この記事で分かる3つのこと
・ハイキュー!! 漫画 全45巻のあらすじを完結まで整理
・アニメと映画の続きが漫画の何巻からか分かる
・読む順番、名シーン、完結後の評価まで一気に確認
古舘春一『ハイキュー!!』は、2012年12号から2020年33・34合併号まで『週刊少年ジャンプ』で連載された、高校バレーボール漫画の金字塔である。身長に恵まれない日向翔陽と、天才セッター影山飛雄が烏野高校で出会い、最強のコンビとして成長していく物語は、全45巻で完結した。
本作の強さは、日向と影山だけでなく、リベロ、エース、ブロッカー、控え選手、ライバル校の全員に物語がある点だ。青葉城西、白鳥沢、音駒、稲荷崎、鴎台との試合を通じて、バレーボールという競技の面白さを漫画表現へ落とし込んだ。スポーツ漫画の流れを知るうえでは、同じジャンプ作品の黒子のバスケや、完結長編としてのヒカルの碁とも並べて読みたい作品である。
作品基礎データ
作品名:ハイキュー!!
作者:古舘春一
連載誌:週刊少年ジャンプ(2012年12号〜2020年33・34合併号・全402話)
単行本:集英社・ジャンプコミックス全45巻
累計発行部数:2024年12月時点でシリーズ累計7000万部突破
アニメ化/映像化:TVアニメ第1期〜第4期/劇場版『ゴミ捨て場の決戦』/続編劇場版・スペシャルアニメ制作発表済み
- 【結論早見表】ハイキュー!!の漫画は全45巻で完結
- 第1部:烏野高校始動編(1〜4巻)
- 第2部:インターハイ予選・青城戦編(5〜8巻)
- 第3部:東京合宿・春高予選序盤編(9〜15巻)
- 第4部:春高予選・青城再戦〜白鳥沢決戦編(16〜21巻)
- 第5部:東京代表決定戦・春高全国大会前半編(22〜33巻)
- 第6部:ゴミ捨て場の決戦〜春高完結編(34〜42巻)
- 第7部:ブラジル修行・Vリーグ最終章(43〜45巻)
- ハイキュー!!をどこから読む?おすすめ読破ルート
- ハイキュー!!はどこで読める?Kindle・公式アプリ・紙版の違い
- 漫画とアニメ・劇場版の違い|続きは何巻から?
- 【考察】ハイキュー!!が検索され続ける理由
- よくある質問(FAQ)
- 関連作品
- まとめ|ハイキュー!!は全45巻で読む価値のある完結スポーツ漫画
【結論早見表】ハイキュー!!の漫画は全45巻で完結
| 疑問 | 答え |
|---|---|
| 漫画は全何巻? | ジャンプコミックス全45巻で完結済み。 |
| 何のスポーツ漫画? | 高校男子バレーボールを中心に、終盤はビーチバレーとVリーグまで描く。 |
| アニメの続きは? | 第4期後は劇場版『ゴミ捨て場の決戦』へ。映画後は原作37巻後半〜38巻以降が目安。 |
| まず読むなら? | 初読は1巻から順番が最適。試合と成長の積み重ねが重要な作品。 |
| 完結後も読む価値は? | 非常に高い。最終章まで読むことで、高校スポーツの先にある人生としてのバレーが見える。 |
全45巻の試合・編別対応表
| 巻数 | 編 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 1〜4巻 | 烏野高校始動編 | 日向・影山の再会、変人速攻、音駒練習試合 |
| 5〜8巻 | インターハイ予選編 | 伊達工戦、青葉城西戦、初めての敗北 |
| 9〜15巻 | 東京合宿〜春高予選序盤 | 新速攻、条善寺戦、和久谷南戦 |
| 16〜21巻 | 青城再戦〜白鳥沢戦 | 山口のサーブ、月島覚醒、春高出場決定 |
| 22〜33巻 | 東京代表決定戦〜春高全国前半 | 音駒・梟谷、稲荷崎戦、全国大会の拡大 |
| 34〜42巻 | ゴミ捨て場の決戦〜鴎台戦 | 音駒戦、梟谷戦、鴎台戦、春高編完結 |
| 43〜45巻 | ブラジル修行〜Vリーグ最終章 | ビーチバレー、BJ対AD、日本代表エピローグ |
第1部:烏野高校始動編(1〜4巻)
日向翔陽と影山飛雄が烏野高校で再会し、反発しながらも変人速攻を生み出す導入部である。西谷夕、東峰旭、月島蛍、山口忠といった主要メンバーも加わり、烏野が一つのチームへ戻っていく過程が描かれる。スポーツ漫画としては異例の速さで相棒関係を成立させ、同時に音駒との因縁まで提示するため、後半まで続く物語の土台が非常に濃い。まずここを読めば、『ハイキュー!!』が単なる努力漫画ではなく、役割の違う六人が互いを活かすチーム漫画だと分かる。
第1巻(発売日:2012年6月4日)
【収録範囲】
中学最後の公式戦〜烏野入部
【主な内容】
日向と影山の出会い・再会
【あらすじ】
小さな巨人に憧れる日向翔陽は、中学最初で最後の公式戦で影山飛雄に敗れる。リベンジを誓って烏野高校へ進むが、体育館で待っていたのはその影山だった。反発し合う二人は、3対3の部内対抗戦で初めて同じコートに立つ。
【感想】
第1巻は、敗北から始まる王道の導入が鮮烈である。敵だと思っていた影山が最初の相棒になる展開が早く、日向の跳躍力と影山の精密なトスが噛み合う瞬間に、作品全体の熱量が一気に立ち上がる。
2012年の週刊少年ジャンプは『ONE PIECE』『NARUTO』『BLEACH』が並びつつ、『黒子のバスケ』のアニメ化でスポーツ漫画人気が再燃していた時期である。そこへバレーボールという少年誌では珍しい題材を真正面から持ち込んだのが『ハイキュー!!』だった。
