この記事で分かる3つのこと
・全21作の興収・主題歌・あらすじを4期構成で時系列網羅
・歴代最高興収40億『超ブロリー』が成し遂げた正史化の歴史的転換点
・鳥山明が脚本復帰した第4期と36年の進化の全軌跡が一気に把握できる
- 第1期:無印冒険ファンタジー期(1986〜1988)
- 第2期:Z前半パワーインフレ覚醒期(1989〜1992)
- 第3期:Z後半オリジナル悪役黄金期(1993〜1996)
- 第4期:グローバル復活と鳥山脚本期(2013〜2022)
- おすすめ名作ランキングTOP3
- ドラゴンボール映画はこの順番で見るのがおすすめ
- 質問(FAQ)コーナー
- 映画オリジナル悪役の正史逆輸入|ブロリーは別格、クウラは未だ正史外
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- 歴代主題歌・テーマ曲一覧
- 全作品の公開日・興行収入一覧
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- まとめ:ドラゴンボール映画の40年と鳥山明の遺産
あの月曜日の朝、ジャンプを買い忘れて学校に行くと、休み時間にクラスの誰かが必ず話しているのだ。「悟空が金髪になった」「クリリンが死んだ」と。1984年に週刊少年ジャンプで産声を上げた鳥山明『DRAGON BALL』は、コミックス全42巻・累計2億6千万部超を売り上げ、世界中の少年少女を熱狂の渦に巻き込んだ世界的金字塔である。
劇場版第1作は1986年12月、連載わずか2年目で公開され、以降『スーパーヒーロー』まで36年・全21作が紡がれた。本記事は当時のジャンプ・カードダス・ファミコンZ・東映アニメフェアの体験まで含めて、ブロリー正史化と鳥山明晩年の到達点までを解き明かす。
シリーズ基礎データ
原作:鳥山明『DRAGON BALL』(1984年週刊少年ジャンプ連載開始・全42巻・累計2億6千万部超)
製作:東映アニメーション/配給:東映、1986年〜2022年で劇場版全21作を世に送り出した
国内シリーズ累計興収約328億円超、最高は『超ブロリー』40億円・次点『復活のF』37.4億円
主演:野沢雅子(孫悟空役・全21作通し主演)/象徴主題歌は影山ヒロノブ「CHA-LA HEAD-CHA-LA」
第1期:無印冒険ファンタジー期(1986〜1988)
1986年から1988年までの無印3作は、原作初期のドラゴンボール探索編を映画オリジナル冒険譚として再構築した時代である。
天下一武道会前後のポップな世界観、亀仙人や牛魔王ら個性派の存在感、そしてブルマ・ヤムチャの王道バディ感が、東映まんがまつりのスクリーンで最大化された。
敵はグルメス王・ルシフェル・ミファン皇帝といった一作完結型の悪党であり、後年のZ期パワーインフレとは異なる、宝探しとギャグと冒険の三位一体が魅力の黄金期である。
No.1 ドラゴンボール 神龍の伝説
| 公開日 | 1986年12月20日(土) |
|---|---|
| 配給収入 | 8億円 |
| 監督 | 西尾大介 |
| 脚本 | 井上敏樹 |
| 主題歌 | 高橋洋樹「魔訶不思議アドベンチャー!」 |
| メイン声優 | 孫悟空(野沢雅子)/ブルマ(鶴ひろみ)/ヤムチャ(古谷徹)/亀仙人(宮内幸平)/プーアル(TARAKO)/グルメス王(八奈見乗児) |
【見どころ】
記念すべきドラゴンボール劇場版第1作にして、原作冒頭の宝探しを映画オリジナル国家「パセリ国」で再構成した冒険譚である。
悟空・ブルマ・ヤムチャの出会いを約45分尺で凝縮し、グルメス王の暴飲暴食ギャグと神龍召喚の荘厳さが共存する贅沢な構成だ。
鳥山明初期画風のポップさをそのままセル画に落とし込んだ画面密度は、無印映画3部作の出発点として外せない。
【あらすじ】
パセリ国の姫パンジは、暴君グルメス王に故郷を蹂躙されドラゴンボール6個を奪われた状況で、最後の1球を求めて悟空と出会う。
ブルマ・ヤムチャ・ウーロン・プーアルが合流し、王の手下パスタ・ボンゴを退けながらパセリ城へ突入。
神龍を呼び出して世界の運命を賭ける終盤戦へと向かう、原作1巻の空気を映画的に膨らませた冒険行である。
【レビュー】
パンジ姫が瓦礫の中で泣くオープニングの絵力に、初見で胸を掴まれる。
悟空の如意棒が月光に光るパセリ城突入シーンは何度観ても震えるし、グルメス王の小物さが愛おしい。
Z以降の派手さに慣れた目で観返すと、この素朴さこそが原点の宝物だと刺さる一本である。
1986年12月の冬休み、小学生男子の関心はファミコンの『ドラゴンクエスト』初代と『プロ野球ファミリースタジアム』に二分されていた時期である。
クラスでは「ドラクエ初プレイで竜王に勝てない問題」が議題となり、ジャンプを片手に攻略本を回し読みする日常があった。
同年テレビは『風雲!たけし城』『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』が土曜夜を支配し、音楽は荻野目洋子「ダンシング・ヒーロー」と少年隊「仮面舞踏会」が紅白を席巻。
週刊少年ジャンプは『キャプテン翼』『北斗の拳』『キン肉マン』『キャッツ・アイ』が並ぶ黄金期で、その最新刺客として連載開始2年目のドラゴンボールが冬休み映画デビューを果たし、東映まんがまつりのスクリーンを目指す土曜の朝が始まった。
No.2 ドラゴンボール 魔神城のねむり姫
| 公開日 | 1987年7月18日(土) |
|---|---|
| 配給収入 | 8.5億円 |
| 監督 | 西尾大介 |
| 脚本 | 照井啓司 |
| 主題歌 | 高橋洋樹「魔訶不思議アドベンチャー!」 |
| メイン声優 | 孫悟空(野沢雅子)/クリリン(田中真弓)/ブルマ(鶴ひろみ)/亀仙人(宮内幸平)/ランチ(向井真理子)/ルシフェル(野沢那智) |
【見どころ】
劇場版第2作は、亀仙人の試練として「魔神城のねむり姫」を救出する任務を悟空とクリリンに課す、ホラーテイストの色濃い異色作である。
城内の罠・吸血鬼・狼男ら西洋怪物の仕掛けを少年バトルで突破していく構成は、ファミコン黄金期のダンジョン探索気分そのものだ。
ねむり姫の正体に潜む大仕掛けと、ルシフェル王の野望が絡む二段構えのプロット設計が光る。
【あらすじ】
亀仙人の弟子試験として、悟空とクリリンは「魔神城のねむり姫」を連れ帰る競争を命じられる。
吸血鬼ドラキュラ男・狼男・骸骨兵が徘徊する城内に潜入した二人だが、ねむり姫の正体は人間の少女ではなく、太陽光を吸収して魔神を覚醒させる巨大宝石だった。
ルシフェル王の地球破壊計画を阻むべく、悟空が如意棒と筋斗雲で城の中枢へ突入する。
【レビュー】
魔神城の石畳廊下に響くクリリンの悲鳴と、悟空のおっとりした怪物撃退のギャップが最高に刺さる。
ねむり姫の正体が宝石だと判明する瞬間の絵作りは、無印映画屈指の名場面だ。
ルシフェルの月光剣を悟空がぶった斬る終盤の爽快感が、夏休みの少年に焼き付くタイプの一本である。
No.3 ドラゴンボール 摩訶不思議大冒険
| 公開日 | 1988年7月9日(土) |
|---|---|
| 配給収入 | 6.3億円 |
| 監督 | 竹之内和久 |
| 脚本 | 由木義文 |
| 主題歌 | 高橋洋樹「魔訶不思議アドベンチャー!」 |
| メイン声優 | 孫悟空(野沢雅子)/クリリン(田中真弓)/亀仙人(宮内幸平)/天津飯(鈴置洋孝)/チャオズ(中島千里)/シェン(不明) |
【見どころ】
劇場版第3作は天下一武道会と西遊記モチーフを融合させた中華風冒険譚で、舞台ミファン国の楼閣群と空中城が画面を彩る。
天津飯・チャオズが映画初登場し、悟空との武術トーナメント形式が原作天下一武道会編未読層にも刺さる構成だ。
鳥山明の中華デザイン愛が爆発した美術設計は、無印3作で最も視覚的に贅沢な仕上がりである。
【あらすじ】
中華風大国ミファンで開催される武術大会に招かれた悟空とクリリンは、皇帝の側近シェンが企む宝探しの陰謀に巻き込まれる。
シェンは皇帝を操って国民を弾圧し、ドラゴンボールを集めて世界征服を狙っていた。
天津飯・チャオズが大会で激突し、空中浮遊する皇宮上空での決戦へと物語は加速していく。
【レビュー】
ミファン城の朱塗り柱が夕日に染まる空撮カットに、毎回ため息が出る。
天津飯の四妖拳と悟空のかめはめ波が交差する闘技場シーンは、無印映画屈指のバトル作画だ。
シェンの占いギミックが終盤に効いてくる構成も上手く、夏のスクリーン体験として記憶に残る一本である。
第2期:Z前半パワーインフレ覚醒期(1989〜1992)
1989年7月、テレビアニメが『ドラゴンボールZ』へ衣替えしたのを機に、劇場版もサイヤ人・宇宙規模の敵を主軸とする新章へ突入した。
ガーリックJr.に始まり、ドクター・ウイロー、ターレス、スラッグ、クウラ、メタルクウラ、人造人間13号と、敵のスケールは地球規模から銀河規模へと一気に拡張する。
原作のサイヤ人編・フリーザ編連載と並走しながら、悟空・悟飯・ピッコロ・ベジータの戦闘力競争が映画でも沸騰した熱狂期である。
No.4 ドラゴンボールZ
| 公開日 | 1989年7月15日(土) |
|---|---|
| 配給収入 | 7.2億円 |
| 監督 | 西尾大介 |
| 脚本 | 小山高生 |
| 主題歌 | 影山ヒロノブ「CHA-LA HEAD-CHA-LA」 |
| メイン声優 | 孫悟空・孫悟飯(野沢雅子)/ピッコロ(古川登志夫)/クリリン(田中真弓)/ガーリックJr.(屋良有作)/ニッキー(千葉繁) |
【見どころ】
タイトルそのものが「ドラゴンボールZ」と銘打たれた、Zシリーズ劇場版第1作にして新章の幕開けである。
