歴代作品|エンタメ文化史研究所

映画・ゲーム・おもちゃ等のシリーズ作品を時系列で解説し、その変遷や進化を”当時の時代背景”と共に愉しむサイト

歴代一覧|映画【クレヨンしんちゃん】全作を時系列で解説

この記事で分かる3つのこと
・1993年『ハイグレ魔王』から2026年最新作まで全34作を公開順で網羅
・「子供と一緒に」「泣ける」「ギャグ全開」の切り口別おすすめルート
・5期に分けた監督世代交代・声優交代・歴代主題歌の系譜まで把握

TVアニメ版ではお馴染みの「おバカな日常」から一転、劇場版ではスケールの大きな非日常世界が展開されるのが最大の特徴だ。
タイムスリップ・異世界冒険・地球規模の危機など、大胆なファンタジー要素の中で野原一家とカスカベ防衛隊が強敵に立ち向かう。

ナンセンスなギャグだけでなく、困難に立ち向かう「家族愛」や「友情」、大人の琴線に触れる深いメッセージ性も同居。
「子供向け」の枠を超え、世代を問わず笑って泣けるエンタメとして日本映画史に独自の地位を築き上げている。

シリーズ基礎データ
原作=臼井儀人『クレヨンしんちゃん』(双葉社『漫画アクション』1990年連載開始)。
制作=シンエイ動画/配給=東宝、1993〜2026年で全34作。
累計興行収入=シリーズ通算500億円超、最高は『オトナ帝国の逆襲』(22.0億円)と『B級グルメサバイバル』(22.0億円)。
主演=矢島晶子(1992〜2018)→小林由美子(2018〜)の野原しんのすけ。

第1期:ヒーロー冒険活劇期(1993-1996)

1993年の第1作『アクション仮面VSハイグレ魔王』から1996年までを本郷みつる監督が率いた黎明期である。
臼井儀人原作のTVアニメが1992年に開始した直後の映画化で、下品なギャグと家族愛を同居させるシリーズの骨格がここで定まった。
本郷監督は『ドラえもん』や『エスパー魔美』等の演出経験を活かし、ダイナミックなバトル描写と子供向けの痛快さを両立させた作風が持ち味。興収10億円台後半〜20億円台で推移し、春休み映画の定番として地位を固めた時期である。

バンカー荒木 バンカー荒木
やっぱり初期作品の奇抜さは最高だ!ハイグレ魔王やヘンダーランドの敵キャラは子供向けとは思えないほど強烈で、トラウマ級だったぜ!「大人の本気」こそクレしん映画の原点だな!
ロジック中田 ロジック中田
第1作がいきなり22.2億円(配給収入)の大ヒットを記録し、ドル箱シリーズ化が決定づけられました。アクション仮面というヒーローを軸にした構成も、子供たちの心を掴む戦略として完璧でしたね。
ポップ結衣 ポップ結衣
私は『ヘンダーランド』のス・ノーマン・パーが怖すぎて、しばらく一人でトイレに行けなくなった本物のトラウマです…でも健気なトッペマ・マペットちゃんは涙が出るほど愛おしかった♪

 

No.1 アクション仮面VSハイグレ魔王

公開日 1993年7月24日(土)
興行収入 22.2億円
監督 本郷みつる
脚本 もとひら了
主題歌 Mew(梶谷美由紀)「僕は永遠のお子様」
メイン声優 野原しんのすけ(矢島晶子)、野原みさえ(ならはしみき)、野原ひろし(藤原啓治)、アクション仮面(玄田哲章)、桜ミミ子(小桜エツ子)、北春日部博士(増岡弘)
ゲスト声優 野沢那智:ハイグレ魔王役

【見どころ】
しんのすけが憧れるヒーロー・アクション仮面がテレビの向こうから現実世界に飛び出し、少年と二人三脚で悪と対峙する第一作である。「オラ、正義の味方だぞ!」と胸を張る5歳児の背中には、当時の子どもが画面越しに抱いた「ヒーローと一緒に戦いたい」という素直な願望がそのまま投影されている。

【あらすじ】
アクション仮面のテレビ収録スタジオを襲撃したハイグレ魔王が、ハイグレ光線で大人たちをハイレグ姿の手下に作り変え、東京を制圧していく。テレビから飛び出したアクション仮面とタッグを組んだしんのすけは、仲間や家族を救うため魔王との対決に挑む。幼稚園児の無邪気さとヒーローの正義感が噛み合い、シリーズの原型となる冒険活劇が幕を開ける。

【レビュー】
画面の中のヒーローと現実が地続きになる興奮。あの感覚を5歳の自分に思い出させてくれる原点である。アクション仮面と肩を並べる「オラ、正義の味方だぞ」の一言に胸が熱くなり、しんのすけが当時の子どもたちにとってどれほど痛快な分身だったかを今も突きつけてくる。

1993年の時代背景(エンタメ事情)

1993年はJリーグが開幕し、ヴェルディ川崎対横浜マリノスの初戦で日本中が熱狂した年である。
TVでは『ひとつ屋根の下』が最高視聴率37.8%を叩き出し、SMAPや安室奈美恵が人気を拡大。
ゲームでは『ストリートファイターII ターボ』『ロマンシング サ・ガ2』がスーパーファミコン黄金期を象徴し、映画では『ジュラシック・パーク』が世界を席巻した。
アニメは『セーラームーンR』『Vガンダム』『幽☆遊☆白書』が放送中で、TV局はトレンディドラマと子供向けアニメで両輪を回していた時代である。

No.2 ブリブリ王国の秘宝

映画 クレヨンしんちゃん ブリブリ王国の秘宝 [DVD]

映画 クレヨンしんちゃん ブリブリ王国の秘宝

  • 監督:本郷みつる 出演:矢島晶子 ほか
Amazon
公開日 1994年4月23日(土)
興行収入 20.6億円
監督 本郷みつる
脚本 本郷みつる、原恵一
主題歌 岸恭子「約束See You!」
メイン声優 野原しんのすけ(矢島晶子)、野原みさえ(ならはしみき)、野原ひろし(藤原啓治)、スンノケシ王子(山田妙子)、アナコンダ( 富田耕生)、ミスター・ハブ(中田浩二)
ゲスト声優 小宮悦子:ニュースキャスター役

【見どころ】
野原一家が王室の一大事に巻き込まれる、シリーズ初の海外冒険譚である。『ワンピース』の歴代映画にも通じる「秘宝を巡る大冒険」のロマンに溢れており、ホワイトスネーク団に誘拐されたブリブリ王国のスンノケシ王子と行動を共にしたしんのすけが、王国の秘宝と陰謀の謎に迫る。王子と春日部の幼稚園児が並び立つ画面の違和感こそが笑いの核で、初期クレしん映画らしい大らかな構図が光る。

【あらすじ】
福引で当たったブリブリ王国旅行に出かけた野原一家は、ホワイトスネーク団に誘拐された王子スンノケシと現地で偶然出会い行動を共にすることになる。王国を乗っ取ろうとする一味の追撃を受けながら、秘宝をめぐる争奪戦に巻き込まれていく。家族ぐるみの逃避行と王国の内紛が交差し、大らかな冒険へ発展する。

【レビュー】
王子と春日部の幼稚園児が並んでドタバタする画の馬鹿馬鹿しさが愛おしい。福引で当てた海外旅行が本物の冒険になっていく初期クレしん特有のおおらかさは、令和の今見ると逆に贅沢で、家族でこの大らかさを浴びるためだけに観返したくなる一本である。

 

No.3 雲黒斎の野望

映画 クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望 [DVD]

映画 クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望

  • 監督:本郷みつる 出演:矢島晶子 ほか
Amazon
公開日 1995年4月15日(土)
興行収入 14.2億円
監督 本郷みつる
脚本 本郷みつる、原恵一
主題歌 杉本幸子「たすけてケスタ」
メイン声優 野原しんのすけ(矢島晶子)、野原みさえ(ならはしみき)、野原ひろし(藤原啓治)、吹雪丸(浦和めぐみ)、雲黒斎(加藤精三)、リング・スノーストーム(佐久間レイ)
ゲスト声優 なし

【見どころ】
しんのすけが戦国時代へ飛ばされ、歴史改変を企む時間犯罪者・雲黒斎の野望に立ち向かう時空冒険である。タイムパトロール隊員リングの依頼で戦国へ赴くという設定が骨太で、若き剣士・吹雪丸との道行きや現代っ子視点で切り取られる戦国の風景、リング・スノーストームら癖の強い悪役の絡みが独特の味わいを生む完成度の高い活劇である。

【あらすじ】
タイムパトロール隊員リングの依頼で戦国の世に飛ばされたしんのすけは、未来から歴史改変を狙う時間犯罪者・雲黒斎の野望を知る。吹雪丸と出会い、リング・スノーストームら配下と渡り合いながら現代へ戻る糸口を探していく。幼稚園児の常識外れな発想が戦国武将たちを振り回し、歴史劇にクレしん流の破壊力が持ち込まれる。

【レビュー】
幼稚園児が戦国武将を本気で困らせる、その一点だけで何度でも笑える時代劇である。吹雪丸との凸凹コンビは初期屈指のバディ感で、おしりを振りながら歴史を引っかき回すしんのすけの強さに痺れる。後年の『戦国大合戦』へ通じる原点として、ここから観ておく価値は大きい。

 

No.4 ヘンダーランドの大冒険

映画 クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険 [DVD]

映画 クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険

  • 監督:本郷みつる 出演:矢島晶子 ほか
Amazon
公開日 1996年4月13日(土)
興行収入 12.0億円
監督 本郷みつる
脚本 本郷みつる、原恵一
主題歌 雛形あきこ「SIX COLORS BOY」
メイン声優 野原しんのすけ(矢島晶子)、野原みさえ(ならはしみき)、野原ひろし(藤原啓治)、トッペマ・マペット(渕崎ゆり子)、ス・ノーマン・パー(古川登志夫)、ジョマ(田中秀幸)、マカオ(大塚芳忠)
ゲスト声優 雛形あきこ:本人役

【見どころ】
架空の遊園地ヘンダーランドを舞台に、野原一家が魔女たちの陰謀と対峙するファンタジー篇である。意思を持つマペットや人形たちが活躍する不思議な世界観は、ピクサーの『トイ・ストーリー』シリーズにも通じるワクワク感に満ちている。一方でババ抜き決戦、怪しい呪文「スゲーナスゴイデス」、トッペマ・マペットとス・ノーマン・パーの怪しすぎる造形が画面を賑わせ、夢と悪夢が同居するような展開がシリーズの表現幅を一気に広げている。

【あらすじ】
野原一家が訪れた遊園地ヘンダーランドで、しんのすけはトッペマ・マペットから助けを求められる。迫り来るマカオ&ジョマの魔手を避けながら、一家はス・ノーマン・パーと共にババ抜きの決戦へ挑む。遊園地の明るさと魔女たちの不気味さが同居する、異色のファンタジー冒険が展開する。

【レビュー】
マカオ&ジョマの不気味な笑い声と「スゲーナスゴイデス」の呪文は、当時の子どもたちにトラウマ級の恐怖を植え付けた。遊園地の派手な明るさとババ抜き決戦の薄ら寒さが共存する世界観は唯一無二で、夢と悪夢を行き来する感覚を大人になった今でも思い出させてくれる。

 

第2期:大人も泣ける家族ドラマ黄金期(1997-2002)

1997年の第5作『暗黒タマタマ大追跡』から2002年まで率いた原恵一監督の時代は、シリーズが児童向けの枠を超え社会現象へ進化した黄金期である。
原監督は家族のドラマ性と精密な絵作りで作品に奥行きを与え、2001年『オトナ帝国の逆襲』で昭和ノスタルジーを武器に大人の観客まで巻き込み、2002年『戦国大合戦』では時代劇として高い完成度を提示した。
『千と千尋の神隠し』308億円のジブリ一強時代に、クレしん映画は「親子で泣ける邦画アニメ」の旗手としてシリーズ興収のピークを築いた。