同年はロンドン五輪の年でもあり、スポーツ全般への関心は高かった一方、男子バレーは五輪出場を逃していた。逆風の競技を漫画の力で再注目させた点に、本作の意義がある。
第2巻(発売日:2012年8月3日)
【収録範囲】
3対3部内戦〜変人速攻誕生
【主な内容】
日向・影山コンビと月島・山口の加入
【あらすじ】
月島・山口を相手にした3対3で、日向と影山は互いの力を使い切る速攻を探る。影山が日向の最高到達点へ正確にトスを合わせ、日向は目を閉じて跳ぶだけで相手ブロックを抜く。烏野の新しい武器が生まれる巻である。
【感想】
変人速攻の誕生によって、『ハイキュー!!』は一気に独自の漫画になる。高さで勝てない日向が、速さとタイミングで戦うという発想が痛快で、月島の冷静な視線もチーム内の緊張を生んでいる。
第3巻(発売日:2012年10月4日)
【収録範囲】
西谷復帰〜旭復帰の前夜
【主な内容】
守護神とエースのドラマ
【あらすじ】
停部明けのリベロ・西谷夕が復帰するが、彼はエース東峰旭が戻るまで正式復帰しないと言い切る。日向と影山は旭に会い、彼が伊達工戦の敗北で心を折られていたことを知る。烏野が本当のチームに戻るための準備が進む。
【感想】
西谷と旭の関係が濃く描かれ、バレーボールが六人の役割で成り立つ競技だと伝わる巻である。派手な攻撃だけでなく、拾う者がいて初めてエースが打てるという構図が美しい。
第4巻(発売日:2013年1月4日)
【収録範囲】
音駒との練習試合
【主な内容】
ゴミ捨て場の決戦の原点
【あらすじ】
烏野は因縁の相手・音駒高校と練習試合を行う。孤爪研磨の観察眼と音駒の粘り強いレシーブにより、日向と影山の変人速攻は初めて本格的に攻略される。敗北ではなく課題を持ち帰る、烏野の成長に欠かせない一戦である。
【感想】
音駒戦は、後のゴミ捨て場の決戦へつながる大切な入口である。研磨が日向に興味を持ち、黒尾が月島に影響を与えるなど、ライバル校が単なる敵でなく長く続く関係として描かれている。
第2部:インターハイ予選・青城戦編(5〜8巻)
初めての公式戦となるインターハイ予選では、伊達工業の鉄壁、青葉城西の及川徹という大きな壁が烏野の前に立ちはだかる。勝利だけでなく敗北が丁寧に描かれ、旭の復活、菅原の投入、山口のピンチサーブなど、主役以外の選手にも見せ場が与えられる。とくに青城戦は、影山の過去と及川の矜持がぶつかる重要試合であり、烏野がまだ全国へ届かない現実を突きつける。ここで負けるからこそ、後の春高予選が何倍も熱くなる。
第5巻(発売日:2013年3月4日)
【収録範囲】
インターハイ予選開幕
【主な内容】
常波戦・伊達工戦への突入
【あらすじ】
インターハイ宮城県予選が始まり、烏野は初戦の常波高校を突破する。次に立ちはだかるのは、鉄壁のブロックで旭を苦しめた伊達工業。過去の敗北を抱える旭と、変人速攻を武器にする日向たちが、因縁の壁へ挑む。
【感想】
初めての公式戦らしい緊張感がよい。常波戦で勢いをつけ、伊達工戦で過去のトラウマに踏み込む流れが自然で、烏野が本当にチームとして戦い始めた実感がある。
2013年は『進撃の巨人』アニメ化が社会現象となり、漫画原作アニメが単行本売上を押し上げる流れがはっきり見えた年である。『ハイキュー!!』はまだアニメ化前ながら、インターハイ予選と青城戦で読者の支持を固めていた。
ジャンプでは『暗殺教室』『食戟のソーマ』も勢いを増し、次世代看板候補が並び始めた時期である。スポーツ漫画としての地力を示した青城戦は、後のアニメ人気への助走になった。
第6巻(発売日:2013年5月2日)
【収録範囲】
伊達工戦
【主な内容】
鉄壁攻略と旭の復活
【あらすじ】
伊達工の青根を中心としたブロックが烏野を苦しめる。日向の変人速攻は機能するが、鉄壁は簡単には崩れない。西谷のレシーブ、菅原の支え、仲間のつなぎを受け、旭がもう一度エースとしてスパイクを打ち込む。
【感想】
旭の復活が本当に熱い。日向と影山だけでなく、エース・リベロ・セッター・主将がそれぞれ役割を果たして勝つため、団体競技としての説得力が一段上がっている。
第7巻(発売日:2013年8月2日)
【収録範囲】
青葉城西戦・中盤
【主な内容】
菅原投入と及川の圧力
【あらすじ】
青葉城西との3回戦で、烏野は及川徹のサーブと試合運びに苦しめられる。影山に代わって菅原がコートに入り、チームに別のリズムをもたらす。控え選手の存在が、試合の空気を変える重要な局面となる。
【感想】
菅原の投入が印象的な巻である。スタメンだけが試合を作るのではなく、ベンチで見続けた選手だからこそできる仕事がある。及川の怖さも増し、青城戦の緊張が高まる。
第8巻(発売日:2013年10月4日)
【収録範囲】
青葉城西戦・決着
【主な内容】
初めての大きな敗北
【あらすじ】
青城戦は最終セットまでもつれ、烏野は山口のピンチサーブなどで流れをつかもうとする。日向たちは目の前の一球に全てを懸けるが、及川率いる青葉城西の総合力は高く、烏野は敗北を味わう。
【感想】
ここで勝たせない判断が『ハイキュー!!』らしい。敗北の悔しさが次の成長へつながるため、読後感は苦いが前向きである。及川というライバルの格も決定的に刻まれる。
第3部:東京合宿・春高予選序盤編(9〜15巻)
青城に敗れた烏野は、東京の強豪校との合同合宿を通じて新しい速攻とチーム全体の成長を模索する。音駒、梟谷、戸美など、後の全国大会で重要になる学校が本格的に登場し、世界が宮城県の外へ広がるフェーズでもある。春高予選では条善寺、和久谷南との試合を通して、自由なバレー、縁下の踏ん張り、控え選手の意味が描かれる。派手な決勝戦前の準備期間に見えるが、日向・影山・月島・山口の成長を支える重要な積み上げである。
