この記事で分かる3つのこと
・漫画全25巻の完結・結末と読む順番が分かる
・通常版・文庫版・電子版・カラー版の違いを比較できる
・アニメで描かれた範囲と漫画で読む価値を整理できる
ぬらりひょんの孫の漫画は全何巻?完結・読む順番をまず整理
『ぬらりひょんの孫』の漫画は、ジャンプコミックス全25巻で完結している。
『週刊少年ジャンプ』本誌で2012年30号まで連載された後、完結編にあたる「葵螺旋城 最終決戦編」が『少年ジャンプNEXT!』へ掲載され、最終25巻で本編と描き下ろし番外編まで収録された作品である。
| 知りたいこと | 結論 |
|---|---|
| 漫画は全何巻? | ジャンプコミックス全25巻で完結 |
| 最終巻は? | 第25巻。紙版は2013年3月4日発売、デジタル版は2013年6月4日発売 |
| どの順番で読む? | 初読は1巻から25巻まで順番に読むのが最も自然 |
| アニメの続きは? | TVアニメは主に四国編・京都編まで。漫画では百物語組編、御門院家編、最終決戦まで読める |
| 関連作はある? | 小説、公式キャラクターブック、2023年刊行の『ぬらりひょんの孫〜陰〜』などがある |
- ぬらりひょんの孫の漫画は全何巻?完結・読む順番をまず整理
- 版違い比較|通常版・文庫版・電子版・カラー版はどれがよい?
- 漫画とアニメの違い|アニメを見た人でも漫画を読む価値はある?
- 初心者向け読破ルート|忙しい人はどこまで読めばよい?
- 主要キャラ別に読むべき巻|リクオ・つらら・ゆら・羽衣狐
- ぬらりひょんの孫 全25巻レビュー|編ごとにあらすじ・感想を整理
- 第1部:奴良組覚醒・四国八十八鬼夜行編(1〜6巻)
- 第2部:遠野修行・京都羽衣狐編(7〜16巻)
- 第3部:百物語組と鯉伴過去編(17〜21巻)
- 第4部:御門院家・葵螺旋城最終決戦編(22〜25巻)
- 名場面TOP5|ぬらりひょんの孫で特に印象に残る場面
- 【考察】ぬらりひょんの孫は「妖怪バトル」より「百鬼を背負う漫画」である
- 【考察】羽衣狐はなぜこれほど印象に残るのか
- 【比較】ぬらりひょんの孫と岩元先輩ノ推薦をつなぐ椎橋寛らしさ
- 【整理】ぬらりひょんの孫が刺さる読者・刺さらない読者
- 関連作品・あわせて読みたい作品
- FAQ|ぬらりひょんの孫の漫画を読む前によくある疑問
- まとめ|妖怪の血を継ぐ少年が、百鬼夜行の主になるまで
椎橋寛『ぬらりひょんの孫』は、妖怪の総大将・ぬらりひょんの血を四分の一継ぐ少年、奴良リクオを主人公にした妖怪任侠漫画である。
昼は人間として学校に通い、夜は白髪の妖怪として百鬼夜行を率いる。
その二面性が、少年漫画の成長譚と妖怪譚を自然につないでいる。
2008年から2012年にかけて『週刊少年ジャンプ』で連載され、完結編は『少年ジャンプNEXT!』へ移って描かれた。
2010年・2011年にはTVアニメ化され、2023年には新作読切をまとめた『ぬらりひょんの孫〜陰〜』も刊行された。
妖怪バトル、任侠、陰陽師、和風ファンタジーを一気に味わいたい読者に向く作品である。
作品基礎データ
作品名:ぬらりひょんの孫
作者:椎橋寛
連載誌:週刊少年ジャンプ(2008年15号〜2012年30号)/完結編は少年ジャンプNEXT!掲載
単行本:集英社・ジャンプコミックス全25巻
累計発行部数:2018年12月時点で累計1200万部
アニメ化/映像化:TVアニメ第1期・第2期、OVA、ドラマCD、小説など
版違い比較|通常版・文庫版・電子版・カラー版はどれがよい?