バンカー荒木 バンカー荒木
来た…!俺の涙腺を崩壊させた伝説の時代だぜ!『オトナ帝国』ひろしの足の匂いで正気を取り戻すシーン、『戦国大合戦』又兵衛が散るラスト、思い出すだけで涙でぼやけてくる…反則だ!
ポップ結衣 ポップ結衣
『戦国大合戦』の又兵衛と廉ちゃんの身分差の恋は本当に切なくて、何度見ても涙腺崩壊です。実写『BALLAD 名もなき恋のうた』(2009・草彅剛主演)に発展した名作ですよね♪
ロジック中田 ロジック中田
興行収入のデータを見ると、実はこの時期、一時的に数字が落ち込んでいます。しかし、作品の評価(レビュー点数)はシリーズ最高レベル。まさに「記録より記憶に残る」作品群と言えますね。

 

No.5 暗黒タマタマ大追跡

映画 クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡 [DVD]

映画 クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡

  • 監督:原恵一 出演:矢島晶子 ほか
Amazon
公開日 1997年4月19日(土)
興行収入 11.3億円
監督 原恵一
脚本 原恵一
主題歌 財津和夫「ひまわりの家」
メイン声優 野原しんのすけ(矢島晶子)、野原みさえ(ならはしみき)、野原ひろし(藤原啓治)、野原ひまわり(こおろぎさとみ)、ラベンダー(塩沢兼人)、ローズ(郷里大輔)、レモン(大滝進矢)
ゲスト声優 山本百合子:東松山よね役

【見どころ】
原恵一監督の劇場版デビュー作であり、ひまわりが初めて本格参戦した記念碑的な一作である。封印の鍵となる『タマ』を誤って飲み込んだひまわりを守りながら、一家は珠由良ブラザーズと共に関東甲信越を駆けるロードムービーへ突入する。赤ん坊を抱えた逃走劇が新鮮な緊張感を生み、後のシリーズを方向づけた転換点と位置付けられる。

【あらすじ】
ひまわりが誤って飲み込んだ赤い玉『タマ』は、太古の魔人ジャークが封印された埴輪を解く鍵だった。復活を狙う珠黄泉族と魔人ジャーク、封印を守ろうとする珠由良ブラザーズ、その対立に巻き込まれた一家は関東甲信越を縦断する逃走劇へと踏み出す。ローズ・ラベンダー・レモンの三兄弟との道行きを軸に、家族で生き延びる冒険が展開する。

【レビュー】
赤ん坊のひまわりを抱えて関東甲信越を逃げ回る、この緊張感がたまらない。一家の誰かが本気でひまわりを守ろうとする姿に胸を打たれ、家族映画としてのクレしんの骨格が一気に立ち上がる転換点だと感じる。後の名作群がここから育っていったのだと納得できる、静かに重要な一本だ。

1997年の時代背景(エンタメ事情)

1997年は消費税3%→5%への増税、山一證券・北海道拓殖銀行の相次ぐ破綻という経済激動の年である。
音楽はSPEEDやGLAYがミリオンを連発、安室奈美恵『CAN YOU CELEBRATE?』は230万枚を売り上げた。
ゲーム『ファイナルファンタジーVII』が国内328万本でPS時代を象徴、映画は『もののけ姫』が興収193億円で邦画アニメを再定義した。
TVは『踊る大捜査線』『失楽園』が話題を独占、夏休みの子供たちは『ポケットモンスター』アニメ放送開始に熱狂した年だ。

No.6 電撃!ブタのヒヅメ大作戦

公開日 1998年4月18日(土)
興行収入 10.6億円
監督 原恵一
脚本 原恵一
主題歌 SHAZNA「PURENESS」
メイン声優 野原しんのすけ(矢島晶子)、野原みさえ(ならはしみき)、野原ひろし(藤原啓治)、お色気(三石琴乃)、筋肉(玄田哲章)、ぶりぶりざえもん(塩沢兼人)
ゲスト声優 IZAM(SHAZNA):本人役

【見どころ】
原恵一監督2作目は本格スパイアクションへ舵を切った一本である。国連直属の秘密組織SMLのエージェント「お色気」が活躍する国際陰謀劇で、屋形船からの脱出から香港潜入まで畳みかける構成が痛快である。電脳世界に踏み込んだしんのすけがコンピュータウイルス化したぶりぶりざえもんと対話する終盤は、シリーズ屈指の別れの場面として語り継がれている。

【あらすじ】
SMLのエージェント「お色気」が秘密結社「ブタのヒヅメ」から秘密兵器のディスクを奪取し、お台場の屋形船へ逃げ込む。居合わせた野原一家は屋形船ごと飛行船に拉致され、香港の本部へ連行される。首領マウスは「ぶりぶりざえもん」をウイルス化して世界征服を企てるが、味方の大袋博士の協力で電脳世界へ潜ったしんのすけが、対話によってぶりぶりざえもんと対峙する。

【レビュー】
電脳世界でぶりぶりざえもんと向き合うラストで、いつもふざけているこの豚に本気で泣かされる。スパイ活劇の派手さの裏で、別れと友情をきっちり描き切る筆致にうなる一本だ。お色気と筋肉が真剣に走り回るバランス感も最高で、初期の頂点と言いたくなる完成度がある。

 

No.7 爆発!温泉わくわく大決戦

公開日 1999年4月17日(土)
興行収入 9.5億円
監督 原恵一
脚本 原恵一
主題歌 野原一家&温泉わくわく'99「いい湯だな」
メイン声優 野原しんのすけ(矢島晶子)、野原みさえ(ならはしみき)、野原ひろし(藤原啓治)、温泉の精・丹波(丹波哲郎)、アカマミレ(家弓家正)、草津(小川真司)
ゲスト声優 丹波哲郎:温泉の精・丹波役

【見どころ】
原恵一監督3作目は怪獣映画への愛情を全開にしたスペクタクル作である。風呂嫌いテロ組織「YUZAME」の地球温泉化計画という荒唐無稽な発想を、巨大ロボットと自衛隊が春日部で激突する東宝特撮直系の演出で支えた。本作はぶりぶりざえもん役の塩沢兼人が生前に出演した最後の劇場版であり、原作者・臼井儀人が特別出演した最後の作品でもある節目の一本である。

【あらすじ】
首領アカマミレ率いるYUZAMEは、地中マグマを活性化させて極地を融解させ、世界を温泉に沈める「地球温泉化計画」を企む。政府直属の温泉Gメン・草津たちは伝説の温泉「金の魂の湯」を捜索しており、それが野原家の地下にあると判明する。一家は基地に避難させられるが捕らわれて源泉を漏らし、巨大ロボットが春日部へ進撃する。一家は温泉戦隊に変身して立ち向かう。

【レビュー】
「地球を温泉化する」という、聞いた瞬間に笑ってしまう設定を全力でやり切る心意気にしびれる。巨大ロボが春日部を蹂躙する映像は東宝特撮の血を継いだ熱さで、温泉戦隊に変身する野原一家の小ささが逆にぐっとくる。馬鹿馬鹿しさと真剣さが同居した、夏休みに最高の一本である。

 

No.8 嵐を呼ぶジャングル

映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶジャングル [DVD]

映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶジャングル

  • 監督:原恵一 出演:矢島晶子 ほか
Amazon
公開日 2000年4月22日(土)
興行収入 11.0億円
監督 原恵一
脚本 原恵一
主題歌 小林幸子「さよならありがとう」
メイン声優 野原しんのすけ(矢島晶子)、野原みさえ(ならはしみき)、野原ひろし(藤原啓治)、野原ひまわり(こおろぎさとみ)、アクション仮面(玄田哲章)、パラダイスキング(大塚明夫)
ゲスト声優 小林幸子:ペガサス役(声+歌唱)

【見どころ】
原恵一監督4作目は南の無人島を舞台にしたサバイバル活劇である。大人不在の島でカスカベ防衛隊が水上オートバイを駆って奮闘する構成は、子どもたちが主役で戦う物語として一貫している。アクション仮面役の郷剛太郎とパラダイスキングが特撮スーツを脱いで空中決闘する終盤は、ヒーローとは何かを正面から問い直す仕掛けである。

【あらすじ】
アクション仮面新作映画「南海ミレニアムウォーズ」の船上試写会クルーズに、野原一家とかすかべ防衛隊とその母親たちが招かれる。謎のサル軍団が大人たちと郷剛太郎を南の島へ拉致し、島を支配するパラダイスキングが大人を奴隷化、子どもたちにアクション仮面打倒を仕向ける。残された防衛隊は水上オートバイで島へ上陸し、知恵と勇気で大人たちを救出に向かう。

【レビュー】
大人を切り離して子どもだけで戦わせる構成に、無人島の解放感とほんの少しの心細さが同居する。水上オートバイで波を切るしんのすけたちの背中は、どこか少年漫画の主人公のようでまぶしい。アクション仮面が「ヒーローとは何か」を体ごとぶつけて答える終盤に胸が熱くなる。

 

No.9 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲

公開日 2001年4月21日(土)
興行収入 14.5億円
監督 原恵一
脚本 原恵一
主題歌 小林幸子「元気でいてね」
メイン声優 野原しんのすけ(矢島晶子)、野原みさえ(ならはしみき)、野原ひろし(藤原啓治)、野原ひまわり(こおろぎさとみ)、ケン(津嘉山正種)、チャコ(小林愛)
ゲスト声優 関根勤、小堺一機:本人役

【見どころ】
原恵一監督がシリーズの地平を塗り替えた金字塔である。20世紀へのノスタルジーを正面から扱い、大人が育児を放棄して子どもに戻る異常事態を描く構想は児童映画の枠を完全に超えていた。ひろしが靴の匂いで人生を取り戻す回想と、東京タワーの階段ダッシュは大人が泣く場面として語り継がれている。原は『ボディガード』のケビン・コスナー吹替に惚れ込み、ケン役を津嘉山正種にオファーした。

【あらすじ】
春日部に「20世紀博」がオープンし、大人たちは昭和の懐かしい世界へ夢中になっていく。敵組織イエスタディ・ワンスモアのケンとチャコが撒く懐かしい匂いで、ひろしは幼児退行し、みさえも魔法少女みさりんと化す。ひろしは靴の匂いで正気を取り戻し、家族は20世紀博へ突入する。過去に生きようとするケンに、しんのすけは未来を生きたいと訴え東京タワーを駆け上がる。

【レビュー】
ひろしが靴の匂いで人生を取り戻す回想で、自分の親父の肩や手のひらまで思い出して泣いてしまう。東京タワーの階段を駆け上がるしんのすけの「未来を生きたい」という叫びは、過去に逃げそうになる大人全員に刺さる。児童映画の枠を完全に超えた、邦画アニメの金字塔と断言できる。

 

No.10 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦

公開日 2002年4月20日(土)
興行収入 13.0億円
監督 原恵一
脚本 原恵一
主題歌 ダンス☆マン「二中のファンタジー〜体育を休む女の子編〜」
メイン声優 野原しんのすけ(矢島晶子)、野原みさえ(ならはしみき)、野原ひろし(藤原啓治)、野原ひまわり(こおろぎさとみ)、井尻又兵衛(屋良有作)、春日廉(小林愛)
ゲスト声優 雨上がり決死隊(宮迫博之、蛍原徹):彦蔵、儀助役

【見どころ】
原恵一監督による時代劇ロマンスの到達点である。徹底した時代考証に基づく合戦描写は劇場アニメ史でも屈指で、又兵衛と廉姫の身分違いの相思相愛が胸を打つ。ひろしの「しんのすけのいない世に未練はない」という台詞や、又兵衛が父の形見の右手差しをしんのすけに託す終盤は、子ども向けの枠を踏み越える重さを宿す。文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞を受賞した格別の一作である。

【あらすじ】
野原一家全員が時代劇美女の夢を見た翌日、シロが庭から「おら てんしょうにねん にいる」と書かれた手紙入りの文箱を掘り出す。しんのすけは天正2年(1574年)の戦国時代へタイムスリップし、春日合戦の只中で侍・井尻又兵衛由俊の命を救う。又兵衛は春日城の姫・廉と相思相愛で、隣国の大蔵井高虎が二万の兵で春日城へ攻め寄せる。後を追った野原一家も合戦に巻き込まれていく。

