この記事で分かる3つのこと
・忙しくても最短で振り返れる、トイ・ストーリー5公開直前の過去作1〜4予習ガイド
・ウッディ/バズ/ジェシー/シドなど人気キャラの活躍と関係性を一気に総ざらい
・1995年初期作から歴代主題歌・名場面で、最新作への気持ちを最高潮に高める
- 第1期:CGアニメ革命の幕開け(1995-1999)
- 第2期:完璧な完結と新たな旅立ち(2010-2019)
- 第3期:30周年記念と新章への扉(2022-2026)
- 『5』公開前に押さえたい名作ランキングTOP3
- トイ・ストーリー映画はこの順番で見るのがおすすめ
- 質問(FAQ)コーナー
- 歴代主題歌・テーマ曲一覧
- 全作品の公開日・興行収入一覧
- 関連作品
- まとめ
2026年7月3日、ピクサー渾身の最新作『トイ・ストーリー5』がついに日本公開を迎える。
1995年の1作目から30年、ウッディとバズが我々と共に歩んできた時間は、もはや一つの文化史だ。
だが過去4作すべてを観直す時間は、忙しい現代の大人にはない。
本記事は、最新作を最高の状態で観るための過去作1〜4の予習ガイドである。
シリーズの歩みを駆け足で振り返り、新作への期待を最高潮まで高めるためのページだ。
シリーズ基礎データ
原作:おもちゃをモチーフにしたピクサー・アニメーション・スタジオのオリジナル作品。
制作:ピクサー/配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ、1995〜2026年で全6作(本編4作+番外編1作+最新作)。
累計世界興行収入:シリーズ通算30億ドル超、本編最高は『トイ・ストーリー4』の10億7,380万ドル。
主演声優:トム・ハンクス(ウッディ)/ティム・アレン(バズ)。Disney+独占配信、2025年9月には1作目の30周年再上映を実施。
第1期:CGアニメ革命の幕開け(1995-1999)
1995年の第1作『トイ・ストーリー』は、世界初の長編フルCGアニメーション映画として映画史を変えた金字塔である。
ジョン・ラセター監督が率いるピクサーが、おもちゃは人間がいない時に動き出すという発想を全編CGで描き切った革命作だ。
続編『トイ・ストーリー2』はもともとビデオ作品として企画されたが、出来栄えの高さから劇場公開へ格上げされた異例の経緯を持つ。
配給収入30.0億円から34.5億円へと右肩上がりで、ピクサー黄金時代の起点となった黎明期である。
No.1 トイ・ストーリー
| 公開日 | 1996年3月23日(土) |
|---|---|
| 興行収入 | 配給収入30.0億円(日本)/世界興収3億6,195万ドル |
| 監督 | ジョン・ラセター |
| 脚本 | ジョス・ウェドン/アンドリュー・スタントン/ジョエル・コーエン/アレック・ソコロウ |
| 主題歌 | ランディ・ニューマン「君はともだち」 |
| 俳優 | トム・ハンクス(ウッディ)/ティム・アレン(バズ・ライトイヤー)/ドン・リックルス(ミスター・ポテトヘッド)/ジム・ヴァーニー(スリンキー)/ウォーレス・ショーン(レックス)/ジョン・ラッツェンバーガー(ハム) |
| メイン声優 | ウッディ(唐沢寿明)/バズ・ライトイヤー(所ジョージ)/ハム(大塚周夫)/レックス(三ツ矢雄二)/ミスター・ポテトヘッド(名古屋章)/ボー・ピープ(戸田恵子) |
【見どころ】
1995年公開、世界初の長編フルCGアニメーションという映画史的快挙の作品だ。
ジョン・ラセター監督率いるピクサーが、おもちゃは人間がいない時に動き出すという発想を全編CGで描き切った。手書きアニメ全盛の中で、ウッディとバズという正反対のキャラを軸に据えた構成も見事である。シリーズ30年の幕を開けた金字塔だ。
【あらすじ】
カウボーイ人形のウッディは6歳の少年アンディの一番のお気に入りだ。