『ぬらりひょんの孫』は、通常コミックス全25巻、文庫版全12巻、電子モノクロ版、デジタルカラー版で読める。
初読なら巻ごとの区切りが分かりやすい通常版か電子モノクロ版が扱いやすい。
紙でコンパクトに揃えたいなら文庫版、羽衣狐編などの絵の迫力を色付きで見たいならカラー版が候補になる。
| 版 | 巻数 | 向いている読者 |
|---|---|---|
| 通常コミックス | 全25巻 | 連載当時の巻構成で読みたい人。中古全巻セットも探しやすい。 |
| 集英社文庫版 | 全12巻 | 紙でコンパクトに揃えたい人。1冊あたりの収録量が多い。 |
| 電子モノクロ版 | 全25巻 | スマホ・タブレットで今すぐ読みたい人。巻数単位で購入しやすい。 |
| デジタルカラー版 | 全巻ではなく編別配信 | 羽衣狐編など、キャラの色彩やバトルの迫力を重視したい再読向け。 |
| 全巻セット | 全25巻 | 一気読みしたい人向け。Amazonで全25巻セットを確認する。 |
漫画とアニメの違い|アニメを見た人でも漫画を読む価値はある?
TVアニメは奴良組、四国八十八鬼夜行、京都の羽衣狐編を映像で楽しめる一方、漫画はその後の百物語組編、鯉伴の過去、御門院家との最終決戦まで読める。
アニメで雰囲気を掴んだ人ほど、漫画で最後まで追う価値が大きい。
| 項目 | アニメ版 | 漫画版 |
|---|---|---|
| 到達範囲 | 第1期・第2期で四国編から京都編を中心に描く | 全25巻で百物語組編、御門院家編、最終決戦まで描く |
| 魅力 | 声優、音楽、百鬼夜行の動きで盛り上がる | 椎橋寛の筆致、妖怪の線、畏の演出を細かく追える |
| 初めて触れるなら | 雰囲気を掴む入口として見やすい | 結末まで知るなら漫画が必須 |
| アニメの続き | 京都編後の物語は漫画で補う必要がある | 17巻以降の百物語組編、22巻以降の最終章が読みどころ |
初心者向け読破ルート|忙しい人はどこまで読めばよい?
本作は全25巻で完結しているため、最終的には最後まで読むのが一番よい。
ただし、まず作品の手触りを確認したい場合は、区切りごとに読むルートを決めると入りやすい。
| ルート | 読む範囲 | 向いている読者 |
|---|---|---|
| まず世界観を掴む | 1〜3巻 | 昼のリクオ、夜のリクオ、奴良組の基本を知りたい人 |
| 少年漫画として熱くなる | 1〜6巻 | 四国八十八鬼夜行との抗争まで読んで、百鬼夜行バトルを味わいたい人 |
| 代表エピソードまで読む | 1〜16巻 | 遠野修行と京都羽衣狐編まで読み、アニメで人気の山場を押さえたい人 |
| 完結まで読む | 1〜25巻 | 百物語組、鯉伴、御門院家、最終決戦まで見届けたい人 |
主要キャラ別に読むべき巻|リクオ・つらら・ゆら・羽衣狐
『ぬらりひょんの孫』は登場人物が多いが、まずは奴良リクオ、雪女こと氷麗、花開院ゆら、羽衣狐、鯉伴を軸に追うと読みやすい。
キャラごとの見せ場を把握しておくと、全巻レビューも追いやすくなる。
| キャラ | 読むべき巻 | 見どころ |
|---|---|---|
| 奴良リクオ | 1〜6巻、9〜16巻、22〜25巻 | 三代目候補としての覚醒、鬼纏、最終決戦での百鬼夜行の主としての成長 |
| 氷麗/雪女 | 1巻以降、12〜16巻 | リクオを支える側近としての献身と、京都編での存在感 |