【レビュー】
又兵衛と廉姫の身分違いの恋に、こんなにも本気で胸を痛める日が来るとは思わなかった。ひろしが「しんのすけのいない世に未練はない」と告げる声に震え、又兵衛が右手差しを託すラストでは涙が止まらない。クレしん映画の枠を超え、純粋な時代劇の傑作として語り継ぎたい。

 

第3期:路線模索と実験的挑戦期(2003-2007)

2003年『栄光のヤキニクロード』から2007年までは水島努・ムトウユージ両監督が交代で腕を振るった変革期である。
水島監督は不条理ギャグを突き詰めた『ヤキニクロード』『3分ポッキリ大進撃』でシリーズのシュール路線を極限まで押し広げ、ムトウ監督は冒険活劇の王道で子供層を引き戻した。
『ハウルの動く城』『時をかける少女』等のライバルが登場した時代に、興収は10億円前後を維持しつつも固定ファン向けの作家性を強めた過渡期であった。

ロジック中田 ロジック中田
原恵一監督が退任し、重厚なドラマから一転、疾走感のあるギャグや特定ジャンル映画のオマージュが急増した時期です。『ヤキニクロード』はネットミーム化、『踊れ!アミーゴ!』はホラー色で賛否を呼びました。
ポップ結衣 ポップ結衣
『踊れ!アミーゴ!』前半のゾンビ演出はホラー映画級で怖くて、親御さんから苦情殺到だったとか…でも『カスカベボーイズ』の西部劇世界の切ないラストは、私のオールタイムベスト級の名作です♪
バンカー荒木 バンカー荒木
焼肉が食いたい!ただそれだけの動機で国中の軍隊を敵に回し、野原一家が全力疾走する『ヤキニクロード』の執念!バカバカしさを本気でやり切る姿勢こそクレしん映画の真骨頂だよな!

 

No.11 嵐を呼ぶ 栄光のヤキニクロード

公開日 2003年4月19日(土)
興行収入 13.5億円
監督 水島努
脚本 水島努、原恵一
主題歌 華原朋美「PLEASURE」
メイン声優 野原しんのすけ(矢島晶子)、野原みさえ(ならはしみき)、野原ひろし(藤原啓治)、野原ひまわり(こおろぎさとみ)、白衣の男(石丸博也)、堂ヶ島少佐(徳弘夏生)
ゲスト声優 華原朋美:トモちゃん役

【見どころ】
水島努の初監督作品。原恵一が作り上げた情感路線から大胆に舵を切り、最高級焼肉を食べるためだけに熱海を目指すハイテンションロードムービーへと転換した。劇画調作画の遊びや変装ネタなど映像的な遊戯性が全開で、シリーズを笑いの純度で押し切る方針の再起動を鮮烈に印象付けた意欲作である。

【あらすじ】
焼肉ディナーを楽しみにしていた野原家だが、謎の組織「スウィートボーイズ」に濡れ衣を着せられ全国指名手配犯に。警察や近所の人々、カスカベ防衛隊にまで追われながら、冷蔵庫の最高級焼肉を守り、夕飯までに帰るため熱海へ向かう。ヒッチハイク、変装、裏切り。焼肉への執念が奇跡を起こす。

【レビュー】
「夕飯までに焼肉を守って熱海から帰る」というだけの話を、ここまで全力疾走で笑わせ切る馬鹿馬鹿しさが最高だ。劇画調の一枚絵や変装ギャグが連発される疾走感は、感動路線の後で観るとむしろ清々しく、シリーズの幅を一気に広げた野心作として何度でも観返したくなる。

2003年の時代背景(エンタメ事情)

2003年は日経平均がバブル後最安値7607円をつけた一方、阪神タイガースが18年ぶりリーグ優勝で関西が沸騰した年である。
音楽はORANGE RANGE『上海ハニー』やBUMP OF CHICKEN『ロストマン』が台頭、SMAPと嵐が国民的地位を固めた時期である。
映画は『ラスト サムライ』『マトリックス リローデッド』がヒット、邦画は『踊る大捜査線 THE MOVIE 2』が173億円で実写邦画史を塗り替えた。
TVは『白い巨塔』『GOOD LUCK!!』が視聴率30%超を連発し、小中学生は『NARUTO』『テニスの王子様』に夢中だった時代だ。

No.12 嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ

公開日 2004年4月17日(土)
興行収入 12.8億円
監督 水島努
脚本 水島努
主題歌 NO PLAN「○(マル)あげよう」
メイン声優 野原しんのすけ(矢島晶子)、野原みさえ(ならはしみき)、野原ひろし(藤原啓治)、野原ひまわり(こおろぎさとみ)、つばき(斎藤千和)、ジャスティス・ラブ(小林清志)
ゲスト声優 内村光良ほか(NO PLAN):本人役

【見どころ】
水島努監督による異色の西部劇ファンタジー。映画の世界に迷い込んだカスカベ防衛隊が、時の経過で春日部の記憶を失っていく恐怖と向き合う意欲作である。2004年当時の児童アニメとしては異例の切なさを宿すヒロイン・つばきとの別れは、シリーズ屈指の名ラストとして語り継がれ、初見層にも大人の鑑賞に堪える重量感を残す。

【あらすじ】
廃映画館「カスカベ座」で西部劇に吸い込まれたしんのすけたちは、無法地帯ジャスティスシティに放り出される。元の世界へ戻る条件は、物語をハッピーエンドで終わらせること。長居すれば現実の記憶は薄れていく。保安官になった風間、結婚してしまうマサオ。仲間たちが変わりゆく中、最後に思い出した大切なものを胸に、防衛隊が夕陽の町で決戦へ挑む。

【レビュー】
春日部の記憶が薄れていく恐怖と、つばきとの別れの切なさが、子ども向けとは思えない重さで胸に残る。保安官になった風間や結婚するマサオの違和感がじわじわ効いてきて、夕陽のラストカットでは大人が普通に泣く。隠れた名作という言葉が一番似合う、屈指の西部劇である。

 

No.13 伝説を呼ぶブリブリ 3分ポッキリ大進撃

公開日 2005年4月16日(土)
興行収入 13.0億円
監督 ムトウユージ
脚本 きむらひでふみ
主題歌 AI「Crayon Beats」
メイン声優 野原しんのすけ(矢島晶子)、野原みさえ(ならはしみき)、野原ひろし(藤原啓治)、野原ひまわり(こおろぎさとみ)、ミライマン(村井国夫)
ゲスト声優 坂井真紀:ホステス役
波田陽区:本人役

【見どころ】
ムトウユージ監督の初登板作にして、ウルトラマンや仮面ライダーへのオマージュが詰まった特撮ヒーロー編。3分間という制限時間の中で野原一家が変身して怪獣と戦うという設定は、昭和特撮世代には懐かしく、子供世代には新鮮に映る構成であった。ヒーローの孤独と家族の支えを同時に描いた挑戦作である。

【あらすじ】
野原家の掛け軸から現れた時空調整員ミライマン。3分後の世界に出現した怪獣を退治しなければ現実世界に被害が及ぶという。野原一家は変身し、ヒーローとして戦いに身を投じる。だが怪獣を倒すことに慢心したひろしとみさえは義務を怠り、ベビーシッターをしんのすけに丸投げしてしまう。家族の結束が試される3分間の戦いが始まる。

【レビュー】
3分間という制限時間で家族が変身して怪獣に挑む、その昭和特撮的な熱さがたまらない。満身創痍のひろしとみさえが家族の責任を背負い切る姿に、不器用な父親と母親の格好良さを再発見させられる。ヒーローと家族を真っ向から重ねた構成は、後の『ロボとーちゃん』への助走に思える。

 

No.14 伝説を呼ぶ 踊れ!アミーゴ!

映画 クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶ踊れ!アミーゴ! [DVD]

映画 クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶ踊れ!アミーゴ!

  • 監督:ムトウユージ 出演:矢島晶子 ほか
Amazon
公開日 2006年4月15日(土)
興行収入 13.8億円
監督 ムトウユージ
脚本 もとひら了
主題歌 倖田來未「GO WAY!!」
メイン声優 野原しんのすけ(矢島晶子)、野原みさえ(ならはしみき)、野原ひろし(藤原啓治)、野原ひまわり(こおろぎさとみ)、ジャッキー(渡辺明乃)、アミーゴスズキ(田島令子)
ゲスト声優 セイン・カミュ:アミーゴスズキの部下役

【見どころ】
ムトウユージ監督2作目にして、前半ホラー・後半ドタバタという構造のギャップで語り継がれる異色作である。身近な人間が偽物コンニャクローンに入れ替わる恐怖演出はリアルな顔芸も相まって当時の子供たちに強烈な印象を残し、後半のサンバ対決の脱力感とのコントラストが独特の味わいを生んだ。

【あらすじ】
春日部で広まる「そっくり人間」の噂。正体はバイオ技術で作られたコンニャクローンだった。よしなが先生や風間くんのママが次々と偽物に置き換わり、本物の人間はサンバを踊らされるために拘束されていく。黒幕アミーゴスズキの陰謀を止めるべく、野原一家はお尻を振り、リズムに乗って敵陣へ挑む。日常が侵食される恐怖に抗う戦いが幕を開ける。

【レビュー】
身近な人がコンニャクローンに入れ替わる前半の薄気味悪さは、児童向けとは思えない本気度のホラーで震える。後半いきなりサンバ大会に突入する脱力感とのギャップが逆に効いて、悪夢の余韻だけが妙に残る。子どもの頃にこれを観てしまった世代の語り草になる気持ちが、よく分かる。

 

No.15 嵐を呼ぶ 歌うケツだけ爆弾!

映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 歌うケツだけ爆弾! [DVD]

映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 歌うケツだけ爆弾!

  • 監督:ムトウユージ 出演:矢島晶子 ほか
Amazon
公開日 2007年4月21日(土)
興行収入 15.5億円
監督 ムトウユージ
脚本 やすみ哲夫
主題歌 SEAMO「Cry Baby」
メイン声優 野原しんのすけ(矢島晶子)、野原みさえ(ならはしみき)、野原ひろし(藤原啓治)、野原ひまわり(こおろぎさとみ)、シロ(真柴摩利)、お駒夫人(京田尚子)、時雨院時常(京本政樹)
ゲスト声優 京本政樹:時雨院時常役(※特別出演)

【見どころ】
愛犬シロが主役という異例の構成で、ムトウユージ監督3作目にしてミュージカル演出を大胆に導入した意欲作である。地球破壊爆弾を背負わされたシロを守る野原一家の逃走劇は、2007年の児童映画としては珍しいロードムービー形式を取り、種を超えた絆を正面から描いた点で高い支持を集めた。

【あらすじ】
沖縄旅行中、シロのお尻にケツだけ星人の地球破壊爆弾が装着されてしまう。国際宇宙監視センターUNTIはシロごと宇宙廃棄する計画を立て、長官・時雨院時常が引き渡しを迫る。しんのすけは「シロはオラの家族だ」と拒絶し、愛犬を連れて逃亡の旅へ。雨の橋の下で身を寄せ合う一人と一匹の姿は、シリーズ屈指の名場面として記憶に刻まれた。

【レビュー】
シロを宇宙廃棄処分から守るためだけに走り続ける一家の必死さに、犬を飼ったことのある人間ほど胸を抉られる。雨の橋の下で身を寄せ合うしんのすけとシロの一カットは、シリーズ屈指の名場面と言いたい。「シロはオラの家族だ」という一言の重さに、何度観ても泣かされる。

 

第4期:原点回帰と名作復活期(2008-2017)

2008年『金矛の勇者』で本郷監督が復帰し、その後は橋本昌和・高橋渉へと受け継がれた長期安定期である。
本郷は『金矛の勇者』『オタケベ!カスカベ野生王国』で初期の痛快アクションを再召喚、橋本は『歌うケツだけ爆弾!』でギャグ濃度を刷新、高橋は『B級グルメサバイバル!!』『ロボとーちゃん』で家族愛を改めて掘り下げた。
リーマンショックから東日本大震災、スマホ普及を挟んだ激動期に、子供世代の親となった元ファンを再び劇場へ呼び戻す役割を果たし、興収10〜12億円台で息の長いブランド力を示した。