だが誕生日プレゼントに最新の宇宙飛行士フィギュア・バズ・ライトイヤーが届き、ウッディの座が脅かされる。バズは自分を本物のスペースレンジャーだと信じて疑わない始末。やがて事故でアンディの家を飛び出した二人は、おもちゃキラーで知られる隣家のシドの部屋へ迷い込んでしまう。
【レビュー】
ウッディとバズが屋根を駆け抜けてアンディのもとへ戻るクライマックスで、毎回胸が熱くなる。
ロケットを背負って空を飛ぶバズの「飛んでるんじゃない、かっこよく落ちてるだけだ」という名セリフがこの作品の核心を突いている。30年前の映画が今も色褪せない理由が、ここに全て詰まっている。
1995年は世界中のエンタメが大変革を迎えた年だ。
日本ではWindows95が発売されPCが家庭に普及し、映画では『耳をすませば』『ガメラ 大怪獣空中決戦』が話題を集めた。
音楽シーンではミスター・チルドレン「Tomorrow never knows」が大ヒット、TRFやglobeが連発で楽曲をチャートに送り込んだ時代である。
そんな手書きアニメと特撮の最後の輝きを放っていた時代に、ピクサーが完全CG長編という未来を見せたインパクトは桁違いだった。本作の革命性は、技術ではなく、おもちゃという身近なものに命を吹き込んだ着想にこそある。
No.2 トイ・ストーリー2
| 公開日 | 2000年3月11日(土) |
|---|---|
| 興行収入 | 配給収入34.5億円(日本)/世界興収4億8,501万ドル |
| 監督 | ジョン・ラセター(共同監督:アッシュ・ブラノン/リー・アンクリッチ) |
| 脚本 | アンドリュー・スタントン/リタ・シャオ/ダグ・チェンバーリン/クリス・ウェッブ |
| 主題歌 | サラ・マクラクラン「私のとなりにいてね(When She Loved Me)」 |
| 俳優 | トム・ハンクス(ウッディ)/ティム・アレン(バズ・ライトイヤー)/ジョーン・キューザック(ジェシー)/ケルシー・グラマー(プロスペクター)/ウェイン・ナイト(アル)/ジョン・ラッツェンバーガー(ハム) |
| メイン声優 | ウッディ(唐沢寿明)/バズ・ライトイヤー(所ジョージ)/ジェシー(日下由美)/プロスペクター(小林修)/ハム(大塚周夫)/レックス(三ツ矢雄二) |
【見どころ】
当初はビデオ作品として企画されたが、その完成度の高さから劇場公開へ昇格した異例の経緯を持つ続編だ。
ジョン・ラセターが共同監督アッシュ・ブラノン、リー・アンクリッチと組み、新キャラのジェシー、プロスペクター、馬のブルズアイを投入。ウッディの「ウッディのラウンドアップ」というテレビ番組設定が明かされ、シリーズ世界観が一気に拡張された節目の続編である。
【あらすじ】
おもちゃ収集家アル・マクウィギンに盗まれたウッディは、自分が往年のテレビ番組『ウッディのラウンドアップ』のレア商品だと知らされる。
同じ番組の仲間ジェシー、プロスペクター、馬のブルズアイは、ようやく揃ったコレクションとして日本の博物館行きを心待ちにしていた。アンディのもとへ戻るか、おもちゃとして永遠の命を得るか、ウッディは選択を迫られる。
【レビュー】
ジェシーが「私のとなりにいてね」の旋律に乗せて回想する場面で、シリーズの感情の核が一気に深まった。
エミリーに置き去りにされる切ない記憶は、ピクサーが描く「子供に愛されなくなる怖さ」という普遍テーマを鋭く突く。1作目の続編という枠を超えた独立した名作だ。
第2期:完璧な完結と新たな旅立ち(2010-2019)
2010年公開の『トイ・ストーリー3』は、前作『2』から11年というブランクを破って世に放たれた。
持ち主アンディの大学進学という「おもちゃ最大の転機」を真正面から描き、世界興収10.6億ドルの大ヒットを記録。アカデミー長編アニメーション賞を獲得し、三部作の完璧な完結編として映画史に刻まれた。
