ゲームソフトから始まり、アニメ、カードゲームと世界規模でメディアミックスを展開する怪物コンテンツ『ポケットモンスター』。その劇場版シリーズは、夏休みの定番映画として子供たちの成長に寄り添い続けてきた。
「夏はポケモン!」を合言葉に、伝説のポケモンを巡る壮大な冒険や、サトシとピカチュウの揺るぎない絆、そして時には「命の尊さ」や「共存」といった深淵なテーマを問いかけるストーリーは、子供だけでなく親世代の心をも打ち打つ。ゲスト声優の豪華さや、映画館でのポケモン配布(データ配信)という画期的なシステムを定着させたことも、本シリーズがエンタメ史に残した大きな功績と言えるだろう。
原作データ
『ポケットモンスター』は、1996年2月27日に任天堂から発売されたゲームボーイ用ソフト『ポケットモンスター 赤・緑』を原作とする。開発はゲームフリーク。収集・育成・対戦・交換という要素が爆発的な人気を博し、『コロコロコミック』(小学館)での漫画連載や、1997年4月からのTVアニメ放送開始によってブームは社会現象化。「ポケモン言えるかな?」が流行語になるなど、瞬く間に国民的キャラクターへと成長した。
歴代作品一覧
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| No | 公開日 | タイトル | 興行収入 |
|---|---|---|---|
| 1 | 1998/7/18 | ミュウツーの逆襲 | 72.4億円 |
| 2 | 1999/7/17 | 幻のポケモン ルギア爆誕 | 64.0億円 |
| 3 | 2000/7/8 | 結晶塔の帝王 ENTEI | 48.5億円 |
| 4 | 2001/7/7 | セレビィ 時を超えた遭遇 | 39.0億円 |
| 5 | 2002/7/13 | 水の都の護神 ラティアスとラティオス | 26.7億円 |
| 6 | 2003/7/19 | 七夜の願い星 ジラーチ | 45.0億円 |
| 7 | 2004/7/17 | 裂空の訪問者 デオキシス | 43.8億円 |
| 8 | 2005/7/16 | ミュウと波導の勇者 ルカリオ | 43.0億円 |
| 9 | 2006/7/15 | ポケモンレンジャーと蒼海の王子 マナフィ | 34.0億円 |
| 10 | 2007/7/14 | ディアルガVSパルキアVSダークライ | 50.2億円 |
| 11 | 2008/7/19 | ギラティナと氷空の花束 シェイミ | 48.0億円 |
| 12 | 2009/7/18 | アルセウス 超克の時空へ | 46.7億円 |
| 13 | 2010/7/10 | 幻影の覇者 ゾロアーク | 41.6億円 |
| 14 | 2011/7/16 | ビクティニと黒き英雄 ゼクロム / 白き英雄 レシラム | 43.3億円 |
| 15 | 2012/7/14 | キュレムVS聖剣士 ケルディオ | 36.1億円 |
| 16 | 2013/7/13 | 神速のゲノセクト ミュウツー覚醒 | 31.7億円 |
| 17 | 2014/7/19 | 破壊の繭とディアンシー | 29.1億円 |
| 18 | 2015/7/18 | 光輪の超魔神 フーパ | 26.1億円 |
| 19 | 2016/7/16 | ボルケニオンと機巧のマギアナ | 21.5億円 |
| 20 | 2017/7/15 | キミにきめた! | 35.5億円 |
| 21 | 2018/7/13 | みんなの物語 | 30.9億円 |
| 22 | 2019/7/12 | ミュウツーの逆襲 EVOLUTION | 29.8億円 |
| 23 | 2020/12/25 | ココ | 17.3億円 |
第1期:初期の熱狂と「ミュウツー」の衝撃(1998-2002)
社会現象となった『ポケットモンスター(無印)』放送時期に公開された初期5作品。監督は湯山邦彦、脚本は初期シリーズ構成も務めた首藤剛志(第1〜3作)らが担当した。
この時期の特徴は、子供向けアニメとは思えないほど重厚でシリアスなテーマ性だ。「自己の存在意義(アイデンティティ)」や「共存」といった普遍的かつ哲学的な問いを、伝説のポケモンを通して描いている。興行収入はいずれも大ヒットを記録し、特に第1作『ミュウツーの逆襲』は歴代最高記録を樹立。毎年夏に公開される「ポケモン映画」というブランドを不動のものにした伝説の時代である。
No.1 ミュウツーの逆襲
| 公開日 | 1998年7月18日(土) |
|---|---|
| 興行収入 | 72.4億円 |
| 監督 | 湯山邦彦 |
| 脚本 | 首藤剛志 |
| 主題歌 | 小林幸子「風といっしょに」 |
| メイン声優 | サトシ(松本梨香)、ピカチュウ(大谷育江)、カスミ(飯塚雅弓)、タケシ(上田祐司)、ムサシ(林原めぐみ)、コジロウ(三木眞一郎)、ニャース(犬山犬子) |
| ゲスト声優 | ミュウツー(市村正親)、ボイジャー(小林幸子) |
【概要】