バンカー荒木 バンカー荒木
『ロボとーちゃん』はダメだ…あれは反則技だぜ!最後の腕相撲、ひろしとロボとーちゃんが男の誇りを懸けるシーン、映画館で周りのパパ達も全員嗚咽してたんだ!父親プライドの名作だ!
ポップ結衣 ポップ結衣
『B級グルメサバイバル』のような楽しいドタバタ劇から、『ユメミーワールド』のように夢と現実の境界を問う哲学的テーマまで扱っていて、第4期は振れ幅の大きさが本当に魅力的ですよね♪
ロジック中田 ロジック中田
『サボテン大襲撃』で興行収入の記録を久しぶりに更新(22.9億円)したのもこの時期です。パニック映画の要素を取り入れるなど、ジャンルの幅を広げたことが功を奏しました。

 

No.16 ちょー嵐を呼ぶ 金矛の勇者

映画 クレヨンしんちゃん ちょー嵐を呼ぶ 金矛の勇者 [DVD]

映画 クレヨンしんちゃん ちょー嵐を呼ぶ 金矛の勇者

  • 監督:本郷みつる 出演:矢島晶子 ほか
Amazon
公開日 2008年4月19日(土)
興行収入 12.3億円
監督 本郷みつる
脚本 本郷みつる
主題歌 DJ OZMA「人気者で行こう!」
メイン声優 野原しんのすけ(矢島晶子)、野原みさえ(ならはしみき)、野原ひろし(藤原啓治)、野原ひまわり(こおろぎさとみ)、マタ(堀江由衣)、マック(宮本充)
ゲスト声優 小島よしお:本人役

【見どころ】
第1作『アクション仮面VSハイグレ魔王』以来の本郷みつる監督復帰作で、初期作を彩った奇妙なファンタジー色が濃厚に甦った2008年の一本である。勇者しんのすけが伝説の武器・金矛を手に暗黒世界ドン・クラーイの魔王と戦う構図は、80年代冒険活劇の匂いを残しつつ独特の脱力感も漂わせる異色の冒険譚である。

【あらすじ】
幼稚園で拾った「ものさし」は、実は伝説の武器・金の矛だった。夜のデパートで出会った中性的な少女マタ・タミに導かれ、しんのすけは地球と暗黒世界ドン・クラーイを繋ぐ扉を守る戦いへ巻き込まれていく。マタの正体や敵の罠により野原一家は窮地に陥るが、勇者として覚醒したしんのすけは、想像力を武器に魔王アセ・ダク・ダークとの決戦へ身を投じる。

【レビュー】
初期作の妙な手触りがそのまま帰ってきたような、奇妙で愛おしいファンタジーである。勇者しんのすけが想像力を武器にアセ・ダク・ダークと戦うラストバトルは、子ども時代に夢見た「自分の頭の中の冒険」をそのまま画にしたような爽快感で、独特のクセに惚れた人にだけ強く刺さる。

2008年の時代背景(エンタメ事情)

2008年はリーマン・ショックが世界経済を直撃し、秋葉原通り魔事件が社会を揺るがした年である。
音楽はEXILE『Ti Amo』がレコ大、Perfume『ポリリズム』が電子ポップ旋風を起こし、iPhone 3Gが7月に日本上陸してガラケー王国の終焉が始まった象徴の年でもある。
映画は『崖の上のポニョ』が155億円、ハリウッドは『ダークナイト』がバットマン映画の頂点を極めた。
TVアニメは『コードギアス R2』『マクロスF』『とある魔術の禁書目録』が話題、深夜アニメ文化が本格拡大した年だ。

No.17 オタケベ!カスカベ野生王国

映画 クレヨンしんちゃん オタケベ!カスカベ野生王国 [DVD]

映画 クレヨンしんちゃん オタケベ!カスカベ野生王国

  • 監督:しぎのあきら 出演:矢島晶子 ほか
Amazon
公開日 2009年4月18日(土)
興行収入 10.0億円
監督 しぎのあきら
脚本 静谷伊佐夫
主題歌 ジェロ「やんちゃ道」
メイン声優 野原しんのすけ(矢島晶子)、野原みさえ(ならはしみき)、野原ひろし(藤原啓治)、野原ひまわり(こおろぎさとみ)、四膳守(山寺宏一)、ビクトリア(後藤邑子)
ゲスト声優 ジェロ:本人役
山本高広:ブンベツ役

【見どころ】
しぎのあきら監督の初登板作で、2009年当時盛り上がっていたエコ思想を真正面に据えた社会派作品である。謎の薬で動物化したひろしとみさえを救うため、しんのすけが過激派環境保護団体SKBEの陰謀に立ち向かう。動物化した両親のコミカルな挙動と、記憶喪失の恐怖というシリアスさが同居する構成が独特の読後感を残す。

【あらすじ】
春日部の新町長・四膳守は環境保全を訴える正義の顔の裏で、人類を動物に変えて環境を守ろうとする過激派の首領だった。謎のドリンクでニワトリとヒョウに変身したひろしとみさえは、次第に理性を失っていく。完全に動物化する前に両親を取り戻そうと駆けるしんのすけ。「父ちゃん、オラのこと忘れちゃだめだぞ」。必死の呼びかけが野生王国の運命を揺らす。

【レビュー】
ニワトリとヒョウになった両親が少しずつ理性を失っていく描写が、可笑しいのにじわじわ怖い。「父ちゃん、オラのこと忘れちゃだめだぞ」という呼びかけの切実さに胸が締め付けられ、笑える動物化と記憶喪失の恐怖が同居する独特の読後感が残る。今観るとテーマ性も光る一本だ。

 

No.18 超時空!嵐を呼ぶオラの花嫁

映画 クレヨンしんちゃん 超時空! 嵐を呼ぶオラの花嫁 [DVD]

映画 クレヨンしんちゃん 超時空! 嵐を呼ぶオラの花嫁

  • 監督:しぎのあきら 出演:矢島晶子 ほか
Amazon
公開日 2010年4月17日(土)
興行収入 12.5億円
監督 しぎのあきら
脚本 横手美智子
主題歌 mihimaru GT「オメデトウ」
メイン声優 野原しんのすけ(矢島晶子)、野原みさえ(ならはしみき)、野原ひろし(藤原啓治)、野原ひまわり(こおろぎさとみ)、タミコ(釘宮理恵)、金有増蔵(内海賢二)、大人しんのすけ(神奈延年)
ゲスト声優 黒沢かずこ(森三中)ほか:花嫁軍団役

【見どころ】
未来のしんのすけが登場するという衝撃設定で話題を攫ったしぎのあきら監督2作目である。荒廃した未来都市ネオトキオを舞台に、石化した大人のしんのすけを救うため5歳のしんのすけが奮闘する構成は、SFファンや長年のシリーズファンへのサービス精神に溢れ、大人になったカスカベ防衛隊の姿は公開当時大きな反響を呼んだ。

【あらすじ】
タイムマシンで現代に現れた女性・タミコは「未来のしんのすけの花嫁」を名乗る。未来のしんのすけはネオトキオを支配する金有増蔵に捕らえられていた。タミコと共に未来へ飛ぶしんのすけたちが目にしたのは、変わり果てた防衛隊の仲間や老いた両親の姿だった。自分の未来と花嫁との約束を守るため、新旧のしんのすけが手を取り合い決戦へ挑む。

【レビュー】
大人になった防衛隊の姿に「お前ら、ちゃんと生きてたんだな」と勝手に込み上げてくる。荒廃したネオトキオで5歳のしんのすけと未来のしんのすけが手を取り合う構図はファンの妄想を全部叶えてくれて、長寿シリーズだからこそ撃てる必殺技の一作として、とてつもなく愛おしい。

 

No.19 嵐を呼ぶ黄金のスパイ大作戦

公開日 2011年4月16日(土)
興行収入 12.0億円
監督 増井壮一
脚本 こぐれ京
主題歌 関ジャニ∞「イエローパンジーストリート」
メイン声優 野原しんのすけ(矢島晶子)、野原みさえ(ならはしみき)、野原ひろし(藤原啓治)、野原ひまわり(こおろぎさとみ)、レモン(愛河里花子)、プラム(堀内賢雄)、ヘガデル博士(山野史人)
ゲスト声優 村上信五、大倉忠義(関ジャニ∞):ジャガー、マッシュ役

【見どころ】
増井壮一監督の初登板作で、本格スパイアクションの様式に脱力系ギャグを混ぜた2011年の意欲作である。潜入・変装・秘密道具というジェームズ・ボンド以来のスパイ映画の醍醐味と、オナラ芋羊羹というしんちゃんらしい武器の共存が絶妙で、相棒レモンとの淡い絆が大人の視聴者にも刺さる構成となっている。

【あらすじ】
謎の少女レモンに「アクション仮面の仲間」と騙され、スパイ養成訓練を受けることになったしんのすけ。運動神経が覚醒した彼は、ヘガデル博士の研究施設から「正義のカプセル」を奪取するミッションへ挑む。だがその正体は、食べた者から強烈なオナラを放出させる芋羊羹メガヘガデルIIだった。母国を救うため利用していたレモンと、しんのすけの間に信頼が芽生えていく。

【レビュー】
本格スパイアクションの作法をきちんとなぞりつつ、武器がオナラ芋羊羹というふざけ方に大笑いしてしまう。それでいて、母国を救うためしんのすけを利用していたレモンが心を開いていく流れは静かに泣ける。ボンド級の格好良さとクレしん流の脱力が両立する、奇跡的なバランスの一本だ。

 

No.20 嵐を呼ぶ!オラと宇宙のプリンセス

公開日 2012年4月14日(土)
興行収入 9.8億円
監督 増井壮一
脚本 こぐれ京
主題歌 渡り廊下走り隊7「少年よ 嘘をつけ!」
メイン声優 野原しんのすけ(矢島晶子)、野原みさえ(ならはしみき)、野原ひろし(藤原啓治)、野原ひまわり(こおろぎさとみ)、サンデー・ゴロネスキー(飯塚昭三)、まきぞえ(三ツ矢雄二)、ボインダ(日髙のり子)
ゲスト声優 ココリコ(遠藤章造、田中直樹):イケメンDEイクメン軍団員役

【見どころ】
シリーズ20作目の記念碑的一作で、増井壮一監督2作目にしてひまわり主役を据えた野心作である。「ひまわりを宇宙の姫として差し出せば地球の平和が守られる」という重い二択を野原一家に突き付け、兄としてのしんのすけの成長と家族の絆を宇宙規模で描いた構成は、20周年に相応しいスケール感を備えている。

【あらすじ】
プリンの取り合いから「お兄ちゃんなんかやめてやる、ひまわりなんかいらない」と口走ってしまったしんのすけ。直後、謎の宇宙人がひまわりをさらい、伝説のプリンセスとして崇めるヒマワリ星へ連れ去る。地球の存亡か、妹の幸せか。究極の選択を突き付けられたしんのすけは宇宙空間へ飛び出し、「オラがひまわりの兄ちゃんだ」と叫びながら決戦の地を目指す。

【レビュー】
プリンの取り合いで「ひまわりなんかいらない」と言ってしまった兄が、宇宙の果てまでひまわりを取り戻しに行く。この一点突破の兄妹愛がたまらなく愛しい。「オラがひまわりの兄ちゃんだ」と叫ぶしんのすけの成長を見届ける、シリーズで一番ひまわりが愛おしくなる兄妹回である。

 

No.21 バカうまっ!B級グルメサバイバル!!