マカイオ星の王族ガーリックJr.が父の仇討ちで地球の神を排除し、デッドゾーンに住人を吸い込む宇宙規模の脅威を描く。
幼き悟飯の額の四星球が引き起こす偶発的覚醒シーンは、後の悟飯覚醒史の原点として必見の一作だ。
【あらすじ】
ガーリックJr.の手下によって誘拐された悟飯を救うため、悟空はピッコロ・クリリンと共にガーリックJr.の城へ突入する。
ガーリックJr.は不死を得るためドラゴンボールを集めており、神龍を呼び出し願いを叶えてしまう。
デッドゾーンの裂け目に吸い込まれそうになる仲間を救うべく、悟飯の隠された潜在能力が爆発する終盤戦が待つ。
【レビュー】
ガーリックJr.の城が雪山に浮かぶ冒頭ショットで、Z劇場版の格の違いを思い知らされる。
悟飯が泣きながら頭突きで敵を吹っ飛ばす場面、何度観ても父性で胸が熱くなる。
ピッコロが盾になる瞬間の作画密度が刺さる、Z前半の象徴的一本である。
1989年7月、平成元年の蝉時雨と共に幼き悟飯がスクリーンに登場した。
同年4月にゲームボーイが発売され、子供たちはテトリスとファミコン『ドラゴンボールZ 強襲!サイヤ人』を友達の家で代わりばんこに遊ぶ夏休みだった。
カードダスは20円玉を握りしめて駄菓子屋に走り、当たりキラを廊下で自慢するのが小学生男子の日課になっていた。
映画では『魔女の宅急便』、テレビでは『ちびまる子ちゃん』が放送開始、ジャンプではフリーザ編が連載中で『ジョジョ』第3部・『SLAM DUNK』連載開始という超黄金布陣が並び、Zの劇場デビューはジャンプ史最大の追い風の中で実現した。
No.5 ドラゴンボールZ この世で一番強いヤツ
| 公開日 | 1990年3月10日(土) |
|---|---|
| 配給収入 | 9.5億円 |
| 監督 | 西尾大介 |
| 脚本 | 小山高生 |
| 主題歌 | 影山ヒロノブ「CHA-LA HEAD-CHA-LA」 |
| メイン声優 | 孫悟空・孫悟飯(野沢雅子)/ピッコロ(古川登志夫)/クリリン(田中真弓)/ドクター・ウイロー(中田浩二)/ドクター・コーチン(矢田耕司) |
【見どころ】
Z劇場版第2作はSF色が一気に強まり、北極圏の地下要塞に眠る天才科学者ドクター・ウイローの脳を移植する陰謀がテーマとなる。
バイオマン軍団との連戦、亀仙人や悟飯の機転を効かせたチーム戦が前作からの大きな進化点だ。
ピッコロが地下基地に単身突入する超展開と、悟空の肉体奪取を巡るスリラー要素の両立が骨太な仕上がりを生む。
【あらすじ】
雪山で誘拐された悟飯は、ドクター・コーチンによって北極の地下要塞に連れ去られる。
要塞の主は50年前に死んだ天才科学者ドクター・ウイローで、悟空の肉体を乗っ取り「この世で一番強いヤツ」になる計画を進めていた。
救出に向かったピッコロが先陣を切り、悟空・クリリン・亀仙人・人造人間バイオマン軍団との総力戦が幕を開ける。
【レビュー】
氷壁の中で目覚めるウイローの脳ビジュアルが、子ども心に強烈なトラウマで刻まれる。
ピッコロが基地内で大暴れするシーンの作画熱量は、Z劇場版でも屈指の見応えだ。
悟空が肉体を取り戻す逆転劇に震える、SF色とバトル熱が完璧に同居した一本である。
No.6 ドラゴンボールZ 地球まるごと超決戦
| 公開日 | 1990年7月7日(土) |
|---|---|
| 配給収入 | 10億円 |
| 監督 | 西尾大介 |
| 脚本 | 小山高生 |
| 主題歌 | 影山ヒロノブ「CHA-LA HEAD-CHA-LA」 |
| メイン声優 | 孫悟空・ターレス(野沢雅子)/孫悟飯(野沢雅子)/ピッコロ(古川登志夫)/クリリン(田中真弓)/天津飯(鈴置洋孝)/ヤムチャ(古谷徹) |
【見どころ】
Z劇場版第3作の最大の話題は、悟空と瓜二つの低級戦闘員サイヤ人「ターレス」を野沢雅子が一人二役で演じ分ける挑戦である。
地球のエネルギーを吸い尽くす神精樹を植え付け、果実を食らって戦闘力を爆発させる設定は原作サイヤ人編の延長線として説得力抜群だ。
ターレス特戦隊アモンド・カカオ・ダイーズらの個性派ヴィランも記憶に残る。
【あらすじ】
地球に飛来した謎のサイヤ人ターレスは、樹齢千年の神精樹を地表に根付かせ、地球の生命エネルギーを糧に戦闘力を増幅させる。
悟空とそっくりな顔貌を持つターレスは特戦隊4名を率いて悟空一行を蹂躙していく。
神精樹の果実が放つ禁断の力に立ち向かうため、悟空はかめはめ波に全エネルギーを注ぎ込む決戦へ突入する。
【レビュー】
悟空とターレスの一人二役を耳で聴き比べる瞬間、声の演じ分けの凄みに震え上がる。
神精樹が天を貫く絵面のスケール感、ピッコロが特戦隊と単独で渡り合うバトル熱が骨太だ。
元気玉ならぬ巨大かめはめ波の終盤、夏のスクリーンが熱風で揺れたあの空気が蘇る一本である。
No.7 ドラゴンボールZ 超サイヤ人だ孫悟空
| 公開日 | 1991年3月9日(土) |
|---|---|
| 配給収入 | 13億円 |
| 監督 | 橋本光夫 |
| 脚本 | 小山高生 |
| 主題歌 | 影山ヒロノブ「CHA-LA HEAD-CHA-LA」 |
| メイン声優 | 孫悟空・孫悟飯(野沢雅子)/ピッコロ(古川登志夫)/クリリン(田中真弓)/ベジータ(堀川亮)/スラッグ(屋良有作) |
【見どころ】
Z劇場版第4作は、銀河に名を轟かせた超ナメック星人スラッグが地球を暗黒空間に変え、不老不死を得て侵略する大規模侵攻譚である。
悟空が金髪化を伴わず、筋肉膨張と赤目で覚醒する「擬似超サイヤ人」化を初披露した記念碑的な一作だ。
原作で正式な超サイヤ人化が描かれる前夜の映画オリジナル覚醒として、ファン心理を最大限に揺さぶる構成である。
【あらすじ】
銀河の暴君スラッグは寿命延長のため不老不死のドラゴンボールを狙って地球に襲来し、巨大要塞を地表に降ろして暗黒空間化させる。
ピッコロは同族の血を引くスラッグの正体に動揺しつつ、悟空・悟飯と共に要塞へ突入する。
巨大化したスラッグの圧倒的破壊力に追い詰められた悟空が、筋肉膨張と赤い眼の擬似超サイヤ人形態で立ち向かう。
【レビュー】
スラッグの巨大化シーンと暗黒空間の絵面が、Z劇場版屈指の禍々しさで刺さる。
悟空の擬似超サイヤ人化、髪は金にならないのに筋肉が裂けるあの作画演出に震えた小学生は多いはずだ。
ピッコロが同族と対峙する葛藤が骨太で、夏休みの熱気と一緒に焼き付く一本である。
No.8 ドラゴンボールZ とびっきりの最強対最強
| 公開日 | 1991年7月20日(土) |
|---|---|
| 配給収入 | 14億円 |
| 監督 | 橋本光夫 |
| 脚本 | 小山高生 |
| 主題歌 | 影山ヒロノブ「CHA-LA HEAD-CHA-LA」 |
| メイン声優 | 孫悟空(野沢雅子)/クウラ(中尾隆聖)/サウザー(速水奨)/ドーレ(佐藤正治)/ネイズ(平野正人)/ピッコロ(古川登志夫) |
【見どころ】
フリーザの実兄を名乗るクウラが、弟の仇を討つべく地球に飛来する宇宙規模の復讐劇である。
クウラ機甲戦隊サウザー・ネイズ・ドーレの個性派トリオの存在感も濃く、ピッコロの援護・悟飯の活躍も含めた総力戦の見せ場が連続する。
湖畔の静かな冒頭から宇宙規模の死闘へ加速する構成も痛快である。
【あらすじ】
湖畔でキャンプを楽しむ悟空一行のもとへ、突如クウラ機甲戦隊が襲来する。
弟フリーザの仇を討つべく地球へ迫っていたクウラは、変身を重ねて第五形態へと到達する。
傷ついた悟空は本能的な怒りで覚醒し、最後はかめはめ波で太陽へ向かってクウラを跳ね返す。
【レビュー】
湖畔の穏やかな冒頭から一気に宇宙の死闘へ転調する構成が見事で、初見でも没入できる一本である。
クウラの低音ボイスと配下三人の濃い個性が劇場版らしい祝祭感を生み、シリーズ屈指の人気作になった理由がよくわかる。
フリーザとはまったく違う威厳ある兄の声に、何度観ても胸を撃ち抜かれる思いがする。
No.9 ドラゴンボールZ 激突!!100億パワーの戦士たち
| 公開日 | 1992年3月7日(土) |
|---|---|
| 配給収入 | 16億円 |
| 監督 | 西尾大介 |
| 脚本 | 小山高生 |
| 主題歌 | 影山ヒロノブ「CHA-LA HEAD-CHA-LA」 |
| メイン声優 | 孫悟空(野沢雅子)/メタルクウラ(中尾隆聖)/ベジータ(堀川亮)/デンデ(鈴木富子)/ピッコロ(古川登志夫)/ムーリ(あずさ欣平) |
【見どころ】
クウラの精神が機械生命体ビッグゲテスターと融合し、無限増殖するメタルクウラ軍団となって悟空を追い詰める発想が痛快である。
追い込まれた悟空とベジータが背中合わせで肩を並べる本格共闘は、二人の関係史でも屈指の名場面となった。
前作「とびっきりの最強対最強」直接続編という、シリーズ初の二部作構造も見逃せない。
【あらすじ】
新ナメック星でデンデたちと再会した悟空のもとへ、脳だけで生き延びていたクウラがメタルクウラとして襲来する。
量産型メタルクウラ軍団は際限なくよみがえり、悟空とベジータは絶望寸前まで追いつめられる。
最後はビッグゲテスターのコアを内側から破壊し、二人で勝利を掴み取る。
【レビュー】
量産型の敵が無限に増えるという当時としては斬新な設定が秀逸で、絶望感の演出が群を抜いている。
悟空とベジータの背中合わせ共闘が成立する貴重な一本で、原作派のファンほどグッとくる仕上がりになっている。
機械化された冷たいクウラの瞳が、夜のスクリーンに焼き付くタイプの傑作だ。
No.10 ドラゴンボールZ 極限バトル!!三大超サイヤ人
| 公開日 | 1992年7月11日(土) |
|---|---|
| 配給収入 | 15億円 |