| 花開院ゆら | 3〜4巻、10〜16巻、22〜25巻 | 陰陽師としての使命と、妖怪であるリクオとの関係の揺れ |
| 羽衣狐 | 7〜16巻、25巻 | 恐ろしく美しい敵としての存在感と、奴良家との因縁 |
| 奴良鯉伴 | 18〜19巻、24巻番外編 | 二代目総大将としての粋、強さ、山ン本との因縁 |
ぬらりひょんの孫 全25巻レビュー|編ごとにあらすじ・感想を整理
第1部:奴良組覚醒・四国八十八鬼夜行編(1〜6巻)
昼は人間、夜は妖怪というリクオの二面性が立ち上がり、奴良組の跡目問題から四国勢との抗争へ進む序盤である。まずは「妖怪の組」と「任侠」の感覚を掴むパートだ。
第1巻(発売日:2008年8月4日)
【あらすじ】
奴良リクオが妖怪の総大将ぬらりひょんの孫であり、奴良組三代目候補であることが示される。旧校舎の妖怪騒動や鴆との出会いを通じて、昼は人間として穏やかに暮らしたい少年が、夜になると百鬼を率いる器を見せ始める。
【感想】
第1巻は、作品の魅力である「昼のリクオ」と「夜のリクオ」の落差がもっとも鮮やかに出る入口である。妖怪任侠という言葉だけ聞くと重そうだが、学校生活と百鬼夜行が同じ町内で重なる軽やかさが読みやすい。
第2巻(発売日:2008年10月3日)
【あらすじ】
旧鼠によるゆらとカナの拉致、牛鬼との対立など、奴良組内部と外部の脅威が一気に動く。リクオは組を継ぐ覚悟から逃げようとするが、仲間を守るために夜の姿を現し、若頭としての片鱗を見せる。
【感想】
リクオの優しさが弱さにも強さにも見える巻である。旧鼠の卑劣さ、牛鬼の厳しさ、ぬらりひょんの見守り方が重なり、奴良組がただの妖怪集団ではなく「任侠」の共同体だと分かってくる。
第3巻(発売日:2009年1月5日)
【あらすじ】
牛鬼との捩目山決戦が決着し、カナの誕生日をめぐる妖怪事件や、陰陽師・花開院ゆらの背景も掘り下げられる。リクオは妖怪としての力を振るうだけでなく、人間の友人をどう守るかという難題に直面する。
【感想】
牛鬼編の決着が熱い。裏切りに見える行動の奥に、奴良組への忠義があるという構図は、いかにも本作らしい。妖怪同士の力比べだけでなく、盃・忠義・跡目といった任侠ものの言葉が自然に入ってくる。
第4巻(発売日:2009年4月3日)
【あらすじ】
四国八十八鬼夜行の組長・玉章が登場し、奴良組への宣戦布告が始まる。袖モギ様や犬神など、四国勢の怪異が浮世絵町に侵入し、リクオたちの日常は本格的な抗争へ巻き込まれていく。
【感想】
ここから敵組織との全面抗争らしさが強くなる。犬神の孤独や玉章の野心が、単なる敵役以上の存在感を持っている。妖怪の怖さと少年漫画のバトル感が噛み合い始める巻だ。
第5巻(発売日:2009年6月4日)
【あらすじ】
四国勢との戦いは激化し、犬神の執着や玉章の魔王の小槌がリクオを追い詰める。奴良組の幹部たちも前線に立ち、百鬼夜行同士の抗争が浮世絵町を揺らす。
【感想】
リクオが「仲間に支えられて強くなる主人公」だとよく分かる。単独で敵を圧倒するのではなく、奴良組の百鬼とともに畏を示すところが本作の気持ちよさだ。
第6巻(発売日:2009年8月4日)
【あらすじ】
玉章との決戦が終わり、四国勢との抗争に区切りがつく。一方で、邪魅の事件やゆらの兄・花開院竜二の登場により、陰陽師側との関係も本格化していく。
【感想】
四国編の締めと次章への橋渡しがうまい巻である。玉章の敗北だけで終わらず、花開院家という人間側の大きな勢力が見えてくるため、世界が一気に広がった感覚がある。