誰もが物語は終わったと信じていたが、ピクサーは2019年の『4』で前人未到の領域へ踏み込む。
アンディからボニーへと持ち主が変わったウッディが、おもちゃとしての役割から解き放たれて自由を選ぶ結末は、ファンの間で大論争を巻き起こした名作だ。
No.3 トイ・ストーリー3
| 公開日 | 2010年7月10日(土) |
|---|---|
| 興行収入 | 108.0億円(日本)/世界興収10億6,317万ドル |
| 監督 | リー・アンクリッチ |
| 脚本 | マイケル・アーント |
| 主題歌 | ランディ・ニューマン「僕らはずっとトモダチ」 |
| 俳優 | トム・ハンクス(ウッディ)/ティム・アレン(バズ・ライトイヤー)/ジョーン・キューザック(ジェシー)/ネッド・ビーティ(ロッツォ)/マイケル・キートン(ケン)/ジョディ・ベンソン(バービー) |
| メイン声優 | ウッディ(唐沢寿明)/バズ・ライトイヤー(所ジョージ)/ジェシー(松田弘子)/ハム(大塚周夫)/レックス(三ツ矢雄二)/ケン(東地宏樹) |
【見どころ】
前作から11年というブランクを破って2010年に公開された、シリーズの完璧な完結編だ。
リー・アンクリッチが監督に就任し、脚本マイケル・アーントとともに「持ち主との別れ」というおもちゃ最大の転機を真正面から描き切った。世界興収10.6億ドルを記録しアカデミー長編アニメーション賞を獲得、シリーズ歴代1位の感動作である。
【あらすじ】
17歳に成長したアンディは大学への進学を控え、お気に入りのウッディだけを連れていくと決めた。
しかし母親の手違いで、バズたちは保育園「サニーサイド」へ寄付されてしまう。乱暴な幼児たちにもみくちゃにされる仲間を救うため、ウッディも保育園に潜入。だが園を支配するピンクの熊・ロッツォは、人間に捨てられた絶望的な過去を持つ冷酷な独裁者だった。
【レビュー】
焼却炉でおもちゃたちが手を繋ぐ絶望シーンと、最後にアンディがボニーへおもちゃを譲って「あばよ、相棒」と告げる別れで、毎回大泣きさせられる。
シリーズ歴代1位の興収を打ち立てた本作は、おもちゃの永遠の友情を描き切った完璧な完結編だ。
2010年は前作『2』から11年のブランクを破って『トイ・ストーリー3』が公開され、日本中が涙に包まれた年である。
第1作を劇場で観た子供たちがちょうどアンディと同年代の大学生・社会人になっており、彼らの等身大の成長と作品のテーマが見事にリンクした。
同年は初代iPadやiPhone 4が発売され、子供の遊びがアナログ玩具からデジタルデバイスへ急速に移行し始めた時期でもある。
「おもちゃからの卒業」という本作のテーマは、時代の節目を映す鏡として大人の胸を強く打った。前年公開『アバター』に続く3D映画ブームの中、本作の3Dは飛び出し効果を超えてキャラクターの心情を強調する演出として高度に機能していた。
No.4 トイ・ストーリー4
| 公開日 | 2019年7月12日(金) |
|---|---|
| 興行収入 | 100.9億円(日本)/世界興収10億7,380万ドル |
| 監督 | ジョシュ・クーリー |
| 脚本 | アンドリュー・スタントン/ステファニー・フォルサム |
| 主題歌 | ランディ・ニューマン「君のため」 |
| 俳優 | トム・ハンクス(ウッディ)/ティム・アレン(バズ・ライトイヤー)/アニー・ポッツ(ボー・ピープ)/トニー・ヘイル(フォーキー)/キアヌ・リーブス(デューク・カブーン)/ジョーダン・ピール(バニー) |
| メイン声優 | ウッディ(唐沢寿明)/バズ・ライトイヤー(所ジョージ)/ボー・ピープ(戸田恵子)/フォーキー(竜星涼)/ジェシー(松田弘子)/デューク・カブーン(森川智之) |
【見どころ】
2019年公開、新監督ジョシュ・クーリーが「完結編の続編」という難題に挑んだ問題作だ。