記念すべき劇場版第1作。「私は誰だ…ここはどこだ…」というミュウツーの独白から始まる本作は、人間のエゴによって生み出されたクローンポケモンの苦悩と逆襲を描く。子供向けアニメとしては異例の重いテーマを扱いながらも、興行収入72.4億円という大記録を樹立。市村正親氏演じるミュウツーの圧倒的な存在感と、「本物」と「コピー」が涙を流して戦うシーンは伝説となっている。
【あらすじ】
幻のポケモン・ミュウの化石から、人間の手によって作り出された最強のポケモン・ミュウツー。自らの存在意義を問い続け、自分を生み出した人間への復讐を誓う彼は、サトシたち最強のトレーナーを孤島の「ニューアイランド」へ招く。そこで待ち受けていたのは、ポケモンのコピーを作り出し、本物と戦わせるという残酷な実験だった。ミュウツーの攻撃からポケモンたちを庇い、石化してしまったサトシ。その時、戦っていたポケモンたちの頬を涙が伝う。
日本中が「ポケモン」一色に染まっていた年。前年に起きた「ポケモンショック」を乗り越え、映画公開によって人気は不動のものとなった。長野オリンピックが開催され、スキージャンプ団体の金メダルに沸いた年でもある。映画界では『タイタニック』が空前のロングランヒットを記録しており、『ミュウツーの逆襲』はそれに次ぐ年間ランキング2位(邦画では1位)を獲得。ゲームボーイカラーの発売や、『遊☆戯☆王』のカードゲーム化など、ホビー業界も活況を呈していた。
No.2 幻のポケモン ルギア爆誕
| 公開日 | 1999年7月17日(土) |
|---|---|
| 興行収入 | 64.0億円 |
| 監督 | 湯山邦彦 |
| 脚本 | 首藤剛志 |
| 主題歌 | 安室奈美恵「toi et moi」 |
| メイン声優 | サトシ(松本梨香)、ピカチュウ(大谷育江)、カスミ(飯塚雅弓)、ケンジ(関智一)、ムサシ(林原めぐみ)、コジロウ(三木眞一郎)、ニャース(犬山犬子) |
| ゲスト声優 | ジラルダン(鹿賀丈史)、フルーラ(平松晶子)、ヤドキング(浜田雅功) |
【概要】
「火の神、雷の神、氷の神に触れてはならぬ」。伝説のポケモン(ファイヤー、サンダー、フリーザー)の均衡が崩れ、世界が滅亡の危機に瀕するパニック・スペクタクル。それらを鎮める「海の神・ルギア」と、世界を救う「優れたる操り人」として選ばれたサトシの冒険を描く。「命をかけてかかってこい」というキャッチコピー通りの熱い展開が見どころ。
【あらすじ】
コレクターのジラルダンが伝説の鳥ポケモンを捕獲しようとしたことで、世界の気象バランスが崩壊してしまう。オレンジ諸島を旅していたサトシは、アーシア島でフルーラという少女に出会い、祭りの儀式に参加することに。しかし、暴走する三鳥の猛攻に巻き込まれる。そこへ海底からルギアが出現。サトシは仲間たちの助けを借りて、世界を救うための「3つの宝」を集めに嵐の中へ飛び出す。
No.3 結晶塔の帝王 ENTEI
| 公開日 | 2000年7月8日(土) |
|---|---|
| 興行収入 | 48.5億円 |
| 監督 | 湯山邦彦 |
| 脚本 | 首藤剛志 |
| 主題歌 | 森公美子「虹がうまれた日」 |
| メイン声優 | サトシ(松本梨香)、ピカチュウ(大谷育江)、カスミ(飯塚雅弓)、タケシ(上田祐司)、ムサシ(林原めぐみ)、コジロウ(三木眞一郎)、サトシのママ(豊島まさみ) |
| ゲスト声優 | エンテイ(竹中直人)、ミー(矢島晶子)、リン(加藤あい) |
【概要】
孤独な少女ミーの心が作り出した幻想世界での物語。アンノーンの力によって結晶化してしまった町と、ミーの父親代わりとして具現化された伝説のポケモン・エンテイ。サトシのママが母親役として連れ去られるという衝撃的な展開から、サトシが母を取り戻すために塔へ挑む。家族の絆と、現実を受け入れる勇気を描いたファンタジー。
【あらすじ】
グリーンフィールドに住む少女ミーは、行方不明になった父を想うあまり、謎のポケモン・アンノーンの力で屋敷を結晶の塔へと変えてしまう。ミーの願いにより、幻影のエンテイが父親として現れる。さらに母親を欲しがったミーのために、エンテイはサトシのママを誘拐。サトシはリザードンたちの力を借りて塔へ突入する。ミーの夢を守るために圧倒的な力を見せるエンテイに対し、サトシは必死に呼びかける。「夢から覚めて、外の世界へ行こう」と。
No.4 セレビィ 時を超えた遭遇
| 公開日 | 2001年7月7日(土) |
|---|---|
| 興行収入 | 39.0億円 |
| 監督 | 湯山邦彦 |
| 脚本 | 園田英樹 |
| 主題歌 | 藤井フミヤ「明日天気にしておくれ」 |
| メイン声優 | サトシ(松本梨香)、ピカチュウ(大谷育江)、カスミ(飯塚雅弓)、タケシ(上田祐司)、ムサシ(林原めぐみ)、コジロウ(三木眞一郎)、オーキド博士(石塚運昇) |
| ゲスト声優 | ユキナリ(戸田恵子)、ビシャス(佐野史郎)、ホワイト(藤井フミヤ) |
【概要】
タイムスリップをテーマにした作品。40年前の世界からやってきた少年ユキナリとサトシの友情、そして森の神・セレビィを狙うロケット団最高幹部ビシャスとの戦いを描く。自然破壊への警鐘と、時を超えた繋がりに感動する一作。物語のラストで明かされる「ユキナリの正体」は、ファンの間で語り継がれる名サプライズ。