第9巻(発売日:2014年1月4日)
【収録範囲】
敗北後〜東京遠征準備
【主な内容】
テストと再始動
【あらすじ】
青城戦の敗北を経て、烏野は春高へ向けて再始動する。東京遠征の話が持ち上がるが、日向・影山・田中・西谷には期末テストという現実的な壁が立ちはだかる。コート外の努力も含めて、次のステージへの準備が始まる。
【感想】
スポーツ漫画で勉強の壁をここまで面白く使うのがうまい。敗北直後に重くなりすぎず、日常のドタバタを挟むことで、烏野メンバーの高校生らしさが戻ってくる。
2014年4月、TVアニメ『ハイキュー!!』第1期が放送開始し、原作の知名度は一気に全国へ広がった。Production I.Gによる躍動感ある試合描写は、漫画で描かれていたスピード感を映像で補強し、新規読者を大量に呼び込んだ。
同年は『NARUTO』完結と『僕のヒーローアカデミア』始動の年でもあり、ジャンプの世代交代が進んでいた。『ハイキュー!!』はその中でスポーツ枠の柱へ成長していく。
第10巻(発売日:2014年4月4日)
【収録範囲】
東京遠征前半
【主な内容】
新しい速攻をめぐる衝突
【あらすじ】
日向は変人速攻の時に目を開けて、自分の意思でコースを選びたいと考える。しかし影山は、完成度を落とす選択だとして受け入れない。東京の強豪との練習試合を通じて、二人はこれまでの成功体験を壊す必要に迫られる。
【感想】
日向と影山が初めて本質的にぶつかる巻である。勝つために今の武器を磨くのか、失敗してでも進化するのか。この衝突があるから、新しい速攻の完成に重みが出る。
第11巻(発売日:2014年6月4日)
【収録範囲】
東京遠征中盤
【主な内容】
木兎との特訓と日向の変化
【あらすじ】
東京遠征で烏野は負けを重ねながらも成長する。日向は木兎や黒尾たちの居残り練習に加わり、空中で戦うためのヒントをつかむ。影山との新しい速攻はまだ噛み合わないが、それぞれが自分の課題へ向き合い始める。
【感想】
木兎の登場で作品の空気が一気に明るくなる。日向が他校の選手からも学び、敵味方を越えて成長していく構図が楽しい。合宿編の魅力が最もよく出ている。
第12巻(発売日:2014年8月4日)
【収録範囲】
東京合宿後〜春高予選開幕
【主な内容】
進化した烏野の再出発
【あらすじ】
強豪校との合宿を経て、烏野は新しい速攻や各自の課題を抱えたまま春高予選へ向かう。積み重ねた悔しさを力に変え、日向たちは初戦のコートに立つ。失敗を恐れない姿勢が、チームの雰囲気を変えていく。
【感想】
春高予選への再出発として気持ちのよい巻である。合宿での失敗がそのまま次の試合の武器になる構成で、努力がすぐ成果に変わりすぎない点も誠実だ。
第13巻(発売日:2014年10月3日)
【収録範囲】
条善寺戦
【主な内容】
自由なバレーへの対応
【あらすじ】
春高代表決定戦1回戦、烏野は「アソビ」を信条とする条善寺高校と対戦する。型にはまらない攻撃と即興のプレーに苦戦するが、烏野も合宿で得た柔軟さを使って対応していく。バレーを楽しむことの意味が前面に出る試合である。
【感想】
条善寺戦は、勝つためだけでないバレーの楽しさを教えてくれる。自由すぎる相手に翻弄されることで、烏野の硬さもほぐれ、作品全体の価値観が少し広がる。
第14巻(発売日:2014年12月27日)
【収録範囲】
和久谷南戦
【主な内容】
澤村離脱と縁下の踏ん張り
【あらすじ】
代表決定戦準々決勝、和久谷南戦の最中に主将・澤村が負傷して離脱する。チームの土台を失った烏野は、代わりに縁下をコートへ送り出す。派手な才能ではなく、逃げた過去を抱える縁下が踏みとどまる姿が描かれる。
【感想】
縁下の巻と言ってよい。主将不在という危機で、普段は目立たない選手が支柱になる構成が熱い。『ハイキュー!!』が控え選手にも物語を与える作品だと強く分かる。
第15巻(発売日:2015年3月4日)
【収録範囲】
和久谷南戦決着〜青城再戦前夜
【主な内容】
縁下の勝利と次なる宿敵
【あらすじ】
烏野は縁下たちの奮闘で和久谷南を破り、代表決定戦準決勝へ進む。次の相手を決める青葉城西と伊達工の試合も描かれ、及川率いる青城が再び烏野の前に立つ。因縁の再戦へ向けて空気が高まる。
【感想】
和久谷南戦をきっちり締めつつ、青城再戦への期待を一気に作る巻である。伊達工の成長も描かれるため、負けたチームにも時間が流れていることが伝わる。
第4部:春高予選・青城再戦〜白鳥沢決戦編(16〜21巻)
春高予選の山場は、二度目の青葉城西戦と白鳥沢学園戦である。山口のピンチサーブ、及川との決着、牛島若利の圧倒的な左腕、月島のブロック覚醒など、読者の記憶に残る名場面が集中している。とくに白鳥沢戦は全5セットの長丁場で、個の力とチームの総力が真正面からぶつかる前半最大のクライマックスだ。烏野が宮城県代表として春高へ進むまでの道のりを、苦しさも含めて描き切っている。
第16巻(発売日:2015年5月1日)
【収録範囲】
青葉城西再戦・第2セット
【主な内容】
山口のピンチサーブ
【あらすじ】
代表決定戦準決勝、青葉城西との再戦は第2セットへ。青城に流れが傾く中、烏野は山口忠をピンチサーバーとして投入する。以前の失敗を抱えた山口が、今度こそ自分の役割を果たそうとする姿が試合を動かす。
