を見せ、ピーターは想像もしなかった選択を迫られる。
【レビュー】
シリーズ歴代1位の興収を叩き出した一本で、終盤に訪れる「あの瞬間」に劇場全体が息を飲んだ熱量を一生忘れない。
20年に及ぶ歴代スパイダーマンの想いが交錯する屋上シーンで、頬を伝う涙が止まらなくなる傑作だ。
第4期:アニメ・スパイダーバース革命期(2018〜2023)
2018年公開『スパイダーマン:スパイダーバース』が開いた、CGアニメーション表現の革命期である。漫画的なコマ割り効果と多重スタイルの作画を融合させた独自の映像言語で第91回アカデミー賞長編アニメ映画賞を受賞し、全世界興収3.95億ドルを記録。
主役を黒人プエルトリコ系移民の少年マイルズ・モラレスに据えた決断は、アメコミ映画の多様性と「マルチバース」概念を一気に大衆化させた。もう一つのマーベル実写群としてX-MEN歴代シリーズ全13作も時系列で楽しめる。
2023年続編『アクロス・ザ・スパイダーバース』は140分という米国製アニメ最長記録を更新し、興収6.91億ドルを叩き出した一大潮流である。
No.9 スパイダーマン:スパイダーバース
| 公開日 | 2018年12月14日(金)米国/2019年3月8日(金)日本 |
|---|---|
| 興行収入 | 3億9,480万ドル(全世界)/9億円(日本) |
| 監督 | ボブ・ペルシケッティ/ピーター・ラムジー/ロドニー・ロスマン |
| 脚本 | フィル・ロード/ロドニー・ロスマン |
| 主題歌 | Post Malone & Swae Lee「Sunflower」/TK from 凛として時雨「P.S. RED I」(日本語吹替版) |
| 俳優 | (アニメ作品のため声優のみ) |
| メイン声優 | マイルズ・モラレス(シャメイク・ムーア)、ピーター・B・パーカー(ジェイク・ジョンソン)、グウェン・ステイシー(ヘイリー・スタインフェルド)、プラウラー(マハーシャラ・アリ)、キングピン(リーヴ・シュレイバー)、スパイダーマン・ノワール(ニコラス・ケイジ) |
【見どころ】
漫画的コマ表現と多重スタイルのCGアニメで「アメコミの紙面が動く」感覚を完成させ、第91回アカデミー賞長編アニメ映画賞を受賞した革命作である。
ブルックリンの黒人プエルトリコ系移民マイルズ・モラレスを主役に据え、複数宇宙から集ったスパイダーマン6人が共闘するマルチバース概念を、初心者でも体感できる物語に落とし込んだ歴史的一本だ。
【あらすじ】
ブルックリンの中学生マイルズは、地下鉄で謎のクモに噛まれて未知の能力を得る。
翌日、世界が変わる事件に遭遇したマイルズの前に、太鼓腹で人生に疲れた中年版ピーター・Bが別宇宙から現れる。グウェンやペニ・パーカー、スパイダー・ハム、スパイダーマン・ノワールも次々と転送され、キングピンの陰謀と宇宙の崩壊を止めるべく、マイルズは「自分のスパイダーマン」になる覚悟を試される。
【レビュー】
全カットが額装したいほど美しく、初見で「映像表現の革命を浴びている」感覚に背中を震わせた一本だ。
マイルズが信じる勇気を掴んでビルから飛び降りる「リープ・オブ・フェイス」の場面で、何度観ても胸が熱くなって涙腺が崩壊する。
平成最後の年であり、東京五輪まで2年と迫る時期で、米中貿易摩擦が本格化した激動の年である。
日本では『カメラを止めるな!』が口コミだけで興収40億円を突破する大ヒットを記録し、新海誠監督『君の名は。』『天気の子』への期待が高まる新海ブーム前夜だった。
米国アニメ界ではピクサー『リメンバー・ミー』が前年から続く高評価の余韻を残し、本作と同年公開の『ブラックパンサー』と並ぶ多様性の象徴として、マイルズ・モラレスの「黒人ヒーロー」表象が時代の潮流を体現した一本である。
No.10 スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース
| 公開日 | 2023年6月2日(金)米国/2023年6月16日(金)日本 |
|---|---|
| 興行収入 | 6億9,080万ドル(全世界)/11億1,000万円(日本) |
| 監督 | ホアキン・ドス・サントス/ケンプ・パワーズ/ジャスティン・K・トンプソン |
| 脚本 | フィル・ロード/クリストファー・ミラー/デヴィッド・カラハム |
| 主題歌 | LiSA「REALiZE」(日本語吹替版・書き下ろし新曲) |
| 俳優 | (アニメ作品のため声優のみ) |
| メイン声優 | マイルズ・モラレス(シャメイク・ムーア)、グウェン・ステイシー(ヘイリー・スタインフェルド)、ミゲル・オハラ/スパイダーマン2099(オスカー・アイザック)、ピーター・B・パーカー(ジェイク・ジョンソン)、ザ・スポット(ジェイソン・シュワルツマン)、スパイダーパンク(ダニエル・カルーヤ) |
【見どころ】
前作の表現革命をさらに倍化させ、各宇宙ごとに作画スタイルを変える「マルチビジュアル」演出を完成させた続編である。
スパイダー・ソサエティに集う数百人のスパイダーマンが画面を埋め尽くし、東映版の山城拓也&レオパルドンが正史化されるなど、47年に及ぶスパイダーマン文化史を一本に圧縮した狂気的な情報密度の到達点だ。
【あらすじ】