【あらすじ】
ハンターに追われたセレビィは、森で出会った少年ユキナリと共に40年後の未来(サトシたちのいる現在)へタイムスリップしてしまう。サトシたちはユキナリと傷ついたセレビィを保護するが、そこへロケット団のビシャスが現れる。ビシャスは「ダークボール」を使ってセレビィを邪悪な破壊神へと変貌させ、森を破壊し始める。サトシとユキナリは力を合わせ、セレビィの心を取り戻そうと奮闘する。
No.5 水の都の護神 ラティアスとラティオス
| 公開日 | 2002年7月13日(土) |
|---|---|
| 興行収入 | 26.7億円 |
| 監督 | 湯山邦彦 |
| 脚本 | 園田英樹 |
| 主題歌 | coba&宮沢和史「ひとりぼっちじゃない」 |
| メイン声優 | サトシ(松本梨香)、ピカチュウ(大谷育江)、カスミ(飯塚雅弓)、タケシ(上田祐司)、ムサシ(林原めぐみ)、コジロウ(三木眞一郎) |
| ゲスト声優 | ザンナー(神田うの)、リオン(釈由美子)、カノン(折笠富美子) |
【概要】
イタリアのヴェネツィアをモデルにした美しい水上都市「アルトマーレ」が舞台。アコーディオンの音色が響く異国情緒あふれる世界観と、伝説のポケモン・ラティアスとラティオス兄妹の悲しくも美しい物語。シリーズの中でも特に「大人っぽい」「芸術的」と評価が高い。怪盗姉妹ザンナーとリオンのお洒落な悪役ぶりも魅力的。
【あらすじ】
美しい水の都アルトマーレを訪れたサトシたち。そこでサトシは、人間に変身できるポケモン・ラティアスと出会い、秘密の庭で仲良くなる。しかし、都に眠る秘宝「こころのしずく」を狙う怪盗姉妹が現れ、ラティオスが捕らえられてしまう。こころのしずくが奪われると、封印された津波が都を襲う。街を守るため、ラティオスは自らの命を懸けて最後の決断をする。ラストシーン、サトシにキスをしたのは少女カノンか、それともラティアスか。余韻を残すエンディングが美しい。
第2期:新世代への挑戦と「感動」の継承(2003-2006)
TVアニメが『アドバンスジェネレーション(AG)』へ移行し、ヒロインがハルカにバトンタッチされた時期。ゲームボーイアドバンス用ソフト『ルビー・サファイア』のポケモンたちがスクリーンで躍動する。
この時期は、第1期で培った「感動路線」を継承しつつ、よりエンターテインメント性を高めた作品が多い。「千年に一度」や「数百年ぶり」といった壮大な時間軸の中での一瞬の出会いと別れを描くのが特徴で、特に第8作『ミュウと波導の勇者 ルカリオ』は、シリーズ屈指の泣ける名作として評価が高い。
No.6 七夜の願い星 ジラーチ
| 公開日 | 2003年7月19日(土) |
|---|---|
| 興行収入 | 45.0億円 |
| 監督 | 湯山邦彦 |
| 脚本 | 園田英樹 |
| 主題歌 | 林明日香「小さきもの」 |
| メイン声優 | サトシ(松本梨香)、ピカチュウ(大谷育江)、ハルカ(KAORI)、マサト(山田ふしぎ)、タケシ(上田祐司)、ムサシ(林原めぐみ) |
| ゲスト声優 | バトラー(山寺宏一)、ダイアン(牧瀬里穂)、ジラーチ(鈴木富子) |
【概要】
千年に一度、7日間だけ目を覚ますという願い星のポケモン・ジラーチと、サトシたちの旅の仲間であるマサトの友情物語。悪しき野望を持つマジシャン・バトラーによって生み出された「メタ・グラードン」が暴走する。主題歌「小さきもの」の壮大なメロディに乗せて描かれる、切なくも温かい別れのラストシーンが印象的。
【あらすじ】
千年に一度現れる「千年の彗星」の夜。移動遊園地でサトシたちはマジシャンのバトラーと出会う。バトラーが持っていた「眠り繭」の声を聞いたマサトは、その中から目覚めたジラーチと友達になる。しかし、バトラーの狙いはジラーチの強大なエネルギーを利用して、伝説のポケモン・グラードンを復活させることだった。実験の失敗により誕生した怪物に飲み込まれていく大地。マサオはジラーチを守るため、別れの時が迫る中で勇気を振り絞る。
六本木ヒルズが開業し、映画界では『踊る大捜査線 THE MOVIE 2』が実写邦画の記録を塗り替えた年。SMAPの「世界に一つだけの花」が大ヒットし、社会現象となった。一方で、SARS(重症急性呼吸器症候群)の流行など不安なニュースも。そんな中、ポケモン映画は新シリーズAGに突入し、新たなファン層を獲得しながら「夏の定番」としての地位を盤石にしていた。
No.7 裂空の訪問者 デオキシス
| 公開日 | 2004年7月17日(土) |
|---|---|
| 興行収入 | 43.8億円 |
| 監督 | 湯山邦彦 |
| 脚本 | 園田英樹 |
| 主題歌 | Tommy february6「L・O・V・E・L・Y 〜夢見るLOVELY BOY〜」 |
| メイン声優 | サトシ(松本梨香)、ピカチュウ(大谷育江)、ハルカ(KAORI)、マサト(山田ふしぎ)、タケシ(上田祐司)、ムサシ(林原めぐみ) |