第2部:遠野修行・京都羽衣狐編(7〜16巻)
花開院家、祢々切丸、遠野修行、羽衣狐との因縁がつながり、作品最大級の山場へ向かう。妖怪バトルとしても、過去編としても読み応えが強い。
第7巻(発売日:2009年10月2日)
【あらすじ】
ゆらの兄・竜二が浮世絵町を訪れ、リクオの正体を見抜く。さらに祢々切丸をめぐる過去編へ入り、若きぬらりひょんと珱姫、羽衣狐との因縁が語られ始める。
【感想】
この巻は一気に作品の格が上がる。現代のリクオだけでなく、祖父の若き日の物語が挟まることで、奴良家三代の物語として読めるようになる。珱姫との出会いは、任侠妖怪譚の中でもかなりロマンが強い。
第8巻(発売日:2009年12月4日)
【あらすじ】
ぬらりひょんと羽衣狐の過去が深まり、京都をめぐる因縁が現代へつながっていく。リクオたちは新たな脅威を前に、これまで以上に大きな戦いへ向かうことになる。
【感想】
過去編の余韻が美しい。妖怪の総大将としてのぬらりひょんの強さだけでなく、彼が何を守り、何を失ったのかが見える。羽衣狐がただの敵ではなく、因縁そのものとして立ち上がる巻だ。
第9巻(発売日:2010年2月4日)
【あらすじ】
羽衣狐との因縁から京都へ向かおうとしたリクオは、実力不足を指摘され遠野へ送られる。遠野の妖怪たちとの修行を通じて、リクオは新たな戦い方と百鬼の主としての覚悟を学んでいく。
【感想】
遠野編は修行パートでありながら、各地の妖怪文化が広がる楽しい巻でもある。イタクたちの存在が、奴良組とは違う妖怪社会を見せてくれる。
第10巻(発売日:2010年4月2日)
【あらすじ】
京都では羽衣狐一派が封印を次々に破り、花開院家が総力戦へ突入する。秋房の異変や竜二の戦いを通じて、陰陽師側の宿命と京都の危機が濃く描かれる。
【感想】
京都編は敵も味方も人数が多いが、この巻は花開院家の空気がよく出ている。妖怪と陰陽師、どちらにも背負っているものがあり、リクオがそこへどう加わるのかが楽しみになる。
第11巻(発売日:2010年7月2日)
【あらすじ】
白蔵主との戦いを経て、リクオたちはついに京都へ入る。伏目稲荷、天邪鬼・淡島、土蜘蛛との遭遇など、京都編の主戦場が本格的に動き出す。
【感想】
土蜘蛛の登場で一気に空気が変わる。強者に理屈はいらない、という圧がある敵で、リクオの未熟さが容赦なく突きつけられる。
第12巻(発売日:2010年9月3日)
【あらすじ】
土蜘蛛の圧倒的な力に追い込まれたリクオは、仲間との絆を武器に新たな力へ近づく。京都各地では羽衣狐一派と花開院家・奴良組の戦いが続き、決戦の機運が高まる。
【感想】
リクオが百鬼を背負う意味が、バトルの形で見えてくる巻である。仲間の力を借りることを弱さではなく主の器として描くのが、本作の良さだ。
第13巻(発売日:2010年11月4日)
【あらすじ】
羽衣狐の出産まで残りわずかとなり、花開院本家を京妖怪幹部・しょうけらが襲撃する。青田坊の戦いや、リクオの鬼纏の深化により、京都決戦はさらに激しさを増す。
【感想】
青田坊の見せ場が熱い。普段は豪快な兄貴分に見えるキャラが、守るべきもののために本気を出す瞬間はやはり燃える。鬼纏のビジュアルも映える巻だ。
第14巻(発売日:2010年12月29日)
【あらすじ】
鬼纏を習得したリクオは、土蜘蛛との再戦へ挑む。ぬらりひょんも弐條城へ向かい、羽衣狐との因縁の再会が迫る。京都編は最終局面へ進む。