ボー・ピープが約9年ぶりに再登場し、持ち主のいない自由なおもちゃとして逞しく生きる姿を見せる。フォーキーという「ゴミから作られた自我のあるおもちゃ」を投入し、シリーズの哲学的テーマを更に深めた挑戦作である。
【あらすじ】
アンディから譲られた新しい持ち主・ボニーのもとで、ウッディは出番のない日々を送っていた。
ボニーが幼稚園の工作で作った先割れスプーンのおもちゃ・フォーキーは「僕はゴミだ」と叫んで走行中のキャンピングカーから逃げ出してしまう。連れ戻す旅の途中、ウッディは離れ離れになっていたボー・ピープと運命の再会を果たす。外で自由に生きるボーの姿に、ウッディの心は揺れ動く。
【レビュー】
ウッディがバズに「君は…内なる声に従えるか」と問いかけ、自分の生き方を選び取るラストで、号泣を通り越して感動の沈黙が訪れる。
「持ち主のため」という呪縛から解き放たれたウッディの決断は、シリーズ史上もっとも大人びた答えだ。
第3期:30周年記念と新章への扉(2022-2026)
2022年公開の番外編『バズ・ライトイヤー』は、本編のおもちゃではなく劇中世界の「実在の宇宙レンジャー」を主役に据えた野心作だ。
監督アンガス・マクレーンが本格SFアクションとして再構築し、バズというキャラクターの起源を描いた。
2025年9月には1作目の30周年記念再上映が実施され、シリーズは特別な節目を迎えた。
そして2026年7月3日、待望の最新作『トイ・ストーリー5』が日本公開を迎える。アンドリュー・スタントン監督が描くのは、おもちゃとデジタルデバイスの新時代の戦いだ。
No.5(番外編) バズ・ライトイヤー
| 公開日 | 2022年7月1日(金) |
|---|---|
| 興行収入 | 12.2億円(日本)/世界興収2億2,656万ドル |
| 監督 | アンガス・マクレーン |
| 脚本 | アンガス・マクレーン/ジェイソン・ヘディントン/マシュー・アルダーグ |
| 主題歌 | マイケル・ジアッキーノ(音楽担当) |
| 俳優 | クリス・エヴァンス(バズ・ライトイヤー)/キーキー・パーマー(イジー)/ピーター・ソーン(ソックス)/ダーレ・キーツ(モー)/テイカ・ワイティティ(モー)/ウゾ・アドゥバ(アリーシャ) |
| メイン声優 | バズ・ライトイヤー(鈴木亮平)/イジー(今田美桜)/ソックス(しんやしゅうへい)/モー(永山たかし)/アリーシャ(朴ロ美) |
【見どころ】
2022年公開、シリーズ初のスピンオフ作品である。
監督アンガス・マクレーンが、本編のおもちゃ「バズ・ライトイヤー」のモデルとなった「劇中世界の実在の宇宙レンジャー」を主役に据えた野心作だ。本編とは独立した正統派SFアクションとして再構築され、ピクサーがシリーズ世界の裾野をどこまで広げられるか試した実験作である。
【あらすじ】
宇宙レンジャーのバズ・ライトイヤーは、相棒のアリーシャと共に未知の惑星T'Kani Primeに不時着する。
脱出を試みた実験飛行で時間の歪みに巻き込まれ、戻った時には惑星社会が大きく変わっていた。仲間のロボット猫ソックスや、アリーシャの孫イジーたちと共に、強敵ザーグの脅威に立ち向かうことになる。
【レビュー】
ロボット猫ソックスが小さなアシスタントとしてバズに寄り添う関係性に、シリーズ屈指の癒しが詰まっている。
本編の「おもちゃ」を一切登場させず「劇中の実在ヒーロー」を描く設計は大胆で、新しいピクサー体験を提示した一本だ。
2022年は新型コロナウイルスのパンデミックを経て、エンタメ業界が劇場回帰の兆しを見せ始めた節目の年である。
『バズ・ライトイヤー』はDisney+配信全盛期に劇場公開されたが、世界興収2.26億ドルとシリーズ本編には届かなかった。
一方で『トップガン マーヴェリック』が世界興収14億ドルを記録、『RRR』『すずめの戸締まり』などアジア発の作品も世界的ヒットを生んだ。