前作から1年後、マイルズはマルチバースを越えるグウェンと再会し、ミゲル・オハラ率いるスパイダー・ソサエティの存在を知る。
新たな脅威「ザ・スポット」を追って多次元を駆け抜けるなか、マイルズは「すべてのスパイダーマンには宿命的な悲劇が必要」というカノン論争に巻き込まれる。父を救うため、彼は仲間と袂を分かつ覚悟を固めていく。
【レビュー】
2時間20分という長尺を一切感じさせない密度で、グウェンの世界に飛び込んだ瞬間の淡い水彩タッチに息が止まった。
マイルズが「俺は俺のスパイダーマンになる」と宣言する場面で胸が熱くなり、衝撃のクリフハンガーで画面に向かって絶叫してしまう一本だ。
【次に来る新作】2026年・2027年公開のスパイダーマン2作
本編10作の系譜を継ぐ新作2本が、2026年と2027年に控えている。実写MCU新三部作の第1弾と、スパイダーバース三部作完結編の予告解説をまとめた。
スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ
- 監督:デスティン・ダニエル・クレットン
- 公開:2026年7月31日 日米同時公開予定
| 公開日 | 2026年7月31日(金)日米同時公開 |
|---|---|
| 監督 | デスティン・ダニエル・クレットン |
| 脚本 | クリス・マッケナ/エリック・ソマーズ |
| 主演 | トム・ホランド(ピーター・パーカー) |
| 主要キャスト | ゼンデイヤ(MJ)、ジェイコブ・バタロン(ネッド)、ジョン・バーンサル(パニッシャー)、マーク・ラファロ(ハルク)、サディ・シンク(新キャラ) |
| Amazon | 公開予定のため未掲載 |
2026年3月18日にソニー・ピクチャーズ・ジャパンが正式発表した、ホランド主演新三部作の第1作である。MCU第38作目/フェーズ6に位置づけられ、『シャン・チー』を手掛けたデスティン・ダニエル・クレットンが監督に起用された。
タイトル由来は原作コミック2008年のストーリー編「Brand New Day」(『One More Day』直後にピーター・パーカーの状況をリセットする展開)で、プロデューサー陣はホランド版を「真の意味でのストリート・レベル・ヒーロー」へ回帰させる構想を語っている。
ジョン・バーンサルがパニッシャー役で再演、マーク・ラファロのハルクも参戦するなど、アベンジャーズ離脱後のニューヨーク市井へ降り立つ新章として注目度が高い。撮影は2025年8月から12月にかけて英国グラスゴーとピンウッド・スタジオで実施済みである。
スパイダーマン:ビヨンド・ザ・スパイダーバース
- 監督:ボブ・ペルシケッティ
- 公開:2027年6月18日 米国公開予定
| 公開日 | 2027年6月18日(金)米国/日本公開日未定 |
|---|---|
| 監督 | ボブ・ペルシケッティ/ジャスティン・K・トンプソン |
| 脚本 | フィル・ロード/クリストファー・ミラー/デヴィッド・カラハム |
| 主役声優 | シャメイク・ムーア(マイルズ・モラレス) |
| 主要声優 | ヘイリー・スタインフェルド(グウェン)、オスカー・アイザック(ミゲル・オハラ)、ジェイク・ジョンソン(ピーターB)、ダニエル・カルーヤ(ホービー) |
| Amazon | 公開予定のため未掲載 |
2027年6月18日に米国公開を迎える、スパイダーバース三部作の完結編である。日本公開日は2026年5月時点で未定。
前作『アクロス』のクリフハンガー(マイルズが別宇宙に閉じ込められ、家族を救うため奔走するという衝撃の引き)から物語が直接続く構成で、第1作監督ボブ・ペルシケッティと『アクロス』共同監督ジャスティン・K・トンプソンがメガホンを取る。
当初『アクロス』『ビヨンド』は同時製作の予定だったが、『アクロス』優先制作と脚本・作画の大幅変更、2023年SAG-AFTRAストライキの影響で延期され、2023年12月に製作再開した経緯がある。
マイルズ・グウェン・ミゲル・ピーターBに加え、ホービー・スパイダーパンクら『アクロス』組がほぼ続投予定で、東映版山城拓也&レオパルドンの登場継続も予定されている。革命期を締めくくる集大成として期待が高まる一本だ。
おすすめ名作ランキングTOP3
全10作の中から、興行記録・批評評価・シリーズ史的意義の3軸で選び抜いた珠玉の3本を紹介する。
初見の読者もコアファンも、まずはこの3本から押さえれば全体像が一気に立体化する。
第1位|興収19.2億ドル・3人共演で歴史を変えた『ノー・ウェイ・ホーム』
堂々の第1位はスパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021)である。
全世界興行収入約19.2億ドルはシリーズ最高記録であり、コロナ禍下にも関わらず歴代興収ランキング上位に食い込んだ歴史的快挙である。
ジョン・ワッツ監督がストーリー・コンセプトを練り上げ、エイミー・パスカルが「カメオ的な顔見せではなく本物の役を用意する」とトビー・マグワイアとアンドリュー・ガーフィールドを口説き落とした。
脚本提示前の口頭契約という前例なき難局を経て実現した3人共演は、ファンが20年待ち望んだ夢を現実にした。
ライミ版のドック・オク/グリーン・ゴブリン、アメイジング版のエレクトロまでヴィランも一堂に会し、マルチバース・サーガの正史を形作った。