| ゲスト声優 | トオイ(日髙のり子)、ユウコ(上原多香子)、リュウ(山寺宏一) |
【概要】
ハイテク都市ラルースシティを舞台に、宇宙から飛来したポケモン・デオキシスと、天空の守り神・レックウザの激突を描く。高層ビルが立ち並ぶ近未来的な舞台設定や、ブロック型ロボットが暴走するパニック要素が見どころ。ポケモン恐怖症の少年トオイが、サトシたちとの交流を通じて克服していく成長物語でもある。
【あらすじ】
宇宙から飛来した隕石に乗って現れたデオキシスと、縄張りを荒らされたと激怒するレックウザが激突。数年後、ハイテク都市ラルースを訪れたサトシたちは、過去のトラウマでポケモンに触れられない少年トオイと出会う。そこへ再びデオキシスが現れ、街全体をバリアで封鎖してしまう。レックウザも襲来し、都市機能が麻痺する中、サトシたちはデオキシスの真の目的「仲間を探している」ことを知り、解決に奔走する。
No.8 ミュウと波導の勇者 ルカリオ
| 公開日 | 2005年7月16日(土) |
|---|---|
| 興行収入 | 43.0億円 |
| 監督 | 湯山邦彦 |
| 脚本 | 園田英樹 |
| 主題歌 | PUFFY「はじまりのうた」 |
| メイン声優 | サトシ(松本梨香)、ピカチュウ(大谷育江)、ハルカ(KAORI)、マサト(山田ふしぎ)、タケシ(上田祐司)、ムサシ(林原めぐみ) |
| ゲスト声優 | ルカリオ(浪川大輔)、アーロン(山寺宏一)、キッド(ベッキー)、ミュウ(こおろぎさとみ) |
【概要】
数百年の時を超えて封印から目覚めたポケモン・ルカリオと、波導使いの勇者アーロンの絆を描く感動作。サトシがアーロンと同じ「波導」を持っているという設定が物語の鍵となる。人間を信じられないルカリオが、サトシとピカチュウの絆に触れて心を開いていく過程と、ラストの自己犠牲の展開は涙必至。
【あらすじ】
ロータの町で開催された「波導の勇者」を称えるお祭りで優勝したサトシ。その時、杖に封印されていたルカリオが目覚める。ルカリオは数百年前、主人のアーロンに裏切られ封印されたと思い込んでいた。一方、ピカチュウが幻のポケモン・ミュウに連れ去られてしまう。サトシはルカリオと共に、世界のはじまりの樹へ向かう。旅の中で明かされるアーロンの真実。「波導は我にあり」。ルカリオが選んだ最後の決断とは。
No.9 ポケモンレンジャーと蒼海の王子 マナフィ
| 公開日 | 2006年7月15日(土) |
|---|---|
| 興行収入 | 34.0億円 |
| 監督 | 湯山邦彦 |
| 脚本 | 園田英樹 |
| 主題歌 | Sowelu「守るべきもの」 |
| メイン声優 | サトシ(松本梨香)、ピカチュウ(大谷育江)、ハルカ(KAORI)、マサト(山田ふしぎ)、タケシ(上田祐司)、ムサシ(林原めぐみ) |
| ゲスト声優 | ジャック・ウォーカー(山寺宏一)、ファントム(藤岡弘、)、ヒロミ(眞鍋かをり) |
【概要】
派生ゲーム『ポケモンレンジャー』とのコラボ要素を取り入れた海洋アドベンチャー。伝説の秘宝が眠る「海のアクーシャ」を目指し、幻のポケモン・マナフィを故郷へ還す旅を描く。生まれたばかりのマナフィと、それを母親のように世話するハルカの絆がメインテーマ。クライマックスのサトシがスーパーマサラ人と化す(?)超人的な活躍も話題に。
【あらすじ】
タマゴから孵ったマナフィは、最初に見たハルカを母親だと思い込む。ポケモンレンジャーのジャックと共に、マナフィを神殿「海のアクーシャ」へ届けることになったサトシたち。しかし、秘宝を狙う海賊ファントムが執拗に襲いかかる。神殿が沈没の危機に瀕する中、サトシは単身で神殿の核となるクリスタルを戻しに向かう。ハルカとマナフィの切ない別れと、サトシの命がけの救出劇。
第3期:神々の戦いと三部作の衝撃(2007-2010)
『ダイヤモンド・パール(DP)』シリーズに突入し、物語は「神」と呼ばれる伝説のポケモンたち(ディアルガ、パルキア、ギラティナ、アルセウス)を中心とした壮大なスケールへと進化する。
この時期の最大の特徴は、映画3作品(No.10〜12)がストーリー的につながっている「三部作構成」をとったことだ。時空を操る神々の争いが世界に歪みを生み、それが次の事件の引き金になるという緻密なプロットは、ファンを唸らせた。興行収入も50億円前後を記録する大ヒットを連発し、ポケモン映画のブランド力を見せつけた。
No.10 ディアルガVSパルキアVSダークライ
| 公開日 | 2007年7月14日(土) |
|---|---|
| 興行収入 | 50.2億円 |
| 監督 | 湯山邦彦 |
| 脚本 | 園田英樹 |
| 主題歌 | サラ・ブライトマン「ビー・ウィズ・ユー 〜いつもそばに〜」 |
| メイン声優 | サトシ(松本梨香)、ピカチュウ(大谷育江)、ヒカリ(豊口めぐみ)、タケシ(上田祐司)、ムサシ(林原めぐみ)、コジロウ(三木眞一郎) |
| ゲスト声優 | ダークライ(石坂浩二)、トニオ(山本耕史)、アリス(加藤ローサ) |
【概要】