【感想】
土蜘蛛戦は、リクオの成長を測る分かりやすい試金石になっている。倒せるかどうか以上に、主としてどう立つかが問われるのが良い。
第15巻(発売日:2011年3月4日)
【あらすじ】
弐條城へ乗り込んだリクオたちは、鬼童丸ら京妖怪の強敵と激突する。羽衣狐が目前に現れ、隠されていた過去と依代をめぐる謎も動き始める。
【感想】
京都編の緊張感が最高潮へ近づく巻である。羽衣狐の存在感は圧倒的で、美しさと怖さが同居している。
第16巻(発売日:2011年5月2日)
【あらすじ】
羽衣狐の依代に関する真実が明かされ、鵺こと安倍晴明が復活する。京都編は大きな決着を迎え、リクオたちの戦いは新たな段階へ進む。
【感想】
京都編の終盤は情報量が多いが、羽衣狐の印象が非常に強く残る。敵でありながら悲哀もあり、妖怪漫画としての情念が濃い巻だ。
第3部:百物語組と鯉伴過去編(17〜21巻)
京都編後の現代怪談と、二代目・鯉伴の過去が重なるパートである。都市伝説の怖さと、親世代の粋な妖怪任侠譚が交互に現れる。
第17巻(発売日:2011年7月4日)
【あらすじ】
切裂とおりゃんせ、人を喰らう村、地下鉄の少女など、都市伝説めいた怪異が続く。リクオたちは新たな怪談の裏に潜む百物語組の影へ近づいていく。
【感想】
京都編の大規模バトルから一転し、怪談短編の怖さが戻ってくる巻である。神隠しや地下鉄といった都市の怪異が、現代妖怪漫画としての魅力を引き出している。
第18巻(発売日:2011年9月2日)
【あらすじ】
江戸・元禄年間を舞台に、奴良組二代目・鯉伴の過去が描かれる。山ン本五郎左衛門と百物語の因縁が明かされ、現代の事件へつながる根が見えてくる。
【感想】
鯉伴編は本当に格好いい。飄々としているのに強く、色気があり、初代ぬらりひょんとはまた違う総大将像を見せてくれる。
第19巻(発売日:2011年12月2日)
【あらすじ】
妖と化した山ン本が街を襲い、鯉伴は黒田坊との鬼纏で対抗する。江戸時代の百物語の因縁が決着し、現代の百物語組との戦いへつながっていく。
【感想】
二代目・鯉伴編の決着巻として読み応えがある。親世代の戦いを知ることで、リクオが背負うものの重さが増す。
第20巻(発売日:2012年2月3日)
【あらすじ】
東京で百物語組が鬼ごっこを仕掛け、人間たちを巻き込む混乱が広がる。リクオは幹部・雷電と対峙し、清継もまたリクオを信じて行動を起こす。
【感想】
清継の存在が効いている巻である。妖怪が見える見えないではなく、友人を信じるという人間側の強さが物語を支える。
第21巻(発売日:2012年4月4日)
【あらすじ】
百物語組との戦いは終盤へ入り、リクオの母・若菜を狙う計画も動き出す。首無たちの戦いを経て、百物語組編は決着へ向かう。
【感想】
首無の見せ場が印象的で、奴良組の幹部それぞれに歴史があることを思い出させる。リクオだけでなく、組全体が主役になる巻だ。
第4部:御門院家・葵螺旋城最終決戦編(22〜25巻)
御門院家、安倍晴明、羽衣狐、奴良家三代の因縁が最終決戦へ集約される。最終25巻では本編完結に加え、描き下ろし番外編で余韻も補われる。
第22巻(発売日:2012年7月4日)
【あらすじ】
完成した祢々切丸を受け取るため、リクオたちは恐山へ向かう。遠野で御門院家の正体を知り、安倍晴明打倒へ向けた最終章の幕が上がる。
【感想】