| 監督 | 菊池一仁 |
| 脚本 | 小山高生 |
| 主題歌 | 影山ヒロノブ「CHA-LA HEAD-CHA-LA」 |
| メイン声優 | 孫悟空(野沢雅子)/トランクス(草尾毅)/ベジータ(堀川亮)/人造人間13号(曽我部和恭)/人造人間14号(江川央生)/人造人間15号(小林俊夫) |
【見どころ】
ドクター・ゲロが残した最後の人造人間13・14・15号が氷海と都市部を舞台に襲来する、原作セル編と並走するスピード感が楽しめる。
14・15号を吸収して合体した強化13号と、超サイヤ人三人の総力戦が見せ場である。
原作未登場のオリジナル人造人間トリオの設計美と、合体13号の筋骨隆々デザインが屈指の存在感を放つ。
【あらすじ】
レッドリボン軍の遺産として完成した三体の人造人間が、悟空を抹殺するために動き始める。
都市部から北極の氷海へと舞台を移し、トランクス・ベジータも交えた激しい戦闘が連続する。
最後は14・15号を吸収した合体13号を、悟空が元気玉に変えて打ち砕く。
【レビュー】
原作のセル編と同時期の劇場版らしく、人造人間のメカニカルな質感と冷たい戦場が緊張感を高める一作だ。
超サイヤ人三人がそろって戦う姿は、当時の少年たちの胸を熱くした記憶そのものである。
合体13号の凶悪な笑顔が刻む、夏休みの忘れがたい怖さがある。
第3期:Z後半オリジナル悪役黄金期(1993〜1996)
1993年から1996年にかけての7作は、伝説の超サイヤ人ブロリーを軸に「東映アニメフェアの主役」へと一気に上り詰めた黄金期である。
ブロリー三部作を中心に、銀河海賊ボージャック、培養クローンのバイオブロリー、ジャネンバ、ヒルデガーンなど、テレビ本編では描けない強烈な悪役が次々登場する。
作画監督は山室直儀へと交代し、立体感ある肉体表現と背景美術が一段と進化した時期で、原作セル編・魔人ブウ編との並走が映画でも沸騰した。
No.11 ドラゴンボールZ 燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦
| 公開日 | 1993年3月6日(土) |
|---|---|
| 配給収入 | 13億7千万円(第11回ゴールデングロス賞優秀銀賞) |
| 監督 | 山内重保 |
| 脚本 | 小山高生 |
| 主題歌 | 影山ヒロノブ「CHA-LA HEAD-CHA-LA」/ED「バーニング・ファイト -熱戦・烈戦・超激戦-」(影山ヒロノブ・YUKA) |
| メイン声優 | 孫悟空(野沢雅子)/ブロリー(島田敏)/パラガス(家弓家正)/ベジータ(堀川亮)/孫悟飯(野沢雅子)/トランクス(草尾毅) |
【見どころ】
シリーズ初の70分長編として制作され、伝説の超サイヤ人ブロリーが満を持して投入される最重要作である。
作画監督が山室直儀へ交代した最初の劇場版で、肉体描写と破壊規模が一段とスケールアップした。
悟空を「カカロット」と呼ぶ瞬間の凍るような恐怖と、新惑星ベジータでの最終決戦の絵力が記憶に焼きつく。
【あらすじ】
新惑星ベジータの王として戴冠を持ちかけるパラガスの誘いで、悟空とベジータは惑星へ降り立つ。
息子ブロリーをコントロール装置で縛りつけていたパラガスだったが、悟空との接触で装置は崩壊する。
最後は地球から駆けつけた悟空・悟飯・トランクスの渾身の一撃が、暴走する伝説の超サイヤ人を貫いた。
【レビュー】
70分尺ならではの濃密な構成と、肉体表現の進化が衝撃的な一本だ。
ブロリーが目を見開いて「カカロットォォ」と呟くあの低音、何度観ても背筋が凍る。
25年後に正史化されるキャラの存在感が、ここで完全に確立されたと言っていい。
1993年は『SLAM DUNK』連載が爆発的人気を獲得し、Jリーグ開幕でサッカー熱が日本中を席巻した熱狂の年である。
春の東映アニメフェアでブロリーの咆哮を浴びる「カカロット…」体験は特別な「ハレ」の日となり、帰宅後すぐに学校で語り合うのが小学生男子の必修だった。
カードダスはスーパーカードダス時代に突入してプリズムの輝きを増し、ブロリー新カードを引き当てた友達は教室の中心人物となった。
SMAPがCDデビュー、皇太子御成婚が国民的祝祭として中継され、ジャンプ・Jリーグ・スト2・ドラゴンボールが少年文化の四本柱として並んだ、文字通り90年代エンタメ最高潮の一年だった。
No.12 ドラゴンボールZ 銀河ギリギリ!!ぶっちぎりの凄い奴
| 公開日 | 1993年7月10日(土) |
|---|---|
| 配給収入 | 13億1千万円 |
| 監督 | 上田芳裕 |
| 脚本 | 小山高生 |
| 主題歌 | 影山ヒロノブ「CHA-LA HEAD-CHA-LA」/ED「銀河を超えてライジング・ハイ」(影山ヒロノブ) |
| メイン声優 | 孫悟飯(野沢雅子)/ボージャック(玄田哲章)/ザンギャ(丸尾知子)/ゴクア(森川智之)/ビドー(江川央生)/トランクス(草尾毅) |
【見どころ】
セル編で命を落とした悟空が不在の中、悟飯が劇場版の単独主役を初めて張る記念碑的作品である。
天下一武道会のリングからボージャック一味との銀河規模の闘いへ転調する、二段構えの構成が痛快だ。
Mr.サタン主催の天下一大武道会という舞台設定もユーモア混じりで、原作完結前最後の劇場版にふさわしい祝祭感を放つ。
【あらすじ】
Mr.サタン主催の天下一大武道会に、悟飯やトランクスたち地球の戦士が参加する。
セル戦で北の界王が死亡したことで、長きにわたり封印されていた銀河海賊ボージャック一味が地上に解き放たれる。
追い詰められた悟飯はあの世の悟空の声に背中を押され、超サイヤ人2へと覚醒してボージャックを撃破する。
【レビュー】
父不在の状況で悟飯が一人で立つ構図に、原作セル編の余韻を強く感じる一本である。
緑の肌に橙髪の銀河海賊たちのデザインも個性的で、東映アニメフェアらしい祝祭感に満ちている。
悟飯が雷を纏う超サイヤ人2の覚醒シーンに、再び原作の感動を上書きされる体験が胸を打つ。
No.13 ドラゴンボールZ 危険なふたり!超戦士はねむれない
| 公開日 | 1994年3月12日(土) |
|---|---|
| 配給収入 | 14億5千万円 |
| 監督 | 山内重保 |
| 脚本 | 小山高生 |
| 主題歌 | 影山ヒロノブ「WE GOTTA POWER」/ED「奇蹟のビッグ・ファイト」 |
| メイン声優 | 孫悟空・孫悟飯・孫悟天(野沢雅子)/ブロリー(島田敏)/ナタデ村の村長(高木均)/トランクス(草尾毅) |
【見どころ】
太陽に消えたはずのブロリーが地球へ漂着し、七年の氷漬けの末によみがえるという執念深い復讐劇である。
悟空・悟飯・悟天の親子三代がそろって「かめはめ波」を放つ、シリーズでも屈指の胸を打つ決着を堪能できる。
ナタデ村の田舎ファンタジーから地球規模の決戦へとスケールが膨らんでいく構成も心地よい。
【あらすじ】
ナタデ村に降り立った悟天とトランクス、ビーデルは、村を襲う恐竜と祈祷師の暗躍に巻き込まれる。
山中の氷漬けから目覚めたブロリーは、悟天の泣き声を悟空の声と取り違え、再び地球で暴走を始める。
最後はあの世から戻った悟空と悟飯・悟天の親子三人合体かめはめ波がブロリーを太陽の彼方へ消滅させる。
【レビュー】
ブロリーの執念と親子三代の絆が交差するクライマックスが胸を打つ一本である。
悟天の泣き声を引き金に氷の中から目を見開く凍てつく覚醒シーン、何度観ても怖くて愛おしい。
三代揃ってかめはめ波を放つ瞬間、家族で観たあの夏の劇場の温度が蘇る。
No.14 ドラゴンボールZ 超戦士撃破!!勝つのはオレだ
| 公開日 | 1994年7月9日(土) |
|---|---|
| 配給収入 | 11億2千万円 |
| 監督 | 上田芳裕 |
| 脚本 | 小山高生 |
| 主題歌 | 影山ヒロノブ「WE GOTTA POWER」/ED「ドラゴンパワー∞」(影山ヒロノブ) |
| メイン声優 | 孫悟天(野沢雅子)/トランクス(草尾毅)/ジャガー・バッタ(龍田直樹)/メンメン(藤原啓治)/18号(伊藤美紀)/クリリン(田中真弓) |
【見どころ】
前作で消えたブロリーの血液から培養されたクローン「バイオブロリー」が、本人不在のまま暴走する異色の続編である。
悟天とトランクスのちびっこ超サイヤ人コンビが主役を張る、子ども目線の冒険活劇として楽しめる。
富豪ジャガー・バッタとメイクイーン城の珍道中が前後半のコメディラインを担う、シリーズ屈指のB級SFテイスト作だ。
【あらすじ】
富豪ジャガー・バッタが所有するメイクイーン城で、ブロリーの血を使ったバイオ戦士の培養計画が進行していた。
培養液を浴びてしまったクローン体は、固まりかけた怪物の姿でメイクイーン城を襲う。
悟天とトランクスは18号やクリリンと共に立ち向かい、培養液を海水で固めてバイオブロリーにとどめを刺す。
【レビュー】
B級SFテイストとちびっこ主役の組み合わせが独特の味わいを生む、シリーズの中でもユニークな一本だ。
ジャガー・バッタ周りのコメディ描写も濃く、家族で気楽に楽しめる劇場版に仕上がっている。
クローンが固まり崩れる終盤の絵面、子ども心に残る妙な手触りがクセになる。
No.15 ドラゴンボールZ 復活のフュージョン!!悟空とベジータ
| 公開日 | 1995年3月4日(土) |
|---|---|
| 配給収入 | 12.7億円 |
| 監督 | 山内重保 |
| 脚本 | 小山高生 |
| 主題歌 | 影山ヒロノブ「WE GOTTA POWER」/ED「最強のフュージョン」(影山ヒロノブ) |
| メイン声優 | 孫悟空・孫悟飯・孫悟天(野沢雅子)/ベジータ(堀川亮)/ジャネンバ(玄田哲章)/パイクーハン(緑川光) |