ベネディクト・カンバーバッチ演じるドクター・ストレンジの呪文がきっかけで開かれた多元宇宙は、以降のMCUとスパイダーバース両世界を繋ぐ要となった。
第2位|アニメ表現を一変させた革命作『アクロス・ザ・スパイダーバース』
第2位はスパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023)である。
全世界興収約6億9,080万ドルを記録し、米国製アニメ映画として公開当時歴代最長の140分を実現した野心作だ。
ホアキン・ドス・サントス/ケンプ・パワーズ/ジャスティン・K・トンプソンの3人体制で監督され、宇宙ごとに異なるアートスタイルを並存させる手法でアニメ表現を一変させた。
マイルズの世界はコミック調の網点、グウェンの世界は水彩画のような流動的な色彩、ミゲル・オハラの2099世界は冷たい未来感と、各宇宙が独自の絵画的言語を持つ。
脚本フィル・ロード/クリストファー・ミラー/デヴィッド・カラハムは、東映版の山城拓也&レオパルドンをスパイダー・ソサエティの一員として正史化した点も画期的である。
第3位|ドック・オク戦と電車救出が刻んだ青春叙情詩『スパイダーマン2』
第3位はスパイダーマン2(2004)である。
全世界興収約7億9,590万ドル・日本興収67億円を記録し、ライミ三部作の中で批評家・観客双方から最高評価を獲得した青春叙情詩の傑作だ。
アルフレッド・モリーナ演じるオットー・オクタヴィアス/ドック・オクは、4本の機械触手と人間の苦悩が同居する立体的な悪役として映画史に名を刻んだ。
脚本アルヴィン・サージェントは、能力を捨てて普通の青年に戻ろうとするピーターの葛藤を丹念に描いた点が高く評価された。
クライマックスの暴走列車救出シーンは、糸を全身で張って止めた素顔のピーターを乗客たちが運ぶ場面となり、ヒーロー映画屈指の名場面として語り継がれている。
サム・ライミの作家性が最も結晶した1作で、後年再演されるドック・オクの伏線でもある。
スパイダーマン映画はこの順番で見るのがおすすめ
全10作を一気に観る時間がない読者のため、目的別に3つのルートを用意した。
ブランドニューデイ予習・3俳優比較・マルチバース把握のいずれかを軸に、最短で本質を掴む構成である。
ルートA:ブランドニューデイ予習 必須5本
スパイダーマン:ホームカミング(2017) → スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム(2019) → スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021) → スパイダーマン:スパイダーバース(2018) → スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023)
2026年7月31日公開のブランドニューデイは「ノー・ウェイ・ホーム後のホランド版ピーター」と「マルチバース既知の前提」が物語の出発点となる。
MCU三部作でホランド版の世界観と人間関係を把握し、スパイダーバース2作でマルチバース概念の発端と拡張を理解すれば予習は完了する。
特にノー・ウェイ・ホームのラストでピーターが置かれた状況は新作の起点になるため、5本通しで観ることで新作の感動が何倍にも膨らむ構成である。
ルートB:3人のスパイダーマン全比較ルート
スパイダーマン(2002) → アメイジング・スパイダーマン(2012) → スパイダーマン:ホームカミング(2017) → スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021)
トビー・マグワイア/アンドリュー・ガーフィールド/トム・ホランドの3俳優が演じたピーター像を時代別に比較できる4本厳選ルートである。
2002年ライミ版で青春叙情詩としての原点を、2012年マーク・ウェブ版でクールで知性的なピーターを、2017年MCU版で高校生リアルな素顔を体感できる。
締めくくりのノー・ウェイ・ホームで3人が一堂に会する瞬間は、各作品を観た後だからこそ最大の感動が得られる構成だ。
ルートC:マルチバース全体把握ルート
スパイダーマン:スパイダーバース(2018) → スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023) → スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021)
マルチバース概念の発端から実写正史化までを最短3本で押さえるルートである。
2018年スパイダーバースで多元宇宙の発想を、2023年アクロスでスパイダー・ソサエティと東映版正史化までの拡張を、2021年ノー・ウェイ・ホームで実写MCUへの接続を確認できる。
アニメ2作で世界観の骨格を理解した後に実写大作で着地する流れは、ブランドニューデイやビヨンド・ザ・スパイダーバースを楽しむ土台にもなる構成である。
質問(FAQ)コーナー
スパイダーマン映画の歴史を深掘りする、マニアック度の高いQ&Aを5問用意した。
明日誰かに話したくなるトリビアを厳選している。
Q1. 3人のスパイダーマン俳優の年齢差はどれくらい?