最終章への導入として、過去の因縁と全国規模の戦いがつながる巻である。恐山という舞台も妖怪漫画らしい空気が濃く、終盤へ向かう緊張がある。
第23巻(発売日:2012年10月4日)
【あらすじ】
御門院家の清浄の力が全国へ広がり、阿蘇など各地で局地戦が始まる。リクオは玉章や獺祭と共に九州へ向かい、全国の百鬼夜行が一つの大きな流れへ集まり始める。
【感想】
かつて敵だった玉章が再び関わる展開がうれしい。長編漫画の終盤らしく、積み重ねてきた人脈や因縁が次々と戻ってくる。
第24巻(発売日:2012年12月4日)
【あらすじ】
竜二は葵螺旋城の入り口を探し、リクオは最強の百鬼夜行と共に御門院家との決戦へ挑む。最終章・葵螺旋城編が本格的に始まる。
【感想】
最終決戦直前の高揚感がある巻だ。全国の百鬼が集まる構図は、まさに「百鬼夜行」をタイトル通りに見せる大舞台である。
第25巻(発売日:2013年3月4日)
【あらすじ】
リクオは晴明の待つ離宮へ到達し、晴明、羽衣狐、奴良組の因縁が最終局面を迎える。単行本では本編完結に加え、5話分の描き下ろし番外編も収録される。
【感想】
最終巻は、単なる決戦だけでなく、奴良家三代の物語を閉じる巻である。描き下ろし番外編のおかげで、戦いの後に残る人と妖の余韻まで味わえる。
名場面TOP5|ぬらりひょんの孫で特に印象に残る場面
本作は妖怪のデザインやバトル演出も魅力だが、読み返すと「主になる」「仲間を背負う」「過去を受け継ぐ」という場面が強く残る。
| 順位 | 場面 | 理由 |
|---|---|---|
| 1位 | 若きぬらりひょんと珱姫の過去 | 奴良家の物語が一気にロマンを帯びる代表エピソード。 |
| 2位 | リクオの鬼纏習得 | 仲間の力を借りることを主の強さとして描く本作らしい到達点。 |
| 3位 | 土蜘蛛との再戦 | 力の差に潰されかけたリクオが、百鬼の主として立ち直る山場。 |
| 4位 | 鯉伴と黒田坊の鬼纏 | 二代目の粋と強さが凝縮され、親世代の物語としても読める。 |
| 5位 | 最終巻の晴明・羽衣狐・リクオの決戦 | 奴良家三代と京妖怪の因縁が閉じる完結巻の大舞台。 |
【考察】ぬらりひょんの孫は「妖怪バトル」より「百鬼を背負う漫画」である
本作のバトルは、主人公が一人で強くなるだけでは成立しない。
リクオが強くなるほど、周囲の妖怪たちの存在が重くなる。
鬼纏が象徴するように、本作の強さは仲間の力を借り、畏を重ね、百鬼夜行を一つの群れとして動かすことにある。
だからこそ、奴良組の幹部や遠野の妖怪、花開院家、かつての敵だった玉章までが再登場する終盤に意味がある。
リクオは単なる個人ではなく、過去の総大将たちと現在の仲間をつなぐ器として描かれている。
【考察】羽衣狐はなぜこれほど印象に残るのか
羽衣狐は、美しさ、怖さ、母性、怨念が同時にある敵である。
京都編の中心に立つ彼女は、倒すべき大妖怪でありながら、奴良家の過去と深く結びついている。
そのため読者は、単純に「悪役を倒す」気持ちだけでは読み切れない。
和風妖怪漫画としての華、少年漫画としての強敵、そして悲劇を背負った存在。
この三つが重なるから、羽衣狐は本作屈指の人気キャラとして記憶に残る。
【比較】ぬらりひょんの孫と岩元先輩ノ推薦をつなぐ椎橋寛らしさ
椎橋寛作品には、怪異をただ怖いものとして描くのではなく、人物の生き方や時代の匂いと結びつける感覚がある。
『ぬらりひょんの孫』では百鬼夜行と任侠、『岩元先輩ノ推薦』では近代怪異と少年たちの運命が結びつく。