【見どころ】
劇場版20作目を記念したアンケート企画で堂々の1位に輝いた人気作である。
悟空とベジータのフュージョン失敗で誕生する太ったベクウの脱力感と、成功時のゴジータ降臨の対比が完璧に決まっている。
作画監督・山室直儀によるジャネンバの不気味かつ美しいデザインが画面を支配し、超ジャネンバへの進化形態の禍々しさは劇場版屈指の出来栄えだ。
【あらすじ】
あの世の魂浄化装置で事故が発生し、装置内の邪気が集まって誕生した怪物ジャネンバが現世とあの世の境界を破壊する。
地獄に落とされた悟空とパイクーハンが立ち向かうも、進化した超ジャネンバの圧倒的な力に苦戦を強いられる。
現世から駆けつけたベジータと共にフュージョンを試みるが失敗し、ベクウの姿となってしまう。30分後の再挑戦でついにゴジータが誕生し、邪気の塊と化したジャネンバへの最終決戦が幕を開ける。
【レビュー】
ベクウの間抜けな姿で観客を笑わせた直後にゴジータの神々しい降臨で鳥肌を立たせる、この緩急の落差が最高に気持ちいい。
ジャネンバの異形のフォルムは何度見ても背筋がゾクッと震え、画面から漂う邪気の濃さが圧倒的だ。
20作目記念ファン投票1位の称号が、本作の魂の熱量を物語っている。
No.16 ドラゴンボールZ 龍拳爆発!!悟空がやらねば誰がやる
| 公開日 | 1995年7月15日(土) |
|---|---|
| 配給収入 | 8.5億円 |
| 監督 | 橋本光夫 |
| 脚本 | 小山高生 |
| 主題歌 | OPなし/ED「俺がやらなきゃ誰がやる」(影山ヒロノブ) |
| メイン声優 | 孫悟空・孫悟飯・孫悟天(野沢雅子)/タピオン(結城比呂)/トランクス(草尾毅)/ヒルデガーン(青森伸) |
【見どころ】
原作完結後に公開された劇場版Z最終作であり、菊池俊輔が音楽を手掛けた最後の作品としても記憶される一本である。
1000年前のコナッツ星から飛来した戦士タピオンと幼いトランクスの兄弟のような交流が物語の柱となる。
新技「龍拳」が炸裂する瞬間の作画の爆発力は圧倒的で、後にTV版GTへ継承される伝説的な技の初登場シーンだ。
【あらすじ】
コナッツ星の幻魔人ヒルデガーンの体内に封印されていた戦士タピオンが、復活を狙う邪悪な魔導師たちによって地球に解放される。
タピオンを慕うトランクスは彼を実の兄のように受け入れ、ささやかな日常を共有していく。
しかし封印が完全に解けた瞬間、ヒルデガーンが地球で復活し街を蹂躙する。
悟空はタピオンの想いを背負い、究極奥義「龍拳」を初めて発動して幻魔人へ最後の一撃を放つ。
【レビュー】
タピオンとトランクスの兄弟のような絆に胸を締めつけられ、別れのシーンでは涙が止まらなくなる。
龍拳発動の瞬間、画面を貫く龍の咆哮に心が震え、戦闘以上に感情が揺さぶられる稀有な一本である。
Zシリーズの締め括りに相応しい余韻が、いつまでも胸に残り続ける。
No.17 ドラゴンボール 最強への道
| 公開日 | 1996年3月2日(土) |
|---|---|
| 配給収入 | 6億円 |
| 監督 | 山内重保 |
| 脚本 | 松井亜弥 |
| 主題歌 | FIELD OF VIEW「DAN DAN 心魅かれてく」 |
| メイン声優 | 孫悟空(野沢雅子)/ブルマ(鶴ひろみ)/ヤムチャ(古谷徹)/亀仙人(愛川欽也)/レッド総帥(内海賢二)/ハッチャン(飯塚昭三) |
【見どころ】
TVアニメ「ドラゴンボール」放送開始10周年記念作として制作されたリメイク映画で、原作1巻から8巻のレッドリボン軍編を90分に凝縮した意欲作である。
少年悟空のあどけなさとブルマ初登場の瑞々しさが90年代の作画で蘇り、シリーズ原点の冒険活劇としての魅力が改めて輝く。
主題歌「DAN DAN 心魅かれてく」が『ドラゴンボールGT』のOPと共通であり、新時代へバトンを渡す象徴的な一本となっている。
【あらすじ】
山奥で孫悟飯に育てられた尻尾のある少年悟空が、ドラゴンボール探しの旅に出るブルマと出会う。
ウーロン、ヤムチャ、亀仙人らとの邂逅を経て、世界征服を企むレッドリボン軍と対峙していく。
マッスルタワーでの激闘、ペンギン村への寄り道、神秘的な占いババの館での試練を乗り越え、悟空はレッド総帥が君臨する本拠地へ単身乗り込む。
【レビュー】
少年悟空の無垢な笑顔が90年代作画で動き出す瞬間、原作を読んだ世代の心が音を立てて少年時代へ巻き戻される。
冒険の高揚感とドラゴンボールという物語の出発点の輝きが、90分にぎゅっと詰め込まれている。
GTへ橋渡しする主題歌が流れた時、シリーズ第1期の終幕を実感して切なくなる。
第4期:グローバル復活と鳥山脚本期(2013〜2022)
2013年の『神と神』から始まる第4期は、17年ぶりの新作劇場版として日本中のファンを熱狂させた復活期である。
鳥山明が原案・脚本・キャラクターデザインで全面復帰し、世界市場でも興行収入100億円を超える作品が連発される真のグローバル時代へ突入した。
『超ブロリー』では旧三部作を完全リブートし、『スーパーヒーロー』ではピッコロ・悟飯にスポットを当てる挑戦的な構成で、シリーズの新たな可能性を切り拓いていく。
2024年3月の鳥山明逝去という喪失を経て、これら晩年の脚本作品は今や唯一無二の遺産として輝きを増している。
No.18 ドラゴンボールZ 神と神
| 公開日 | 2013年3月30日(土) |
|---|---|
| 興行収入 | 国内29.9億円/全世界 $50,461,371 |
| 監督 | 細田雅弘 |
| 脚本 | 渡辺雄介(原案・脚本協力:鳥山明) |
| 主題歌 | FLOW「HERO 〜希望の歌〜」/挿入歌「CHA-LA HEAD-CHA-LA」(FLOWカバー版) |
| メイン声優 | 孫悟空(野沢雅子)/ベジータ(堀川りょう)/ビルス(山寺宏一)/ウイス(森田成一)/ピッコロ(古川登志夫)/ブルマ(鶴ひろみ) |
【見どころ】
17年ぶりに公開された新作劇場版という事実だけで、当時のファンにとっては事件級の出来事であった。
鳥山明が原案・脚本協力として全面復帰し、新キャラクター「破壊神ビルス」と従者「ウイス」を生み出した功績は計り知れない。
ブルマの誕生日パーティを舞台にしたコミカルな展開からシリアスな破壊神戦へ急変する構成は鮮やかで、超サイヤ人ゴッドという全く新しい次元の力が解禁される瞬間に痺れる。
【あらすじ】
39年ぶりに目覚めた破壊神ビルスは、夢で見た「超サイヤ人ゴッド」と戦うため悟空を訪ねる。
ブルマの誕生日パーティで賑わう地球に降り立ったビルスの圧倒的な力の前に、ベジータも悟飯もピッコロも為す術なく敗北していく。
悟空ら5人のサイヤ人が儀式を行い、ついに超サイヤ人ゴッドが誕生し神同士の戦いが始まる。
地球の運命を懸けた戦いが、宇宙のスケールで描かれる新章開幕の物語である。
【レビュー】
17年待ち続けたファンの心が一気に解放される瞬間、エンドロールが流れる時の感動は筆舌に尽くしがたい。
ビルス様の傲岸不遜な態度と意外なお茶目さの同居が愛おしく、ウイスの飄々とした立ち振る舞いも一発で魅了される。
新章の幕開けを噛み締めるたびに、胸が温かくなる一本である。
2013年は東日本大震災から2年が経過し、日本社会が復興への歩みを進めていた時期だった。
アニメ市場では『進撃の巨人』のTVアニメが社会現象を巻き起こし、ジャンプ本誌では『ONE PIECE』『暗殺教室』『ハイキュー!!』が連載中。
当時のドラゴンボールファンの中心は30代から40代となっており、かつて駄菓子屋でカードダスを引き、土曜夜のTV版Zで「界王拳20倍」と叫んでいた少年たちが、今度は自分の子供を連れて映画館に並んだ。
エンドロールでFLOWの「HERO 〜希望の歌〜」が流れた瞬間、隣で初見の我が子が「お父さんが好きだったやつ」を理解する歴史的な体験が、日本中の家族で同時に起きた特別な一年である。
No.19 ドラゴンボールZ 復活の「F」
| 公開日 | 2015年4月18日(土) |
|---|---|
| 興行収入 | 国内37.4億円/全世界 $61,768,190 |
| 監督 | 山室直儀 |
| 脚本 | 鳥山明(脚本本格担当・初) |
| 主題歌 | ももいろクローバーZ「『Z』の誓い」/挿入歌「F」(氷川きよし) |
| メイン声優 | 孫悟空(野沢雅子)/フリーザ(中尾隆聖)/ベジータ(堀川りょう)/ピッコロ(古川登志夫)/クリリン(田中真弓)/ジャコ(花江夏樹) |
【見どころ】
鳥山明が脚本を本格的に手掛けた初の劇場版であり、シリーズ最大の宿敵フリーザの完全復活劇という二重の話題性を備えた作品である。
修行を経た新形態「ゴールデンフリーザ」の眩い金色のボディと、悟空・ベジータが習得した「超サイヤ人ブルー」の青く煌めく髪が画面で激突する戦闘演出は鳥肌物だ。
氷川きよしの挿入歌「F」が流れる中、フリーザ軍が次々と敵として立ちはだかるシーンの様式美も気持ちよく決まっている。
【あらすじ】
地獄に封印されたフリーザを、残党のソルベとタゴマがドラゴンボールで復活させる。
4ヶ月の特訓で新形態「ゴールデンフリーザ」を獲得したフリーザは、地球への復讐戦を開始する。
悟空とベジータは不在であり、悟飯やピッコロ、亀仙人ら地球側の戦士たちがフリーザ軍1000人と苛烈な防衛戦を繰り広げる。
駆けつけた悟空は超サイヤ人ブルーを発動し、宿敵との因縁の決着を懸けて全宇宙の命運を背負った戦いに身を投じる。
【レビュー】
フリーザが帰ってくるという事実だけで魂が震え、ゴールデンフリーザの眩い輝きと超サイヤ人ブルーの青の交錯に脳が痺れる。