神と呼ばれる2体のポケモン、時間を司るディアルガと空間を司るパルキアがアラモスタウン上空で激突。それに巻き込まれた悪夢を見せるポケモン・ダークライ。誤解され忌み嫌われていたダークライが、実は命がけで街を守ろうとしていたという真実が涙を誘う。美しい鐘の音色「オラシオン」が怒れる神々を鎮めるクライマックスは圧巻。
【あらすじ】
アラモスタウンを訪れたサトシたちは、悪夢を見せるとして人々に恐れられるポケモン・ダークライと遭遇する。しかし、真の脅威は異次元から現れたディアルガとパルキアの戦いだった。彼らの干渉により街は異空間へ消失し始める。ダークライは一人、圧倒的な力を持つ神々に立ち向かい街を守ろうとする。サトシたちは、争いを鎮める唯一の方法「オラシオン」を時空の塔で奏でるために走る。
初代iPhoneがアメリカで発売され(日本は翌年)、スマートフォンの時代が幕を開けた年。日本では「ビリーズブートキャンプ」が大流行し、みんなでエクササイズに励んでいた。ニコニコ動画などの動画共有サービスが台頭し始めたのもこの頃。ポケモン映画は10周年を迎え、過去の主役ポケモンたちが大集合する投票企画など、アニバーサリーイヤーとして大いに盛り上がった。
No.11 ギラティナと氷空の花束 シェイミ
| 公開日 | 2008年7月19日(土) |
|---|---|
| 興行収入 | 48.0億円 |
| 監督 | 湯山邦彦 |
| 脚本 | 園田英樹 |
| 主題歌 | クリスタル・ケイ「ONE」 |
| メイン声優 | サトシ(松本梨香)、ピカチュウ(大谷育江)、ヒカリ(豊口めぐみ)、タケシ(上田祐司)、ムサシ(林原めぐみ)、コジロウ(三木眞一郎) |
| ゲスト声優 | ゼロ(中村獅童)、インフィ(中川翔子)、ムゲン(山寺宏一)、シェイミ(山崎バニラ) |
【概要】
三部作の第2章。前作のディアルガとパルキアの戦いが原因で汚染されてしまった「反転世界」の主・ギラティナの怒りを描く。感謝ポケモン・シェイミの可愛らしいツンデレキャラ(「~でしゅ」口調)が大人気に。反転世界の不思議な重力描写や、悪役ゼロの執念深さも見どころ。
【あらすじ】
現実世界と対になる「反転世界」に住むギラティナは、前作の戦いの影響で世界が汚れたことに怒り、ディアルガを狙っていた。その戦いに巻き込まれたシェイミは、サトシたちに助けを求める。一方、反転世界の力を利用して世界支配を目論む謎の青年・ゼロが、ギラティナの能力を狙って襲いかかる。シェイミの「シードフレア」が炸裂し、サトシはギラティナと共にゼロの野望を阻止するために空へ飛び立つ。
No.12 アルセウス 超克の時空へ
| 公開日 | 2009年7月18日(土) |
|---|---|
| 興行収入 | 46.7億円 |
| 監督 | 湯山邦彦 |
| 脚本 | 園田英樹 |
| 主題歌 | 中川翔子「心のアンテナ」 |
| メイン声優 | サトシ(松本梨香)、ピカチュウ(大谷育江)、ヒカリ(豊口めぐみ)、タケシ(上田祐司)、ムサシ(林原めぐみ)、コジロウ(三木眞一郎) |
| ゲスト声優 | アルセウス(美輪明宏)、シーナ(北乃きい)、ダモス(髙嶋政宏)、ギシン(山寺宏一) |
【概要】
三部作完結編。全てを生み出した創造神・アルセウスが登場。人間に裏切られたと思い込み、人類への裁きを下そうとするアルセウスの怒りを鎮めるため、サトシたちが古代へタイムスリップして歴史を修正する。美輪明宏氏が演じるアルセウスの神々しさは圧巻。ディアルガ、パルキア、ギラティナも集結し、神vs神の総力戦が繰り広げられる。
【あらすじ】
ミチーナの町にアルセウスが降臨し、人間への復讐として裁きの礫を放つ。ディアルガたちの力で過去へ飛ばされたサトシたちは、アルセウスが激怒する原因となった「命の宝玉」を巡る裏切りの歴史を目撃する。本当の犯人はダモスではなく、その部下ギシンだった。歴史を正し、宝玉をアルセウスに返すため、サトシたちは古代の魔獣たちと戦う。「未来へ…超克せよ!」
No.13 幻影の覇者 ゾロアーク
| 公開日 | 2010年7月10日(土) |
|---|---|
| 興行収入 | 41.6億円 |
| 監督 | 湯山邦彦 |
| 脚本 | 園田英樹 |
| 主題歌 | スキマスイッチ「アイスクリーム シンドローム」 |
| メイン声優 | サトシ(松本梨香)、ピカチュウ(大谷育江)、ヒカリ(豊口めぐみ)、タケシ(上田祐司)、ムサシ(林原めぐみ)、コジロウ(三木眞一郎) |
| ゲスト声優 | コーダイ(陣内孝則)、ゾロアーク(朴璐美)、ゾロア(間宮くるみ)、クルト(塚本高史) |
【概要】
DPシリーズ最終作。化かし合いを得意とするゾロアークと、その子供ゾロアの親子愛を描く。悪役コーダイの狡猾さと、セレビィも絡む「時読み」の能力を巡るサスペンスフルな展開が特徴。ゾロアークが伝説のポケモンたち(エンテイ、ライコウ、スイクン)に化けて暴れまわるシーンは迫力満点。
【あらすじ】
クラウンシティに向かうサトシたちは、テレパシーを使う不思議なポケモン・ゾロアと出会う。一方、街ではゾロアの母・ゾロアークが、コーダイに操られ伝説のポケモンに化けて破壊活動を行っていた。コーダイの目的は、街の植物を枯らして得られる「時読み」の能力を独占すること。ゾロアークは母としての愛でコーダイの束縛を破り、サトシたちと共に街を守るために立ち上がる。
