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【ジュラシックパーク映画】|シリーズ全作を時系列で解説

この記事で分かる3つのこと
・全7作の興行収入・監督・日本語声優を一覧表で一気に把握できる
・1993年のCG革命から2025年の完全新章まで全史を時系列で解説
・公開順と時系列順の2ルートで迷わない見る順番がすぐ分かる

1993年夏、映画館の暗闇にティラノサウルスの咆哮が響いた瞬間、世界中の観客は「恐竜が生きている」と確信した。
スティーヴン・スピルバーグ監督がマイケル・クライトンの同名小説を映画化した『ジュラシック・パーク』は、CGとアニマトロニクスの融合で映画史の常識を書き換えた怪物的一作である。

以降、シリーズは累計世界興行収入60億ドルを超える巨大フランチャイズへと成長した。
2015年の『ジュラシック・ワールド』で新世代へバトンが渡り、2025年公開の『復活の大地』で完全新キャストによる新章が幕を開けた。
本記事では全7作を2期構成で時系列に沿って解き明かす。

シリーズ基礎データ

原作:マイケル・クライトン『ジュラシック・パーク』(1990年刊)および『ロスト・ワールド』(1995年刊)
シリーズ制作本数:全7作(1993年〜2025年)、うち旧三部作3本+JWシリーズ4本
累計世界興行収入:約60億ドル超(シリーズ歴代最高は『ジュラシック・ワールド』16億7,100万ドル)
配給:ユニバーサル・ピクチャーズ/象徴音楽:ジョン・ウィリアムズ「ジュラシック・パークのテーマ」

 

歴代作品一覧

No. タイトル 日本公開日 監督 世界興行収入
1 ジュラシック・パーク 1993年7月17日 スピルバーグ 10億3,390万ドル
2 ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク 1997年7月12日 スピルバーグ 6億1,860万ドル
3 ジュラシック・パークIII 2001年8月4日 ジョー・ジョンストン 3億6,880万ドル
4 ジュラシック・ワールド 2015年8月5日 コリン・トレヴォロウ 16億7,100万ドル
5 ジュラシック・ワールド/炎の王国 2018年7月13日 J・A・バヨナ 13億800万ドル
6 ジュラシック・ワールド/新たなる支配者 2022年7月29日 コリン・トレヴォロウ 10億200万ドル
7 ジュラシック・ワールド/復活の大地 2025年8月8日 ギャレス・エドワーズ 8億6,910万ドル

 

第1期:CG革命と恐竜パニックの幕開け(1993-2001)

1993年から2001年までの旧三部作は、スピルバーグが切り拓いたCG革命の衝撃とともに恐竜パニック映画というジャンルを確立した時代である。
第1作でILMが達成したフルCG恐竜の実在感は映画史そのものを書き換え、アカデミー視覚効果賞を受賞した。

続く『ロスト・ワールド』では恐竜が本土サンディエゴに上陸する衝撃展開を描き、第3作ではジョー・ジョンストンが監督を引き継いでスピノサウルスという新たな脅威を投入した。
この3本が築いた「島に閉じ込められた人間と恐竜」の基本構造は、後のJWシリーズにも脈々と受け継がれている。

バンカー荒木 バンカー荒木
旧三部作はCG映画史の転換点そのものだ。1993年にスクリーンで動くブラキオサウルスを観た衝撃は、その後のハリウッド大作がすべてCGに舵を切る決定的な起点になっている。
ロジック中田 ロジック中田
第1作の世界興収10億ドル超は1993年当時として破格の記録ですね。スピルバーグ2作で累計16億ドルを稼ぎ出し、ユニバーサルの看板フランチャイズへ一気に押し上げた数字です。
ポップ結衣 ポップ結衣
グラント博士がブラキオサウルスを初めて見て涙ぐむシーン、何回観ても一緒に泣いちゃいますよね。あの瞬間に「恐竜は本当にいたんだ」って信じさせてくれる映画の魔法がすごいんです。

 

No.1 ジュラシック・パーク

公開日 1993年7月17日(土)
興行収入 世界10億3,390万ドル(3D再公開含む累計)/日本128億5,000万円
監督 スティーヴン・スピルバーグ
脚本 マイケル・クライトン、デヴィッド・コープ
音楽 ジョン・ウィリアムズ
俳優 サム・ニール(アラン・グラント博士)/ローラ・ダーン(エリー・サトラー博士)/ジェフ・ゴールドブラム(イアン・マルコム博士)/リチャード・アッテンボロー(ジョン・ハモンド)/アリアナ・リチャーズ(アレクシス・マーフィー)/ジョゼフ・マゼロ(ティモシー・マーフィー)
メイン声優(日本) アラン・グラント博士(富山敬)/エリー・サトラー博士(弥永和子)/イアン・マルコム博士(大塚芳忠)/ジョン・ハモンド(永井一郎)/アレクシス(坂本真綾)

【見どころ】
マイケル・クライトンの原作をスピルバーグが映画化した記念碑的第1作であり、ILMによるフルCG恐竜が映画史を完全に塗り替えた衝撃作である。
CGとスタン・ウィンストンのアニマトロニクスを融合させた恐竜の実在感は公開から30年以上を経た現在も色褪せない。
アカデミー賞3部門(視覚効果賞・音響編集賞・録音賞)を受賞し、映像技術の到達点として語り継がれている。

【あらすじ】
コスタリカ沖の孤島イスラ・ヌブラルに、大富豪ジョン・ハモンドが琥珀中の蚊から採取した恐竜DNAで太古の生物を蘇らせたテーマパークを建設する。
古生物学者グラント博士とサトラー博士、数学者マルコム博士が招かれるが、システム管理者ネドリーの裏切りで電気柵が停止。
解き放たれたティラノサウルスとヴェロキラプトルが人間を襲い、島は制御不能の地獄と化す。

【レビュー】
嵐の夜、水の入ったコップが振動する静寂の数秒間こそ、この映画の真骨頂である。
ティラノサウルスが柵を破って現れる瞬間の絶望感は、何十回観ても背筋が凍る。
グラント博士がブラキオサウルスを前に涙ぐむ場面と、キッチンでラプトルに追われる子どもたちの恐怖が同じ映画に同居する振れ幅こそ、映画史に刻まれた恐竜体験の原点である。

1993年の時代背景(エンタメ事情)