公開日 2013年4月20日(土)
興行収入 13.0億円
監督 橋本昌和
脚本 浦沢義雄、うえのきみこ
主題歌 SEKAI NO OWARI「RPG」
メイン声優 野原しんのすけ(矢島晶子)、野原みさえ(ならはしみき)、野原ひろし(藤原啓治)、風間くん(真柴摩利)、ネネちゃん(林玉緒)、マサオくん(一龍斎貞友)、ボーちゃん(佐藤智恵)、トリュフ(神谷浩史)、キャビア(早見沙織)
ゲスト声優 コロッケ:下町コロッケどん役
渡辺直美:しょうがの紅子役
川越達也:川越シェフ役

【見どころ】
橋本昌和監督の初登板作で、カスカベ防衛隊だけで旅に出るロードムービー形式を採用した2013年の一本である。しょうがの紅子から託された伝説のソースを届けるため、A級グルメ機構の刺客と渡り合う構成は明快で、食欲をそそる焼きそばの作画とSEKAI NO OWARIの主題歌「RPG」の疾走感が相乗し、小学生層の圧倒的支持を集めた。

【あらすじ】
B級グルメカーニバルへ向かうしんのすけたちは、A級グルメ機構の追跡を逃れる謎の女性・しょうがの紅子から壺入りの伝説のソースを託される。それはB級グルメ撲滅を掲げるA級グルメ機構に対抗できる唯一の切り札だった。山を越え、敵の妨害をかわし、空腹に耐えながら壺を守る防衛隊。仲間割れや遭難の危機を乗り越え会場に辿り着いた彼らは、鉄板の前に立ち、究極の焼きそばを作り上げるため最後の勝負へ挑む。

【レビュー】
初期黄金期を思い出す本格食ドラマで、湯気を立てる焼きそばの作画だけでお腹が鳴る。風間・マサオ・ネネ・ボーちゃんそれぞれの個性が画面の中央に立つ瞬間が次々訪れ、防衛隊という小さなチームの絆に何度も胸が熱くなる。子どもの頃に「友達と旅に出たかった」気持ちを呼び覚ます一本だ。

 

No.22 ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん

公開日 2014年4月19日(土)
興行収入 18.3億円
監督 高橋渉
脚本 中島かずき
主題歌 きゃりーぱみゅぱみゅ「ファミリーパーティー」
メイン声優 野原しんのすけ(矢島晶子)、野原みさえ(ならはしみき)、野原ひろし(藤原啓治)、鉄拳寺堂勝(大和田伸也)、黒岩仁太郎(遊佐浩二)、段々原照代(武井咲)
ゲスト声優 武井咲:段々原照代役
コロッケ:頑馬博士役

【見どころ】
高橋渉監督が放つシリーズ屈指の傑作で、脚本を『天元突破グレンラガン』『キルラキル』の中島かずきが担当した2014年の話題作である。ロボットになって帰宅したひろしという衝撃設定を入口に、「父親とは何か」「本物とは何か」という重いテーマを真っ向から問い、クライマックスの腕相撲シーンは大人のアニメファンをも号泣させた。

【あらすじ】
ギックリ腰治療でマッサージ店へ出向いたひろしが、なぜかロボットとなって帰宅する。驚愕するみさえに対し大喜びのしんのすけ。ロボとーちゃんは家事も仕事も完璧にこなし失墜していた父権を取り戻していく。だが、その裏には父ゆれ同盟による恐るべき陰謀が潜んでいた。やがて明かされる誕生の秘密。本物と記憶を持つロボット、二人のひろしが家族を守るため拳を交える。

【レビュー】
ロボットになって帰ってきた父ちゃんを、しんのすけが普通に喜ぶ。その異常さがやがて「本物の父親とは何か」という問いに化ける構造に唸る。本物とロボの二人のひろしが拳をぶつけ合う腕相撲シーンで、父親という存在の重さに大の大人が号泣する。シリーズ屈指の感動作と断言したい。

 

No.23 オラの引越し物語 サボテン大襲撃

公開日 2015年4月18日(土)
興行収入 22.9億円
監督 橋本昌和
脚本 うえのきみこ
主題歌 ゆず「OLA!!」
メイン声優 野原しんのすけ(矢島晶子)、野原みさえ(ならはしみき)、野原ひろし(藤原啓治)、カロリーナ(坂本真綾)、マリアッチ(浪川大輔)、町長(平田広明)
ゲスト声優 指原莉乃:スマホちゃん役
日本エレキテル連合:本人役

【見どころ】
橋本昌和監督が描いた「春日部からの卒業」という禁断のテーマ作。メキシコ・マダクエルヨバカへ引っ越す前半の別れと、人食いサボテンに襲われる後半のパニックホラーという二段構えが斬新である。興行収入22.9億円は、第1作の記録を22年ぶりに更新した記念碑的数字として語り継がれている。

【あらすじ】
ひろしの転勤で、野原一家はメキシコの田舎町マダクエルヨバカへ引っ越すことに。風間くんとの涙の別れを経て新生活が始まるが、町の名産サボテンが突如変異し、人々を襲い始める。言葉も通じぬ異国で、しんのすけは新しい友達と共にショッピングモールに立てこもり、巨大サボテンとの戦いに挑む。

【レビュー】
春日部からの卒業という反則級のテーマに踏み込んだだけで胸が苦しい。風間くんとの別れに涙を流したと思ったら、後半は人食いサボテンに襲われるパニックホラーへ突入する。そのギャップで観客を揺さぶる構成は野心的で、引っ越しを経験したことのある大人ほど深く刺さる一本である。

 

No.24 爆睡!ユメミーワールド大突撃

公開日 2016年4月16日(土)
興行収入 21.1億円
監督 高橋渉
脚本 劇団ひとり、高橋渉
主題歌 ケツメイシ「友よ 〜 この先もずっと…」
メイン声優 野原しんのすけ(矢島晶子)、野原みさえ(ならはしみき)、野原ひろし(藤原啓治)、貫庭玉サキ(川田妙子)、貫庭玉夢彦(安田顕)、貫庭玉サユリ(吉瀬美智子)
ゲスト声優 とにかく明るい安村:本人役

【見どころ】
高橋渉監督と脚本・劇団ひとりのタッグが生んだ夢世界ファンタジー。転校生サキの悪夢に立ち向かうカスカベ防衛隊の活躍に加え、みさえが母親として毅然と子どもの心に語りかける説教シーンが涙腺を直撃する。あいみょん以前のしんちゃん映画主題歌として、ケツメイシ「友よ」が卒業定番曲となった名作である。

【あらすじ】
春日部の人々が巨大な魚の体内で好きな夢を見られるユメミーワールドに招待される。だが楽しい夢は次第に悪夢へ変わり、原因は幼稚園の転校生サキの父親が、人々の眠りからユメルギーを集めて娘サキの悪夢を肩代わりさせていたことだった。心を閉ざすサキを救うため、しんのすけとカスカベ防衛隊は夢の中へ突入し、みさえが母として立ち向かう。

【レビュー】
転校生サキの心の闇に、みさえが母として真正面から言葉を投げる説教シーンで、自分の母親の顔まで思い出して泣いてしまう。夢の世界という曖昧な舞台に、子育ての覚悟を真っ直ぐ置いてくる潔さがすごい。育児に追われる親世代こそ深く刺さる、近年屈指の「泣けるしんちゃん」である。

 

No.25 襲来!!宇宙人シリリ

映画 クレヨンしんちゃん 襲来!!宇宙人シリリ [DVD]

映画 クレヨンしんちゃん 襲来!!宇宙人シリリ

  • 監督:橋本昌和 出演:矢島晶子 ほか
Amazon
公開日 2017年4月15日(土)
興行収入 16.2億円
監督 橋本昌和
脚本 橋本昌和
主題歌 高橋優「ロードムービー」
メイン声優 野原しんのすけ(矢島晶子)、野原みさえ(ならはしみき)、野原ひろし(森川智之)、シリリ(沢城みゆき)、シリリの父(宮迫博之)、モルダダ(蛍原徹)
ゲスト声優 志田未来:本人役

【見どころ】
橋本昌和監督による劇場版25周年記念作。野原家に不時着した宇宙人シリリを父の元へ届ける日本縦断ロードムービーで、ひろしとみさえが幼児化するユニークな設定が光る。しんのすけとシリリの種族を超えた友情を軸に、本作からひろしの声優が森川智之へ交代した歴史的転換点でもある。

【あらすじ】
野原家に不時着した宇宙人シリリの光線を浴び、ひろしとみさえは25歳若返って子供の姿になってしまう。元に戻るため、シリリの父がいる種子島を目指して旅立つ一家。新幹線やヒッチハイクでトラブルに揉まれる中、人間を見下していたシリリはしんのすけのマイペースな優しさに触れ、少しずつ心を開いていく。

【レビュー】
幼児化したひろしとみさえに振り回されるしんのすけの兄ちゃんぶりが、たまらなく頼もしい。種子島を目指す日本縦断のロードムービーは王道そのもので、シリリが少しずつ心を開いていく過程に静かに泣ける。地球と宇宙の親子愛を二段重ねにした構成が、シンプルなのに深く胸に沁みる。

 

第5期:新世代の多彩ジャンル挑戦期(2018-現在)

2018年『爆盛!カンフーボーイズ〜拉麺大乱〜』から現在まで続く第5期は、声優交代という大きな節目を経て新時代へ舵を切った局面である。
主演を25年務めた矢島晶子から小林由美子へのバトンタッチが2018年に実施され、ファンの不安をよそに違和感のない継承で劇場版も乗り切った。
『鬼滅の刃 無限列車編』『THE FIRST SLAM DUNK』がアニメ映画の興収記録を塗り替えた時代背景下、2024年『オラたちの恐竜日記』は26.9億円でシリーズ歴代最高を記録。配信と劇場公開の両輪で子育て世代の定番コンテンツに定着した。

バンカー荒木 バンカー荒木
声優交代のニュースは衝撃だったが、小林さんのしんのすけもまた違った愛嬌があっていいよな! 『天カス学園』での風間くんとの友情には、おじさん本気で泣いちゃったよ…。
ロジック中田 ロジック中田
興行データ上、声優交代による客離れは起きていません。『しん次元!』以降の興収は右肩上がりで、『オラたちの恐竜日記』が26.9億円と歴代最高を更新、新規ファン獲得に成功してますね。
ポップ結衣 ポップ結衣
3DCG化された『しん次元!』のしんちゃんも、ぷにぷにフォルムで可愛さ爆発でしたよね!映像表現は進化しても「おバカさ」と「家族愛」の芯が残っていて、本当に安心できます♪

 

No.26 爆盛!カンフーボーイズ〜拉麺大乱〜

公開日 2018年4月13日(金)
興行収入 18.4億円
監督 高橋渉
脚本 うえのきみこ
主題歌 ももいろクローバーZ「笑一笑 〜シャオイーシャオ!〜」
メイン声優 野原しんのすけ(矢島晶子)、野原みさえ(ならはしみき)、野原ひろし(森川智之)、玉蘭(潘めぐみ)、師匠(関根勤)、ドン・パンパン(廣田行生)
ゲスト声優 みやぞん(ANZEN漫才):ミヤ・ゾン役

【見どころ】
高橋渉監督による中華街アクション作。カスカベ防衛隊が伝説の拳法ぷにぷに拳を習得し、人を狂暴化させるブラックパンダラーメンに立ち向かう。普段は目立たぬマサオくんが才能の差に悩み闇落ちの危機に陥る描写が深く、子供たちの成長を正面から描いた。矢島晶子によるしんのすけ役最後の劇場版という節目の作品でもある。

【あらすじ】
春日部の中華街アイヤータウンで、食べた人が凶暴になるブラックパンダラーメンが大流行。パニックの街を救うため、カスカベ防衛隊は伝説のカンフー・ぷにぷに拳の師匠に弟子入りする。修行に励む防衛隊だが、兄弟子マサオは才能差に悩み闇に取り込まれかける。正義と心の強さを問う、ラーメンパニック奮戦記。

【レビュー】
普段は気が弱いマサオくんが「才能の差」に潰れそうになる描写に、子どもの頃の自分の悔しさまで掘り起こされる。修行の風景はベタな少年漫画の熱さで楽しく、心の弱さを真正面から扱う脚本がしっかり泣かせる。マサオくんを主役級に押し上げた構成だけで、もう一度観たくなる一本だ。