トビー・マグワイアは1975年6月27日生まれ、アンドリュー・ガーフィールドは1983年8月20日生まれ、トム・ホランドは1996年6月1日生まれである。
最年長マグワイアと最年少ホランドの年齢差は実に21歳に及ぶ。
主演デビュー時の年齢もマグワイア26歳、ガーフィールド28歳、ホランド19歳と幅があり、各俳優の演じたピーター像にも年齢差が色濃く反映された。
ノー・ウェイ・ホーム共演時、マグワイアは46歳、ガーフィールドは38歳、ホランドは25歳と、3世代のピーターが同じスクリーンに揃った歴史的瞬間でもあった。
Q2. ノー・ウェイ・ホームの3人共演はどうやって実現した?
ジョン・ワッツ監督がストーリー・コンセプトを携えて2人に直接ピッチした。
プロデューサーのエイミー・パスカルは「キャッシュ・グラブのカメオではなく、本物の役を約束する」と説得し、脚本提示前の口頭契約という前例なき難局を乗り越えた。
マグワイアもガーフィールドも当初は復帰に懐疑的で、ガーフィールドは「最悪な選択になり得る」と懸念したと語っている。
ワッツ/パスカル/ファイギの粘り強い口説きと、両俳優のキャラクター再構築のアイデアを尊重する姿勢が功を奏した結果、20年越しのファンの夢が現実になった。
Q3. 東映版スパイダーマンが海外で再評価された理由は?
1978年5月17日から1979年3月14日まで東京12チャンネルで放送された日本オリジナル全41話で、巨大ロボット「レオパルドン」を操縦する独自設定が斬新だった。
スーツとクモ能力はマーベル準拠だが、宇宙人ガリアから能力を授かる山城拓也の物語は東映完全オリジナルである。
2009年3月から12月にかけてMarvel.comが英語字幕付き全話を公式配信したことで海外ファンに発見され、原作者スタン・リー本人もレオパルドン演出を肯定的に評価した。
『アクロス・ザ・スパイダーバース』でスパイダー・ソサエティの一員として正史化された経緯がある。
Q4. スパイダーバースのマイルズ・モラレスは原作にいる?
マイルズ・モラレスは2011年8月のマーベル原作コミック『Ultimate Fallout #4』で初登場したキャラクターで、ブライアン・マイケル・ベンディスとサラ・ピシェリが創作した。
その後2011年9月始動の本誌『Ultimate Comics: Spider-Man』Vol.2でシリーズ展開され、黒人プエルトリコ系移民の少年として最初から原作に存在した。
原作ではUltimate宇宙のピーター・パーカー死亡後を継ぐスパイダーマンとして登場し、家族構成・能力・スーツデザインまで映画版とほぼ同一である。
映画版マイルズ役の声優シャメイク・ムーアは、原作ファンからも違和感なく受け入れられた稀有なキャスティングとして評価が高い。
Q5. 「ブランド・ニュー・デイ」というタイトルは原作のどのエピソード?