1993年の日本映画興行は邦画が低迷期にあり、夏の劇場を席巻したのはハリウッド超大作群であった。
テレビでは『料理の鉄人』が放送開始、Jリーグが5月に開幕して「ドーハの悲劇」で日本中が沸いた年でもある。
ゲーム業界はスーパーファミコン全盛期で『聖剣伝説2』『ロマンシング サ・ガ2』が発売され、年末にはFM TOWNSやPC-98の3Dゲームも話題になっていた。
この年、ジュラシック・パークが日本でも128億円超を記録し、CGで恐竜が走る映像は子どもから大人まで「映画の未来」を突きつけた事件となった。

 

No.2 ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク

公開日 1997年7月12日(土)
興行収入 世界6億1,860万ドル/日本95億円
監督 スティーヴン・スピルバーグ
脚本 デヴィッド・コープ
音楽 ジョン・ウィリアムズ
俳優 ジェフ・ゴールドブラム(イアン・マルコム博士)/ジュリアン・ムーア(サラ・ハーディング)/ピート・ポスルスウェイト(ローランド・テンボ)/ヴィンス・ヴォーン(ニック・ヴァン・オーウェン)/リチャード・アッテンボロー(ジョン・ハモンド)
メイン声優(日本) イアン・マルコム(大塚芳忠)/サラ・ハーディング(勝生真沙子)/ローランド・テンボ(麦人)/ニック(平田広明)/ジョン・ハモンド(永井一郎)

【見どころ】
前作の脇役マルコム博士が主演に昇格し、イスラ・ソルナ(サイトB)という新たな島を舞台に恐竜の野生群を描く続編である。
インジェン社の傭兵チームと調査隊の二陣営が衝突しながら島を脱出する構成は、前作よりもアクション比重が格段に高い。
終盤にティラノサウルスがサンディエゴの市街地を闊歩する衝撃展開は、シリーズ屈指のスケール感を誇る。

【あらすじ】
ハモンドの依頼でマルコム博士は恋人サラが先行調査中のイスラ・ソルナへ渡るが、ハモンドの甥ルドローが率いるインジェン傭兵隊も恐竜捕獲のため同時上陸する。
二つのチームが対立と協力を繰り返しながら島内を移動するうち、ティラノサウルスの親子が野営地を襲撃し事態は制御不能に陥る。
捕獲されたティラノサウルスは輸送船でサンディエゴへ運ばれ、本土で暴走を始める。

【レビュー】
崖際でトレーラーがきしむ場面は手に汗が止まらない。
ガラスにひび割れが広がっていく演出の生々しさは、前作を超える恐怖描写の進化を見せつけてくる。
サンディエゴにティラノサウルスが解き放たれる終盤は賛否が分かれるものの、恐竜が人間社会に踏み込む衝撃を初めて映像化した歴史的場面として忘れがたい。

 

No.3 ジュラシック・パークIII

公開日 2001年8月4日(土)
興行収入 世界3億6,880万ドル/日本51億3,000万円
監督 ジョー・ジョンストン
脚本 ピーター・バックマン、アレクサンダー・ペイン、ジム・テイラー
音楽 ドン・デイヴィス(テーマ音楽:ジョン・ウィリアムズ)
俳優 サム・ニール(アラン・グラント博士)/ウィリアム・H・メイシー(ポール・カービー)/ティア・レオーニ(アマンダ・カービー)/アレッサンドロ・ニヴォラ(ビリー・ブレナン)/トレヴァー・モーガン(エリック・カービー)/ローラ・ダーン(エリー・デグラー)
メイン声優(日本) アラン・グラント(小川真司)/ポール・カービー(納谷六朗)/アマンダ・カービー(渡辺美佐)/ビリー・ブレナン(内田夕夜)

【見どころ】
スピルバーグが製作総指揮に退き、ジョー・ジョンストンが監督を務めたシリーズ第3作である。
シリーズ初登場のスピノサウルスがティラノサウルスを圧倒する冒頭の衝撃は、旧三部作の常識を覆す大胆な仕掛けであった。
上映時間93分というシリーズ最短の尺で畳みかけるサバイバル活劇は、無駄を削ぎ落としたテンポの良さが光る。

【あらすじ】
離婚寸前のカービー夫妻は息子エリックがイスラ・ソルナで行方不明になったと偽りの学術調査を口実にグラント博士を島へ連れ出す。
着陸直後にスピノサウルスが飛行機を破壊し、一行は徒歩で島を横断しながら息子の救出と脱出を目指す。
ラプトルの卵を巡る駆け引きが緊張を加速させ、最終的に海軍の救援で辛くも島を脱出する。

【レビュー】
スピノサウルスが飛行機の胴体を噛み砕くオープニングの破壊力に、冒頭から座席に押し付けられる。
霧の中でプテラノドンの群れに襲われる鳥かごシーンは、旧三部作で最も「空からの恐怖」を体感させてくれる名場面である。
グラント博士が再び島に立つ姿には、否応なく第1作への郷愁がこみ上げてくる。

 

第2期:テーマパーク再起動と遺伝子改造の暴走(2015-2025)

2015年から2025年までの第2期は、旧三部作から14年の沈黙を経て始まったジュラシック・ワールド新章である。
舞台はイスラ・ヌブラルに実際に開園した「ジュラシック・ワールド」へと移り、遺伝子操作で生み出されたハイブリッド恐竜インドミナス・レックスが物語の導火線となった。

第5作『炎の王国』で火山噴火により恐竜が本土へ解放され、第6作『新たなる支配者』で旧三部作キャスト3人が本格復帰してトリロジーが完結する。
そして2025年の第7作『復活の大地』は完全新キャストで新たな物語を紡ぎ出し、シリーズの未来を切り拓いた。

バンカー荒木 バンカー荒木
14年の空白を経て復活したJWシリーズは、テーマパーク運営という現実味のある設定に切り替えた点が秀逸だ。恐竜を「商品」として管理する人間の傲慢さが、旧三部作とは異なる角度から描かれている。
ロジック中田 ロジック中田
第4作『ジュラシック・ワールド』の世界興収16億7,100万ドルはシリーズ最高記録です。旧三部作ファンと新規層の両方を取り込んだ結果として、数字が明確に証明していますね。
ポップ結衣 ポップ結衣
オーウェンとブルーの絆がもう最高なんですよね。ラプトルを手懐けるなんて旧三部作では考えられなかったけど、あの信頼関係を観ると恐竜がもっと好きになっちゃいます。