第4期:新たな挑戦と原点回帰の予兆(2011-2013)
TVシリーズが『ベストウイッシュ(BW)』へ移行。この時期は、シリーズのマンネリ打破を目指した実験的な試みが多く見られた。
特に第14作では、シリーズ初となる「同日公開の2バージョン(黒・白)」を展開。ストーリーの大筋は同じだが、登場する伝説のポケモンや一部の描写が異なるというゲーム原作ならではの仕掛けで話題を呼んだ。興行収入は安定しているものの、妖怪ウォッチなどの競合コンテンツの台頭もあり、試行錯誤が続いた時期でもある。
No.14 ビクティニと黒き英雄 ゼクロム / 白き英雄 レシラム
| 公開日 | 2011年7月16日(土) |
|---|---|
| 興行収入 | 43.3億円(2作計) |
| 監督 | 湯山邦彦 |
| 脚本 | 園田英樹 |
| 主題歌 | Every Little Thing「宙 -そら-」/「響 -こえ-」 |
| メイン声優 | サトシ(松本梨香)、ピカチュウ(大谷育江)、アイリス(悠木碧)、デント(宮野真守)、ムサシ(林原めぐみ)、コジロウ(三木眞一郎) |
| ゲスト声優 | ドレッド(つるの剛士)、カリータ(石原さとみ)、ビクティニ(水樹奈々)、ゼクロム/レシラム(高橋英樹/谷原章介) |
【概要】
シリーズ初の2作品同日公開。「理想」を求めるゼクロムと「真実」を求めるレシラム、どちらの映画を見るかによって、サトシが協力する伝説のポケモンが変わる。勝利をもたらすポケモン・ビクティニの悲しい運命と、大地の怒りを鎮めるための戦いを描く。マカロンが大好きなビクティニの愛らしさが印象的。
【あらすじ】
アイントオークの町を訪れたサトシたちは、不思議な力を持つポケモン・ビクティニと出会う。しかし、大地の民の末裔ドレッドが、かつての王国を復活させるためにビクティニの力を利用しようとしていた。ビクティニが結界に捕らえられ苦しむ中、サトシは(ゼクロム版ではゼクロム、レシラム版ではレシラム)の力を借りてドレッドの暴走を止めようとする。「ビクティニ、マカロン食べよう!」約束を守るための疾走が始まる。
東日本大震災が発生し、日本中が深い悲しみに包まれた年。エンタメ界でも自粛ムードが漂う中、夏にはなでしこジャパンがW杯優勝を果たし、日本中に勇気を与えた。映画界では『コクリコ坂から』などが公開。ポケモン映画も「理想と真実」「復興と再生」といったテーマを含んでおり、震災後の社会に寄り添うメッセージ性が感じられる作品となった。
No.15 キュレムVS聖剣士 ケルディオ
| 公開日 | 2012年7月14日(土) |
|---|---|
| 興行収入 | 36.1億円 |
| 監督 | 湯山邦彦 |
| 脚本 | 園田英樹 |
| 主題歌 | ローラ「Memories」 |
| メイン声優 | サトシ(松本梨香)、ピカチュウ(大谷育江)、アイリス(悠木碧)、デント(宮野真守)、ムサシ(林原めぐみ)、コジロウ(三木眞一郎) |
| ゲスト声優 | ケルディオ(中川翔子)、キュレム(高橋克実)、コバルオン(山寺宏一) |
【概要】
若き聖剣士見習い・ケルディオの成長を描く物語。最強のドラゴンポケモン・キュレムに無謀な戦いを挑み、恐怖で逃げ出してしまったケルディオが、サトシたちとの出会いを通じて「本当の強さ」を学び、再戦を挑む。同時上映『メロエッタのキラキラリサイタル』もあり、長編は比較的短尺でテンポよく進む。
【あらすじ】
聖剣士になるために修行中のケルディオは、最強と謳われるキュレムに勝負を挑むが、圧倒的な力の前に敗北し、恐怖から角を折られて逃げ出してしまう。傷ついたケルディオを助けたサトシたちは、追ってくるキュレムから逃げながらケルディオを励ます。「負けたことは恥ずかしいことじゃない」。仲間を守るために恐怖を乗り越え、ケルディオは覚悟の姿へと変化する。
No.16 神速のゲノセクト ミュウツー覚醒
| 公開日 | 2013年7月13日(土) |
|---|---|
| 興行収入 | 31.7億円 |
| 監督 | 湯山邦彦 |
| 脚本 | 園田英樹 |
| 主題歌 | いきものがかり「笑顔」 |
| メイン声優 | サトシ(松本梨香)、ピカチュウ(大谷育江)、アイリス(悠木碧)、デント(宮野真守)、ムサシ(林原めぐみ)、コジロウ(三木眞一郎) |
| ゲスト声優 | ミュウツー(高島礼子)、赤いゲノセクト(山寺宏一)、エリック(平成ノブシコブシ・吉村崇) |
【概要】
BWシリーズ最終作。3億年前の化石からプラズマ団によって蘇ったゲノセクト軍団と、同じく人間に作られたポケモンであるミュウツーが激突する。本作のミュウツーは第1作の個体とは別個体であり、女性の声(高島礼子)で演じられている。「作られた命」の苦悩を知る者同士の、ハイスピードバトルが見どころ。
【あらすじ】