2018年の時代背景(エンタメ事情)

2018年は大坂なおみが全米オープンで日本人初のグランドスラム優勝、平昌五輪で羽生結弦が66年ぶり連覇を達成した年である。
音楽は米津玄師『Lemon』が社会現象化、DA PUMP『U.S.A.』のダサカッコイイ路線が全世代に刺さった。
映画は『カメラを止めるな!』が31億円の口コミヒット、『ボヘミアン・ラプソディ』が135億円で日本中を合唱させた。
アニメは『ドラゴンボール超 ブロリー』が40億円、TikTokが爆発的に普及してPUBGやフォートナイトが子供の放課後を塗り替えた時代だ。

No.27 新婚旅行ハリケーン 〜失われたひろし〜

公開日 2019年4月19日(金)
興行収入 20.8億円
監督 橋本昌和
脚本 うえのきみこ、水野宗徳
主題歌 あいみょん「ハルノヒ」
メイン声優 野原しんのすけ(小林由美子)、野原みさえ(ならはしみき)、野原ひろし(森川智之)、インディ・ジュンコ(木南晴夏)、仮面族長(大塚芳忠)、ブルドーザージョニー(小島よしお)
ゲスト声優 ぺこ・りゅうちぇる:本人役

【見どころ】
橋本昌和監督作で、小林由美子がしんのすけ役を引き継いで初の劇場版。オーストラリアを舞台にみさえが誘拐されたひろしを奪還する夫婦愛の物語である。あいみょんが書き下ろした主題歌「ハルノヒ」はひろし目線の歌詞が泣けると大ヒットし、作品の感動を何倍にも増幅させた名曲として定着した。

【あらすじ】
結婚当時に新婚旅行へ行けなかったひろしとみさえが、家族でオーストラリアの激安ツアーに参加する。到着早々ひろしが謎の仮面族にさらわれ、伝説のお宝を手にする鍵にされてしまう。世界中のトレジャーハンターがひろしを狙う中、みさえはしんのすけとひまわりを連れ、ジャングルで愛する夫の奪還劇に挑む。

【レビュー】
誘拐された夫を取り戻すため、みさえが子どもを連れてジャングルへ突っ込む姿が頼もしくて泣ける。新婚旅行を取り戻したいという小さな願いが、世界を巻き込む大冒険に変わっていく構成がたまらない。エンディングで流れる主題歌の歌詞がひろしの人生に重なり、号泣必至の夫婦映画である。

 

No.28 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者

公開日 2020年9月11日(金)
興行収入 11.8億円
監督 京極尚彦
脚本 高田亮、京極尚彦
主題歌 レキシ「ギガアイシテル」
メイン声優 野原しんのすけ(小林由美子)、ぶりぶりざえもん(神谷浩史)、ブリーフ(冨永みーな)、ニセななこ(伊藤静)、防衛大臣(山田裕貴)、姫(きゃりーぱみゅぱみゅ)
ゲスト声優 りんごちゃん:リンゴ・イチゴ・メロン役

【見どころ】
京極尚彦監督が放つラクガキ世界ファンタジー。描いたものが実体化するミラクルクレヨンで、しんのすけがブリーフやぶりぶりざえもんを描いて勇者として戦う。水で消えてしまうラクガキの儚さと、自由な発想の尊さを同時に描く。コロナ禍で春公開が秋へ延期された、シリーズ史に残る特異な一作でもある。

【あらすじ】
地上のラクガキ不足により崩壊寸前のラクガキングダム。王国軍は人間に強制的にラクガキをさせるため春日部に侵攻する。王国の姫からミラクルクレヨンを託されたしんのすけは、勇者として独自の仲間を描き出す。水に溶ければ消える運命のラクガキたちが、それでもしんのすけを守ろうと奮戦する勇気の物語が幕を開ける。

【レビュー】
水で消えてしまうラクガキたちが、それでもしんのすけを守るために命懸けで戦う姿に、不意打ちで号泣させられる。「自由に描く喜び」を真正面から肯定するテーマは外出自粛の頃に観るとことさら沁みた。色彩は鮮やかで切なく、配信解禁後にじわじわ評価を伸ばしている隠れた良作である。

 

No.29 謎メキ!花の天カス学園

映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園 [DVD]

映画 クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園

  • 監督:高橋渉 出演:小林由美子 ほか
Amazon
公開日 2021年7月30日(金)
興行収入 17.7億円
監督 高橋渉
脚本 うえのきみこ
主題歌 マカロニえんぴつ「はしりがき」
メイン声優 野原しんのすけ(小林由美子)、風間くん(真柴摩利)、阿月チシオ(広橋涼)、豆沢サスガ(村瀬歩)、学園長(山口太郎)、アゲハ(仲里依紗)
ゲスト声優 フワちゃん:本人役
チョコレートプラネット:不良役

【見どころ】
高橋渉監督によるシリーズ初の本格学園ミステリー。エリート校に体験入学した防衛隊が、生徒がおバカになる怪事件に挑む。風間くんの劣等感としんのすけとの友情が鮮烈に描かれ、青春群像劇として仕上がっている。ミステリーの謎解き構造も緻密で、近年のクレヨンしんちゃん映画の最高傑作との声が根強い作品である。

【あらすじ】
エリート校への体験入学に心躍らせる風間くんと、マイペースなしんのすけ。二人は些細なことで大喧嘩し、その直後に風間くんが時計塔で襲われ究極のおバカ状態で発見される。吸血鬼の噂が漂う学園で、しんのすけたちはカスカベ探偵倶楽部を結成し真相を追う。青春と友情が詰まった謎解きが待ち受ける。

【レビュー】
風間くんの劣等感としんのすけへのねじれた信頼が、ミステリー仕立ての緊張感の中で丁寧にほどけていく。エリート校という舞台で抱える子どもなりのプライドや焦りに、自分の少年時代の傷まで思い出してしまう。シリーズで風間くんを一番好きになる、大人にこそ刺さる近年最高峰の一本である。

 

No.30 もののけニンジャ珍風伝

映画クレヨンしんちゃん もののけニンジャ珍風伝 [DVD]

映画 クレヨンしんちゃん もののけニンジャ珍風伝

  • 監督:橋本昌和 出演:小林由美子 ほか
Amazon
公開日 2022年4月22日(金)
興行収入 20.4億円
監督 橋本昌和
脚本 うえのきみこ、橋本昌和
主題歌 緑黄色社会「陽はまた昇るから」
メイン声優 野原しんのすけ(小林由美子)、野原みさえ(ならはしみき)、野原ひろし(森川智之)、屁祖隠ちよめ(川栄李奈)、屁祖隠珍蔵(高垣彩陽)、屁祖隠胡麻衛門(花江夏樹)
ゲスト声優 ハライチ(岩井勇気、澤部佑):本人役
山田孝之:イケメン役(カメオ)

【見どころ】
シリーズ30周年の節目に投入された、忍者の里と野原家の出生取り違え疑惑を真正面から扱う異色作である。屁祖隠ちよめが「私こそしんのすけの本当の母親」と名乗り出る導入が物語を一気に引き締め、地球のへその栓を守る屁祖隠家の宿命と「もののけの術」、影の刺客たちとの対決へなだれ込む。家族の絆を改めて問い直す構成が記念作にふさわしい重厚さを生む。

【あらすじ】
忍者の里出身の屁祖隠ちよめが野原家を訪ね、しんのすけと珍蔵の取り違えを訴える。直後に襲来した忍者軍団によって珍蔵と取り違えられたしんのすけはちよめと共に里へ連れ去られ、地球のへその栓を守る屁祖隠家の「もののけの術」を強要される。事態を察したひろしとみさえは里へ乗り込み、辺賀久才蔵ら影の刺客と対峙しながら家族を奪い返そうと走り出す。

【レビュー】
「私こそしんのすけの本当の母親」という導入で完全に物語に引き込まれる。忍者の里で運命を背負わされたしんのすけと、家族を取り戻そうと走るひろし・みさえの並走に、血の繋がりだけが家族じゃないと改めて教えられる。和テイストの映像も美しく、30周年の節目に相応しい一作である。

 

No.31 しん次元! クレヨンしんちゃん THE MOVIE 超能力大決戦 〜とべとべ手巻き寿司〜

公開日 2023年8月4日(金)
興行収入 24.7億円
監督 大根仁
脚本 大根仁
主題歌 サンボマスター「Future is Yours」
メイン声優 野原しんのすけ(小林由美子)、野原みさえ(ならはしみき)、野原ひろし(森川智之)、非理谷充(松坂桃李)、深谷ネギコ(鬼頭明里)
ゲスト声優 空気階段(鈴木もぐら、水川かたまり):池袋教授、ヌスットラダマス2世役

【見どころ】
シリーズ初の3DCG長編として刷新された一作で、宇宙から差し込む白と黒の光が日常を一変させる導入が鮮烈である。超能力に目覚めるしんのすけとひまわりの兄妹アクション、推しアイドルの結婚に絶望し世界破壊へ傾く派遣社員・非理谷充の屈折、そして怪物化した彼の内面へしんのすけが潜り込んで友達になる救済の流れが、笑いと痛みを同居させる。

【あらすじ】
宇宙から飛来した白い光と黒い光が春日部に降り注ぐ。白を浴びたしんのすけとひまわりは超能力に目覚め、国際エスパー調整委員会の池袋教授と埼玉支部の深谷ネギコの指導を受ける。一方、黒い光を浴びた派遣社員・非理谷充はヌスットラダマス2世の負のエネルギーで怪物に変貌する。しんのすけは怪物の内側へ入り込み、非理谷の過去と向き合いながら友情で彼を救おうと挑む。

【レビュー】
推しの結婚で世界を呪った非理谷充の屈折に、現代社会で生きる大人の鬱屈をそのまま見せられているようでヒリヒリする。怪物の内側に潜り込んで「友達になる」というしんのすけの解決法に、子どもにしか持てない救いの形があると確信させられる。3DCG刷新も成功した、痛みと優しさの怪作だ。

 

No.32 オラたちの恐竜日記

公開日 2024年8月9日(金)
興行収入 26.9億円
監督 佐々木忍
脚本 モラル
主題歌 My Hair is Bad「思い出をかけぬけて」
メイン声優 野原しんのすけ(小林由美子)、シロ(真柴摩利)、野原みさえ(ならはしみき)、野原ひろし(森川智之)、ビリー(北村匠海)
ゲスト声優 オズワルド(伊藤俊介、畠中悠):アンモナー伊藤、チュウ役

【見どころ】
東京にオープンした恐竜テーマパーク・ディノズアイランドを舞台に、シロが河原で出会った小さな恐竜ナナとの友情を物語の芯に据える。生物学者ビリーや創設者バブル・オドロキー、ビリーの実姉アンジェラが絡み合い、脱走した恐竜たちが街をパニックに陥れる中盤の展開がスケール感を底上げする。シロとしんのすけが巨大恐竜に立ち向かうクライマックスは熱量が高い。

【あらすじ】
野原一家とカスカベ防衛隊は、東京で開業した恐竜テーマパーク・ディノズアイランドへ招待される。シロは河原で迷子の小さな恐竜ナナと出会い、種族を越えた友情を育む。ところが園内の恐竜たちが脱走して街は大混乱に陥り、ビリーやアンジェラ、創設者バブル・オドロキーの思惑も交錯する。ナナを守るためシロとしんのすけは巨大恐竜へ立ち向かう。

【レビュー】
シリーズ歴代1位の数字も納得の、シロが主役級として輝く一本である。河原で出会った小さな恐竜ナナを守るシロの優しさに胸が締め付けられ、巨大恐竜へ立ち向かう終盤は完全に少年漫画の熱さで魂が震える。種族を超えた友情の重さが画面いっぱいに溢れる、家族で号泣できる傑作だ。

 