【感想】
山口の成長が胸を打つ巻である。スター選手ではない彼が、たった一本のサーブに全てを懸ける。その緊張と勇気が、主役級の見せ場として成立しているのが素晴らしい。
2015年はTVアニメ第2期が始まり、原作では青葉城西再戦から白鳥沢戦へ向かう熱量の高い時期である。及川との決着、山口のサーブ、牛島の登場によって、読者の感情は一段深く作品に結びついた。
ジャンプでは『暗殺教室』『僕のヒーローアカデミア』『ワールドトリガー』などが存在感を増し、次世代の厚みが出ていた。『ハイキュー!!』はチーム全員を描く群像性で独自の地位を築いた。
第17巻(発売日:2015年8月4日)
【収録範囲】
青葉城西再戦・決着
【主な内容】
及川との決着と白鳥沢への道
【あらすじ】
青葉城西がマッチポイントを迎え、烏野は一球で終わる窮地に追い込まれる。日向、影山、田中、菅原、全員が持てる力を出し切り、宿命の青城戦はついに決着する。勝利の先には、絶対王者・白鳥沢が待つ。
【感想】
青城戦の決着は、勝利の喜びと敗者への敬意が同時に残る名勝負である。及川と岩泉の物語も深く、烏野が勝ったのに青城の悔しさまで胸に刺さる。
第18巻(発売日:2015年10月3日)
【収録範囲】
白鳥沢戦・開幕
【主な内容】
牛島の圧力と守備の糸口
【あらすじ】
代表決定戦決勝、烏野は白鳥沢学園と対戦する。超高校級エース・牛島若利の左腕に苦しめられるが、西谷のレシーブをきっかけに少しずつ追撃の形を探る。烏野は王者を相手に、拾ってつなぐ戦いへ踏み込む。
【感想】
牛島の強さが圧倒的に描かれる。理屈抜きに止まらないスパイクがあるからこそ、烏野の粘りと西谷の守備が輝く。白鳥沢戦の長い死闘の入口として申し分ない。
第19巻(発売日:2015年12月4日)
【収録範囲】
白鳥沢戦・第2セット
【主な内容】
月島のブロック覚醒
【あらすじ】
第2セット、烏野は月島と西谷を中心にトータルディフェンスを組み立てる。白鳥沢の攻撃に食らいつく中、月島が読みと我慢を重ね、ついに牛島のスパイクを止める一瞬が訪れる。冷めた少年が本気になる巻である。
【感想】
月島のブロックは本作屈指の名場面である。『たかが部活』と距離を置いていた彼が、ほんの一瞬だけ心から楽しいと感じる。その積み上げの破壊力がすごい。
第20巻(発売日:2016年3月4日)
【収録範囲】
白鳥沢戦・第4セット
【主な内容】
崖っぷちの烏野
【あらすじ】
白鳥沢戦は第4セットへ進み、後のない烏野は必死に食らいつく。月島に続き日向も守備で存在感を見せるが、終盤には影山の動きにも陰りが見え始める。体力も集中力も限界に近づく中、烏野は崖っぷちで粘る。
【感想】
長丁場の試合の苦しさが伝わる巻である。勢いだけでは勝てない相手に対し、選手の疲労や小さな判断ミスが重くのしかかる。白鳥沢戦のリアリティを支える重要な一冊だ。
第21巻(発売日:2016年5月2日)
【収録範囲】
白鳥沢戦・最終セット
【主な内容】
春高出場を懸けた決着
【あらすじ】
最終5セット、月島の負傷で守備の柱を欠いた烏野は、白鳥沢の猛攻にさらされる。それでも全員が一点への執念をつなぎ、県代表決定戦はいよいよ最後の局面へ。春高への切符を懸けた死闘が決着する。
【感想】
白鳥沢戦の結末は、前半最大のカタルシスである。牛島という圧倒的な個を、烏野が六人の総力で越えていく。勝利の重みと疲労感まで残る名勝負だ。
第5部:東京代表決定戦・春高全国大会前半編(22〜33巻)
22巻以降は、烏野以外の高校にも強いスポットが当たり、作品の視野が一気に広がる。音駒や梟谷の東京都代表決定戦、影山のユース合宿、日向の一年生選抜合宿、伊達工との練習試合を経て、烏野は春高全国大会へ挑む。椿原学園戦、稲荷崎戦を通して、全国の強さと多様なチームカラーが描かれ、宮侑・宮治、北信介、星海光来など後半の重要人物も登場する。稲荷崎戦は全国大会序盤の最大山場で、烏野の学びが結実する名勝負である。
第22巻(発売日:2016年7月4日)
【収録範囲】
東京都代表決定戦・音駒vs梟谷
【主な内容】
ライバル校たちの春高
【あらすじ】
舞台は東京都代表決定戦へ移り、音駒と梟谷が全国行きを懸けてぶつかる。絶好調の木兎を相手に、夜久の守備と研磨の策がどう機能するのか。烏野以外のチームにも春高への物語があることが描かれる。
【感想】
烏野が出ない試合でもこれだけ面白いのが『ハイキュー!!』の強さである。音駒と梟谷の戦いを通じて、全国大会が烏野だけの夢ではないと分かる。
2016年はTVアニメ第3期『烏野高校 VS 白鳥沢学園高校』が放送され、白鳥沢戦の評価が一気に高まった年である。原作では東京代表決定戦から春高本戦準備へ進み、烏野以外の学校にも物語が広がった。
同年のジャンプでは『鬼滅の刃』『約束のネバーランド』が始まり、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』が完結した。ジャンプの大きな節目の中で、本作は安定した看板作品として読まれ続けた。
第23巻(発売日:2016年10月4日)
【収録範囲】
東京都代表決定戦・音駒vs戸美
【主な内容】
最後の代表枠争い
【あらすじ】
夜久の負傷で音駒は苦境に立たされ、戸美学園は守備の穴を執拗に突く。黒尾は主将として意地を見せ、研磨も勝機を探り続ける。東京都代表最後の一枠をめぐる、猫と蛇の粘り合いが描かれる。
【感想】