大都会ニュートークシティに、赤いゲノセクト率いるゲノセクト軍団が現れる。彼らは故郷を失い、街を自分たちの巣に変えようとしていた。そこへ、人間に作られたことへの苦悩を乗り越えたミュウツーが現れる。「お前たちの居場所はここではない」。排除しようとするゲノセクトと、彼らを救おうとするミュウツー。サトシは両者の戦いを止め、共存への道を探す。
No.17 破壊の繭とディアンシー
| 公開日 | 2014年7月19日(土) |
|---|---|
| 興行収入 | 29.1億円 |
| 監督 | 湯山邦彦 |
| 脚本 | 園田英樹 |
| 主題歌 | SCANDAL「夜明けの流星群」 |
| メイン声優 | サトシ(松本梨香)、ピカチュウ(大谷育江)、セレナ(牧口真幸)、シトロン(梶裕貴)、ユリーカ(伊瀬茉莉也)、ムサシ(林原めぐみ) |
| ゲスト声優 | ディアンシー(松本まりか)、アルガス(中川家・礼二)、マリリン(足立梨花) |
【概要】
TVシリーズ『XY』の劇場版第1弾。新たな進化形態「メガシンカ」をテーマに、ダイヤモンド鉱国の姫・ディアンシーの成長と冒険を描く。世間知らずで「~ですわ」口調のディアンシーが、サトシたちとの旅を通じて強さを身につけ、破壊のポケモン・イベルタルから国を守るために覚醒する姿が美しい。
【あらすじ】
地下深くに存在する「ダイヤモンド鉱国」は、聖なるダイヤの命が尽きかけ、滅びの時を迎えようとしていた。姫であるディアンシーは、新たなダイヤを生み出す力を得るため、生命のポケモン・ゼルネアスを探す旅に出る。地上でサトシたちと出会い、初めてのショッピングや友情を経験するディアンシー。しかし、彼女を狙う盗賊たちによって、眠っていた破壊の繭・イベルタルが目覚めてしまう。
No.18 光輪の超魔神 フーパ
| 公開日 | 2015年7月18日(土) |
|---|---|
| 興行収入 | 26.1億円 |
| 監督 | 湯山邦彦 |
| 脚本 | 冨岡淳広 |
| 主題歌 | 安田レイ「Tweedia」 |
| メイン声優 | サトシ(松本梨香)、ピカチュウ(大谷育江)、セレナ(牧口真幸)、シトロン(梶裕貴)、ユリーカ(伊瀬茉莉也)、ムサシ(林原めぐみ) |
| ゲスト声優 | フーパ(釘宮理恵/山寺宏一)、バルザ(藤原竜也)、メアリ(中川翔子) |
【概要】
「あらゆるものを取り寄せる」リングを持つ魔神・フーパが登場。封印された本来の力(超フーパ)の怒りを鎮めるため、サトシたちが伝説のポケモンたちと共に戦う。ルギア、ラティオス、レックウザ、そしてアルセウスまでが登場する「伝説祭り」とも言える豪華なバトルロイヤルが見どころ。「おでまし〜!」というフーパの口癖が印象的。
【あらすじ】
砂漠の街デセルシティで、サトシたちはいたずら好きのポケモン・フーパと出会う。しかし、かつて街を破壊し封印されたフーパの本来の姿「超フーパ」の影が実体化し、サトシたちに襲いかかる。フーパはリングの力で伝説のポケモンたちを呼び出して対抗するが、影もまた邪悪な伝説のポケモンを召喚し、街は壊滅状態に。サトシはフーパの心を守り抜き、暴走を止めることができるのか。
No.19 ボルケニオンと機巧のマギアナ
| 公開日 | 2016年7月16日(土) |
|---|---|
| 興行収入 | 21.5億円 |
| 監督 | 湯山邦彦 |
| 脚本 | 冨岡淳広 |
| 主題歌 | YUKI「ポストに声を投げ入れて」 |
| メイン声優 | サトシ(松本梨香)、ピカチュウ(大谷育江)、セレナ(牧口真幸)、シトロン(梶裕貴)、ユリーカ(伊瀬茉莉也)、ムサシ(林原めぐみ) |
| ゲスト声優 | ボルケニオン(市川染五郎)、ジャービス(山寺宏一)、キミア(松岡茉優) |
【概要】
XYシリーズ最終作。人間嫌いの幻のポケモン・ボルケニオンと、不思議な鎖で繋がれてしまったサトシの凸凹コンビが、人造ポケモン・マギアナを救うために共闘する。スチームパンクな世界観と、マギアナの持つ「ソウルハート」を巡る悲劇と奇跡の物語。ボルケニオンの不器用な優しさに胸を打たれる。
【あらすじ】
空から降ってきたボルケニオンと、不思議な鎖で繋がれてしまったサトシ。二人は反発し合いながらも、超カラクリ都市・アゾット王国へ向かうことに。そこでは、500年前に作られた人造ポケモン・マギアナが、悪の大臣ジャービスに狙われていた。マギアナの心(ソウルハート)を守るため、ボルケニオンは命を削って戦う。霧の中で繰り広げられる、人間とポケモンの信頼を取り戻すための戦い。
第5期:原点回帰と新たな冒険(2017-2020)
映画20周年を記念して制作された『キミにきめた!』から始まる、TVアニメとは異なる世界線(パラレルワールド)を描くシリーズ。サトシとピカチュウの出会いからリブート(再始動)し、カスミやタケシではないオリジナルの旅の仲間と共に、新たな冒険を繰り広げる。
「いつか一緒に見に行こう」と誓ったホウオウを目指す物語や、人とポケモンの共存をテーマにした群像劇など、大人になったかつてのポケモンファンに向けたような、メッセージ性の強い作品が並ぶ。興行収入もV字回復を果たし、ポケモン映画の新たな可能性を提示した。
No.20 劇場版ポケットモンスター キミにきめた!