 

No.4 ジュラシック・ワールド

ジュラシック・ワールド (吹替版)

ジュラシック・ワールド

  • クリス・プラット
Amazon
公開日 2015年8月5日(水)
興行収入 世界16億7,100万ドル/日本95億3,000万円
監督 コリン・トレヴォロウ
脚本 リック・ジャッファ、アマンダ・シルヴァー、デレク・コノリー、コリン・トレヴォロウ
音楽 マイケル・ジアッキーノ
俳優 クリス・プラット(オーウェン・グレイディ)/ブライス・ダラス・ハワード(クレア・ディアリング)/イルファーン・カーン(サイモン・マスラニ)/ヴィンセント・ドノフリオ(ヴィック・ホスキンス)/タイ・シンプキンス(グレイ・ミッチェル)/B・D・ウォン(ヘンリー・ウー博士)
メイン声優(日本) オーウェン(玉木宏)/クレア(木村佳乃)/サイモン・マスラニ(大塚芳忠)/ヴィック(石塚運昇)

【見どころ】
旧三部作から14年ぶりの新作にして、ハモンドの夢がついに実現した「営業中のテーマパーク」を舞台にしたシリーズ第4作である。
遺伝子操作で創り出されたハイブリッド恐竜インドミナス・レックスが脱走し、2万人の来園者を巻き込む大惨事へと発展する。
オーウェンとヴェロキラプトル・ブルーの信頼関係はシリーズの新たな軸となり、終盤のティラノサウルス参戦は旧作ファンの心を直撃する。

【あらすじ】
イスラ・ヌブラルで成功を収めたテーマパーク「ジュラシック・ワールド」は来場者数の減少に悩み、遺伝子操作で生み出した新種インドミナス・レックスを目玉に据える。
しかしインドミナスは想定を超える知能で囲いを脱出し、パーク内で無差別に殺戮を始める。
ラプトル調教師オーウェンと運営責任者クレアは、ラプトル部隊を率いてインドミナスの追跡に乗り出す。

【レビュー】
ゲートが開いてパークの全景が映し出される瞬間、あの聞き覚えのあるテーマ曲が鳴り響き、22年越しの夢が叶った高揚感で胸がいっぱいになる。
シリーズ歴代最高興収を記録した本作の真価は、旧作への敬意と新世代の物語を両立させた設計にある。
オーウェンがラプトル4頭とバイクで疾走する場面は、新シリーズを象徴する名シーンとして記憶に刻まれる。

2015年の時代背景(エンタメ事情)

2015年の映画界はハリウッド大作フランチャイズの復活ラッシュが続いた年である。
12月には『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』が全世界を熱狂させ、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』がアカデミー賞6部門を制した。
日本のゲーム業界では『スプラトゥーン』がWii Uに登場して社会現象となり、スマートフォンでは『モンスターストライク』が国内売上トップを記録していた。
動画配信サービスNetflixが9月に日本上陸を果たし、映画の観方そのものが変わり始めた転換期でもある。その只中にジュラシック・ワールドが14年ぶりの恐竜体験を劇場に呼び戻した。

No.5 ジュラシック・ワールド/炎の王国

公開日 2018年7月13日(金)
興行収入 世界13億800万ドル/日本80億7,000万円
監督 J・A・バヨナ
脚本 デレク・コノリー、コリン・トレヴォロウ
音楽 マイケル・ジアッキーノ
俳優 クリス・プラット(オーウェン)/ブライス・ダラス・ハワード(クレア)/レイフ・スポール(イーライ・ミルズ)/ジェームズ・クロムウェル(ベンジャミン・ロックウッド)/ジェフ・ゴールドブラム(イアン・マルコム)/B・D・ウォン(ヘンリー・ウー)
メイン声優(日本) オーウェン(玉木宏)/クレア(木村佳乃)/イーライ(内田夕夜)/ロックウッド(中田譲治)/マルコム(大塚芳忠)

【見どころ】
イスラ・ヌブラルの火山噴火という自然災害と、ロックウッド邸での恐竜オークションという人間の強欲が二段構えで物語を駆動する異色作である。
前半の島パートは溶岩と恐竜の同時襲来でパニック映画の極致を見せ、後半はゴシックホラーの趣を帯びた屋敷内での攻防へと一変する。
シリーズの方向性を「島からの脱出」から「恐竜との共存」へ転換させた重要な分岐点でもある。

【あらすじ】
イスラ・ヌブラルの火山が活動を始め、残された恐竜たちの絶滅が迫る。
ハモンドの元パートナーであるロックウッドの依頼で、オーウェンとクレアは恐竜救出作戦に参加するが、裏では管財人ミルズが恐竜を兵器として闇オークションにかける計画が進行していた。
ロックウッド邸の地下でインドラプトルが解き放たれ、オークション会場は修羅場と化す。

【レビュー】
火山灰に覆われた桟橋でブラキオサウルスが炎の中に立ち尽くすシルエットは、シリーズ全体を通じて最も胸を締め付けられる場面である。
あの一頭の姿に第1作でグラント博士が涙した草原の記憶が重なり、涙腺が崩壊する。
ゴシック邸宅に恐竜が忍び寄る後半の恐怖演出はホラー映画の文法を恐竜パニックに持ち込んだ異色の仕上がりで、深夜に一人で観ると確実に眠れなくなる。

 

No.6 ジュラシック・ワールド/新たなる支配者

公開日 2022年7月29日(金)
興行収入 世界10億200万ドル/日本63億2,200万円
監督 コリン・トレヴォロウ
脚本 コリン・トレヴォロウ、エミリー・カーマイケル
音楽 マイケル・ジアッキーノ
俳優 クリス・プラット(オーウェン)/ブライス・ダラス・ハワード(クレア)/ローラ・ダーン(エリー・サトラー博士)/サム・ニール(アラン・グラント博士)/ジェフ・ゴールドブラム(イアン・マルコム博士)/B・D・ウォン(ヘンリー・ウー)
メイン声優(日本) オーウェン(玉木宏)/クレア(木村佳乃)/エリー(井上喜久子)/グラント(菅生隆之)/マルコム(大塚芳忠)