セリフの一つ一つに原作の手触りが宿り、悟空とベジータの掛け合いが愛おしくて堪らない。
ナメック星の決着から続く長い因縁が新たな次元で再燃する、ファンへの最高のご褒美である。
No.20 ドラゴンボール超 ブロリー
| 公開日 | 2018年12月14日(金) |
|---|---|
| 興行収入 | 国内40.0億円/全世界 $122,747,755 |
| 監督 | 長峯達也 |
| 脚本 | 鳥山明(脚本・原作・キャラクターデザイン) |
| 主題歌 | 三浦大知「Blizzard」 |
| メイン声優 | 孫悟空(野沢雅子)/ベジータ(堀川りょう)/ブロリー(島田敏)/パラガス(宝亀克寿)/チライ(水樹奈々)/レモ(杉田智和) |
【見どころ】
鳥山明が脚本・原作・キャラクターデザインを完全担当し、旧三部作のブロリーを別世界線として完全リブートした記念碑的作品である。
サイヤ人の故郷ベジータ星滅亡前夜から物語が始まる壮大な構成で、パラガスとブロリー親子の悲哀が圧倒的な深みを生んでいる。
新キャラのチライとレモの凸凹コンビも魅力的で、雪原での覚醒戦闘の作画密度はアニメ映画史に残る次元の到達点だ。
【あらすじ】
ベジータ星滅亡の真相と、戦闘力を恐れられて辺境の惑星に追放されたブロリー親子の境遇が描かれる。
長い年月を経て地球に襲来したブロリーは、悟空・ベジータと激突し、戦闘の中で恐るべき潜在能力を覚醒させていく。
雪原から南極へと舞台を移し、超サイヤ人ブルーすら凌駕するブロリーの暴走に追い詰められた悟空とベジータは、最終手段としてゴジータブルーへとフュージョンを果たし、サイヤ人の運命を懸けた決戦に臨む。
【レビュー】
シリーズ歴代1位の興収を打ち立てた一本である。
雪原でブロリーが覚醒する瞬間、画面から放たれる絶望的な迫力に息を呑み、南極の決戦でゴジータブルーが誕生した瞬間に魂が震えて止まらない。
ブロリーの孤独な瞳が戦闘の合間にふと見せる人間味と共に、深く胸に刻まれる不朽の傑作である。
No.21 ドラゴンボール超 スーパーヒーロー
| 公開日 | 2022年6月11日(土) |
|---|---|
| 興行収入 | 国内25.1億円/全世界 $102,500,000 |
| 監督 | 児玉徹郎 |
| 脚本 | 鳥山明(脚本・原作・キャラクターデザイン) |
| 主題歌 | 主題歌なし(劇伴:佐藤直紀) |
| メイン声優 | ピッコロ(古川登志夫)/孫悟飯(野沢雅子)/ガンマ1号(神谷浩史)/ガンマ2号(宮野真守)/マゼンタ社長(ボルケーノ太田)/ヘド博士(入野自由) |
【見どころ】
シリーズ初の3DCG導入作品であり、鳥山明が脚本・原作・キャラクターデザインを完全担当した晩年の遺作の一つである。
これまで脇に回りがちだったピッコロと悟飯にスポットを当てた挑戦的な構成で、ピッコロが孫悟天の世話をする日常シーンの優しさが胸に染みる。
新形態「オレンジ・ピッコロ」と「ビースト悟飯」の覚醒は予想を超える熱量で、レッドリボン軍復活というシリーズ第1期からの因縁回収もファン心理を熱く揺さぶる。
【あらすじ】
かつて悟空に壊滅させられたレッドリボン軍が、マゼンタ社長とヘド博士の手によって復活する。
新型人造人間ガンマ1号・2号がパンを誘拐し、ピッコロが救出のため敵基地へ単身潜入していく。
悟飯も愛娘を救うべく研究学者の日常から戦士へと回帰し、二人は人造人間たちと激しい戦闘を繰り広げる。
やがて研究の裏で開発されていた究極の生物兵器セルマックスが暴走を開始し、ピッコロと悟飯は新形態を覚醒させて最終決戦に挑む。
【レビュー】
ピッコロさんが孫の世話をする日常から物語が始まる温かさに、思わず涙腺が緩んでしまう。
オレンジ・ピッコロ覚醒の瞬間に長年の応援が報われた感覚で胸がいっぱいになり、ビースト悟飯の白銀の輝きには魂が打ち抜かれる。
愛おしい一作で、何度観てもピッコロと悟飯への敬愛が深まる宝物である。
おすすめ名作ランキングTOP3
歴代21作の中から、興行成績・ファン評価・ドラゴンボール史への影響度の3軸で選んだ名作TOP3を紹介する。ブロリー初登場の伝説性とジャネンバ誕生の革命性、そして世界135億の歴史的快挙、この3本を押さえれば歴代映画の核心がつかめる。
第1位|世界興収135億の歴史的快挙『超ブロリー』
超ブロリー(2018)は、シリーズ歴代1位となる国内興収40億・世界興収135億を叩き出した文字通りの最高傑作である。
鳥山明みずから脚本・キャラクターデザインを担当し、長年「劇場版限定キャラ」だったブロリーを正史へ昇格させた点が最大の功績だ。
サイヤ人の故郷ベジータ星の最終局面から物語が始まり、悟空・ベジータ・フリーザ・ブロリーという4大サイヤ人系キャラの過去が一本につながる構成は、ファンが何十年も待ち望んだ叙事詩そのものである。
作画はフルスロットルの高密度バトルが続き、特に氷雪地帯での悟空vsブロリー戦、終盤のゴジータ誕生シーンは劇場版最高クラスの作画と評される。
第2位|伝説の超サイヤ人ブロリー初降臨『燃えつきろ!! 熱戦・烈戦・超激戦』
燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦(1993)は、伝説の超サイヤ人ブロリーが初めて登場した記念碑的作品である。
第11作にあたるこの1本が後に25年もの時を超えて2018年の鳥山リブートへつながる、劇場版オリジナル悪役としては最高クラスの影響力を残した。
物語は新惑星ベジータでパラガスの罠にはまった悟空・ベジータ・トランクスらが、抑制装置を破って覚醒したブロリーと激突する構成だ。
本作のブロリーは理性をほぼ失った破壊衝動の塊として描かれ、悟空への執着「カカロット」の囁きはシリーズ屈指の名シーンとされる。
シリーズ初の長編70分尺を活かした濃密な心理描写と、新惑星ベジータの星間スケールの戦闘演出は、当時の少年たちが体験した「映画でしか観られない最強キャラ」の到達点である。
作画監督交代も大きな転機で、肉体表現と背景美術の進化が一段とスケールアップした分岐点となった。
第3位|ゴジータ誕生&ファン投票1位『復活のフュージョン!!悟空とベジータ』
復活のフュージョン!!悟空とベジータ(1995)は、劇場版20作目記念のファン投票で堂々の1位を獲得した、ファンに最も愛されている1本である。
あの世から脱走した邪悪の権化ジャネンバと、フュージョンによって誕生した最強戦士ゴジータ、二つの「初登場」を同時に成立させた贅沢な構成が支持されている。
前半のジャネンバ第1形態のシュールで歪んだ世界観演出、悟飯と悟天の地獄での冒険、そしてフリーザ・セルら過去の悪役が再登場する遊び心と、エンタメ要素の密度がとにかく濃い。
クライマックスのゴジータ誕生シーンは、悟空とベジータがフュージョンポーズを決める瞬間の緊張感と、誕生後の圧倒的強さの落差が完璧に演出されており、25年以上経った今も色褪せない。
ドラゴンボール映画はこの順番で見るのがおすすめ
全21作を観る時間はないが、押さえるべき作品は外したくない読者へ、3つの切り口から厳選ルートを提示する。話題作だけ追うルート、ブロリー縦軸を堪能するルート、映画オリジナル悪役を満喫するコアルートの3本立てだ。
ルートA:話題作セレクト(初見・ライトファン向け)
神と神(2013)→復活の「F」(2015)→超ブロリー(2018)→スーパーヒーロー(2022)
17年ぶり新作の神と神から、鳥山明本格復帰以降の最新4作を順に追うルートである。
神と神でビルス・ウイス登場と神の領域への拡張、復活のFでフリーザ復活とゴールデン形態、超ブロリーで世界興収135億の到達点、スーパーヒーローで3DCG初採用と次世代へのバトンタッチ。
10年で進化した作画・物語・キャラを4作で体験できる、初見に最も優しいコースだ。
ルートB:ブロリー縦軸(伝説の超サイヤ人ファン向け)
燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦(1993)→危険なふたり!超戦士はねむれない(1994)→超戦士撃破!!勝つのはオレだ(1994)→超ブロリー(2018)
劇場版オリジナル悪役の頂点ブロリーを、初登場から正史化リブートまで時系列で追うコースだ。
1993年の燃えつきろで初登場、1994年の危険なふたりで復活、超戦士撃破でクローン体バイオブロリー、そして25年後の2018年リブートで鳥山明が正史化。
狂気の進化と、25年越しに正典へ昇格する物語の重みを4作で体感できる。ブロリー愛好家なら必修の縦軸ルートである。
ルートC:映画オリジナル悪役満喫ルート(コアファン向け)
地球まるごと超決戦(1990)→とびっきりの最強対最強(1991)→100億パワーの戦士たち(1992)→復活のフュージョン!!悟空とベジータ(1995)→燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦(1993)
Z劇場版が生んだ独創的な映画オリジナル悪役を網羅するコアルートだ。
野沢雅子の一人二役で悟空と対峙するターレス、フリーザの兄クウラ、機械化したメタルクウラ、あの世の邪悪ジャネンバ、そしてブロリー。
本編TVシリーズには登場しない劇場版限定キャラだけで構成された5作は、Z劇場版の独自性そのものを味わえる構成である。コアファンが映画版独特の世界観を堪能するならこのルート一択だ。
質問(FAQ)コーナー
ドラゴンボール映画の歴史を深掘りする、マニアック度の高いQ&Aを5問用意した。
興収・キャスト・正史化・実写版まで、ファンなら気になるトリビアを厳選した。
Q1. Z劇場版で2作品連続して登場した悪役は誰か?