| 公開日 | 2017年7月15日(土) |
|---|---|
| 興行収入 | 35.5億円 |
| 監督 | 湯山邦彦 |
| 脚本 | 米村正二 |
| 主題歌 | 林明日香「オラシオンのテーマ 〜共に歩こう〜」 |
| メイン声優 | サトシ(松本梨香)、ピカチュウ(大谷育江)、ムサシ(林原めぐみ)、コジロウ(三木眞一郎)、ニャース(犬山犬子)、ナレーション(石塚運昇) |
| ゲスト声優 | マコト(佐藤栞里)、ソウジ(本郷奏多)、クロス(逢坂良太)、マーシャドー(山寺宏一) |
【概要】
20周年記念作品。アニメ第1話をリスペクトしつつ、パラレルワールドとして描かれるサトシとピカチュウの「はじまり」の物語。旅立ちの日に見た伝説のポケモン・ホウオウに会うため、新たな仲間マコト、ソウジと共にテンセイ山を目指す。ピカチュウがなぜモンスターボールに入らないのか、その理由が明かされるクライマックスは涙なしでは語れない。
【あらすじ】
マサラタウンの少年サトシは、10歳の誕生日にピカチュウをパートナーに旅に出る。ぶつかり合いながらも絆を深めた二人は、空を飛ぶホウオウを目撃し、「いつか一緒にあいつに会いに行こう」と誓う。それから時が経ち、導きの羽を手に入れたサトシは、ライバルのクロスや謎のポケモン・マーシャドーの妨害に遭いながらも約束の地へ向かう。傷ついたサトシに対し、ピカチュウが初めて「言葉」で想いを伝える。
「インスタ映え」が流行語大賞になった年。前年にリリースされたスマホゲーム『Pokémon GO』の世界的大ヒット冷めやらぬ中、本作が公開された。Switchもこの年に発売され、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』などがヒット。ポケモン映画が「初期のリメイク(リブート)」を行ったことで、当時子供だった親世代が自分の子供を連れて映画館へ戻ってくる現象が起きた。
No.21 劇場版ポケットモンスター みんなの物語
| 公開日 | 2018年7月13日(土) |
|---|---|
| 興行収入 | 30.9億円 |
| 監督 | 矢嶋哲生 |
| 脚本 | 梅原英司、高羽彩 |
| 主題歌 | ポルノグラフィティ「ブレス」 |
| メイン声優 | サトシ(松本梨香)、ピカチュウ(大谷育江)、ムサシ(林原めぐみ)、コジロウ(三木眞一郎)、ニャース(犬山犬子) |
| ゲスト声優 | リサ(川栄李奈)、カガチ(大倉孝二)、トリト(濱田岳)、ヒスイ(野沢雅子)、ラルゴ(芦田愛菜) |
【概要】
サトシだけでなく、年齢も性別もバラバラな5人の登場人物にスポットを当てた群像劇。ポケモン初心者の女子高生、嘘つきの男、気弱な研究者、ポケモン嫌いのお婆さん、森の少女。それぞれが悩みを抱えながら、ポケモンとのパートナーシップを通じて一歩踏み出す姿を描く。爽やかな色彩と繊細な作画も話題に。
【あらすじ】
風の街・フウラシティで開催される「風祭り」。サトシはそこで様々な悩みを抱える人々と出会う。足の怪我で陸上を諦めかけたリサ、見栄っ張りのカガチ、自分に自信がないトリト…。突如、街を黒い煙が覆い尽くし、平和な日常が崩壊する。伝説のポケモン・ルギアとの約束、そして幻のポケモン・ゼラオラの怒り。バラバラだった5人が、街を救うために「みんな」で力を合わせる。
No.22 ミュウツーの逆襲 EVOLUTION
| 公開日 | 2019年7月12日(金) |
|---|---|
| 興行収入 | 29.8億円 |
| 監督 | 湯山邦彦、榊原幹典 |
| 脚本 | 首藤剛志 |
| 主題歌 | 小林幸子&中川翔子「風といっしょに」 |
| メイン声優 | サトシ(松本梨香)、ピカチュウ(大谷育江)、カスミ(飯塚雅弓)、タケシ(上田祐司)、ムサシ(林原めぐみ)、コジロウ(三木眞一郎) |
| ゲスト声優 | ミュウツー(市村正親)、ボイジャー(小林幸子) |
【概要】
伝説の第1作『ミュウツーの逆襲』を、フル3DCGで完全リメイク。「原点にして最高峰」のキャッチコピー通り、ストーリーやセリフはオリジナル版をほぼ忠実に再現しつつ、最新の映像技術でポケモンの質感やバトルの迫力を強化した。市村正親氏が再びミュウツーを演じ、変わらぬ威厳と悲哀を表現している。
【あらすじ】
(※ストーリーは第1作と同様)
最強のポケモン・ミュウツーは、人間への逆襲を開始する。サトシたちは招待状を受け取りニューアイランドへ向かうが、そこでコピーポケモンとの悲しい戦いが幕を開ける。オリジナル版で描かれた「命の尊さ」というテーマはそのままに、3DCGならではのリリアルな表現が、サトシの石化シーンやピカチュウの涙をよりドラマチックに演出する。
No.23 劇場版ポケットモンスター ココ
| 公開日 | 2020年12月25日(金) |
|---|---|
| 興行収入 | 17.3億円 |
| 監督 | 矢嶋哲生 |
| 脚本 | 冨岡淳広、矢嶋哲生 |
| 主題歌 | 岡崎体育「ふしぎなふしぎな生きもの」 |
| メイン声優 | サトシ(松本梨香)、ピカチュウ(大谷育江)、ムサシ(林原めぐみ)、コジロウ(三木眞一郎)、ニャース(犬山犬子) |
| ゲスト声優 | ココ(上白石萌歌)、ザルード(中村勘九郎)、ゼッド博士(山寺宏一) |
【概要】
「親子愛」を真正面から描いた意欲作。ポケモンに育てられた少年・ココと、彼を育てた幻のポケモン・ザルード(父ちゃんザルード)の絆を描く。「ポケモンが人間を育てる」という逆転の発想と、自分は人間なのかポケモンなのかと葛藤するココの姿が胸を打つ。コロナ禍により冬公開となったが、心温まるストーリーが高い評価を得た。
【あらすじ】
ジャングルの奥地で、幻のポケモン・ザルードに拾われた人間の赤ん坊。彼は「ココ」と名付けられ、ポケモンとして育てられる。10年後、ココはサトシと出会い、自分が「人間」であることを知る。「父ちゃん、オレは人間なの?」。種族の壁を超えた親子の絆。森を破壊しようとするゼッド博士の野望に対し、ココと父ちゃんザルード、そして森のポケモンたちが一つになって立ち向かう。
まとめ:いつかまた、冒険の旅へ
『ミュウツーの逆襲』から始まったポケモン映画の歴史は、23作品を通じて「命の尊さ」「共存」「絆」を描き続けてきた。2020年の『ココ』以降、劇場版の制作は一旦休止しているが、サトシとピカチュウが残した冒険の軌跡は色褪せることはない。いつかまたスクリーンで、新しいポケモンたちとの出会いが訪れることを願ってやまない。
















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