【見どころ】
旧三部作のグラント博士・サトラー博士・マルコム博士の3人が29年ぶりに本格合流し、JWトリロジーの完結編としてシリーズ全体を束ねる集大成である。
恐竜が世界中に拡散した状況下で、バイオシン社の巨大遺伝子農場が新たな舞台となる。
新旧6人の主要キャストが同じ画面に収まる構図は、シリーズファンにとって30年分の感慨が一気に押し寄せる贅沢な体験である。

【あらすじ】
恐竜が世界中に生息するようになった地球で、巨大テクノロジー企業バイオシン社が恐竜保護区を運営している。
サトラー博士はバイオシン社が開発した巨大イナゴによる食糧危機を疑い、グラント博士とともにバイオシン本社へ潜入調査を敢行する。
同時にオーウェンとクレアは養女メイシーの誘拐事件を追ってバイオシンに乗り込み、新旧キャスト6人が合流して巨大陰謀の核心に迫る。

【レビュー】
グラント博士とサトラー博士が再会する瞬間の空気感だけで、旧三部作を追いかけてきた30年分の感情が溢れ出す。
マルタでの市街地バイクチェイスは新鮮な興奮を与えてくれるし、氷の湖面でギガノトサウルスと対峙するクライマックスは手に汗握る緊張感が続く。
新旧キャストの共闘は夢の競演にふさわしい達成感を残してくれる。

 

No.7 ジュラシック・ワールド/復活の大地

公開日 2025年8月8日(金)
興行収入 世界8億6,910万ドル/日本45億円超
監督 ギャレス・エドワーズ
脚本 デヴィッド・コープ
音楽 アレクサンドル・デスプラ
俳優 スカーレット・ヨハンソン(ゾーラ・ベネット)/マハーシャラ・アリ(ダンカン・キンケイド)/ジョナサン・ベイリー(ヘンリー・ルーミス博士)/ルパート・フレンド(マーティン・クレブス)/マヌエル・ガルシア=ルルフォ(ルーベン・デルガド)/エド・スクライン(ボビー・アットウォーター)
メイン声優(日本) ゾーラ・ベネット(松本若菜)/ダンカン・キンケイド(楠大典)/ヘンリー・ルーミス博士(岩田剛典)/マーティン・クレブス(小野大輔)

【見どころ】
完全新キャストで幕を開けるシリーズ第7作は、恐竜が赤道付近にのみ生息する世界を舞台に据えた新章の始まりである。
第1作の脚本を手がけたデヴィッド・コープが32年ぶりにシリーズ脚本へ復帰し、原点回帰の匂いが全編に漂う。
『ローグ・ワン』『ザ・クリエイター/創造者』のギャレス・エドワーズが監督を務め、自然光と実景を活かした重厚な映像美がシリーズに新たな表情を与えている。

【あらすじ】
恐竜の生息域が赤道付近に限定された世界で、密猟と生態系の激変が新たな危機を生み出している。
ゾーラ・ベネットとダンカン・キンケイドを中心とした新たな登場人物たちが、恐竜と人間の共存の最前線に立つ。
ルーミス博士の研究が鍵を握る中、未知の恐竜が出現し、一行は生死をかけたサバイバルに巻き込まれていく。

【レビュー】
自然光を活かした映像美が熱帯の密林に潜む恐竜の息遣いを生々しく浮かび上がらせ、第1作に通じる緊張感が全編に漂っている。
島に閉じ込められた人間が恐竜に追い詰められるという原点回帰の構図が、シリーズ30年の蓄積を踏まえたうえでなお新鮮に機能する。
完全新キャストへの世代交代は大胆な賭けだが、新たな主人公たちの存在感がシリーズの未来を力強く切り拓く一本である。

 

おすすめ名作ランキングTOP3

全7作を「映画史へのインパクト」「興行的成功」「シリーズ内での独自性」の3軸で総合評価し、順位を決定した。

第1位|ジュラシック・パーク(1993)── CGの歴史を塗り替えた全人類共通の原体験

バンカー荒木 バンカー荒木
1993年の映画史に刻まれた衝撃は、30年以上経った今も色あせていない。CG全体でわずか7分という制約の中でILMが生み出した恐竜の質感は、映像表現の概念そのものを変えたんだ。

ジュラシック・パーク(1993)を第1位に選んだ理由は明確である。 スティーヴン・スピルバーグ監督がマイケル・クライトンの原作小説を映画化したこの作品は、全世界興行収入10億3,000万ドル超を記録し、当時の歴代1位に輝いた。
しかし数字以上に重要なのは、映画におけるCGIの可能性を決定的に証明した点である。 ILM(インダストリアル・ライト&マジック)が手がけたCGの恐竜はわずか約7分間しか登場しないが、スタン・ウィンストン工房による実物大アニマトロニクスとの組み合わせにより、観客に「本物の恐竜がスクリーンの向こうにいる」と確信させた。
ジョン・ウィリアムズが作曲したメインテーマは、壮大さと畏敬の念を同時に表現し、シリーズ全体の音楽的基盤となっている。 科学への好奇心と倫理的警鐘という二重のテーマ設計も見事であり、単なる怪獣映画に終わらない知的深度を持つ。
公開から30年以上が経過した現在でもなお、映画史における革命的作品として語り継がれている。

 

第2位|ジュラシック・ワールド(2015)── 全世界16.7億ドルのモンスターヒット

ロジック中田 ロジック中田
全世界興行収入16億7100万ドルはシリーズ最高記録です。公開初週末だけで全世界5億ドル超えという数字は、当時の歴代記録を更新した驚異的な成績ですね。

ジュラシック・ワールド(2015)は、14年ぶりのシリーズ復活作として全世界興行収入16億7100万ドルを叩き出した。 この数字はシリーズ全7作の中で断然のトップであり、2015年公開当時は歴代4位の記録であった。
コリン・トレヴォロウ監督は「テーマパークが実際に営業している」という設定を採用し、1作目が提示した「もしも」の夢を30年越しに実現してみせた。
遺伝子操作で生み出されたハイブリッド恐竜インドミナス・レックスという存在は、1作目のテーマ「人間の傲慢さ」を現代的に再解釈したものである。
クリス・プラット演じるオーウェンとヴェロキラプトルの信頼関係は新たなドラマの軸となり、ブライス・ダラス・ハワード演じるクレアの変化も物語に厚みを加えた。
フルCGによる恐竜描写は技術的に大きく進歩し、数十頭が同時に画面内を動き回るシーンも自然に描かれている。
旧作への敬意と新時代の映像技術が融合した、シリーズ再始動にふさわしい一作である。