音駒の強さが『拾う力』だけでなく、苦境でも崩れないチームの知性にあると分かる巻である。戸美も嫌な相手としてよく描かれ、代表決定戦らしい重さがある。
第24巻(発売日:2016年12月2日)
【収録範囲】
強化合宿招集
【主な内容】
影山ユース合宿と日向の乱入
【あらすじ】
春高を控えた烏野に、影山の全日本ユース強化合宿招集が届く。焦りを覚えた日向は、呼ばれていない宮城県1年生選抜強化合宿へ現れる。練習に参加できない立場でも、日向は貪欲に学ぼうとする。
【感想】
日向の無茶さと貪欲さがよく出る巻である。コートに入れなくても、見ること、拾うこと、準備することから学べるという発想が、後のブラジル編にもつながる。
第25巻(発売日:2017年3月3日)
【収録範囲】
強化合宿〜伊達工練習試合
【主な内容】
春高前の総仕上げ
【あらすじ】
日向は練習に混ざれない中でも必死に情報を吸収し、影山はユース合宿で仲間との接し方に悩む。さらに烏野は伊達工との練習試合に臨み、春高前の課題を洗い出す。新しい武器を本番へ持ち込むための総仕上げである。
【感想】
試合より準備を描く巻だが、ここがあるから春高全国大会に説得力が出る。日向と影山が別々の場所で成長し、再び烏野に戻ってくる流れが気持ちいい。
第26巻(発売日:2017年5月2日)
【収録範囲】
伊達工練習試合〜春高開幕
【主な内容】
新しい速攻と全国の舞台
【あらすじ】
伊達工との練習試合で、ぎくしゃくしながらも変わろうとする日向と影山。新しい速攻が鉄壁相手に通用するのか試される。年が明け、ついに春の高校バレー全国大会が開幕し、烏野は未知の舞台へ足を踏み入れる。
【感想】
全国大会前の期待感が一気に高まる巻である。伊達工との再戦で成長を確かめてから本番に入るため、烏野が準備してきた時間の厚みを感じられる。
第27巻(発売日:2017年8月4日)
【収録範囲】
春高初戦・椿原学園戦
【主な内容】
巨大会場への適応
【あらすじ】
春高全国大会初戦、烏野の相手は2年連続出場の椿原学園。慣れない巨大な会場に苦戦するが、影山は空間に適応し、日向の速攻で会場を沸かせる。椿原の秘密兵器も加わり、全国初戦らしい難しさが描かれる。
【感想】
全国大会の空気がよく出ている。実力だけでなく、会場や緊張への適応も勝敗に関わるという描写がリアルで、烏野が一段上の舞台へ来たことを実感できる。
第28巻(発売日:2017年10月4日)
【収録範囲】
春高2日目の幕開け
【主な内容】
星海登場と全国の広がり
【あらすじ】
初戦に勝利した烏野は、音駒や梟谷の試合を見届ける。日向はユース候補選手である鴎台の星海光来と出会い、小柄ながら全国で戦うエースの姿に衝撃を受ける。シード校も登場し、春高2日目が動き出す。
【感想】
星海の登場により、日向の未来像がまた一つ増える。小さいから囮になるだけでなく、小さくてもエースになれるという現実が示され、全国大会の広さが伝わる。
第29巻(発売日:2017年12月4日)
【収録範囲】
稲荷崎戦・開幕
【主な内容】
宮侑と双子速攻
【あらすじ】
烏野はインターハイ2位の強豪・稲荷崎と対戦する。高校No.1セッターと名高い宮侑は、西谷をサーブで苦しめ、双子の宮治と変人速攻まで決めてみせる。烏野は最強の挑戦者を相手に、対策を迫られる。
【感想】
宮侑の登場で、影山とは別種の天才セッター像が提示される。軽そうに見えてプレーは鋭く、双子速攻の衝撃も大きい。全国のレベルの高さを痛感する巻だ。
第30巻(発売日:2018年2月2日)
【収録範囲】
稲荷崎戦・第1セット
【主な内容】
田中の苦境と覚醒
【あらすじ】
稲荷崎を相手に奮闘する烏野は、第1セットのセットポイントを得る。しかし調子の上がらない田中が狙われ、角名のブロックも圧力を増す。追い詰められた田中が、自分の弱さと向き合いながら一本を打ち抜こうとする。
【感想】
田中の巻である。派手な天才ではない彼が、折れそうになりながら自分を立て直す姿が熱い。『普通の俺よ、下を向いている暇はあるのか』という精神が刺さる。
第31巻(発売日:2018年4月4日)
【収録範囲】
稲荷崎戦・第2セット
【主な内容】
西谷への集中砲火
【あらすじ】
第2セット、宮侑のサーブは西谷を徹底的に狙う。守護神である西谷がレシーブミスを重ね、稲荷崎の猛攻で点差が開く。烏野は流れを崩そうと食らいつくが、全国屈指のサーブと応援の圧力が重くのしかかる。
【感想】
西谷ですら崩される展開に、稲荷崎の怖さが出ている。絶対的に見えた守護神が苦しむことで、全国大会の厳しさが増し、烏野全員で支える構図が強くなる。
第32巻(発売日:2018年7月4日)
【収録範囲】
稲荷崎戦・最終セット後半
【主な内容】
学びの結実
【あらすじ】
最終セット後半、宮侑の献身的なセットアップに触発され、稲荷崎は勢いを取り戻す。宮兄弟の攻撃が烏野を襲うが、これまで繰り返してきた学びと実践が、思いがけない一本として結実する。勝負は最終局面へ進む。
【感想】
練習してきたことが試合の土壇場で出る気持ちよさがある。偶然のように見える一本も、積み重ねた努力の結果として描かれるため、読者も一緒に報われる。
第33巻(発売日:2018年8月3日)
【収録範囲】
稲荷崎戦・決着
【主な内容】
最強の挑戦者を越える
【あらすじ】
稲荷崎の攻撃を、月島との連携で再び防いだ日向。あと1点で勝敗が決まる極限状態の中、攻撃のリズムは最高潮へ達する。烏野は稲荷崎との死闘を制し、全国でさらに先へ進む権利をつかむ。