2008年のマーベル・コミックス『The Amazing Spider-Man』#546-564「Brand New Day」編が原作である。
前ストーリー『One More Day』直後にピーター・パーカーの状況をリセットする展開で、Dan Slott/Marc Guggenheim/Bob Gale/Zeb Wellsらが脚本を担当した。
2026年映画版はこの原作エピソードから着想を得てタイトルが決定し、エイミー・パスカルが「ホランド主演新三部作の第1作」と公式発言している。
監督デスティン・ダニエル・クレットン、脚本クリス・マッケナとエリック・ソマーズが続投し、ストリート・レベルの犯罪に立ち向かう方向性が示された。
【比較表】3人のスパイダーマン|俳優別データ徹底比較
トビー・マグワイア/アンドリュー・ガーフィールド/トム・ホランドの3人を一枚の表で並べると、年齢差21歳・身長差・代表作の系統まで一気に立体化する。
ノー・ウェイ・ホーム共演を経た今だからこそ価値ある俳優別データを徹底比較する。
| 項目 | トビー・マグワイア | アンドリュー・ガーフィールド | トム・ホランド |
|---|---|---|---|
| 本名 | Tobias Vincent Maguire | Andrew Russell Garfield | Thomas Stanley Holland |
| 生年月日 | 1975年6月27日 | 1983年8月20日 | 1996年6月1日 |
| 出身地 | 米カリフォルニア州サンタモニカ | 米カリフォルニア州ロサンゼルス(英米二重国籍・英国育ち) | 英イングランド・ロンドン |
| 身長 | 約170cm | 約178cm(3人中最長身) | 約170cm(3人中最小柄・本人公認) |
| 初主演時の年齢 | 26歳(2002年) | 28歳(2012年) | 19歳(2016年シビル・ウォー初登場)/20歳(2017年単独主演) |
| スパイダーマン以外の代表作 | 『シービスケット』(2003)/『ブラザーズ』(2009)/『華麗なるギャツビー』(2013)/『バビロン』(2022) | 『ソーシャル・ネットワーク』(2010)/『ハクソー・リッジ』(2016)/『沈黙』(2016)/『tick, tick... BOOM!』(2021) | 『インポッシブル』(2012)/『ビリーブ 未来への大逆転』(2017)/『チェリー』(2021)/『アンチャーテッド』(2022) |
| 俳優としての特徴 | 青春叙情詩を体現する繊細な演技。内省的な眼差しが原点のピーター像を作った | アカデミー主演男優賞2度ノミネートの実力派。クールで知性的な大人のピーター像 | バレエ経験を活かしたアクション。出演作累計99億ドル超の歴代最高クラス |
3人の演じ分けは「年齢×出身国×俳優としての歩み」が見事に映像へ反映された結果である。
マグワイアはサンタモニカ出身の繊細さを活かし、能力に戸惑う等身大の青年として2002年版の青春叙情詩を成立させた。
ガーフィールドは英米二重国籍の知性派俳優として、軽妙な皮肉と母を失った苦悩を併せ持つクールな大人のピーターを造形した。
ホランドはロンドン出身の最年少として、高校生のリアルな未熟さと身体能力の高さを併せ持つ等身大の少年ヒーローを確立した。
ノー・ウェイ・ホームで3人が並ぶ瞬間、観客は同じピーター・パーカーが3つの異なる時代と感性で結晶した奇跡を目撃することになる。
単なる外見の違いではなく、各俳優の人生経験そのものがキャラクター造形の核として機能している点こそ、20年シリーズ最大の財産である。
マルチバース正史化マップ|SSU・MCU・ライミ版の繋がり
『ノー・ウェイ・ホーム』のマルチバース概念により、ライミ版・アメイジング版・MCU版・スパイダーバース系・SSU系のすべてが「同じ多元宇宙の別宇宙」として正史化された。
原作Earth番号と所属作品で繋がりを一望できる独自マップを提示する。
| 宇宙ブロック | 原作Earth番号 | 所属作品・代表キャラ | NWH再登場 |
|---|---|---|---|
| ライミ三部作 (2002-2007) |
Earth-96283 | マグワイア版ピーター/グリーン・ゴブリン(デフォー)/ドック・オク(モリーナ)/サンドマン | あり (ピーター本人+3ヴィラン) |
| アメイジング2作 (2012-2014) |
Earth-120703 | ガーフィールド版ピーター/リザード/エレクトロ(フォックス)/グリーン・ゴブリン(デハーン) | あり (ピーター本人+エレクトロ+リザード) |
| MCUホーム三部作 (2017-2021) |
Earth-199999 | ホランド版ピーター/バルチャー/ミステリオ/ドクター・ストレンジ/アイアンマン | 本編宇宙 |
| スパイダーバース2作 (2018-2023) |
Earth-1610(マイルズ) Earth-928(2099) |
マイルズ・モラレス/グウェン・ステイシー/ピーター・B・パーカー/ミゲル・オハラ/山城拓也(東映版) | なし (接続は概念的) |
原作正史であるEarth-616を基準に、各実写・アニメ作品が固有の宇宙番号を持つ構造である。
ライミ版Earth-96283とアメイジング版Earth-120703はノー・ウェイ・ホームのドクター・ストレンジの呪文事故により直接接続され、本編で実現された3人共演はこの宇宙番号体系上の正史的事件として位置づけられる。