 

第3位|ジュラシック・ワールド/炎の王国(2018)── ゴシックホラー×恐竜という異色の挑戦

ポップ結衣 ポップ結衣
後半の洋館シーンが本当に怖くて鳥肌が立ちました。恐竜映画なのにホラー映画みたいな緊張感があって、インドラプトルが廊下を忍び寄るシーンは今でも夢に出てきそうです。

ジュラシック・ワールド/炎の王国(2018)は、J・A・バヨナ監督の手によってシリーズの中でも異色の雰囲気を獲得した作品である。
前半は火山噴火からの恐竜救出というスペクタクル、後半はロックウッド邸を舞台にしたゴシックホラー調の密室劇という二部構成が特徴的である。
バヨナ監督はスペインの鬼才として知られ、『永遠のこどもたち』や『怪物はささやく』で培ったホラー演出の手腕を存分に発揮した。
インドラプトルが月明かりの中で爪を鳴らしながら少女の部屋に忍び寄るシーンは、『ノスフェラトゥ』へのオマージュとして設計されている。
全世界興行収入は13億800万ドルとシリーズ3位の成績を収めた。 物語の結末では恐竜たちが人間社会に解放され、シリーズ全体の方向性を大きく転換させた。
ジャンルの枠を超えた演出の冒険心と、シリーズの物語を不可逆的に動かした構成力を評価し、第3位に選出した。

 

ジュラシックパーク映画はこの順番で見るのがおすすめ

全7作を通して観る時間がない方のために、目的別に厳選した2つの鑑賞ルートを提案する。 どちらのルートもシリーズの核心を効率よく味わえる構成にしてある。

ルートA:初見必見の3本セレクト(最短で核心を掴む)

ジュラシック・パーク(1993)→ ジュラシック・ワールド(2015)→ ジュラシック・ワールド/復活の大地(2025)

まず1993年の原点で「恐竜が蘇る衝撃」を体験し、次に2015年のワールドで「テーマパークが現実化した世界」を見届ける。 最後に2025年の復活の大地で「恐竜と人類が共存する時代」の最新章に触れる構成である。 この3本だけで、30年以上にわたるシリーズの進化を一気に追体験できる。 復活の大地は完全新キャストのため、間の作品を飛ばしても物語の理解に支障はない。 時間がない方にはまずこのルートを強く推奨する。

 

ルートB:スピルバーグの遺伝子を辿るルート(5本厳選)

ジュラシック・パーク(1993)→ ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク(1997)→ ジュラシック・ワールド/炎の王国(2018)→ ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(2022)→ ジュラシック・ワールド/復活の大地(2025)

スピルバーグが監督した2作で原点の世界観を堪能した後、スピルバーグが製作総指揮を務めた新三部作の中からバヨナ監督の炎の王国を経由する。 ロスト・ワールドでは恐竜が本土に到達する衝撃的な展開があり、炎の王国では恐竜が人間社会に完全解放されるという転換点を描いている。 新たなる支配者で旧三部作キャスト(グラント、マルコム、エリー)が再結集する集大成を見届けた上で、復活の大地の新章へ進む流れである。 脚本家デヴィッド・コープが1作目と2作目、そして復活の大地を執筆している点にも注目したい。

 

質問(FAQ)コーナー

ジュラシックパークの歴史を深掘りする、マニアック度の高いQ&Aを5問用意した。
シリーズを全作観た方も「そうだったのか」と膝を打つような内容を目指している。

Q1. 1作目のCGシーンは全編のうち何分間か

1993年公開のジュラシック・パークにおけるCGI(コンピュータ生成画像)の使用時間は、全編127分のうちわずか約7分間である。 残りの恐竜シーンはスタン・ウィンストン工房が製作した実物大アニマトロニクスで撮影された。 ILMが担当したCGショットは約50カットとされており、ブラキオサウルスの全身が初めて映るシーンやティラノサウルスの雨中の襲撃シーンなどに使用されている。 この「CGとアニマトロニクスのハイブリッド手法」が圧倒的なリアリティを生み出し、アカデミー視覚効果賞を受賞した。

 

Q2. スピノサウルスがT-REXに勝ったのはなぜか(科学的根拠)

ジュラシック・パークIII(2001)でスピノサウルスがティラノサウルスを倒したシーンは、公開当時から大きな議論を呼んだ。 監督のジョー・ジョンストンは新たな脅威を提示するために意図的にこの展開を選んだとされている。 古生物学的にはスピノサウルスの全長は推定14〜18メートルとティラノサウルスの約12メートルを上回るが、顎の構造は魚食に適した細長い形状であり、噛む力ではティラノサウルスに遠く及ばない。 実際の対決があったとすれば、ティラノサウルスが優位だったという見解が古生物学者の間では主流である。 映画のシーンはあくまで遺伝子操作で強化された個体同士の戦いという設定上の文脈で理解すべきものである。

 

Q3. マルコム博士が全シリーズを通じて果たした役割とは

ジェフ・ゴールドブラム演じるイアン・マルコム博士は、シリーズ全体を貫く「知の良心」ともいうべき存在である。 1作目ではカオス理論の専門家としてパークの危険性を警告し、2作目ロスト・ワールドでは主人公として恐竜の島に再び足を踏み入れた。 3作目と4作目には登場しなかったが、炎の王国(2018)で議会証言シーンに再登場し、恐竜を自然に委ねるべきだと主張した。 新たなる支配者(2022)では物語の中心人物の一人として復帰し、バイオシン社の陰謀を暴く重要な役割を担った。 「生命は道を見つける」という1作目の名台詞に象徴されるように、科学技術の暴走に警鐘を鳴らし続ける彼の存在が、シリーズに一貫した哲学的テーマを与えている。

 

Q4. インドミナス・レックスのDNA構成に含まれている恐竜・生物は何か

ジュラシック・ワールド(2015)に登場するインドミナス・レックスは、ヘンリー・ウー博士が複数の生物のDNAを組み合わせて創り出したハイブリッド恐竜である。 映画の劇中ではベースゲノムのティラノサウルス・レックスに加え、ヴェロキラプトル、コウイカ、アマガエルのDNAが含まれていると言及されている。 コウイカのDNAは体色を周囲に合わせるカモフラージュ能力、アマガエルのDNAは赤外線探知を回避する体温操作能力をそれぞれ付与している。 さらに映画の公式プロモーションサイトでは、カルノタウルス、ギガノトサウルス、マジュンガサウルス、ルゴプスの4種の獣脚類のDNAも含まれていると記載された。 テリジノサウルスの特徴が長い前腕のデザインに反映されているという制作陣のコメントもある。