どちらも「異形のものが隣にいる世界」を、絵の密度と雰囲気で読ませるタイプの作品である。
妖怪や怪異そのものより、そこに関わる人間の覚悟に惹かれる読者には特に合う。
【整理】ぬらりひょんの孫が刺さる読者・刺さらない読者
| 向いている読者 | 刺さりにくい読者 | 理由 |
|---|---|---|
| 和風妖怪、百鬼夜行、陰陽師が好きな人 | 現代学園ラブコメだけを求める人 | 本作の軸は妖怪任侠と長編バトルにある。 |
| 組織戦や仲間の総力戦が好きな人 | 主人公の単独無双だけを見たい人 | リクオは百鬼を背負うことで強くなる主人公である。 |
| 羽衣狐や鯉伴のような色気あるキャラが好きな人 | 設定を極力シンプルに読みたい人 | 過去・因縁・血筋が重なるため、人物関係を追う楽しさが大きい。 |
関連作品・あわせて読みたい作品
本編全25巻を読み終えた後は、正史読切をまとめた『ぬらりひょんの孫〜陰〜』、小説版、公式キャラクターブックなどを確認すると、奴良組の余韻をもう少し味わえる。同作者の作品では『岩元先輩ノ推薦』や『神緒ゆいは髪を結い』も、怪異や人物の濃い造形が好きな読者に向いている。
| 作品 | 位置づけ | 読むタイミング |
|---|---|---|
| ぬらりひょんの孫〜陰〜 | 2023年刊行の特別正史読切集 | 本編25巻読了後 |
| ぬらりひょんの孫 妖秘録 | 公式キャラクターブック | キャラや設定を整理したいとき |
| ぬらりひょんの孫 帝都鯉物語 | 小説版。鯉伴関連の物語 | 鯉伴編が好きなら |
| 岩元先輩ノ推薦 | 椎橋寛の怪異浪漫譚 | 作者買いしたいとき |
| 神緒ゆいは髪を結い | 同作者のジャンプ作品 | 絵柄やキャラ造形をさらに追いたいとき |
FAQ|ぬらりひょんの孫の漫画を読む前によくある疑問
- Q1. 『ぬらりひょんの孫』の漫画は完結していますか?
- A. 完結しています。ジャンプコミックス全25巻で、本編最終決戦と描き下ろし番外編まで収録されています。
- Q2. アニメと漫画で結末は違いますか?
- A. TVアニメは原作終盤までは描いていません。漫画では百物語組編、御門院家編、葵螺旋城での最終決戦まで読めます。
- Q3. アニメを見た人でも漫画を読む価値はありますか?
- A. あります。特に17巻以降の都市伝説的な百物語組編、鯉伴の過去、最終章は漫画で読む価値が大きいです。
- Q4. アニメの続きは漫画の何巻から読むとよいですか?
- A. アニメの見方にもよりますが、京都編後を補うなら17巻以降が目安です。ただし細部の流れを確認するなら1巻から読み直す方が自然です。
- Q5. 文庫版と通常版はどちらがよいですか?
- A. 連載当時の巻構成を味わうなら通常版、紙でコンパクトに揃えるなら文庫版、すぐ読みたいなら電子版が向いています。
まとめ|妖怪の血を継ぐ少年が、百鬼夜行の主になるまで
『ぬらりひょんの孫』は、妖怪の総大将の孫という設定の派手さだけでなく、仲間を背負うこと、過去の因縁を受け継ぐこと、そして人と妖の間で立つことを描いた漫画である。
読み終えると、リクオの強さよりも、彼の周りに集まった百鬼たちの顔を思い出す。雪女、青田坊、黒田坊、首無、ゆら、羽衣狐、鯉伴。誰か一人だけでなく、群れとして記憶に残るところが、この作品らしい余韻である。