【感想】
稲荷崎戦の決着は、白鳥沢戦とは違う爽快さがある。宮兄弟、北、角名など相手側も魅力的で、勝った後にも『また見たい』と思わせるチームだった。
第6部:ゴミ捨て場の決戦〜春高完結編(34〜42巻)
34巻からは、烏野と音駒の公式戦『ゴミ捨て場の決戦』がついに始まる。研磨の観察眼、黒尾のブロック、日向の進化がぶつかり、勝敗以上に『バレーを楽しむ』ことの意味が描かれる。その後は梟谷対狢坂、烏野対鴎台へ進み、小さな巨人に憧れた日向が星海光来と対峙する。春高編の終わりは勝利ではなく、日向の体調不良と敗北で締めくくられる。ここで終わらせない悔しさが、最終章のブラジル編へつながっていく。
第34巻(発売日:2018年10月4日)
【収録範囲】
ゴミ捨て場の決戦・開幕
【主な内容】
烏野vs音駒の公式戦
【あらすじ】
念願のゴミ捨て場の決戦が始まる。音駒は序盤から同時多発位置差攻撃をしかけ、守備のチームという印象を覆す。烏野も攻めるが、黒尾を中心とするブロックが立ちはだかり、月島は静かに闘志を燃やす。
【感想】
ついに来た、という高揚感がすごい。長く積み上げた因縁が公式戦として実現し、練習試合とは違う『もう一回がない』重みが全ページに漂っている。
2018年の原作は、長年の約束だった烏野対音駒の公式戦『ゴミ捨て場の決戦』が中心となった。練習試合ではなく、春高という一度きりの舞台で実現したことで、作品内外の期待は大きく膨らんだ。
同時期のジャンプでは『鬼滅の刃』『呪術廻戦』『約束のネバーランド』などが勢いを増し、誌面の空気が変わりつつあった。その中で本作は、長期連載の積み重ねでしか描けない試合を提示した。
第35巻(発売日:2018年12月4日)
【収録範囲】
ゴミ捨て場の決戦・中盤
【主な内容】
研磨の日向封じ
【あらすじ】
まさかのお見合いで第1セットを音駒に奪われ、烏野は波乱の展開に入る。守備で粘る音駒、攻撃で粘る烏野。苦しいラリーの中で烏野がリードを作るが、研磨の計略によって日向の動きは徐々に封じられていく。
【感想】
研磨の怖さが最大限に出る巻である。身体能力ではなく、観察と誘導で日向を封じる戦い方が実に音駒らしい。派手ではないのに、読んでいて息苦しくなる。
第36巻(発売日:2019年2月4日)
【収録範囲】
ゴミ捨て場の決戦・終盤
【主な内容】
封じ込め突破と高さの武器
【あらすじ】
研磨による封じ込めを、日向と影山はオープン攻撃で打ち破ろうとする。高さをも武器にし始めた日向に対し、音駒は犬岡・リエーフの1年コンビで迎え撃つ。春高3回戦はクライマックスへ向かう。
【感想】
日向が『速いだけの選手』ではなくなっていることが分かる。音駒の対策をさらに越えるために、これまでの成長を総動員する流れが熱い。
第37巻(発売日:2019年4月4日)
【収録範囲】
ゴミ捨て場の決戦・結末
【主な内容】
研磨の願いと木兎vs桐生へ
【あらすじ】
『まだ終わらないで』と願いながら、研磨は最後の一球を追う。烏野と音駒の積年の夢であるゴミ捨て場の決戦は決着する。一方で、日向たちの試合に昂揚した木兎は、全国三大エース・桐生との対決へ向かう。
【感想】
研磨がバレーを心から楽しむ瞬間が、本作全体の宝物のように輝く。勝敗以上に『この試合ができてよかった』と思える決着で、スポーツ漫画として非常に美しい。
第38巻(発売日:2019年6月4日)
【収録範囲】
梟谷vs狢坂〜鴎台戦前
【主な内容】
木兎と桐生、日向と星海
【あらすじ】
春高準々決勝では、梟谷の木兎と狢坂の桐生という全国屈指のエースが激突する。勢いに乗る木兎、不調に陥る赤葦。一方、試合を目前に控えた日向は、自分と同じ小さな体で戦う星海と改めて向き合う。
【感想】
木兎の成長と赤葦の揺らぎが丁寧に描かれる。烏野以外の試合にも本気で感情移入できるのが、本作の強さである。鴎台戦への助走としても重要だ。
第39巻(発売日:2019年9月4日)
【収録範囲】
鴎台戦・開幕
【主な内容】
日向vs星海と組織ブロック
【あらすじ】
春高準々決勝、烏野は鴎台高校と対戦する。最小スパイカーの日向と星海が序盤から火花を散らすが、鴎台は昼神を要とした高度な組織的ブロックで日向を阻む。月島も冷静に星海へ対応し、攻守の競り合いが続く。
【感想】
星海は日向の未来であり、別解でもある。小さくてもエースになれる選手を前に、日向がどう戦うかが面白い。鴎台のブロックも強く、試合全体に知的な緊張がある。
第40巻(発売日:2019年11月1日)
【収録範囲】
鴎台戦・東峰の重圧
【主な内容】
主砲の覚醒
【あらすじ】
一進一退の試合の中、鴎台に狙われて活路を開けない東峰は、失点の罪悪感に苦しむ。重圧を越えて力を発揮する昼神のブロックを破るには何が必要なのか。烏野の主砲が、自分の弱さと向き合う巻である。
【感想】
旭の物語がここで再び大きく動く。序盤で心を折られたエースが、全国の舞台で重圧を越えようとする。長い物語の回収として非常に感慨深い。
第41巻(発売日:2020年1月4日)
【収録範囲】
鴎台戦・最終セット
【主な内容】
小さな身体で壁へ挑む
【あらすじ】
春高3日目第2戦、運命の最終セット。烏野に第2セットを奪われても、鴎台のブロックは揺るがない。日向は壁を越える術を探し続け、小さな身体でもがきながら挑む。試合は限界の先へ進んでいく。
【感想】
鴎台戦の苦しさが濃い巻である。音駒戦のような楽しさではなく、強い相手に正面から詰められる圧迫感がある。日向の執念が痛いほど伝わる。