配信と劇場の主役交代が進む中で、『バズ』は「シリーズ世界観の拡張」という挑戦自体に意味があった作品である。3年後の2025年、1作目の30周年記念再上映が実施され、シリーズは新章への助走に入った。
No.6 トイ・ストーリー5(最新作)
| 公開日 | 2026年7月3日(金)日本/2026年6月19日(金)全米 |
|---|---|
| 興行収入 | —(公開後追記) |
| 監督 | アンドリュー・スタントン(共同監督:マッケナ・ハリス) |
| 脚本 | アンドリュー・スタントン |
| 主題歌 | —(公開後追記) |
| 俳優 | トム・ハンクス(ウッディ)/ティム・アレン(バズ・ライトイヤー)/ジョーン・キューザック(ジェシー)ほか |
| メイン声優 | ウッディ(唐沢寿明)/バズ・ライトイヤー(所ジョージ)/ジェシー(日下由美)/フォーキー(竜星涼)ほか |
【見どころ】
2026年7月3日に日本公開を迎える、シリーズ7年ぶりの本編最新作だ。
監督アンドリュー・スタントンが本作で監督復帰を果たし、テーマは「おもちゃVSデジタルデバイス」という現代的な対立軸である。タブレット型の新キャラがウッディとバズの世界に侵入し、おもちゃの存在意義そのものを問い直す挑戦作になる。
【あらすじ】
ボニーのもとで暮らすウッディとバズは、新たな脅威に直面する。
スマートタブレット型の新キャラがボニーの遊び相手として現れ、おもちゃたちの存在価値が脅かされていく。久しぶりに本編へ復帰したジェシーや仲間たちと共に、ウッディとバズはデジタル時代におけるおもちゃの居場所を取り戻すための戦いへ挑むことになる。
【レビュー】
ウッディとバズが7年ぶりに帰ってくるという事実だけで、心が震える。
30周年を祝う2025年9月の再上映から始まった「祭」の本丸が、2026年7月3日にいよいよ幕を開ける。アンドリュー・スタントンが本編で語る最終回答に、最高の予習で臨みたい。
『5』公開前に押さえたい名作ランキングTOP3
『トイ・ストーリー5』を観る前に、これだけは押さえておきたい3本を厳選した。
感情の頂点を捉えるための感動編、シリーズの世界観を広げる転換点、すべての原点である革命作の3本を、優先度順に紹介する。
第1位|「5」直前の感動の頂点・興収108億『トイ・ストーリー3』
『トイ・ストーリー3』(2010)は、シリーズの感情の頂点であり『5』への直接の前哨である。
持ち主アンディが大学進学でおもちゃを手放すクライマックス、そしてアンディからボニーへとおもちゃが受け継がれるラストシーンを観ていなければ、『5』でボニーのもとに居るウッディたちの状況が腑に落ちない。
「あばよ、相棒」という別れの言葉、焼却炉でおもちゃたちが手を繋ぐ絶望のシーン、ロッツォという「捨てられたおもちゃの絶望」を体現するヴィランの存在は、『5』のテーマを理解するための土台になる。
日本興収108億円・世界興収10.6億ドル・アカデミー長編アニメーション賞受賞という記録は伊達ではなく、シリーズ歴代1位の感動作として、最低この1本だけは観ておくことを強く推奨する。
第2位|ボー再登場の転換点『トイ・ストーリー4』
『トイ・ストーリー4』(2019)は、ウッディの生き方が根本から変わる転換点だ。
『3』までは「持ち主に尽くすおもちゃ」だったウッディが、約9年ぶりに再会したボー・ピープの「自由なおもちゃ」という生き方に触れて、最終的にボニーのもとを離れる決断を下す。この変化を観ずに『5』に臨むと、ウッディの内面の動きが理解できない。
フォーキーという「ゴミから作られた自我のあるおもちゃ」、ギャビー・ギャビーという「壊れたボイスボックスを抱えた人形」、デューク・カブーンという破天荒なスタント人形など、新キャラの造形も秀逸である。