MCU本編はEarth-199999、マイルズの暮らす世界はEarth-1610、ミゲル・オハラの未来世界はEarth-928と、スパイダーバース系も独立した番号で原作体系と接続している。
さらにSSU(ソニー・スパイダーマン・ユニバース)のヴェノム3部作・モービウス・マダム・ウェブ・クレイヴンは、『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』ミッドクレジットでヴェノムがMCU世界に一時転送され『ノー・ウェイ・ホーム』終盤に登場、さらに『モービウス』ポストクレジットでバルチャーがMCU側から転送される演出により、緩やかなマルチバース接続を成立させた。
これらの仕掛けによって、1978年東映版から2026年ブランドニューデイまで、すべての映像作品が「同じ多元宇宙の別宇宙」として一つの正史へ統合された前例なき事態が完成した。
1978年東映版スパイダーマン|レオパルドンが正史入りした衝撃
1978年に東京12チャンネルで放送された日本完全オリジナルのスパイダーマンが、2023年『アクロス・ザ・スパイダーバース』で正史化された。
巨大ロボ・レオパルドンを操縦する山城拓也がスパイダー・ソサエティの一員となった衝撃の経緯を5項目で解説する。
放送概要|全41話+劇場版1本の日本完全オリジナル
放送期間は1978年5月17日から1979年3月14日まで、毎週水曜19時30分から東京12チャンネル(現テレビ東京)で全41話が放送された。
主演は香山浩介(実名・藤堂新二)、共演は三浦リカ・安藤三男・賀川雪絵らで、脚本は上原正三と高久進、音楽は渡辺宙明、ナレーターは大平透が務めた。
ストーリー設定|マーベル原作との大胆な差異
主人公の山城拓也は、父親を宇宙侵略者「鉄十字団」に殺害された青年で、正義のスパイダー星人ガリアから「スパイダー・プロテクター」を託されて変身する。
スーツと基本能力はマーベル準拠だが、能力獲得経緯と復讐譚としての物語は東映完全オリジナルの日本独自展開である。
巨大ロボ・レオパルドン|後の戦隊ロボの原型
巨大宇宙船「マーベラー」が人型ロボット「レオパルドン」に変形する設定は、劇中数秒で完了する圧倒的な演出から「秒殺ロボ」の代名詞となった。
ヒーローが巨大ロボを操縦する設定とブレスレット変身演出は、後の『スーパー戦隊シリーズ』巨大ロボの原型として継承された。
海外再評価|2009年Marvel.com公式配信とスタン・リーの肯定評価
2009年3月5日から12月24日にかけて、Marvel.comが英語字幕付きで全話を公式配信し、海外ファンの間で再発見された。
原作者スタン・リー本人もレオパルドン演出を肯定的に評価しており、これが後の正史化への布石となった。
スパイダーバース正史化|山城拓也&レオパルドンの登場
『スパイダーマン:スパイダーバース』(2018)でマイルズが描いていたスケッチに似たメカが登場し、続く『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』(2023)で山城拓也&レオパルドンがスパイダー・ソサエティの一員として正式に登場した(詳細は本編再視聴推奨)。
ソニー・マーベル映画化権30年闘争史|1985〜2026
1985年のキャノン・フィルムズ22万5,000ドル取得から、4倒産・5訴訟・18契約の混乱期を経て、ソニー=マーベル合流とブランドニューデイ実現まで、権利と人物が絡んだ30年の闘争を年表で一望する。
| 年代 | 出来事 | 規模感 |
|---|---|---|
| 1985年 | Cannon Filmsがマーベルから映画化権取得 | 22万5,000ドル |
| 1989年 | James Cameron/Carolco版企画始動・57ページのスクリプトメント現存 | 企画段階・1992年Carolco倒産で頓挫 |
| 1996〜1998年 | 権利分裂・訴訟戦(Cannon→MGM→Marvel→Sonyへの移動) | 4倒産・5訴訟・18書面契約 |
| 1999年 | マーベルとSony和解・映画化権Sonyへ確定 | 700万ドル譲渡 |
| 2002年 | サム・ライミ版実写化第1作公開 | 全世界興収8.2億ドル |
| 2010年 | 『スパイダーマン4』中止→アメイジング再起動決定 | マーク・ウェブ監督起用 |
| 2014年 | 『アメイジング・スパイダーマン2』興収不調→マーベル合流交渉開始 | 全世界興収7.16億ドル |
| 2015年2月 | SonyとMarvel Studios共同製作契約締結(MCU合流) | トム・ホランド主演決定 |
| 2019年8月 | 契約一時破棄危機(Tony Vinciquerra「the door is closed」発言) | 収益分配比率で決裂 |
| 2019年9月 | 再合流・新契約締結 | Disney純利益25%・製作費25%負担 |
| 2026年7月 | 『ブランド・ニュー・デイ』公開で関係継続 | ホランド主演新三部作1作目 |
1985年に22万5,000ドルで動き出した権利は、80年代後半の混乱期に4倒産・5訴訟・18書面契約を巻き込みながら漂流した。
1999年Sony確定の700万ドル譲渡を経て、2002年ライミ版第1作の全世界興収8.2億ドル大ヒットへと結実する流れは、17年越しの実写化という長期闘争の到達点だった。