第42巻(発売日:2020年3月4日)
【収録範囲】
鴎台戦決着〜春高編完結
【主な内容】
日向離脱と敗北
【あらすじ】
体調不良で日向がコートを離れ、烏野は主力を欠いたまま鴎台との決着へ臨む。途方もない悔しさとともに中継画面越しのコートを見つめる日向。春高バレー編は、勝利ではなく苦い敗北で幕を閉じる。
【感想】
日向の離脱を美談にしないところが誠実である。努力や根性だけでは超えられない現実を描き、その悔しさが次の成長へつながる。高校編の終わり方として非常に強い。
第7部:ブラジル修行・Vリーグ最終章(43〜45巻)
最終章では高校バレーを離れ、日向がブラジルでビーチバレー修行を行い、やがてVリーグの舞台で影山と再会する。高校編で積み残した守備力、判断力、体調管理を、日向は異国の砂の上で鍛え直す。MSBYブラックジャッカル対シュヴァイデンアドラーズでは、日向、影山、牛島、木兎、宮侑、星海らがプロのコートでぶつかり、物語は日本代表へと広がる。『バレーは高校で終わらない』という本作の答えが、これ以上ない形で提示される完結部である。
第43巻(発売日:2020年5月13日)
【収録範囲】
ブラジル・ビーチバレー修行
【主な内容】
日向の再出発
【あらすじ】
卒業後、日向はビーチバレーで修業するためブラジルへ渡る。不安定な砂と風に苦しみながらも、エイトールと共に競技会へ挑む。高校時代に足りなかった守備力、判断力、体調管理を、異国の地で一から鍛え直す。
【感想】
ブラジル編への時間跳躍は大胆だが、日向を完全な選手にするための必然でもある。砂の上で全てを自分でこなす経験が、最終章の説得力を生んでいる。
2020年は新型コロナウイルスの影響で東京五輪が延期され、スポーツイベントの多くが止まった年である。その年に『ハイキュー!!』は約8年半の連載を完結させ、最終章でプロと代表のバレーを描いた。
現実のスポーツが不安定だった時期に、漫画の中で『続けること』の価値を描き切った意味は大きい。完結後も人気は衰えず、劇場版展開へつながっていく。
第44巻(発売日:2020年8月4日)
【収録範囲】
Vリーグ・BJ対AD開幕
【主な内容】
日向と影山の再会
【あらすじ】
Vリーグで日向と影山が再会する。MSBYブラックジャッカルとシュヴァイデンアドラーズのハイレベルな応酬の中、日向は多彩なプレーで存在感を示す。再び敵となった日向を前に、影山の中にも特別な高揚が生まれる。
【感想】
1巻の二人を知っているほど胸が熱くなる巻である。かつての相棒がプロのコートで敵になる構図は王道だが、45巻近い積み重ねがあるため説得力が桁違いだ。
第45巻(発売日:2020年11月4日)
【収録範囲】
BJ対AD決着〜完結
【主な内容】
日本代表と物語の大団円
【あらすじ】
それぞれの信念を背負った選手たちが、培ってきた力をすべて注ぎ込む。BJ対ADはついに決着し、日向と影山の対決も一つの答えへたどり着く。さらに未来では、かつてのライバルたちが世界の舞台へ向かう。
【感想】
最終巻は、バレーボールという競技への最大級のラブレターである。勝敗だけでなく、続けること、変わること、また出会うことを肯定して終わる。完結巻として非常に幸福な余韻が残る。
ハイキュー!!をどこから読む?おすすめ読破ルート
初読者は1巻から順番に読むのが最適
『ハイキュー!!』は試合の勝敗だけでなく、敗北から次の成長へつながる積み重ねで感動が生まれる作品である。青城戦、東京合宿、白鳥沢戦、稲荷崎戦、音駒戦、鴎台戦、ブラジル編の順番が崩れると、キャラクターの変化が弱く見えてしまう。初読者は必ず1巻から順番に読むのが最も満足度が高い。
アニメ視聴済みなら37巻後半〜38巻以降が目安
TVアニメ第4期の続きは劇場版『ゴミ捨て場の決戦』で、烏野vs音駒が描かれる。映画まで観た人が原作で続きへ進むなら、37巻後半から38巻以降を読むのが分かりやすい。ただし映画では細かな心理描写やラリーの間が圧縮されているため、音駒戦を原作で味わうなら34巻から読み直すのがおすすめである。
必読エピソードTOP3
第1位:白鳥沢戦・月島のブロック(19巻)
冷めた月島が初めてバレーを楽しいと感じる場面であり、長期連載の積み重ねが最も美しく効いた名シーンである。
第2位:ゴミ捨て場の決戦・研磨の『楽しい』(37巻)
勝敗以上に、スポーツそのものを楽しむ意味が描かれる。日向と研磨の関係が到達する、作品屈指の感動場面である。
第3位:最終章・日向と影山のVリーグ対決(44〜45巻)
1巻の出会いから始まった二人の物語が、プロの舞台で最高の形に結実する。完結まで読んだ読者へのご褒美のような最終戦である。
ハイキュー!!はどこで読める?Kindle・公式アプリ・紙版の違い
初めて読むなら、Kindleなどの電子書籍でジャンプコミックス版全45巻を順番に読むのが最も手軽である。本記事の各巻リンクも、通常版のKindleストア商品ページへ統一している。紙で集めたい場合は全45巻セット、中古、ジャンプリミックス版なども候補になるが、巻単位で読み返しやすいのは通常版である。
公式アプリでは少年ジャンプ+やゼブラックなどでキャンペーン配信されることもある。ただし無料公開は期間・話数が変わるため、全巻を安定して読みたい場合は電子書籍購入が確実である。海賊版サイトや無断アップロードは作者・出版社の権利を侵害するため利用しない。
漫画とアニメ・劇場版の違い|続きは何巻から?