世界興収10.7億ドルでシリーズ世界1位の数字を叩き出した本作は、賛否両論を呼びながらもシリーズに新しい血を注いだ問題作にして傑作と言える。
第3位|すべての原点『トイ・ストーリー』
『トイ・ストーリー』(1995)は、すべての始まりであり最も観てほしい原点だ。
ウッディとバズの最初の対立、誕生日プレゼント争奪戦、シドの部屋からの脱出劇、そしてラストの「飛んでるんじゃない、かっこよく落ちてるだけだ」という名セリフ。これらを知らずに『5』を観るのは、長編連続ドラマの第1話を飛ばして最終話を観るようなものである。
30年前の作品とは思えないほどキャラの感情描写は古びておらず、現代の子供にも難なく刺さる普遍性がある。
2025年9月12日〜18日に1週間限定で全国劇場再上映が実施されたこともシリーズ愛好家には嬉しい出来事だった。最低でもこの1本さえ観ておけば『5』の世界に入る準備は整う、シリーズの絶対的入り口である。
トイ・ストーリー映画はこの順番で見るのがおすすめ
『トイ・ストーリー5』公開まで残り約2ヶ月。「全部観直す時間はないけど、最高の状態で5を観たい」という多忙な読者に向けて、3つのルートを切り口別に提示する。
ご自身の自由時間とドハマり度に合わせて、最適なルートを選んでほしい。
ルートA:時短予習ルート(厳選2本)
『トイ・ストーリー』(1995) → 『トイ・ストーリー4』(2019)
もう時間がないという超多忙層に向けた最短ルートだ。
すべての原点である1作目で「ウッディとバズの関係性」を押さえ、最新作直前の『4』で「ウッディが自由を選ぶ」最新の心境変化を理解する。この2本だけで、シリーズ30年の感情の起点と現在地を最低限把握できる。各約80分なので合計約3時間で予習完了できるのも忙しい大人には嬉しいポイントだ。
ルートB:本編全作を公開順で観る王道ルート(4本)
本編4作すべてを公開順で観る王道予習だ。
1作目で世界観を掴み、『2』でジェシーとシリーズ世界観の拡張を体験、『3』で号泣の完結編、『4』でウッディの新しい選択を見届ける。各作品が前作のテーマを発展させて積み重なる構造になっており、4作を通すことでシリーズの感情の系譜が完璧に繋がる。所要時間は合計約6時間、土日のどちらかをまるまる使えばコンプリート可能だ。さらに余力があれば番外編『バズ・ライトイヤー』(2022)も加えれば完璧である。
質問(FAQ)コーナー
トイ・ストーリーシリーズの予習・最新作にまつわる、ファンが知りたいQ&Aを5問用意した。
『トイ・ストーリー5』公開直前の今、特に検索需要が高い疑問に絞っている。
Q1. トイ・ストーリー5を観る前に最低限どの作品を観ればいい?
もし1本だけ選ぶなら『トイ・ストーリー3』(2010)を強く推奨する。
持ち主アンディからボニーへとおもちゃが受け継がれるラストシーンを観ていないと、『5』でボニーのもとに居るウッディたちの状況が理解できないためだ。
2本観られるなら『3』に加えて『4』(2019)を観てほしい。『4』でウッディが「持ち主のため」という呪縛から解放される過程を押さえると、『5』でのウッディの判断軸が腑に落ちる。所要時間は2本で約3.5時間。本記事の「見る順番」セクションの「時短予習ルート」もぜひ参考にしてほしい。
Q2. トイ・ストーリー5の日本公開日と全米公開日はいつ?
『トイ・ストーリー5』は2026年7月3日(金)に日本公開、2026年6月19日(金)に全米公開を迎える。
全米と比べて日本は2週間遅れの公開となる。本作はディズニー&ピクサーが満を持して放つ7年ぶりのシリーズ本編最新作で、監督はアンドリュー・スタントンが復帰する。
2025年9月には1作目の30周年記念再上映も全国劇場で1週間限定実施されており、2025-2026年は「トイストーリー復活祭」とも言える特別な期間になっている。
Q3. トイ・ストーリーシリーズはどこで配信されている?