最大の山場は2019年8月の一時破棄危機である。
Sony Picturesチェアマン Tony Vinciquerraが「the door is closed」と発言してマーベル離脱が決定したものの、トム・ホランド本人がBob Iger(Disney)とTom Rothman(Sony)に直接交渉を行い、SNSで言及したファンの抗議の波と相まって、わずか1ヶ月後の9月に再合流が実現した。
Disney側がMCU新作純利益25%取得・製作費25%負担という新条件を受け入れる形で締結された再契約は、ファンの声と俳優本人の動きが大企業同士の決裂を覆した稀有な事例として記憶されている。
この流れの先に2026年7月31日のブランドニューデイ公開があり、ホランド主演新三部作の幕開けへ繋がった。
歴代主題歌・テーマ曲一覧
スパイダーマン映画は、時代ごとに音楽の顔を変えてきたシリーズである。
2002年のロック志向から、近年のJ-POP・アニソン路線まで、全10作の主題歌を公開順に一覧化した。
日本語吹替版で書き下ろされた楽曲も含めて整理する。
| No | 作品(公開年) | 楽曲 | アーティスト |
|---|---|---|---|
| 1 | スパイダーマン(2002) | Hero | Chad Kroeger feat. Josey Scott |
| 2 | スパイダーマン2(2004) | Vindicated/日本盤テーマ「ウィ・アー」 | Dashboard Confessional/アナ・ジョンソン |
| 3 | スパイダーマン3(2007) | Signal Fire | Snow Patrol |
| 4 | アメイジング・スパイダーマン(2012) | 0 GAME(日本版テーマ) | SPYAIR |
| 5 | アメイジング・スパイダーマン2(2014) | It's On Again/日本語版「Fighter」 | Alicia Keys feat. Kendrick Lamar/中島美嘉×加藤ミリヤ |
| 6 | スパイダーマン:ホームカミング(2017) | Blitzkrieg Bop/日本語吹替版「Never Say Never」 | Ramones/関ジャニ∞ |
| 7 | スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム(2019) | Neighbormind(日本語吹替版) | 凛として時雨 |
| 8 | スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021) | Rosy(日本語吹替版) | SixTONES |
| 9 | スパイダーマン:スパイダーバース(2018) | Sunflower/日本語版「P.S. RED I」 | Post Malone & Swae Lee/TK from 凛として時雨 |
| 10 | スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023) | REALiZE(日本語吹替版) | LiSA |
スパイダーマンの主題歌は、20年で4つの世代を駆け抜けてきた。
2002〜2007年のライミ三部作期はオルタナティブロック一色である。Chad Kroeger「Hero」は2002年MTV映画賞最優秀映画ビデオ賞を獲得し、Dashboard Confessional「Vindicated」が青春の苛立ちを刻み、Snow Patrol「Signal Fire」がピーターの内面の揺らぎを音にした。
2012〜2014年のアメイジング期では、日本盤テーマソングが定着する。SPYAIR「0 GAME」が国内プロモーションを牽引し、続編では中島美嘉×加藤ミリヤ「Fighter」が公開当時のヒットチャートを賑わせた。
2017〜2021年のMCUホーム期は日本独自路線が一気に強化される。関ジャニ∞「Never Say Never」、凛として時雨「Neighbormind」、SixTONES「Rosy」と、邦楽トップアーティストが書き下ろし新曲で挑んだ。
2018〜2023年のスパイダーバース期では、Post Malone & Swae Lee「Sunflower」がRIAA初の「ダイヤモンド×ダブル」認定を獲得した歴史的ヒットとなった。
マイルズが初めて壁を登るシーンと「Sunflower」のシンクロは、世界中の劇場で鳥肌の対象として語り草になった一場面である。
『アクロス』ではLiSAが日本人として初のハリウッド映画主題歌に抜擢され、「REALiZE」がマイルズの覚醒を後押しした。
名場面と主題歌の組み合わせで忘れがたいのは、『ノー・ウェイ・ホーム』のラストで3人のピーターが屋上で並ぶシーンに重ねられたSixTONES「Rosy」の余韻だ。
20年分のスパイダーマン史を1曲で抱きしめる構成は、シリーズ音楽史の頂点と呼ぶに相応しい瞬間だった。
全作品の公開日・興行収入一覧
本編実写8作とアニメ2作の全10作を、米国公開日順に一覧化した。タイトルをタップすると各作品の詳細解説にジャンプできる。
| No | タイトル | 米国公開日 | 日本公開日 | 全世界興収 | 日本興収 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | スパイダーマン | 2002/5/3 | 2002/5/11 | 8.22億ドル | 75.0億円 |