No.33 超華麗!灼熱のカスカベダンサーズ

公開日 2025年8月8日(金)
興行収入 23.6億円
監督 橋本昌和
脚本 うえのきみこ
主題歌 Saucy Dog「スパイス」
メイン声優 野原しんのすけ(小林由美子)、野原みさえ(ならはしみき)、野原ひろし(森川智之)、ボーちゃん(佐藤智恵)、風間くん(真柴摩利)、ネネちゃん(林玉緒)、マサオくん(一龍斎貞友)
ゲスト声優 賀来賢人、小峠英二・西村瑞樹(バイきんぐ)、瀬戸麻沙美

【見どころ】
シリーズ初のインドを舞台に据え、架空都市ムシバイで繰り広げられるダンスエンタメ大作である。4年ぶりにかすかべ防衛隊がメインへ躍り出て、特にボーちゃんが本作の鍵として描かれる。賀来賢人演じるウルフ・ザ・パーフェクト、瀬戸麻沙美が演じるアリアーナら個性的なキャラクターが衝突し、灼熱のダンスバトルへなだれ込む構成が新鮮な熱量を生む。

【あらすじ】
舞台はインドの架空都市ムシバイ。野原一家とかすかべ防衛隊は、灼熱の街で繰り広げられるダンスの祭典に巻き込まれていく。ウルフ・ザ・パーフェクトを筆頭に、ウフンアハーンやバイト君、アリアーナら一癖ある面々が登場し、ボーちゃんの内に眠る別の顔が浮かび上がる。仲間の心と体を取り戻すため、防衛隊の友情が試される。

【レビュー】
灼熱のインドの架空都市ムシバイを舞台に、ボーちゃんの内に眠る別の顔が浮かび上がる構成にゾクッとさせられる。普段は寡黙な彼が物語の鍵を握ることへの説得力が圧倒的で、ダンスバトルの熱量に乗せて防衛隊の友情が試される展開は最高に痛快。久々の防衛隊メイン回として大満足の一本だ。

 

No.34 奇々怪々!オラの妖怪バケ〜ション

奇々怪々!オラの妖怪バケ〜ション

奇々怪々!オラの妖怪バケ〜ション

  • 監督:渡辺正樹
  • 公開:2026年7月31日
公式サイト

※本作は2026年7月31日公開予定の最新作です。記事内容は公式発表・予告映像・公開済みCM等に基づき、執筆時点(2026年4月)の情報で構成しています。上映後に追記更新予定。

公開日 2026年7月31日(金)公開予定
興行収入 公開前
監督 渡辺正樹
脚本 中村能子
主題歌 未発表(2026年6月解禁予定)
メイン声優 野原しんのすけ(小林由美子)、野原みさえ(ならはしみき)、野原ひろし(森川智之)、ボーちゃん(佐藤智恵)、風間くん(真柴摩利)、ネネちゃん(林玉緒)、マサオくん(一龍斎貞友)
ゲスト声優 調整中(公式第1弾ビジュアル時点で未公表)

【見どころ】
2026年公開予定の最新作で、舞台はひろしの故郷である秋田県と妖怪の国である。野原一家が帰省先で妖怪たちと遭遇し、未知の国へ迷い込む冒険譚として構想されている。第30作『もののけニンジャ珍風伝』以来4年ぶりとなる「和」モチーフの題材で、なまはげをはじめとする日本の伝承文化を真正面から取り入れる点が注目される。

【あらすじ】
野原一家がひろしの故郷・秋田県へ帰省するところから物語は動き出す。なまはげをはじめとする妖怪たちが姿を現し、一家はやがて「妖怪の国」へと迷い込み大冒険を繰り広げる。ひろしの父・銀の介と母・つるとの再会も予告で示されており、家族と土地と伝承が交差する構成が示唆されている。

 

クレヨンしんちゃん映画はこの順番で見るのがおすすめ

34年で34本の長大シリーズ、全部観る時間はないが押さえておきたい読者のため、切り口別の厳選ルートを3つ提示する。

ルートA:子供と一緒に見たい人向け「家族で楽しめるアドベンチャールート」

No.1 アクション仮面VSハイグレ魔王(1993)→ No.17 オタケベ!カスカベ野生王国(2009)→ No.18 超時空!嵐を呼ぶオラの花嫁(2010)→ No.30 もののけニンジャ珍風伝(2022)→ No.32 オラたちの恐竜日記(2024)

ヒーロー・動物・忍者・恐竜と、子供が大好きな要素を順番に楽しめる5本だ。
第1作のヒーローパロディから、動物バラエティ、タイムスリップ・ロマンス、忍者妖怪冒険、最新の恐竜CGアクションへと、視覚的に飽きずに親子で観られる構成。
しんのすけと友達の友情・家族のつながりという普遍的なテーマが軸にあり、子供は冒険に夢中になり、大人は野原家の温かさに頬が緩む。家族で笑顔になれるアドベンチャーラインナップである。

ルートB:大人が泣く名作セレクト「泣けるしんちゃんルート」

No.5 暗黒タマタマ大追跡(1997)→ No.9 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲(2001)→ No.10 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦(2002)→ No.16 ちょー嵐を呼ぶ 金矛の勇者(2008)→ No.22 ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん(2014)

原恵一監督の「泣けるしんちゃん」黄金期と、後継世代の到達点を厳選した5本だ。
『暗黒タマタマ』で原監督がドラマ性を確立、『オトナ帝国』で昭和ノスタルジー対しんちゃんの名場面を生み、『戦国大合戦』で歴史時代劇の完成形に到達した。
『金矛の勇者』で本郷監督が壮大なファンタジーで原点回帰、『ロボとーちゃん』で高橋監督が「ひろしの父性」を別角度から再定義した。子供向けの枠を超えた邦画アニメの真髄を体感できる導線である。

ルートC:笑い重視「ギャグ全開ルート」

No.4 ヘンダーランドの大冒険(1996)→ No.13 伝説を呼ぶブリブリ 3分ポッキリ大進撃(2005)→ No.14 伝説を呼ぶ 踊れ!アミーゴ!(2006)→ No.20 嵐を呼ぶ!オラと宇宙のプリンセス(2012)→ No.24 爆睡!ユメミーワールド大突撃(2016)

クレしん本来の魅力=ナンセンスギャグを徹底的に味わえる5本だ。
『ヘンダーランド』で本郷監督がカード魔法×遊園地を不条理に展開、水島監督期の『3分ポッキリ』『踊れ!アミーゴ!』でシュール路線が極まる。
『宇宙のプリンセス』『ユメミーワールド』では橋本・髙橋監督がギャグ密度を令和水準にアップデートした。腹筋崩壊必至、しんのすけ流のおバカ哲学を全身で浴びる導線である。

 

おすすめ名作ランキングTOP3

全34作品の中から、特に語り継がれている3本を厳選した。あらすじだけでは伝わらない名場面の深掘りを、熱量を込めて語っていく(※ネタバレ含む)。

 

第1位|昭和ノスタルジーで大人を号泣させた『オトナ帝国の逆襲』

バンカー荒木 バンカー荒木
栄えある第1位はやっぱりこれだ! 子供向けアニメが大人の琴線にここまで踏み込んだのは前代未聞だったぜ。ひろしが靴の匂いで正気を取り戻すシーンで劇場中が鼻をすすってたのを今でも鮮明に覚えてるんだ!

1位はNo.9 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲(2001)。原恵一監督が放ったシリーズ最高傑作であり、興収14.5億円以上に「邦画アニメの金字塔」として語り継がれる作品である。
20世紀博という架空のテーマパークを舞台に、昭和ノスタルジーに囚われた大人たちへ「現在を生きる価値」を突きつける脚本が圧巻で、夕日の匂いとオート三輪の描写だけで30代以上を号泣させる演出力を備える。
ひろしの回想シーン「ひろしの回想」は邦画史に残る名場面として知られ、公開当時キネマ旬報年間ベストに選出、宮崎駿も絶賛したと伝わる。
しんのすけが階段を駆け上がるクライマックスは、後年あらゆる批評でアニメ映画屈指の名シーンとして引用され続け、Blu-ray円盤化後も配信で新規ファンを獲得する異例のロングセラーとなった。大人こそ劇場で観るべき1本である。

 

第2位|毎日映画コンクール受賞の本格時代劇『戦国大合戦』

ロジック中田 ロジック中田
第2位は毎日映画コンクールアニメーション映画賞受賞作。クレしん映画史上唯一の主要アニメ賞受賞作で、興行13.0億円+実写リメイク『BALLAD』への発展まで文化的影響度が突出してます。

2位はNo.10 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦(2002)。原恵一監督作で興収13.0億円を記録したシリーズ屈指の時代劇である。
戦国時代にタイムスリップした野原家が、又兵衛と廉姫の悲恋に巻き込まれていく本格時代劇として構築されており、殺陣の迫力・合戦の規模・甲冑の質感など、児童向けの域を超えた考証が貫かれる。
子供向けアニメで「人が死ぬ」という直球描写を選んだ勇気は公開当時に賛否を呼び、毎日映画コンクールアニメーション映画賞を受賞し文化庁メディア芸術祭優秀賞にも輝いた。
ひろしとみさえの「夫婦の絆」がふたたび描かれる終盤は、前作『オトナ帝国』との二部作として評されることも多い。時代劇ファンや歴史好きの大人をも唸らせる完成度で、クレしん映画の表現可能性を最大限に押し広げた記念碑的傑作である。

 

第3位|シロ主役で歴代最高興収26.9億円『オラたちの恐竜日記』

ポップ結衣 ポップ結衣
第3位はシロを主役に抜擢した本作です! 種族を超えた友情が胸を打ち、小林由美子体制の到達点としてシリーズ最高興収26.9億円を達成しました。シロ推しにはたまらない一本ですよね!

3位はNo.32 オラたちの恐竜日記(2024)。興収26.9億円と歴代最高を記録した声優交代後の最大ヒット作である。
令和のCG技術とフル3D背景を融合させつつ、手描きキャラの温度を絶妙に残した映像設計が秀逸で、恐竜と人間の共生というテーマを家族映画の文脈で真正面から描き切った。
『ジュラシック・ワールド』シリーズに影響されつつも、クレしん流のギャグで重さを中和するバランス感覚が観客動員を押し上げた要因とされる。
公開中に小林由美子のしんのすけが「新旧ファン両方に受け入れられた」と各メディアで称賛され、口コミで家族連れの2回目観賞が多発した点も興収拡大に寄与した。コロナ禍以降の劇場アニメ復活を象徴する1本として、また矢島晶子卒業後の新体制を観客に完全定着させた金字塔として語り継がれる作品である。

 

質問(FAQ)コーナー

クレヨンしんちゃん映画34年の歴史を深掘りする、マニアック度の高いQ&Aを5問用意した。

Q1. クレヨンしんちゃん映画は何作ありますか?2026年時点の最新作は?

2026年4月時点で、1993年公開の第1作『アクション仮面VSハイグレ魔王』から数えて33作が公開済みである。
2026年7月31日に34作目『奇々怪々!オラの妖怪バケ〜ション』が公開予定で、大根仁監督のシリーズ初参加作。秋田の田園を舞台にした妖怪ホラーコメディとアナウンスされている。

 

Q2. 声優交代はいつから?矢島晶子と小林由美子の違いは?

初代しんのすけ役の矢島晶子は2018年6月にTVシリーズから降板。同年7月から小林由美子が2代目を襲名した。
劇場版では2018年4月公開の第26作『爆盛!カンフーボーイズ〜拉麺大乱〜』が矢島晶子の最後の劇場版で、2019年第27作『新婚旅行ハリケーン 〜失われたひろし〜』が小林由美子初主演となる。
矢島の「枯れた味わい」に対し、小林は「明るさとエネルギー感」が特徴で、シリーズに新たな活力をもたらしている。

 

Q3. 「大人も泣ける」と言われるクレしん映画の代表作は?

原恵一監督の『嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』(2001)、『嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』(2002)の2作が双璧。
加えて水島努監督の『嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ』(2004)、現代作では『ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』(2014)、『オラたちの恐竜日記』(2024)なども大人ファンの支持が厚い。

 

Q4. 歴代最高興行収入の作品は?