2026年4月時点で、トイ・ストーリーシリーズの主要配信プラットフォームはDisney+(ディズニープラス)である。
本編1〜4作・番外編『バズ・ライトイヤー』、そしてDisney+独占短編『フォーキーのコレって何?』『リトル・グリーン・メン(LGM)』短編シリーズなど、関連作品もすべて視聴可能だ。
Amazon Prime VideoやU-NEXTでも個別レンタル・購入は可能だが、シリーズ全作を見放題で視聴するならDisney+への加入が最も効率的である。配信状況は変動するため、最新情報は各プラットフォームで確認していただきたい。
Q4. バズ・ライトイヤーは本編?番外編?5には登場する?
『バズ・ライトイヤー』(2022)は本編とは独立した番外編・スピンオフ作品である。
本編に登場するおもちゃの「バズ・ライトイヤー」のモデルとなった「劇中世界の実在の宇宙レンジャー」を主役にしたSFアクションで、本編おもちゃたちは登場しない。
『トイ・ストーリー5』には本編おもちゃの「バズ・ライトイヤー」(声:ティム・アレン/日本語:所ジョージ)が継続出演し、ウッディと共に物語の中心を担う。番外編『バズ』を観ていなくても本編『5』の理解には支障ないが、観ておくとバズというキャラへの愛着が一層深まる。
Q5. ランディ・ニューマンが手がけた主題歌の系譜は?
ランディ・ニューマンはトイ・ストーリーシリーズの音楽担当として、1995年の1作目から長く関わってきた作曲家である。
代表曲は1作目の「You've Got a Friend in Me(君はともだち)」で、シリーズ全体のテーマ曲として何度も劇中で姿を変えて登場する。
『2』ではサラ・マクラクランが歌う「私のとなりにいてね(When She Loved Me)」というジェシーの回想シーンの楽曲が代表的で、シリーズ史に残る名曲を提供した。『3』では「僕らはずっとトモダチ」、『4』では「君のため」と、新曲を毎作投入してきた。30年にわたって統一の音楽世界観を保つこの貢献は、シリーズの感情の柱そのものである。
歴代主題歌・テーマ曲一覧
トイ・ストーリーシリーズの音楽は、ランディ・ニューマンを中心に30年にわたって統一の世界観を保ってきた。
ここでは本編4作+番外編+最新作の主題歌・テーマ曲を公開順で一覧化し、シリーズ音楽史の系譜を振り返る。
| No | 作品(公開年) | 楽曲 | アーティスト |
|---|---|---|---|
| 1 | トイ・ストーリー(1995) | 君はともだち(You've Got a Friend in Me) | ランディ・ニューマン |
| 2 | トイ・ストーリー2(1999) | 私のとなりにいてね(When She Loved Me) | サラ・マクラクラン |
| 3 | トイ・ストーリー3(2010) | 僕らはずっとトモダチ | ランディ・ニューマン |
| 4 | トイ・ストーリー4(2019) | 君のため | ランディ・ニューマン |
| 5 | バズ・ライトイヤー(2022) | 音楽スコア(主題歌なし) | マイケル・ジアッキーノ |
| 6 | トイ・ストーリー5(2026) | —(公開後追記) | — |
トイ・ストーリーの音楽史は、ランディ・ニューマンという一人の作曲家の30年と完全に重なる。
1作目で生まれた「You've Got a Friend in Me(君はともだち)」は、ピアノとボーカルだけの素朴な構成で「おもちゃと持ち主の友情」というシリーズの核心テーマを示し、その後すべての作品で何度も姿を変えて登場する。
『2』のサラ・マクラクランが歌う「私のとなりにいてね」は例外的な変則曲で、ジェシーの回想シーンに合わせてエミリーへの想いを切なく歌い上げる。エミリーの成長と置き去りという「子供に愛されなくなる怖さ」をテーマにしたこの楽曲は、シリーズ史上もっとも涙腺を直撃する曲として今も語り継がれている。
『3』の「僕らはずっとトモダチ」、『4』の「君のため」は、それぞれの作品テーマと完全に呼応した新曲だ。