フリーザの兄クウラである。第8作『とびっきりの最強対最強(1991)』で生身の姿で初登場し、悟空に敗れた後にメタルクウラ軍団として翌1992年第9作『100億パワーの戦士たち』で再登場した。
Z劇場版で同一悪役が連続2作にまたがって登場した例は、このクウラ二部作のみである。クウラはフリーザの兄という血縁設定もあり、フリーザ一族ファンには外せない劇場版限定キャラだ。
Q2. 映画オリジナルキャラで唯一、鳥山明により正史化されたキャラは?
2018年公開『超ブロリー』のブロリーである。1993年〜1994年の旧3部作(燃えつきろ/危険なふたり/超戦士撃破)に登場した初代ブロリーは、あくまで劇場版限定キャラで原作には登場しない設定だった。
しかし鳥山明みずから脚本・キャラクターデザインを担当した2018年版で設定を全面再構築し、サイヤ人の歴史と絡めた正史キャラとして昇格させた。劇場版オリジナル悪役の正史化は、シリーズ史上ブロリーが唯一の例である。
Q3. 復活のフュージョンはファン投票で何位を獲得したか?
劇場版20作目記念のファン投票で堂々の1位を獲得した。1995年公開『復活のフュージョン!!悟空とベジータ』は、ジャネンバ初登場とゴジータ初登場という二つの「初」を同時に成立させた贅沢な1本である。
悟空とベジータのフュージョン成功シーンの興奮、ジャネンバ第2形態の高速バトル、悟飯と悟天の地獄での冒険、過去悪役の再登場と、Z劇場版の魅力が凝縮されている。ファン投票1位は伊達ではない、Z劇場版の集大成的傑作だ。
Q4. 2009年実写版『DRAGONBALL EVOLUTION』のRotten Tomatoesスコアは?
批評家スコアは14〜15%という極めて低い評価で、興行的にも批評的にも失敗作として記録されている。
20世紀FOXが製作し、ジェームズ・ウォン監督がメガホンを取ったが、ドラゴンボール本来の世界観・キャラ造形・物語構造の改変が原作ファンから猛反発を受けた。
脚本担当のベン・ラムジーは2016年に「I'm Sorry, Dragonball Fans」と公開謝罪。鳥山明も本作には満足しておらず、現在の正史扱いには含まれていない、ファン公認の黒歴史である。
Q5. 主演・野沢雅子が悟空とそっくりの映画オリジナル悪役を一人二役で演じた作品は?
第6作『地球まるごと超決戦(1990)』のターレスである。ターレスは悟空と同じ下級戦士サイヤ人で、容姿が悟空と瓜二つという設定で登場した。
野沢雅子が悟空とターレスの両方を演じる一人二役は、劇場版ドラゴンボール史上唯一の試みである。
悟空が悟空にそっくりの悪役と戦う構図は本作だけの異色設定で、神精樹で地球のエネルギーを吸い尽くそうとするターレスの冷酷さと悟空の善性の対比が、野沢雅子の演じ分けで見事に成立している。
映画オリジナル悪役の正史逆輸入|ブロリーは別格、クウラは未だ正史外
ドラゴンボール劇場版は、東映アニメーションが原作者・鳥山明の関与なしに独自の悪役を量産してきた歴史を持つ。
劇場版オリジナル悪役は19作で20体以上が登場したが、本編TVアニメや原作漫画への正史逆輸入を果たしたキャラは極めて限定的である。
正史化の唯一の基準は鳥山明本人による再設計であり、2018年『超ブロリー』のブロリーリブートが唯一の成功例となった。
他の人気悪役は、ゲーム『Sparking! ZERO』『カカロット』等で頻繁に参戦しても、鳥山明監修の正史世界には組み込まれていない。
| キャラ | 初出映画(公開年) | ゲーム参戦度 | 本編TV版言及 | 正史化判定 |
|---|---|---|---|---|
| ブロリー | 燃えつきろ(1993) | 最高(看板級) | 超ブロリーで全面再設計 | 正史化済(2018) |
| クウラ | とびっきりの最強対最強(1991) | 高(フリーザ兄) | 本編未登場 | 正史外 |
| メタルクウラ | 100億パワーの戦士たち(1992) | 中 | 本編未登場 | 正史外 |
| ジャネンバ | 復活のフュージョン(1995) | 高 | 本編未登場 | 正史外 |
| ターレス | 地球まるごと超決戦(1990) | 中 | 本編未登場 | 正史外 |
| スラッグ | 超サイヤ人だ孫悟空(1991) | 中 | 本編未登場 | 正史外 |
| ボージャック | 銀河ギリギリ(1993) | 中 | 本編未登場 | 正史外 |
| ヒルデガーン | 龍拳爆発(1995) | 低 | 本編未登場 | 正史外 |
| 人造人間13号 | 三大超サイヤ人(1992) | 中 | 本編未登場 | 正史外 |
| ガーリックJr. | ドラゴンボールZ(1989) | 低 | TVアニメZでガーリックJr.編再登場 | 準正史(TV枠) |
なぜブロリーだけが正史入りしたのか。
2018年公開の『ドラゴンボール超 ブロリー』で、鳥山明は脚本・キャラクターデザイン・原作の3役を担い、ブロリーを根本から再設計した。
旧ブロリー(1993年版)の「悟空への怨恨」という出生エピソードは破棄され、新ブロリーは父パラガスと共に惑星バンパに追放されたサイヤ人として再構築された。
このリブートにより、新ブロリーは『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』後日譚や続編で正史キャラとして扱われるようになった。
一方クウラ・ジャネンバ・ターレスは、ゲームでの圧倒的人気にもかかわらず、鳥山明監修下での再設計が行われず正史化されなかった。
鳥山明の選択基準は「サイヤ人の血統設定と整合するか」「本編のパワーバランスを崩さないか」の2点に集約され、フリーザ兄クウラは血統設定の整合性が取れず見送られたと推測される。
2024年3月の鳥山明逝去により、今後の追加正史化は事実上凍結状態にある。
2009年実写版『DRAGONBALL EVOLUTION』|世界が震撼した失敗の理由
20世紀FOXによるハリウッド実写化『DRAGONBALL EVOLUTION』は、2009年3月13日に日本先行公開、4月10日に米国公開された。
原作完結から13年後の実写化であり、世界中のドラゴンボールファンが期待と不安を抱いて公開を待った。
しかし蓋を開ければ、原作との極端な乖離・低品質なアクション・不自然なキャスティングが重なり、興行・批評の両面で大失敗に終わった。
この失敗は2010年代のドラゴンボール商業展開を一時凍結させ、後の鳥山明本格復帰の引き金となった文化史的事件である。
キャスト・スタッフと興行成績
監督はジェームズ・ウォン、脚本はベン・ラムジー、製作費は約4,500万ドル規模であった。
主演の孫悟空役は『宇宙戦争』のジャスティン・チャットウィン、亀仙人役にチョウ・ユンファ、ブルマ役にエミー・ロッサム、ピッコロ役にジェームズ・マースターズが起用された。
全世界興行収入は約5,572万ドルにとどまり、製作費約4,500万ドルを回収したものの宣伝費を含めると赤字とされる。
批評家サイトRotten Tomatoesでのスコアは14〜15%、IMDB評価は10点満点中2.5前後に沈み、シリーズ史上最低クラスの評価を記録した。
失敗要因と鳥山明のコメント
失敗要因は3点に集約される。
第一に原作との乖離で、悟空を高校生に改変し現代社会のオレゴン州を舞台にした設定が原作ファンの期待を裏切った。
第二にキャスティング批判で、東洋的世界観の主人公を白人俳優が演じる構図はホワイトウォッシング論争を呼んだ。
第三に脚本品質で、脚本家ベン・ラムジーは2016年に公開謝罪文「I'm Sorry, Dragonball Fans」を自身のブログで発表し、自らの脚本不備を率直に認めた。
鳥山明本人は事後コメントで「ストーリー・設定とも気に入らなかった」と述べた。
この失敗体験こそが、2013年『神と神』での鳥山明17年ぶり本格復帰の動機となり、シリーズ復活の起爆剤となった文化史的意義を持つ。
鳥山明|38年の関与度年表と2024年の逝去
鳥山明のドラゴンボール劇場版への関与度は、1986年から2022年までの36年間で大きく4段階に進化した。
無印期は連載多忙で深く関与できず、Z期は東映アニメーションのオリジナル展開を黙認、2013年以降は本格復帰し脚本・キャラデザまで踏み込んだ。
2024年3月の急逝により、この4段階進化は永久に終わりを迎えた。
| 時期 | 作品(本数) | 鳥山明の肩書 | 関与実態 |
|---|---|---|---|
| 1986〜1988(無印期) | 3作 | 原作 | 連載中で深い関与困難 |
| 1989〜1996(Z期) | 14作 | 原作のみ | 東映オリジナル悪役量産期 |
| 2013『神と神』 | 1作 | 原案・脚本協力 | 17年ぶり復帰/ビルス導入 |
| 2015『復活のF』 | 1作 | 脚本(本格初) | ゴールデンフリーザ/超サイヤ人ブルー |
| 2018『超ブロリー』 | 1作 | 原作・脚本・キャラデザ | ブロリー完全リブート |
| 2022『スーパーヒーロー』 | 1作 | 原作・脚本・キャラデザ | レッドリボン軍復活 |
| 2024年3月1日 | — | — | 急性硬膜下血腫で逝去(68歳) |
Z期16作の劇場版オリジナル悪役量産は、当時の鳥山明が週刊連載で多忙を極めたゆえの東映アニメーションへの一任体制が背景にあった。
この時期に生まれたクウラ・ブロリー・ジャネンバ・ボージャック等の人気悪役群は、後に正史との接続問題という宿題を残すことになる。
2013年『神と神』での復帰は、2009年実写版失敗の反省と東映アニメーション中心体制への警鐘という二重の動機があったとされる。