 

Q5. 復活の大地で完全新キャストに切り替えた理由は何か

ジュラシック・ワールド/復活の大地(2025)は、スカーレット・ヨハンソン、マハーシャラ・アリ、ジョナサン・ベイリーら完全新キャストで製作された。 前作の新たなる支配者(2022)でクリス・プラット、ブライス・ダラス・ハワードの新三部作組と、サム・ニール、ジェフ・ゴールドブラム、ローラ・ダーンの旧三部作組が合流して大団円を迎えたことが、切り替えの最大の理由である。 製作総指揮のスピルバーグと脚本家デヴィッド・コープは、過去のキャラクターに頼らない新しい物語を構想した。 監督にはゴジラ(2014)で大型生物の脅威を描いたギャレス・エドワーズが起用された。 新キャストへの全面移行によって新規観客が予備知識なしに楽しめる入口となり、シリーズの長期的継続を見据えた戦略的判断であった。

 

 

全7作キャスト相関図 ── シリーズを繋ぐ人物ガイド

ジュラシック・パークシリーズは30年以上にわたって多くの俳優が出演してきた。 旧三部作の中心人物が新三部作に再登場する場面もあり、キャラクターの系譜を把握しておくとシリーズの楽しみ方が格段に広がる。 以下のテーブルで主要キャストの出演作品を一覧にまとめた。

キャラクター名 俳優名 JP JP2 JP3 JW FK JWD 復活
アラン・グラント サム・ニール - - - -
イアン・マルコム ジェフ・ゴールドブラム - - -
エリー・サトラー ローラ・ダーン - - - -
ジョン・ハモンド リチャード・アッテンボロー - - - - -
ヘンリー・ウー B・D・ウォン - - -
オーウェン・グレイディ クリス・プラット - - - -
クレア・ディアリング ブライス・ダラス・ハワード - - - -
ゾーラ・ベネット スカーレット・ヨハンソン - - - - - -
ダンカン・キンケイド マハーシャラ・アリ - - - - - -
ヘンリー・ルーミス ジョナサン・ベイリー - - - - - -

旧三部作の3人(グラント、マルコム、エリー)が新たなる支配者(2022)で揃って再登場した点が、シリーズファンにとって最大の感動ポイントであった。 ヘンリー・ウーは1作目に端役で登場した後、ジュラシック・ワールド以降はハイブリッド恐竜を生み出す中心人物として重要度が増した稀有な存在である。 復活の大地では従来のキャストが一切登場せず、完全新世代のキャストで新章が始まっている。

 

シリーズ全恐竜ガイド ── 作品別・登場恐竜一覧

シリーズ全7作に登場した主要な恐竜・古代生物を作品横断で整理した。 ティラノサウルスとヴェロキラプトルはほぼ全作に登場するシリーズの顔であり、新三部作からはハイブリッド種が加わってバリエーションが拡大している。

恐竜・古代生物名 初登場作品 特徴
ティラノサウルス・レックス ジュラシック・パーク(1993) シリーズの象徴的存在。1作目の個体「レクシィ」は新三部作にも再登場
ヴェロキラプトル ジュラシック・パーク(1993) 高い知能と集団狩猟が特徴。JW以降は「ブルー」が人気キャラクターに
ブラキオサウルス ジュラシック・パーク(1993) 初めてCGで描かれた恐竜。首を伸ばして木の葉を食べるシーンが印象的
ディロフォサウルス ジュラシック・パーク(1993) 毒液を吐くエリマキ付き恐竜として描写。実際の体格よりかなり小型化
スピノサウルス ジュラシック・パークIII(2001) JP3のメイン恐竜。背中の帆が特徴で、T-REXとの対決が話題を呼んだ
プテラノドン ロスト・ワールド(1997) 翼竜。JP3で本格登場し鳥かごシーンが有名。JW以降も頻繁に登場
モササウルス ジュラシック・ワールド(2015) 水棲の巨大爬虫類。サメを丸呑みする餌やりショーが象徴的
インドミナス・レックス ジュラシック・ワールド(2015) 複数生物のDNAを組み合わせたハイブリッド。カモフラージュ能力を持つ
インドラプトル 炎の王国(2018) インドミナスのDNAから生まれた小型ハイブリッド。兵器利用を想定して開発
ギガノトサウルス 新たなる支配者(2022) 白亜紀最大級の肉食恐竜。JWDのクライマックスでT-REXと激突
テリジノサウルス 新たなる支配者(2022) 巨大な鉤爪が特徴。視力が弱く音に反応する独自の設定で描写
ピロラプトル 新たなる支配者(2022) シリーズ初の全身羽毛恐竜。赤い羽毛と水中での狩猟シーンが新鮮
ディストルトゥス・レックス 復活の大地(2025) 6本の腕を持つ突然変異T-REX。復活の大地最大の脅威
ミュータドン 復活の大地(2025) ラプトルと翼竜を掛け合わせた飛行型ハイブリッド。群れで襲撃する

シリーズを通じて、恐竜の描写は「実在種の復元」から「遺伝子操作による架空種の創造」へと大きく変化した。 1作目ではティラノサウルスやヴェロキラプトルなど実在の恐竜が主役であったが、ジュラシック・ワールド以降はインドミナス・レックスやインドラプトルといったハイブリッド種が物語の鍵を握るようになった。 復活の大地ではさらに突然変異体が登場し、「生命の予測不能性」というシリーズの根本テーマをより先鋭的に表現している。

 

名言・名セリフ集 ── 英語原文と日本語訳

ジュラシック・パークシリーズは、恐竜の映像だけでなく印象的なセリフの数々でも記憶されている。 科学倫理を問うマルコム博士の警句から、ハモンド老人の夢と執念がにじむ一言まで、シリーズを象徴するセリフを原文と日本語訳で紹介する。

"Life finds a way."
(生命は道を見つける)
── イアン・マルコム博士 / ジュラシック・パーク(1993)

"Welcome to Jurassic Park."
(ジュラシック・パークへようこそ)
── ジョン・ハモンド / ジュラシック・パーク(1993)