| 2 | スパイダーマン2 | 2004/6/30 | 2004/7/10 | 7.96億ドル | 67.0億円 |
| 3 | スパイダーマン3 | 2007/5/4 | 2007/5/1 | 8.91億ドル | 71.2億円 |
| 4 | アメイジング・スパイダーマン | 2012/7/3 | 2012/6/30 | 7.59億ドル | 31.6億円 |
| 5 | アメイジング・スパイダーマン2 | 2014/5/2 | 2014/4/25 | 7.17億ドル | 31.4億円 |
| 6 | スパイダーマン:ホームカミング | 2017/7/7 | 2017/8/11 | 8.81億ドル | 28.0億円 |
| 7 | スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム | 2019/7/2 | 2019/6/28 | 11.33億ドル | 30.6億円 |
| 8 | スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム | 2021/12/17 | 2022/1/7 | 19.21億ドル | 42.5億円 |
| 9 | スパイダーマン:スパイダーバース | 2018/12/14 | 2019/3/8 | 3.95億ドル | 9.0億円 |
| 10 | スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース | 2023/6/2 | 2023/6/16 | 6.91億ドル | 11.1億円 |
関連作品
本編10作と地続きで楽しめる関連作品を3点紹介する。
スパイダーマンが登場しないSSU第1作、スパイダー関連能力者のSSU後期作、そしてMCU側のクロスオーバー大作という3軸で、マルチバースの広がりを補完する位置づけだ。
ヴェノム
2018年10月公開、ソニーが独自展開するSSU(ソニー・スパイダーマン・ユニバース)の第1作にして看板作品である。
監督はルーベン・フライシャー、主演はトム・ハーディが粗暴ジャーナリスト・エディ・ブロックと共生体ヴェノムの二役を1人で演じ分けた。
全世界興行収入は8.56億ドルを記録し、続編『カーネイジ』のミッドクレジットで一瞬MCU世界に転送された後、『ノー・ウェイ・ホーム』のポストクレジットで欠片を残して帰還するという形でマルチバース正史と接続した。
スパイダーマン本人との直接対決はないが、共生体(シンビオート)という独自軸で映像表現を切り拓き、コミック原作のダーク・ヒーロー像を商業的に成立させた歴史的1作となっている。
マダム・ウェブ
2024年2月公開、SSU第4作にあたるスパイダー関連サイドストーリーである。
監督はS・J・クラークソン、主演はダコタ・ジョンソンが救急医療隊員キャシー・ウェブを演じ、未来予知能力に目覚めた彼女が3人の若き女性スパイダーを守るオリジン譚として描かれた。
全世界興収は1億50万ドルにとどまり興行的には苦戦したが、配信解禁後は「予知シーンの編集が逆に味」「ダコタの脱力演技が癖になる」と再評価が進む異色作となっている。
シドニー・スウィーニー、イザベラ・メルセド、セレステ・オコナーが演じる3人の若手スパイダーは、SSUのサイドキャラ群がマルチバースで再登場する伏線として位置づけられる存在だ。
アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー
2018年4月公開、MCUインフィニティ・サーガの集大成にしてシリーズ最大級のクロスオーバー大作である。
監督はルッソ兄弟、全世界興収は20.5億ドルを記録し、当時の歴代興収トップ5入りを果たした。
本作はトム・ホランド版スパイダーマンが初めてアベンジャーズに大規模合流した作品でもあり、土星の衛星タイタンでドクター・ストレンジ・スター・ロード・アイアンマンと共にサノスへ挑むタイタン戦は本作屈指の名場面となった。
ピーターがアイアンマンの腕の中で消滅していく「Mr. Stark, I don't feel so good」は、20年以上のスパイダーマン映画史を振り返っても最も心を抉る別れのシーンとして語り継がれている。
まとめ
2002年のサム・ライミ版『スパイダーマン』から、2023年の『アクロス・ザ・スパイダーバース』まで、20年余りの歳月でスパイダーマン映画は本編10作・3人の俳優・4つの世代を駆け抜けてきた。
ライミ三部作が築いたヒーロー像、アメイジング2部作が描いた青春の苦悩、MCUホーム3部作で完成したマルチバース叙事詩、そしてスパイダーバース2部作が切り拓いたアニメーションの新地平。
ヴィランも歴代22体超を数え、グリーン・ゴブリンからドック・オク、ヴェノム、ザ・スポットまで、敵役の系譜そのものがピーター・パーカーという人格の試練を映し出す鏡だった。
そして2026年7月31日、トム・ホランド版MCU新三部作の幕開けとなる『ブランド・ニュー・デイ』が日米同時公開を迎える。
ニューヨークのストリートに帰還する「プロパー・スパイダーマン」を迎え撃つために、本記事の全10作を予習する旅は終わらない。
次のスパイダーマンはどんな顔をしているのか。劇場でマスクを脱ぐ瞬間を、心ゆくまで味わってほしい。