ビルスと宇宙の階層構造を持ち込んだことで、シリーズは新たな神話的奥行きを獲得した。
2024年3月1日の急性硬膜下血腫による逝去は68歳という若さであり、世界中のクリエイターから哀悼が寄せられた。
逝去後の『ドラゴンボールDAIMA』は鳥山明が生前に基本構想を残した最後のドラゴンボール作品となり、40周年新作展開には鳥山明の遺志をどう継承するかという普遍的問いが突きつけられている。
ジャンプ連載期間(1984〜1995)の熱狂と同時連載作品
1984年51号から1995年25号まで、週刊少年ジャンプは『ドラゴンボール』を看板作品として黄金期を駆け抜けた。
1984年連載開始時には『キャプテン翼』『北斗の拳』『キン肉マン』『キャッツ・アイ』が並び、いまなお伝説とされる超激戦区にドラゴンボールが投入された。
サイヤ人編が連載されていた1988〜1989年頃には『聖闘士星矢』『シティーハンター』『ジョジョの奇妙な冒険』第1部〜第2部、フリーザ編・人造人間セル編期(1989〜1993)には『ジョジョ』第3部・『幽☆遊☆白書』『スラムダンク』『ろくでなしBLUES』が同時連載されていた。
魔人ブウ編(1994〜1995)期には『ジョジョ』第4部・『ろくでなしBLUES』『るろうに剣心』『地獄先生ぬ〜べ〜』『遊☆戯☆王』が並び、まさにジャンプ全盛期の中心軸として機能した。
1995年新春3・4合併号で発行部数653万部の歴史的最高記録に到達したのは、これら同時連載陣の総合力に加えて、ドラゴンボール・スラムダンク・幽☆遊☆白書という3本柱の同時クライマックスがもたらした奇跡である。
連載中の社会現象として外せないのが、1991年発売の少年ジャンプ31号「クリリンのことかー!!」掲載号で、この号は当時として記録的な売り切れ続出を起こした。
フリーザ第二形態でクリリンが惨殺されたシーンの直後に放たれた悟空のセリフは、社会現象級の話題となり、クラスでセリフを叫ぶ小学生が続出した。
1995年25号の最終回掲載号も全国の書店で完売が相次ぎ、連載終了後のジャンプ発行部数は急落、看板作品の影響力の大きさを逆方向から証明した。
ドラゴンボールがジャンプにもたらしたのは単なる発行部数の押し上げではなく、「気・戦闘力・変身」というバトル漫画の文法そのものであり、後の『ONE PIECE』『NARUTO』『BLEACH』『鬼滅の刃』に至るジャンプバトル路線の母体となった点でも歴史的影響は計り知れない。
2026年40周年『ゲンキダマツリ』|次なる新作映画の現在地
2026年は原作『DRAGON BALL』の週刊少年ジャンプ連載開始(1984年11月20日)から数えて40周年の節目である。
鳥山明逝去後初の周年イベントとして、ファンとメディアの注目度は極めて高い。
2026年4月時点で公式に発表されている40周年関連情報を整理する。
2026年1月25日、「ドラゴンボール ゲンキダマツリ」が開催された。
本イベントはバードスタジオ・集英社・東映アニメーション・東映の連名主催で、40周年記念展示・キャスト登壇・新規発表枠が設けられた。
2026年4月時点で確定している公式発表事項は、40周年記念グッズ展開・国際イベント連動・モバイルゲーム新作の3軸である。
未確定情報として、新作劇場映画・DAIMA続編・ドラゴンボール超アニメ第2期の3点が業界観測の俎上に上がっているが、いずれも公式リリースは出されていない。
鳥山明逝去後の制作体制は、バードスタジオ・集英社・東映アニメーションが協議の上で意思決定する三者連名体制となった。
ゲンキダマツリ会場では「次なる新作」への言及はあったものの、タイトル・公開時期は明かされなかった。
2026年4月時点で公式リリースされていない情報については推測を控え、確定情報が出次第、本記事に追記する方針である。
世界的フランチャイズの全貌|カードダスからスマホゲームまで40年の商品史
ドラゴンボールは劇場版・原作マンガだけで語り尽くせるシリーズではない。
カードダスから始まりS.H.Figuartsとスマホゲームに至るまで、世界中のファンに支持され続ける一大マーチャンダイズ帝国の40年を時代別に整理する。
当時の小学生男子の財布事情から大人になったファンのコレクションまで、「ドラゴンボールと共に育つ」という体験は劇場版以上にこれらのグッズによって形作られた。
1980年代後半|カードダス革命と消しゴム時代
1988年6月にバンダイから発売された「ドラゴンボール カードダス」は、当時20円で1枚が出てくる自動販売機型のキャラクターカードで、駄菓子屋の前に行列を作る現象を起こした。
普通カード・キラカード・スペシャルカードの3階級に分かれており、特にプリズム加工されたスペシャルカードは小学生の宝物だった。
同時期に展開された「ドラゴンボール消しゴム」(バンダイ・1985年〜)は、悟空・ピッコロ・ベジータを並べてランドセルに入れる定番玩具となり、休み時間にBB弾で飛ばす遊びが教室を席巻した。
玩具メーカーから見れば、ドラゴンボールは「鳥山明絵柄=瞬間で識別できるブランド」として、当時のジャンプキャラクター玩具市場の牽引役となった。
1990年代|ファミコンZと武道烈伝の対戦熱狂
1989年バンダイ発売の『ドラゴンボールZ 強襲!サイヤ人』は、フリーザ編までを再現したファミコンRPGとして大ヒットし、その後『Z II 激神フリーザ!!』『Z III 烈戦人造人間』へと続編が連発された。
1993年にバンダイから登場した格闘ゲーム『ドラゴンボールZ 超武闘伝』はスーパーファミコンで300万本超を売り上げ、悟空vsベジータの真剣勝負を友達の家で繰り広げた小学生男子は数知れない。
同年からはカードダスがスーパーカードダス・プリズム加工・スーパーバトル等の進化を遂げ、収集対象は一気に拡大した。
劇場版『燃えつきろ』のブロリーが武道烈伝シリーズに参戦した時の興奮は、当時の小学生にとって人生最高の瞬間と言っても過言ではない。
2000年代〜|PS世代とS.H.Figuartsの精密路線
2000年代以降はPS2『ドラゴンボールZ Sparking!』(2005年)シリーズが代表格となり、劇場版オリジナル悪役のブロリー・クウラ・ジャネンバ・ターレスが「フル参戦」する遊びを定着させた。
2009年からはバンダイのS.H.Figuarts路線で精密フィギュアが大人ファン向けに展開され、悟空・ベジータ・フリーザ・ブロリーら主要キャラの可動フィギュアは1体5,000〜8,000円のプライスでも飛ぶように売れた。
2014年7月にリリースされたスマホゲーム『ドラゴンボールZ ドッカンバトル』(バンダイナムコ)は世界累計4億ダウンロードを突破し、毎月の周年ガシャでファンを狂わせる長寿タイトルへと成長した。
2018年の対戦格闘ゲーム『DRAGON BALL FighterZ』はeスポーツ大会EVOにも採用され、世界中のプレイヤーが悟空・ベジータ・ブロリーを操る現象を生んだ。
海外展開|Funimationからフランス熱狂まで
北米市場では1996年からFUNimation Productionsが英語吹替版を順次展開し、Cartoon Networkの深夜帯Toonami枠で放送されたZシリーズは1990年代後半に爆発的人気となった。
フランスでは1988年からTF1の子供向け番組AB Productionsが放送を開始し、当時のフランスの子供にとってドラゴンボールは「日本」の代名詞となるレベルで浸透した。
2018年の劇場版『超ブロリー』が世界興収135億円超を記録した背景には、こうした地道な海外展開と、ファミトレ等の格闘ゲームコミュニティで愛され続けたグローバルなブランド資産がある。
2024年10月の『DAIMA』はNetflix等で同時配信され、配信時代に対応した新たな海外展開モデルへ進化した。
歴代主題歌・テーマ曲一覧
ドラゴンボール劇場版の主題歌は、シリーズの時代区分を象徴する音楽史でもある。
高橋洋樹「魔訶不思議アドベンチャー!」から影山ヒロノブ「CHA-LA HEAD-CHA-LA」、そしてFLOW・三浦大知へと至る変遷を一覧化する。
| No | 作品(公開年) | 楽曲 | アーティスト |
|---|---|---|---|
| 1 | 神龍の伝説(1986) | 魔訶不思議アドベンチャー! | 高橋洋樹 |
| 2 | 魔神城のねむり姫(1987) | 魔訶不思議アドベンチャー! | 高橋洋樹 |
| 3 | 摩訶不思議大冒険(1988) | 魔訶不思議アドベンチャー! | 高橋洋樹 |
| 4 | ドラゴンボールZ(1989) | CHA-LA HEAD-CHA-LA | 影山ヒロノブ |
| 5 | この世で一番強いヤツ(1990) | CHA-LA HEAD-CHA-LA | 影山ヒロノブ |
| 6 | 地球まるごと超決戦(1990) | CHA-LA HEAD-CHA-LA | 影山ヒロノブ |
| 7 | 超サイヤ人だ孫悟空(1991) | CHA-LA HEAD-CHA-LA | 影山ヒロノブ |
| 8 | とびっきりの最強対最強(1991) | CHA-LA HEAD-CHA-LA | 影山ヒロノブ |
| 9 | 100億パワーの戦士たち(1992) | CHA-LA HEAD-CHA-LA | 影山ヒロノブ |
| 10 | 三大超サイヤ人(1992) | CHA-LA HEAD-CHA-LA | 影山ヒロノブ |
| 11 | 燃えつきろ(1993) | OP「CHA-LA HEAD-CHA-LA」/ED「バーニング・ファイト」 | 影山ヒロノブ・YUKA |
| 12 | 銀河ギリギリ(1993) | ED「銀河を超えてライジング・ハイ」 | 影山ヒロノブ |