『3』のラストでアンディとおもちゃたちが別れる瞬間、『4』でウッディがボーと共に新しい道を選ぶ瞬間、ニューマンの旋律はキャラの感情と完全に一体化している。
番外編『バズ・ライトイヤー』は本編とは別系統で、マーベル映画の音楽でも知られるマイケル・ジアッキーノが宇宙SFスコアを手がけた。本編で30年続く統一の音楽世界観と、番外編の異色のスコア。この使い分けの巧みさこそ、ピクサーの音楽演出の本気度を示す証である。
全作品の公開日・興行収入一覧
トイ・ストーリーシリーズの全6作(本編4作+番外編1作+最新作)の日本公開日と全世界興行収入を一覧化した。
本編4作で世界興収30億ドル超を記録する本シリーズの数字は伊達ではない。本表は『トイ・ストーリー5』公開後に最新数値で更新予定である。
| No | 公開日(日本) | タイトル | 全世界興行収入 |
|---|---|---|---|
| 1 | 1996/3/23 | トイ・ストーリー | 3億6,195万ドル |
| 2 | 2000/3/11 | トイ・ストーリー2 | 4億8,501万ドル |
| 3 | 2010/7/10 | トイ・ストーリー3 | 10億6,317万ドル |
| 4 | 2019/7/12 | トイ・ストーリー4 | 10億7,380万ドル |
| 5 | 2022/7/1 | バズ・ライトイヤー(番外編) | 2億2,656万ドル |
| 6 | 2026/7/3 | トイ・ストーリー5(最新作) | —(公開後追記) |
関連作品
トイ・ストーリーシリーズの世界観をさらに深掘りしたいファンに、押さえておきたい同シリーズの番外編・関連作品を3作紹介する。
Disney+独占で配信される短編シリーズや、ジェシー主役のTVスペシャルなど、本編では描き切れなかった裾野が広がる作品ばかりだ。『トイ・ストーリー5』公開前にこれらを観ておくと、シリーズへの愛着が一層深まる。
フォーキーのコレって何?(2019-2020)
『トイ・ストーリー4』のスピンオフとして、Disney+独占で配信された短編シリーズである。
主人公は『4』で初登場した先割れスプーンのおもちゃ・フォーキー。「友達って何?」「お金って何?」「アートって何?」など、フォーキーが世界の素朴な疑問を仲間たちにぶつけていくショートコメディだ。
全10話で各話約3〜4分という気軽さで楽しめ、ボニーの部屋の他のおもちゃたちのキャラクター性も補強される。本編『5』では本作で深掘りされたフォーキーの個性がどう活かされるか注目したい、Disney+加入者なら絶対観るべき作品だ。
トイ・ストーリー オブ・テラー!(2013)
2013年にアメリカABCで放送された22分のTVスペシャルだ。
ジェシーが主役を務め、不気味なモーテルに迷い込んだウッディたちが次々と消えていくミステリー風ホラーが展開される。「閉所恐怖症の克服」というジェシーの内面成長を軸に、シリーズ屈指のサスペンス演出が光る。
本編4作の合間(『3』と『4』の間)にあたる時系列で描かれ、おもちゃたちの「持ち主・ボニーのもとで暮らす日常」を補完する位置づけだ。日本ではDisney+で視聴可能で、ジェシーファン必見の隠れた名作である。
まとめ
1995年の第1作『トイ・ストーリー』から30年、ウッディとバズが歩んできた軌跡を振り返ってきた。
世界初の長編フルCGアニメという技術革命に始まり、ジェシーとプロスペクターでシリーズ世界観を拡張、アンディとの完璧な別れで号泣の完結編を提示、そしてボー・ピープ再登場でウッディの新しい生き方を示す——本編4作はそれぞれが独立した名作でありながら、互いに深く繋がる感情の系譜を形成している。
2025年9月の30周年記念再上映で「祭」の幕が開け、いよいよ2026年7月3日に最新作『トイ・ストーリー5』が公開を迎える。本記事を予習として活用していただき、最高のコンディションでウッディとバズの最新の旅に立ち会ってほしい。30年の歩みを背負ったうえで観る『5』は、何倍にも沁みる体験になるはずだ。