"Clever girl."
(賢い子だ)
── ロバート・マルドゥーン / ジュラシック・パーク(1993)

"Your scientists were so preoccupied with whether or not they could, they didn't stop to think if they should."
(あなたの科学者たちは、できるかどうかに夢中で、やるべきかどうかを考えなかった)
── イアン・マルコム博士 / ジュラシック・パーク(1993)

"God creates dinosaurs, God destroys dinosaurs. God creates Man, Man destroys God. Man creates dinosaurs."
(神が恐竜を創り、神が恐竜を滅ぼし、神が人間を創り、人間が神を滅ぼし、人間が恐竜を創る)
── イアン・マルコム博士 / ジュラシック・パーク(1993)

"Dinosaurs eat man... Woman inherits the earth."
(恐竜が人間を食べ……女性が地球を受け継ぐ)
── エリー・サトラー博士 / ジュラシック・パーク(1993)

"Hold on to your butts."
(しっかり掴まってろよ)
── レイ・アーノルド / ジュラシック・パーク(1993)

"Mommy's very angry."
(ママはとても怒ってる)
── サラ・ハーディング博士 / ロスト・ワールド(1997)

"That is one big pile of shit."
(こいつはとんでもないうんこの山だ)
── イアン・マルコム博士 / ジュラシック・パーク(1993)

"We're gonna make a fortune with this place."
(このパークで大儲けするぞ)
── ジョン・ハモンド / ジュラシック・パーク(1993)

"The park is gone."
(パークは終わった)
── クレア・ディアリング / ジュラシック・ワールド/炎の王国(2018)

1作目に名セリフが集中しているのは、マイケル・クライトンの原作小説とデヴィッド・コープの脚本が持つ文学的な力による。 特にマルコム博士の台詞群は、科学技術の進歩に対する根本的な問いかけとして、映画の枠を超えて引用され続けている。

 

CG・VFX技術の30年進化史

ジュラシック・パークシリーズは、映画の視覚効果技術の進化そのものを体現してきたフランチャイズである。 1993年のCGわずか7分間から2025年のLEDボリューム撮影まで、各作品が採用した技術的革新を年表形式で追う。

公開年 作品 主要技術
1993年 ジュラシック・パーク ILMによるCG(全編中約7分間)+スタン・ウィンストン工房の実物大アニマトロニクス
1997年 ロスト・ワールド CG比率の大幅向上。ステゴサウルスの群れなど多数の恐竜が同時に動くシーンを実現
2001年 ジュラシック・パークIII アニマトロニクスの進化。全長約13.7メートルのスピノサウルス実物大模型を製作
2015年 ジュラシック・ワールド 恐竜を全面的にCGで描写。モーションキャプチャー技術を活用した自然な動きの追求
2018年 炎の王国 実物大アニマトロニクスの復活。インドラプトルの頭部・首・肩の実物モデルを製作
2022年 新たなる支配者 羽毛恐竜(ピロラプトル)のCG表現。風・水中での羽毛の挙動シミュレーションを実装
2025年 復活の大地 LEDボリューム(バーチャルプロダクション)撮影の導入。タイ・マルタ・イギリスでロケ

1993年のジュラシック・パークは、CGが映画の主役を張れることを世界に証明した歴史的転換点であった。 スピルバーグは当初ストップモーション・アニメーションでの撮影を予定していたが、ILMのデニス・ミューレンらが提示したCGテストの品質に衝撃を受け、方針を転換した。 結果として生まれたCGとアニマトロニクスの融合手法は「ハイブリッド・アプローチ」と呼ばれ、以降の映画製作における標準的な手法となった。

2015年のジュラシック・ワールドではCGの比重がさらに増し、恐竜のほぼすべてがデジタルで描かれた。 一方で2018年の炎の王国ではJ・A・バヨナ監督の方針により実物大のアニマトロニクスが復活し、俳優が実際に触れて演技できる環境が重視された。 この揺り戻しは「デジタルだけでは得られないリアリティがある」という現場の実感に基づいている。 2022年の新たなる支配者では、シリーズ初の全身羽毛恐竜であるピロラプトルが登場し、羽毛の物理演算という新たな技術課題に挑戦した。 そして2025年の復活の大地では、LEDウォール上に背景映像をリアルタイム投影するバーチャルプロダクション技術が導入された。 32年にわたるシリーズは、映画VFXの進化をそのまま年表にできる貴重なフランチャイズである。

 

原作小説と映画の違い ── クライトン作品の映像化比較

ジュラシック・パークシリーズの原点は、マイケル・クライトンが1990年に発表した小説『ジュラシック・パーク』である。 スピルバーグによる映画化にあたり、物語の骨格は維持されたものの、キャラクターの運命や恐竜の設定には大きな改変が加えられた。 主要な相違点を整理する。

要素 原作小説 映画
ジョン・ハモンドの結末 プロコンプソグナトゥスに襲われて死亡 生存し、島からの脱出に成功。続編にも登場
イアン・マルコムの生死 1作目で死亡(後に続編で復活が示唆) 1作目で重傷を負うが生存。2作目の主人公に
ハモンドの人物像 金儲け優先の冷酷な実業家 夢を追う善意の老人として描かれる
ヴェロキラプトルの体格 実際の化石サイズに近い描写 デイノニクスを参考に大型化(体高約1.8メートル)
島の最終処理 コスタリカ空軍のナパーム弾で焼却 島は存続し、続編の舞台となる
子供たちの年齢設定 ティムが年上、レックスが年下 年齢が逆転。レックスが姉、ティムが弟に

最大の相違点はハモンドの運命である。 原作のハモンドは利益至上主義者として描かれ、自らの創造物に殺されるという因果応報的な結末を迎える。 しかしスピルバーグはハモンドを「夢を追い続ける善良な老人」に改変し、リチャード・アッテンボローの温かみのある演技と相まって、観客の共感を得るキャラクターに仕上げた。

マルコム博士の扱いも大きく異なる。 原作では1作目の終盤で死亡するが、クライトンは映画のヒットを受けて1995年に続編小説『ロスト・ワールド』を執筆し、マルコムを「実は死んでいなかった」として復活させた。 第2作の原作と映画の乖離はさらに大きく、原作はイスラ・ソルナ島での純粋な探検譚であるのに対し、映画ではサンディエゴにT-REXが上陸するという原作にないクライマックスが追加された。 クライトンの原作はハードSFとしての科学的考証に重きを置くのに対し、映画は感情的な体験とスペクタクルを優先している。