| 13 | 危険なふたり(1994) | OP「WE GOTTA POWER」 | 影山ヒロノブ |
| 14 | 超戦士撃破(1994) | OP「WE GOTTA POWER」/ED「ドラゴンパワー∞」 | 影山ヒロノブ |
| 15 | 復活のフュージョン(1995) | ED「最強のフュージョン」 | 影山ヒロノブ |
| 16 | 龍拳爆発(1995) | ED「俺がやらなきゃ誰がやる」 | 影山ヒロノブ |
| 17 | 最強への道(1996) | DAN DAN 心魅かれてく | FIELD OF VIEW |
| 18 | 神と神(2013) | HERO 〜希望の歌〜 | FLOW |
| 19 | 復活のF(2015) | 「Z」の誓い | ももいろクローバーZ |
| 20 | 超ブロリー(2018) | Blizzard | 三浦大知 |
| 21 | スーパーヒーロー(2022) | 主題歌なし(佐藤直紀BGM) | — |
影山ヒロノブ「CHA-LA HEAD-CHA-LA」は1989年TVアニメZのOPとしてデビューし、劇場版でも第4作から第12作までシリーズ最大の楽曲となった。
シリーズ初期3作はTVアニメ無印のOP「魔訶不思議アドベンチャー!」(高橋洋樹)を流用し、第4作からZ路線への移行と共に影山ヒロノブ帝国が始まった。
1996年『最強への道』ではFIELD OF VIEW「DAN DAN 心魅かれてく」が起用され、これは『ドラゴンボールGT』本編OP流用であった。
2013年『神と神』ではFLOWが「HERO 〜希望の歌〜」で参入し、シリーズの新章を音楽面でも象徴した。
2015年『復活のF』のももいろクローバーZ「『Z』の誓い」、2018年『超ブロリー』の三浦大知「Blizzard」は、ともにシリーズのグローバル展開を後押しした。
特筆すべきは2022年『スーパーヒーロー』で、シリーズ史上初めて主題歌が設定されず、佐藤直紀の劇伴BGM単独で構成された異例の作品となった。
全作品の公開日・興行収入一覧
1986年から2022年までの21作の公開日と配給収入/興行収入を一覧化する。
1986〜1996年は配給収入、2013年以降は興行収入での表記となる(業界基準変更による)。
| No | 公開日 | タイトル | 配給収入/興行収入 |
|---|---|---|---|
| 1 | 1986/12/20 | 神龍の伝説 | 8億円 |
| 2 | 1987/7/18 | 魔神城のねむり姫 | 8.5億円 |
| 3 | 1988/7/9 | 摩訶不思議大冒険 | 6.3億円 |
| 4 | 1989/7/15 | ドラゴンボールZ | 7.2億円 |
| 5 | 1990/3/10 | この世で一番強いヤツ | 9.5億円 |
| 6 | 1990/7/7 | 地球まるごと超決戦 | 10億円 |
| 7 | 1991/3/9 | 超サイヤ人だ孫悟空 | 13億円 |
| 8 | 1991/7/20 | とびっきりの最強対最強 | 14億円 |
| 9 | 1992/3/7 | 激突!!100億パワーの戦士たち | 16億円 |
| 10 | 1992/7/11 | 極限バトル!!三大超サイヤ人 | 15億円 |
| 11 | 1993/3/6 | 燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦 | 13.7億円 |
| 12 | 1993/7/10 | 銀河ギリギリ!!ぶっちぎりの凄い奴 | 13.1億円 |
| 13 | 1994/3/12 | 危険なふたり!超戦士はねむれない | 14.5億円 |
| 14 | 1994/7/9 | 超戦士撃破!!勝つのはオレだ | 11.2億円 |
| 15 | 1995/3/4 | 復活のフュージョン!!悟空とベジータ | 12.7億円 |
| 16 | 1995/7/15 | 龍拳爆発!!悟空がやらねば誰がやる | 8.5億円 |
| 17 | 1996/3/2 | 最強への道 | 6億円 |
| 18 | 2013/3/30 | 神と神 | 29.9億円 |
| 19 | 2015/4/18 | 復活の「F」 | 37.4億円 |
| 20 | 2018/12/14 | 超ブロリー | 40.0億円(世界135億円) |
| 21 | 2022/6/11 | スーパーヒーロー | 25.1億円 |
シリーズ国内興行収入の最高記録は、2018年『超ブロリー』の40.0億円である。
同作は世界興行収入135億円超を記録し、北米単独で3,070万ドル超の初週末興収を叩き出した。
Z期の配給収入は10億〜16億円のレンジで安定推移しており、特に1990〜1992年にかけては夏冬の東映アニメフェアで毎回10億円超を記録、当時の劇場アニメ市場でも上位の常連だった。
原作完結直後の1996年『最強への道』では6億円まで落ち込み、シリーズは17年間の長い空白期に入る。
2013年『神と神』で29.9億円を叩き出して鳥山明本格復帰の手応えを示し、以降『復活のF』37.4億円・『超ブロリー』40億円超と1作ごとに更新された。
2020年代の世界135億円規模への到達は、日本アニメ映画のグローバル化史そのものであり、ドラゴンボールがその先鋒として歩み続けた40年の証言である。
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劇場版オリジナル悪役(ブロリー・クウラ・ジャネンバ)が本編キャラのどの戦闘力レンジに位置するのか、原作の濃密な戦闘描写と劇場版の派手なバトル演出の対比を楽しむ往復ルートを作るとファン体験の解像度が一段上がる。
特に1993年『燃えつきろ』のブロリー初登場前後は、原作セル編クライマックスと並走した時期で、当時のジャンプ読者が劇場で「映画オリジナルの最強キャラ」を浴びる感覚は、本編とのコントラストでこそ味わえるものだった。
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1990年代前半のジャンプ黄金期を語るなら、ドラゴンボールと並走したスラムダンク漫画全巻レビュー|名シーンと感想まとめは外せない。
井上雄彦が1990年から1996年まで連載した全31巻のバスケットボール青春マンガで、ドラゴンボール最終章セル編・魔人ブウ編とまさに同期で誌面を彩った同時代の盟友である。
ジャンプ発行部数653万部の歴史的最高記録(1995年新春3・4合併号)は、ドラゴンボール・スラムダンク・幽☆遊☆白書・るろうに剣心が誌面に並んだ「奇跡の連載陣」によって達成された。
当時の小学生男子は月曜日の朝、誌上のフリーザ戦と山王戦を交互に読みながら、休み時間にカードダスとバスケットボールに分かれて遊んだ。あの空気を改めて追体験するなら本記事の併読を推す。
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浦飯幽助・桑原・蔵馬・飛影の四天王が霊界のトーナメント戦・暗黒武術会編・魔界編を駆け抜けた全112話は、ドラゴンボールZのフリーザ編から人造人間・セル編とほぼ完全に重なる時期に連載された。
気の概念や戦闘力インフレの構造はドラゴンボールから影響を受けつつ、霊界という別世界観を組み立てた点が独自で、ジャンプ黄金期のバトル路線を二本柱で支えた歴史的功績は計り知れない。
歴代一覧|【ワンピース映画】全15作の見る順番
ドラゴンボールの後継者として少年ジャンプを支えた『ONE PIECE』の劇場版を、歴代一覧|【ワンピース映画】全15作の見る順番で全網羅している。
2000年公開『THE MOVIE』から2022年『FILM RED』まで全15作の興収・主題歌・あらすじを期構成で整理した記事で、ドラゴンボール劇場版の系譜を引き継ぐジャンプ系劇場アニメの進化を時系列で確認できる。
特に『FILM RED』の興収197億円は、超ブロリーの世界興収135億円超を国内で更新した記録であり、ジャンプ系劇場版アニメの最高峰を比較する上で必読である。
【全45作】ドラえもん映画|歴代一覧と主題歌・ランキング
東映アニメフェアでスクリーンを並べた東映まんがまつりの兄弟記事として、【全45作】ドラえもん映画|歴代一覧と主題歌・ランキングもぜひ訪れてほしい。
1980年から続く国民的アニメ映画シリーズの全45作を期構成で網羅した記事で、ドラゴンボール劇場版が「東映アニメフェア」の常連だった1989〜1996年の同時代に何が並んでいたかが俯瞰できる。
当時の小学生は冬休み・春休み・夏休みの劇場で、ドラゴンボールZ・ドラえもん・聖闘士星矢などを一気に浴びる「東映アニメフェア体験」をしていた。あの興奮を改めて思い出す回遊として最適だ。
まとめ:ドラゴンボール映画の40年と鳥山明の遺産
1986年『神龍の伝説』から2022年『スーパーヒーロー』まで、ドラゴンボール劇場版21作は約36年にわたる日本アニメ史の証言である。
無印期3作の児童向けからZ期16作のオリジナル悪役量産、2013年以降の鳥山明本格復帰によるグローバル化という3段階を経て、シリーズは世界的フランチャイズへと進化した。
2024年3月の鳥山明逝去後、バードスタジオ・集英社・東映アニメーションの三者連名体制が新たな継承の枠組みとなり、2026年40周年「ゲンキダマツリ」を起点とした新展開が動き始めている。
劇場版21作という遺産は、世代を超えて愛され続ける日本ポップカルチャーの礎であり、これから始まる40周年新作展開の出発点でもある。





