| 媒体 | 対応範囲 | 補足 |
|---|---|---|
| TVアニメ第1期 | 烏野始動〜インターハイ予選の青城戦まで | 導入から初めての敗北までを丁寧に映像化。 |
| TVアニメ第2期 | 東京合宿〜春高予選の青城再戦まで | 新速攻と青城へのリベンジが中心。 |
| TVアニメ第3期 | 白鳥沢戦 | 全10話で県代表決定戦決勝を集中して描く。 |
| TVアニメ第4期 | 強化合宿〜春高の稲荷崎戦まで | 全国大会序盤まで。 |
| 劇場版 ゴミ捨て場の決戦 | 烏野vs音駒 | 映画後の続きは37巻後半〜38巻以降が目安。 |
| 原作漫画 | 全45巻で完結 | 鴎台戦、ブラジル編、Vリーグ最終章まで読める。 |
アニメと漫画で大筋の結末が変わるわけではないが、2026年5月時点では原作終盤の鴎台戦以降まで映像化が完了しているわけではない。最終章まで一気に知りたい読者は、漫画で38巻以降を読むのが最短である。
【考察】ハイキュー!!が検索され続ける理由
1. 『何のスポーツ?』から入る初心者にも分かりやすい
『ハイキュー 漫画』だけでなく、『ハイキュー 漫画 何巻まで』『完結』『何のスポーツ』といった初心者寄りの検索が多い。これは、作品名は知っているが内容や巻数を整理したい読者が多いことを示している。『ハイキュー!!』はバレーボール漫画だが、単に試合を描くだけでなく、ポジションの役割やチームの成長を物語として説明するため、初心者でも入りやすい。
2. 名シーン検索に強い作品構造
月島のブロック、研磨の『楽しい』、及川との決着、稲荷崎戦の田中、最終章の日向と影山など、本作には検索されやすい名シーンが多い。しかも、それぞれの名場面は単発のかっこよさではなく、数巻分の積み重ねで成立している。だからこそ『名シーン』や『かっこいいシーン』で調べた読者を、全巻読破へ自然に導きやすい。
3. 完結後もアニメ・映画で新規読者が流入する
2024年の劇場版『ゴミ捨て場の決戦』、さらに続編劇場版・スペシャルアニメの制作発表により、完結後も新規読者が増えている。映画で音駒戦を観た読者は『続きは漫画の何巻?』と検索し、最終章まで読みたくなる。本記事では、その導線を37巻後半〜38巻以降、より丁寧に読みたい人は34巻からと整理した。
よくある質問(FAQ)
- Q. ハイキュー!!の漫画は全何巻で完結していますか?
- A. ジャンプコミックス全45巻で完結しています。連載は2012年12号から2020年33・34合併号までで、単行本最終45巻は2020年11月4日に発売されました。
- Q. ハイキュー!!は何のスポーツ漫画ですか?
- A. 高校男子バレーボールを中心に描いたスポーツ漫画です。終盤ではビーチバレーやVリーグ、日本代表まで描かれ、競技としてのバレーボールの広がりも分かります。
- Q. アニメの続きは漫画の何巻から読めばいいですか?
- A. TVアニメ第4期の続きは劇場版『ゴミ捨て場の決戦』です。映画まで観た人は37巻後半〜38巻以降が目安ですが、音駒戦を原作で味わうなら34巻から読むのがおすすめです。
- Q. アニメと漫画で結末は違いますか?
- A. 大筋の物語が別物になるわけではありません。ただし、原作漫画は全45巻で完結しており、鴎台戦、ブラジル修行、Vリーグ最終章、日本代表エピローグまで読めます。
- Q. アニメを見た人でも漫画を読む価値はありますか?
- A. あります。漫画では試合中の心理描写、コマの間、細かな表情、カットされた会話を自分の速度で味わえます。特に音駒戦以降と最終章は、原作で読む価値が非常に高いです。
- Q. まず読むなら何編がおすすめですか?
- A. 初読なら1巻から順番に読むのが最適です。短く試すなら1〜4巻で烏野始動、16〜21巻で青城再戦から白鳥沢戦、34〜37巻でゴミ捨て場の決戦を読むと作品の魅力が分かります。
- Q. 完全版や文庫版はありますか?
- A. 2026年5月時点で、基本の単行本はジャンプコミックス全45巻です。電子書籍では通常版やカラー版などが流通していますが、初読なら通常版全45巻で問題ありません。
関連作品
黒子のバスケ
同じ週刊少年ジャンプのスポーツ漫画として比較したい作品。『ハイキュー!!』がチーム全体の役割を丁寧に描くのに対し、『黒子のバスケ』は能力バトル的な派手さが強い。スポーツ漫画の方向性の違いを楽しめる。
ヒカルの碁
ヒカルの碁は、囲碁という静かな題材を少年漫画として成立させた名作である。『ハイキュー!!』と同じく、競技を知らない読者でも人間ドラマで引き込む構成が優れている。
進撃の巨人
進撃の巨人は、2010年代の漫画ブームを象徴する完結作である。ジャンルは異なるが、アニメ化によって原作人気が再燃した流れは『ハイキュー!!』とも重なる。
まとめ|ハイキュー!!は全45巻で読む価値のある完結スポーツ漫画
『ハイキュー!!』は、全45巻で完結したバレーボール漫画である。日向と影山の出会いから、烏野高校の再起、青城・白鳥沢・稲荷崎・音駒・鴎台との激闘、そしてブラジル修行とVリーグ最終章まで、物語は高校スポーツの枠を越えて広がっていく。
特に優れているのは、勝者だけでなく敗者にも物語を与える姿勢である。及川、牛島、研磨、宮侑、星海、そして控え選手やマネージャーまで、それぞれが自分の人生としてバレーに向き合っている。その積み重ねがあるから、最終巻の日本代表エピローグはただの夢物語ではなく、彼らが歩んできた道の先として自然に受け止められる。















