 

歴代メインテーマ・音楽担当一覧

ジュラシック・パークシリーズは歌唱による主題歌を持たない。 その代わりに、ジョン・ウィリアムズが1993年に作曲したメインテーマが全7作を通じてシリーズの音楽的アイデンティティとして受け継がれてきた。

No 作品(公開年) 音楽担当 備考
1 ジュラシック・パーク(1993) ジョン・ウィリアムズ オリジナルメインテーマを作曲。アカデミー賞ノミネート
2 ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク(1997) ジョン・ウィリアムズ 1作目のテーマを発展させつつ新モチーフを追加
3 ジュラシック・パークIII(2001) ドン・デイヴィス ウィリアムズのテーマを継承しつつ独自のスコアを担当
4 ジュラシック・ワールド(2015) マイケル・ジアッキーノ ウィリアムズのテーマを随所に引用。新テーマも作曲
5 ジュラシック・ワールド/炎の王国(2018) マイケル・ジアッキーノ ゴシックホラー調のスコアで作品の異色性を音楽面から支える
6 ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(2022) マイケル・ジアッキーノ 旧キャスト復帰に合わせて1作目のテーマを大々的に使用
7 ジュラシック・ワールド/復活の大地(2025) アレクサンドル・デスプラ 新章に合わせて作曲家も交代。ウィリアムズのテーマは継承

ジョン・ウィリアムズが1993年に生み出したメインテーマは、壮大なホルンの旋律によって「畏敬と驚異」を表現した映画音楽の傑作である。 初めてブラキオサウルスの姿を目にするシーンでこのテーマが流れた瞬間は、映画史に残る名場面として広く知られている。 ウィリアムズは2作目まで自ら手がけた後、3作目以降は他の作曲家にバトンを渡した。

3作目のドン・デイヴィスはウィリアムズのテーマを敬意をもって引用しつつ、よりダークなトーンの独自スコアを加えた。 新三部作を担当したマイケル・ジアッキーノは、スター・トレックやカールじいさんの空飛ぶ家で知られる作曲家であり、ウィリアムズのテーマを要所で効果的に使用しながら、自身の新テーマで物語の展開を支えた。 特に炎の王国では、洋館シーンに合わせたゴシック調の旋律が作品の独自性を際立たせている。 2025年の復活の大地では、アカデミー賞受賞歴を持つアレクサンドル・デスプラが新たに起用された。 30年以上にわたってウィリアムズのメインテーマが受け継がれてきた事実は、ひとつの旋律がフランチャイズ全体の求心力になり得ることの証明である。

 

全作品の公開日・興行収入一覧

ジュラシック・パークシリーズ全7作の日本公開日と全世界興行収入を一覧にまとめた。 シリーズ累計の全世界興行収入は約69億ドルに達し、映画史上有数のフランチャイズである。

No 日本公開日 タイトル 全世界興行収入
1 1993年7月17日 ジュラシック・パーク 約10億3,000万ドル
2 1997年7月12日 ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク 約6億1900万ドル
3 2001年8月4日 ジュラシック・パークIII 約3億6900万ドル
4 2015年8月5日 ジュラシック・ワールド 約16億7200万ドル
5 2018年7月13日 ジュラシック・ワールド/炎の王国 約13億800万ドル
6 2022年7月29日 ジュラシック・ワールド/新たなる支配者 約10億400万ドル
7 2025年8月8日 ジュラシック・ワールド/復活の大地 約8億6900万ドル

 

関連作品

ジュラシック・パークシリーズは映画7作だけでなく、アニメシリーズや関連監督作品にも広がりを持つ。 ここではシリーズの世界観を補完するアニメ作品と、復活の大地の監督ギャレス・エドワーズの代表作を紹介する。

Netflixで配信されたCGアニメシリーズで、全5シーズン・全62話が制作された。 映画ジュラシック・ワールド(2015)の裏側で展開される物語であり、恐竜テーマパークの「キャンプ・クレタセウス」に参加した6人のティーンエイジャーが、インドミナス・レックス脱走事件に巻き込まれて島に取り残されるという設定である。 シーズンが進むにつれてイスラ・ヌブラル島を脱出し、新たな島や本土での冒険が描かれた。 映画本編との時系列リンクが緻密で、映画では描かれなかったパーク崩壊の裏側を補完する内容となっている。

GODZILLA ゴジラ(字幕版)

GODZILLA ゴジラ

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ジュラシック・ワールド/復活の大地(2025)のギャレス・エドワーズ監督が、シリーズ参加前に手がけた怪獣映画である。
日本が生んだゴジラをハリウッドでリブートし、全世界興行収入5億2900万ドルのヒットを記録した。
エドワーズ監督は巨大生物の存在感を「見せない恐怖」で演出する手法に長けており、ゴジラの全身を長時間見せずに焦らす演出が高く評価された。 この「巨大生物の威圧感を抑制的な見せ方で最大化する」演出哲学は、復活の大地にも色濃く反映されている。

 

まとめ

ジュラシック・パークシリーズ全7作を振り返ると、1993年の原点から2025年の復活の大地まで、30年以上にわたって「恐竜と人類の関係」を描き続けてきたことが分かる。 スピルバーグが生み出した「もしも恐竜が蘇ったら」という問いかけは、科学技術の発展とともに形を変えながら、常に新たな物語を紡いできた。
CG技術わずか7分間から始まったシリーズは、映画の視覚効果技術そのものの歴史と重なっている。 全世界累計興行収入約69億ドルという数字は、このフランチャイズが世代を超えて愛され続けている何よりの証拠である。

バンカー荒木 バンカー荒木
1993年にスピルバーグが映画史に打ち込んだ杭は、30年以上経った今も抜けていない。恐竜が蘇るという途方もない夢を「文化」にまで高めた功績は、映画というメディアの力そのものだ。
ロジック中田 ロジック中田
シリーズ累計約69億ドルという興行成績は、単なる数字ではなく全世界の観客が劇場に足を運び続けた証です。復活の大地の新キャスト戦略が今後の数字にどう影響するか注目ですね。
ポップ結衣 ポップ結衣
子供のころにジュラシック・パークを観て恐竜に夢中になった人が、今は自分の子供と一緒に復活の大地を観に行っていると思うと、このシリーズの凄さを改めて感じます。