2024年公開の『オラたちの恐竜日記』が26.9億円でシリーズ最高興収を記録。
続いて2023年『しん次元! クレヨンしんちゃん THE MOVIE』が24.7億円、2025年『超華麗!灼熱のカスカベダンサーズ』が23.6億円と、小林由美子体制の2020年代作品が上位を独占している。

 

Q5. 『オトナ帝国の逆襲』の「ひろしの回想」シーンが伝説と呼ばれる理由は?

本作のクライマックスで、催眠から正気に戻ったひろしの足の匂いをしんのすけが嗅いだ瞬間、ひろしの幼少期から結婚・しんのすけ誕生までの人生が走馬灯のように描かれる場面である。
セリフほぼゼロ、音楽と作画だけで30代以上の親世代の涙腺を直撃する演出設計で、宮崎駿が絶賛したとも伝わる。
キネマ旬報年間ベスト選出、ジブリ最盛期の2001年に「邦画アニメは子供向けではない」という意識転換を起こした記念碑的シーンとして、現在でもアニメ映画の名場面ランキングで必ず上位に挙がる。

 

歴代主題歌・テーマ曲一覧

クレヨンしんちゃん劇場版34作の主題歌を公開順で一覧化した。各作品名から個別解説へジャンプできる。

No 作品(公開年) 主題歌
1 アクション仮面VSハイグレ魔王(1993) Mew(梶谷美由紀)「僕は永遠のお子様」
2 ブリブリ王国の秘宝(1994) 岸恭子「約束See You!」
3 雲黒斎の野望(1995) 杉本幸子「たすけてケスタ」
4 ヘンダーランドの大冒険(1996) 雛形あきこ「SIX COLORS BOY」
5 暗黒タマタマ大追跡(1997) 財津和夫「ひまわりの家」
6 電撃!ブタのヒヅメ大作戦(1998) SHAZNA「PURENESS」
7 爆発!温泉わくわく大決戦(1999) 野原一家&温泉わくわく'99「いい湯だな」
8 嵐を呼ぶジャングル(2000) 小林幸子「さよならありがとう」
9 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲(2001) 小林幸子「元気でいてね」
10 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦(2002) ダンス☆マン「二中のファンタジー」
11 嵐を呼ぶ 栄光のヤキニクロード(2003) 華原朋美「PLEASURE」
12 嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ(2004) NO PLAN「○(マル)あげよう」
13 伝説を呼ぶブリブリ 3分ポッキリ大進撃(2005) AI「Crayon Beats」
14 伝説を呼ぶ 踊れ!アミーゴ!(2006) 倖田來未「GO WAY!!」
15 嵐を呼ぶ 歌うケツだけ爆弾!(2007) SEAMO「Cry Baby」
16 ちょー嵐を呼ぶ 金矛の勇者(2008) DJ OZMA「人気者で行こう!」
17 オタケベ!カスカベ野生王国(2009) ジェロ「やんちゃ道」
18 超時空!嵐を呼ぶオラの花嫁(2010) mihimaru GT「オメデトウ」
19 嵐を呼ぶ黄金のスパイ大作戦(2011) 関ジャニ∞「イエローパンジーストリート」
20 嵐を呼ぶ!オラと宇宙のプリンセス(2012) 渡り廊下走り隊7「少年よ 嘘をつけ!」
21 バカうまっ!B級グルメサバイバル!!(2013) SEKAI NO OWARI「RPG」
22 ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん(2014) きゃりーぱみゅぱみゅ「ファミリーパーティー」
23 オラの引越し物語 サボテン大襲撃(2015) ゆず「OLA!!」
24 爆睡!ユメミーワールド大突撃(2016) ケツメイシ「友よ 〜 この先もずっと…」
25 襲来!!宇宙人シリリ(2017) 高橋優「ロードムービー」
26 爆盛!カンフーボーイズ〜拉麺大乱〜(2018) ももいろクローバーZ「笑一笑」
27 新婚旅行ハリケーン 〜失われたひろし〜(2019) あいみょん「ハルノヒ」
28 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者(2020) レキシ「ギガアイシテル」
29 謎メキ!花の天カス学園(2021) マカロニえんぴつ「はしりがき」
30 もののけニンジャ珍風伝(2022) 緑黄色社会「陽はまた昇るから」
31 しん次元!クレヨンしんちゃん THE MOVIE(2023) サンボマスター「Future is Yours」
32 オラたちの恐竜日記(2024) My Hair is Bad「思い出をかけぬけて」
33 超華麗!灼熱のカスカベダンサーズ(2025) Saucy Dog「スパイス」
34 奇々怪々!オラの妖怪バケ〜ション(2026) 未発表(2026年6月解禁予定)

主題歌の系譜は時代のヒットチャートと完全シンクロしてきた。1990年代は雛形あきこ・SHAZNA・小林幸子と当時の流行歌手が登場し、2000年代には華原朋美・倖田來未・SEAMO・mihimaru GT・関ジャニ∞ら邦楽シーンの主役級が次々起用された。
2010年代以降は SEKAI NO OWARI「RPG」、きゃりーぱみゅぱみゅ「ファミリーパーティー」、ゆず「OLA!!」、ケツメイシ「友よ」と国民的アーティストの定番枠に成長。2019年あいみょん「ハルノヒ」、2024年 My Hair is Bad「思い出をかけぬけて」、2025年 Saucy Dog「スパイス」は若い世代のヒットチャートと連動し、家族で歌える主題歌としても定着した。

名場面と主題歌の組み合わせも語り草が多い。
『オトナ帝国の逆襲』の感動クライマックスで流れた小林幸子「元気でいてね」は、ひろしの回想シーンとシンクロしてアニメ史に残る名場面を完成させた。
『戦国大合戦』のラスト、又兵衛の最期にダンス☆マン「二中のファンタジー」が静かに流れる演出は、子供向け映画の枠を完全に超えた本格時代劇の風格を音楽面で支えている。
『新婚旅行ハリケーン』のあいみょん「ハルノヒ」は、矢島晶子卒業後初の劇場版主題歌として「春の節目」の象徴に。
『オラたちの恐竜日記』の My Hair is Bad「思い出をかけぬけて」は、シリーズ最高興収26.9億円を音楽面から押し上げた令和の代表曲となった。

 

全作品の公開日・興行収入一覧

本シリーズの全34作品を公開順で一覧化した。各タイトルをタップで詳細解説へジャンプできる。

No 公開日 タイトル 興行収入
1 1993/7/24 アクション仮面VSハイグレ魔王 22.2億円
2 1994/4/23 ブリブリ王国の秘宝 20.6億円
3 1995/4/15 雲黒斎の野望 14.2億円
4 1996/4/13 ヘンダーランドの大冒険 12.0億円
5 1997/4/19 暗黒タマタマ大追跡 11.3億円
6 1998/4/18 電撃!ブタのヒヅメ大作戦 10.6億円
7 1999/4/17 爆発!温泉わくわく大決戦 9.5億円
8 2000/4/22 嵐を呼ぶジャングル 11.0億円
9 2001/4/21 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲 14.5億円
10 2002/4/20 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦 13.0億円
11 2003/4/19 嵐を呼ぶ 栄光のヤキニクロード 13.5億円
12 2004/4/17 嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ 12.8億円
13 2005/4/16 伝説を呼ぶブリブリ 3分ポッキリ大進撃 13.0億円
14 2006/4/15 伝説を呼ぶ 踊れ!アミーゴ! 13.8億円
15 2007/4/21 嵐を呼ぶ 歌うケツだけ爆弾! 15.5億円
16 2008/4/19 ちょー嵐を呼ぶ 金矛の勇者 12.3億円
17 2009/4/18 オタケベ!カスカベ野生王国 10.0億円
18 2010/4/17 超時空!嵐を呼ぶオラの花嫁 12.5億円
19 2011/4/16 嵐を呼ぶ黄金のスパイ大作戦 12.0億円
20 2012/4/14 嵐を呼ぶ!オラと宇宙のプリンセス 9.8億円
21 2013/4/20 バカうまっ!B級グルメサバイバル!! 13.0億円
22 2014/4/19 ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん 18.3億円
23 2015/4/18 オラの引越し物語 サボテン大襲撃 22.9億円
24 2016/4/16 爆睡!ユメミーワールド大突撃 21.1億円
25 2017/4/15 襲来!!宇宙人シリリ 16.2億円
26 2018/4/13 爆盛!カンフーボーイズ〜拉麺大乱〜 18.4億円
27 2019/4/19 新婚旅行ハリケーン 〜失われたひろし〜 20.8億円
28 2020/9/11 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者 11.8億円
29 2021/7/30 謎メキ!花の天カス学園 17.7億円
30 2022/4/22 もののけニンジャ珍風伝 20.4億円
31 2023/8/4 しん次元! クレヨンしんちゃん THE MOVIE 24.7億円
32 2024/8/9 オラたちの恐竜日記 26.9億円
33 2025/8/8 超華麗!灼熱のカスカベダンサーズ 23.6億円
34 2026/7/31予定 奇々怪々!オラの妖怪バケ〜ション 公開前

 

関連作品

劇場版シリーズ34作の外側にも、クレしんファンが押さえておきたい関連作が存在する。本編鑑賞に慣れた後でこそ刺さる「裏ラインナップ」を整理した。
いずれも本編とは別系統で楽しめる作品群で、コレクター視点で押さえる価値が高い。

2016年8月3日からAmazonプライム・ビデオで独占配信が始まった、クレヨンしんちゃん初の連続ドラマ形式ウェブアニメである。
TVアニメ25周年記念作品として制作され、全13話で展開する外伝シリーズの第1弾。野原一家の日常から離れ、近未来の宇宙ステーションを舞台に、しんのすけが地球外生命体エイリアンと対峙するSFサスペンスとして描かれた。
笑いと緊張感が同居する独特のトーンは劇場版でも本編TVシリーズでも味わえないもので、シリーズの懐の深さを再発見できる隠れた名作だ。Prime Video会員ならいつでも視聴可能で、コア層が押さえておきたい1本である。

 

1990年から『漫画アクション』で連載がスタートした臼井儀人による原作マンガ。
2009年の臼井儀人逝去後は「臼井儀人&UYスタジオ」名義で連載が継続され、2024年現在で全50巻超を刊行している。
映画版で描かれる野原家の日常エピソードは、原作の単発ギャグから派生したものが多く、原作読破で「劇場版のあのキャラはここから来ていたのか」という発見が無数にある。シリーズの源流を知りたい読者には必修の関連作だ。

 

まとめ

1993年4月にTVアニメの大ブームを背景に劇場デビューを果たした『クレヨンしんちゃん』映画シリーズは、2026年現在までに全34作を積み上げた国民的ブランドへ成長した。
本郷みつる監督の黎明期、原恵一監督の「泣ける」黄金期、水島努・ムトウユージ監督期のジャンル実験、髙橋渉・橋本昌和監督らの新世代と、世代ごとに表情を変えながら「家族愛」と「友情」の芯はブレずに継承されてきた。

2018年の矢島晶子から小林由美子への声優交代という大転換点を乗り越え、2024年『オラたちの恐竜日記』が歴代最高興収26.9億円を記録。
このシリーズが単なる子供向けアニメの枠を超え、世代を繋ぐ文化的装置であることの証明だろう。大人になって見返す度に、当時の自分と重なる野原一家の背中に新たな涙が滲むはずだ。

ロジック中田 ロジック中田
30年以上の歴史でギャグ・感動・ホラー・SFとあらゆるジャンルを網羅しつつ、「家族愛」と「友情」の芯がブレないのが凄いです。興行も右肩上がりで寿命が尽きる気配がありません。
バンカー荒木 バンカー荒木
みさえが自転車を漕いでしんちゃんを追いかけたり、ひろしがボロボロになって家族のために戦ったり…野原一家は俺たち昭和・平成育ちの永遠の憧れだ!これからも笑わせて泣かせてくれよな!
ポップ結衣 ポップ結衣
全34作を一気見すると、しんちゃんやカスカベ防衛隊の成長(身体は変わらないけど)が感じられて感慨深いです…次の休日は久しぶりに『オトナ帝国の逆襲』を見たくなっちゃいました♪